2021年度全日本学生選手権大会（インカレ）本戦
2021年08月16日(月)～22日(日)
四日市テニスセンター
昨年度に引き続き三重県四日市で開催されている全日本学生選手権大会（インカレ）本戦がスタートした。天候不良から予定通りの試合進行が困難となり、スケジュールの変更が余儀なくされる難しい状況の中、法大からは男子5名、女子1名の計6名がシングルスにエントリーし、そのうち4名が3回戦進出を果たした。
| 勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
|---|---|---|---|
| 〇 | 中川舜祐(社4) | 6-2,6-3 | 奥平駿(甲南大) |
| 〇 | 新井翼(スポ1) | 7-5,6-3 | 守屋岳(筑波大) |
| 勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
|---|---|---|---|
| 〇 | 中川舜祐 | 6-2,6-3 | 相馬光志（福岡大） |
| 〇 | 矢島淳揮（スポ3） | 6-1,4-6,10-6 | 清水盾伎（中央大） |
| 〇 | 新井翼 | 6-3,6-0 | 佐藤太耀（現2） |
| ● | 大田空（スポ2） | 1-6,2-6 | 下村亮太朗（慶大） |
| 勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
|---|---|---|---|
| 〇 | 猪川結花（社3） | 6-0,6-2 | 沖野真奈美（松山大） |
男子シングルス1回戦
順当に予選を勝ち抜き男子シングルス本戦1回戦に登場した法大の主将・中川。序盤から鋭い球を連発して相手を翻弄。第1ゲーム、第3ゲーム、第5ゲームとブレイクを果たし、危なげなくファーストセットを先取した。続くセカンドセット。第5ゲームまでは両者一歩も譲らず拮抗した展開に。しかし、第7ゲームを皮切りに中川が3ゲーム連続で奪取。途中、足の痛みに思わず声を上げる場面もあったが、6-2、6-3のストレート勝利で2回戦進出。試合後には「ラストしっかり勝ち上がって単複で優勝したい」と意気込んだ。
予選を突破し1年生ながらインカレ本戦出場権をつかんだ新井翼が1回戦に登場。第1ゲームをサーブミスにより、いきなりブレイクされるところから試合は始まる。しかし、相手に流れを渡すことなくブレイクバックに成功。だが再び第5、第7ゲームとブレイクされ、ゲーカウントは2-5に。しかしここから大逆転が始まる。持ち前のフォアハンドを武器にブレイクバック、さらに第10ゲームでもブレイクに成功し、タイブークへ。「40-40の場面で逆クロスにエースを取ることができた流れからセットとれた」と試合後語ったように、第12ゲームでブレイクしこのセットをものにする。続くセカンドセット。ファーストセットからの勢いにのり、第2ゲームをブレイク。さらに力強いストロークで相手のミスを誘い、第4、8ゲームもブレイクに成功し試合終了。2回戦の同校対決へ駒を進めた。
（取材：鳥越花音・溝口真央）
ー試合を振り返って
予選もあったので、あまり緊張はしていなかったです。勝てて良かったです。
ーインカレは予選からでしたが調子は？
調子自体はそこまで悪くないと思います。ただ、予選はそこまで相手が強くなかったので、自分がどれくらいなのかというのはあまり分からなかったですね。
ー春関で負傷した足の具合はいかがですか？
足の調子も悪くないので、怪我をしない程度に動いて頑張ろうかなと思います。
ーラストイヤーにかける思いは。
マジで優勝したいです。（春関で）怪我をしてしまい1ヶ月くらいテニスができませんでしたが、優勝できるくらいの実力はまだ残っていると思うので、しっかり勝ち上がって単複で優勝したいです。
ー次の試合への意気込みをお願いします。
シングルスはもうやることは決まっているので、しっかり自分の強いところを最大限に出し切って勝ちたいと思います。
－試合を振り返って
ファーストセットは、ファーストサーブやストレートへ攻めようと思っていました。3本連続40-40を取れず（ゲームカウントが）2-5までいってしまって、ダメかなと思ってんですけど、周りの人たちの応援のおかげもあって5-5まで巻き返すことができました。その後も40-40の場面で逆クロスにエースを取ることができた流れから、セットを取り切ることができました。セカンドセットは4-0までいったんですけど、相手が足を怪我していたみたいで、アンダーサーブを打ってきたこともあり、逆に僕も詰まったり緊張してきてしまって、4-3まで追い上げられてしまいました。そんな中でも、やっぱりもっと攻めようと。そう思って攻めていったので勝ち切ることができました。
－コンディションはいかがでしたか？
コンディションは良かったです。体力がないので、ファナイルまでいっちゃうと結構キツイですよね。そういった意味でも、ここまでは全部ストレートで勝ち切ることができているので良かったです。
－はじめてのインカレはいかがですか？
初めての全国なんで、こんなに勝てると思っていませんでした（笑）。
－勝てている要因は？
やっぱり環境が良くなったからですかね。部の先輩もみんな強くて、夜遅くまで練習してくれます。先輩がみんな強いので、そういった人たちと試合をしているからか、最近は（公式戦で）球が遅いなと思うようになりました。ここまできたらやっぱりもっと勝ちたいじゃないですか。もっと強い選手と試合したいので、楽しみながら頑張りたいと思います。
－自分が得意とする（目指している）プレーは
理想はサーブとフォアで攻めて、ボレーで決めたいんですけど、ボレーが下手すぎて決まらないんですよね。ボレーは下手なんですけど打たなきゃ勝てないので頑張ってます。
－法大に入学することになった経緯
1部でやりたいなとは思っていたんですけど、法政から声が掛かるとは思っていませんでした。7月くらいに連絡が来て、「行きます」と返事をしてのですぐ決まっちゃって。行きたいと目星をつけていた大学には法政も入っていたので、即決めました。
－選手として目指す姿は？
いろんな人から応援される選手になりたいです。来年は後輩もできますし、後輩から憧れてもらえる選手になりたいですね。中川さんみたいな強い先輩になりたいです。
－同期はどのような雰囲気ですか？
みんなやる気があります。今回のインカレに出場している同期が、さっき試合をしていた女の子（上伊倉）しかいないんですよ。男子は3人いたんですけど、2人は負けてしまったので、みんなの分まで頑張りたいですね。勝てば同期への刺激にもなると思います。
－インカレでの目標や意気込みをお願いします
みんな強いのでチャレンジーとして、どんどんフォアハンドで打っていって、優勝目指して頑張ります。
男子シングルス2回戦
予選から圧倒的な強さを見せつけ勝ち進む中川舜祐。序盤から流れを掴み、5ゲームを連取。第7ゲームでブレイクを許したものの、自分のペースを乱すことなく6-2でファーストセットをものにした。続くセカンドセットでは両者がブレイクしあう展開となったが、持ち前の力強いフォアで6-3。セカンドセットも中川に軍配が上がった。3回戦の相手は昨年の春関、インカレインドア共に敗戦を喫した筑波大の田形諒平。「ファーストセットを取ってからが勝負だ」と意気込む中川。強敵相手に勝利を収め、また一歩優勝に近づくことができるか。
矢島淳揮は清水盾伎(中大)と対戦。第1セットは開始早々ブレイクを奪い、流れをつかむとそのまま6-1でこのセットをものにする。しかし、第2セットになると相手ペースで試合が進み、第1ゲームから4ゲーム連続で取られてしまう。終盤持ち直すも4-6となり、試合は最終セットへ。雨で試合が一時中断し、少し時間が空いた中だったが、「自分から攻めるという強気な姿勢を出せた」と第2セットから気持ちを切り替え、攻めのプレーを見せる。最後は10-6で接戦を制し、3回戦進出を果たした。
シングルスでは初のインカレ本戦出場となった大田は下村亮太朗(慶大)と対戦した。第1セット序盤はサーブやネットプレーでポイントを重ねる。しかし中盤以降、相手に主導権を握られて立て続けにブレイクを許し、このセットを落としてしまう。流れを変えたい第2セットでは第2ゲームをブレイクし、勢いに乗ったかと思われたがその後は再び苦しい展開となり、3回戦進出とはならなかった。中川と組むダブルスでの上位進出に期待したい。
2年生佐藤と1年生新井の同校対決となったこの試合。ファーストセット序盤は予選から着実に勝ち上がってきた新井が3ゲーム連取。続く第4ゲームはなんとか佐藤がキープしたものの、激しいラリーを制した新井に第6ゲームをブレイクされ5-1に。その後、佐藤は粘り強いプレーでブレイクを果たすも、新井の勢いは止まらず、6-3で新井に軍配が上がった。佐藤にとっては何としても流れを掴みたいセカンドセットであったが、ミスが増えるばかり。対する新井は春関からインカレまでの練習の成果を遺憾なく発揮し、1ゲームも落とすことなく、ストレートで快勝した。試合後、「僕の分まで頑張ってほしい。頑張れ、新井！」と後輩にエールを送った佐藤。先輩の想いを胸に、新井はベスト16進出なるか。
（取材/齊藤彩名・溝口真央）
ー試合を振り返って
相手も調子が良くなかったのか、あまり自分から仕掛けることもなく5-0までいきました。いい感じかなと思っていたら流れが悪くなってしまったので、そこをしっかり締めきることができるようにならないとなと思いました。
ー春関からインカレの少ない期間で行った調整や強化した点
足を怪我して春関が終わってしまい、その日にギプスで固定して松葉杖をつくようになりました。足を動かすことはできなかったけれど、上半身のトレーニングとかはできたので、たくさん食べて、ウエイトトレーニングをして、皆んなからゴツくなったと言われるくらいに上半身と体幹を強化しました。練習できるようになってからは本当に「戻す、戻す」と思って、自分の武器のフォアをどれだけ使えるかということを意識して練習しました。
ー本日のプレーで良かったところ
ノーアドで40オールになったポイントが10回くらいととても多く、それが取れるか取れないかで天と地の差だと思います。そういう所を強気で攻め切れて、8割取れたのでそこがすごく良かったと思います。
ー次戦は筑波大の田形選手との大一番になります
昨年の春関ではベスト8で負けて、インカレインドアもベスト8で負け。そこでの負け方から、ファーストセットをスッと6-3くらいで取ってからが勝負かなと思います。あとは足の調子もありますけど、そこは気にしても仕方がないので頑張ります。本来ならこんなところで当たるような相手ではないんですが、優勝しか見えてないのでしっかり勝って優勝します。
―試合を振り返って
ファーストセットは僕が良かったというより相手が簡単なミスをしていたので、ミスをしなければポイントを取れるという気持ちでプレーできたので余裕がありました。ですが、第2セットになって相手が簡単なミスをしなくなった時に、ファーストと同じようなテニスをしてしまって。自分から点を取りにいくというより、相手のミスを期待するプレーが多くなり、セカンドを取られてしまいました。ただ、最後は相手に打たせつつ、チャンスがあったら前に入って打つという攻めの姿勢を持てたことが勝因かなと思います。
―今日のプレーで良かった点は
いつもなら気持ちが沈んでしまって守りに入ってしまうことが多い場面で、今日は自分から攻めるという強気な姿勢を出せたことが良かったと思います。
―春関から強化した点は
僕はサーブがあまり良くなくて。背が小さいのでスピードが出せない分、(サーブが入る)確率を意識していました。そういう意味では、今日は良いサーブが打てなかったですし、良い確率でもなかったのでまだ一番の課題はサーブかなと思います。
―次の試合に向けて
次の相手が早稲田の選手で、団体戦も出ていて(今後も)当たる可能性があるので、まずはこの個人戦で勝ちたいです。また、昨年ベスト16だったので、勝って今年もベスト16に行けるように頑張ります。
ー試合を振り返って
いつも練習とかを一緒にする中で試合もやってもらったりしているんですが、強くていつもは勝てませんでした。今日はチャレンジャーのつもりで最初から全力でやったら、それが良い形になって自分らしいポイントを2セット目の最後まで取ることができたので、勝つことに繋がったのかなと思います。
ー試合を通じて良かった点は？
予選から今日で4試合目だったので、結構体も疲れていました。なるべく早く試合を終わらせたいと思って、積極的にポイントを取りに行けたことが今日の試合を通して良かったことの1つかなと思います。
ー春関からインカレの短い期間で行った調整や力を入れたこと
春関はつなぐだけのテニスだったんですが、練習していくうちに「もっと打てるな」と思い始めました。そこから高い打点で打つことを意識したらプレーが良くなってきて、「これが僕のテニスかもしれない」と。それをやり続けたら上手くいったので、勝てたのかなと思います。
ー同校対決となりました
いつも僕は負けていたので当たって砕けろ、どうせやるなら悔いの残らないよう全力でやろうと思っていました。結果的に今日はそれが上手くいきました。同じ大学なのでこれからも切磋琢磨して、目標でもあるインカレ優勝を目指していきたいと思います。
ー次の試合への意気込みをお願いします
僕はチャレンジャーで常に一試合一試合全力でやることしかできないので、次の試合も一球一球全力でポイントを取りにいきたいと思います。
ー同校対決となりましたがいかがでしたか？
後輩との試合ということで、自分の中ではやりにくさは感じていなかったのですが、いざ始まったら「負けられないな」というのが出てきて。そこで少し自分が引いてしまった部分もあったと思います。
ー調子はいかがでしたか？
調子は正直良くありませんでした。毎日走ったり、トレーニングをしてきたんですが、三重にはあまり試合会場と同じハードコートがなく、試合会場と同じ環境で練習ができてなかったので、少しやりづらさもありました。
ー敗因はどこにあったと思いますか？
相手がすごく良いプレーをしていたので、そこで僕が引いてしまったんですよね。大学で試合をするときはこうすれば勝てるというのがあって、今回もそれをやろうとしたんですが、相手はそれを上回るような調子の良さでした。プレーを変えていこうと思っていたんですが、自分が勝手にミスをしてしまって中々変えることができなかったので、まだまだ未熟だと思いました。
ー春関からインカレの短い期間で行った調整や力を入れたこと
テンポを上げて下がらないプレーをしていくことと、サーブの強化をしていくべきだったのですが、どちらもまだ中途半端でした。サーブも自信が無い状態で打ってしまって、下がってプレーをしてしまったので、そこは強化したかったのにできなていなくてショックでした。あとはファーストサーブで相手を崩すことができていないので、そこを強化したいと思います。
ー新井選手に一言
次も厳しい戦いになると思うんですが、出来る限りベストを尽くして、ノッているときに行けるところまで行って僕の分まで勝ってくれって感じです。頑張れ、新井！
ーインカレの総括をお願いします
ダブルスから何日か空いてシングルスをやって、すぐに負けてしまって。少しイレギュラーな日程でしたが、その中で結果を見ると自分のプレーとか心がブレていたことがわかりました。どんな状況でも勝てるようにまた舞い戻っていきたいと思います。
女子シングルス2回戦
法大女子勢で唯一、シングルス本戦に出場する猪川が2回戦から登場。中国四国大会王者の沖野真奈美（松山大）と対戦した。序盤から強打を連発する相手に対し、パワーと攻撃の多彩さで上回る猪川が圧倒する。最後は見事なバックハンドウィナーで6-0。相手に1ゲームも与えない完璧な試合運びで、ファーストセットを奪った。セカンドセットに入っても流れは猪川。4-0と大きく相手を突き放す。終盤には相手も意地を見せ反撃に出るが、6-2で逃げ切った猪川が3回戦進出を決めた。快勝を収めた一方で、自身のミスから2度のブレイクを許すなど、課題も露わになったこの試合。次戦までの短い時間ではあるが、上位進出へ向け、修正を図りたいところだ。
（記事・写真/宮川昇・鳥越花音）
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