【ハンド】2017年度関東学生ハンドボール連盟秋季リーグ戦 第2節 法政大18—33早稲田大 大差がついた後半 開幕連敗スタート
2017年度関東学生ハンドボール連盟秋季リーグ戦 第2節 法政大—早稲田大
2017年8月27日(日)
日本大学八幡山体育館アリーナ
開幕戦黒星の法大は今季初勝利を狙ったが、早大相手に敗れて連敗スタートとなった。前半は粘り強い守備を見せ、4点ビハインドで食い止めていたが、後半は倍近い得点を許してしまった。
試合結果
トータル試合結果
18 法政大学 |
8 | 前半 | 12 | 33 早稲田大学 |
---|---|---|---|---|
10 | 後半 | 21 |
スターティングメンバー
ポジション | 選手名 | 学部・出身校 | 今節得点 | 今季得点 |
GK | 深井亮太 | 理工3・浦和学院 | 0 | 0 |
CB | 福本直也 | 経済3・法政二 | 1 | 1 |
RB | 内門竜之介 | 経済4・鹿児島工業 | 1 | 8 |
LB | 山本祐輝 | 社会2・浦和学院 | 1 | 6 |
RW | 本田拓海 | 社会2・法政二 | 3 | 4 |
LW | 高間アミン | 経済4・富岡 | 0 | 5 |
PP | 下條輝 | スポ健4・法政二 | 1 | 3 |
交代選手
ポジション | 選手名 | 学部・出身校 | 今節得点 | 今季得点 |
GK | 福本吉成 | 経済1・北陸 | 0 | 0 |
CB | 山本晃大 | スポ健2・大分雄城台 | 3 | 5 |
LB | 沖山葉太 | スポ健3・法政二 | 0 | 0 |
LB | 松岡寛尚 | 経済2・藤代紫水 | 7 | 7 |
RB | 服部流征 | 経済2・高岡向陵 | 0 | 1 |
LW | 田島走 | 社会3・藤代紫水 | 0 | 0 |
PP | 斉藤航大 | 経済4・浦和学院 | 1 | 1 |
秋季リーグ 結果
節 | 日付 | 対戦校 | 結果 | 会場 |
1 | 8月26日(土) | 中央大 | ●26-37(詳細) | 日本大八幡山 |
2 | 8月27日(日) | 早稲田 | ●18-33 | 日本大八幡山 |
3 | 9月2日(土) | 東海大 | 日本大八幡山 | |
4 | 9月3日(日) | 筑波大 | 日本大八幡山 | |
5 | 9月9日(土) | 日体大 | 国士舘大多摩 | |
6 | 9月10日(日) | 日本大 | 日体大健志台 | |
7 | 9月16日(土) | 順天堂 | 明治大和泉 | |
8 | 9月17日(日) | 国士舘 | 茨城県水海道 | |
9 | 9月23日(土) | 明治大 | 国士舘大多摩 |
戦評
開幕戦で勝利を逃した法大。今季初勝利をかけて、早大と対戦した。
序盤は互いに一歩も譲らない展開。3:3ディフェンスで試合に入った早大に対し、RWの本田拓海(社2)がその裏を突く形で得点を重ねる。早大のある種奇襲のような策だったが、佐藤浩監督は「こちらとしても十分プレスへの策はもっていますので、珍しい形ではありましたが、そこまで動揺することはありませんでした」と振り返った。3-4とビハインドを負った8分に内門竜之介(経4)が2分間退場を命じられるが、直後のPTを深井亮太(理工3)がストップ。その1分後にも決定的なシュートを浴びたが、深井が残した右足に上手く当てて防いだ。12分に本田がサイドから決めて4-4に追いつくと、早大は0:6ディフェンスに変更して対応する。
この引いて守る守備陣形に対し、法大は前半終了までの約18分間で僅か4得点に抑えられてしまった。ただ、ディフェンスではアグレッシブに前で当たり、2、3枚目の好連携や、1枚目によるクロスアタックなど、連動した守備で何とか食い止める。この膠着状態に差をつけたのは、18分から始まった早大の3連取。ユーゴなどで中央に侵入してくる伊舎堂博武の巧みなボール捌きや、山崎純平の0歩シュートなど、ハイレベルなプレーに翻弄された。前半を8-12で折り返す。
後半、巻き返したい法大だったが、いきなり痛い4連続失点。すぐさまタイムアウトを取り、後半から投入された松岡寛尚(経2)の得点で反撃の狼煙を上げる。その直後に3連取を許すが、山本晃大(スポ2)、下條輝(スポ4)が連続してシュートを沈め、スリークロスから松岡が豪快に決めて負けじと3連取返しに成功。勝利への希望をつなぐ。しかしここから6連続で失点するなど、堪えていた守備が決壊。50分の時点で12点ビハインドとなり、早大のワンサイドゲームとなってしまった。
「ノーマークの時に外すのが2試合通して多かったです」(本田)。後半に挙げた10得点中7得点を決め、一人気を吐いた松岡も「相手に連続得点をされてしまった時にこっちの雰囲気が暗くなってしまいました」と話した。流れを引き寄せるべき展開で、チャンスをモノにできなかったことを悔やんでいた印象だ。その要因として佐藤監督が挙げたのは「シュートコース」。下方向へのシュートに強い早大のGKを攻略するため、「多少態勢が悪くても上に打つことだったり、上を狙うそぶりを見せて、GKの腰の位置を上げてから下に打つ」と指示を出したが狙いはハマらなかった。とはいえ、点差ほどの実力差を感じなかったのも事実であり、秋季リーグ戦はまだ始まったばかり。ここからの巻き返しに期待がかかる。(下田朝陽)
監督・選手コメント
佐藤浩監督
—試合を振り返って
今日もそうですが、2日間ひどい試合をしてしまったと思います。
—その要因はどこにあると感じていますか
全体的に連携不足が露呈してしまい、それがオフェンスにもディフェンスにも出てしまっています。コンビネーションでのプレーに関しては、まず練習不足だというのが挙げられます。
—国体などでなかなか集まる時間がなかったとお聞きしました
確かにジュニアユースだったり、国体で選手が揃いにくかったのはあると思います。それが分かっているならばどうすべきだったのかというのを、練習方法の組み立てなどでもっとしっかり考える必要がありましたね。
—では今後は連携の構築にもう一度取り組んでいくのでしょうか
まだ7試合ありますので、ここで落ち込む必要は全くないと思います。先1週間に関しては、意図的にその部分への練習時間を長くして、どこが悪かったのか、それをどう改善していくのかというのを納得いくまで突き詰めようと指示しました。
—早大は3:3ディフェンスで試合に入りました。以前の試合では0:6ディフェンスが多い印象のチームでしたが
あれは意図的に、うちを混乱させるためにやってきたと思いますね。例えば、福本に変えて山本晃を投入して1対1を攻めるだとか、こちらとしても十分プレスへの策はもっていますので、珍しい形ではありましたが、そこまで動揺することはありませんでした。ですので、試合のポイントとしては、その後法政が自滅してしまったことだと考えています。ディフェンスでも2、3人は連動していても4人目で崩されてしまう場面も多くありました。
—相手フローターへはかなりアグレッシブに当たっていましたね
早稲田の2番、7番と力のある選手がいる中で、より高い位置で当たろうという話をしていました。ですが、その後ろのカバーが連動できない場面が多くなってしまいました。練習でも勿論取り組んでいますが、やはり試合になると相手のレベルが高くなりますので、また違った状況が出てきます。ちょっとした差だとは思いますが、それがスコアに2試合続けて出てしまった形です。例えば、少しコンビネーションが合わなくなってしまって、シュートコースが狭まってしまい、相手GKに止められてしまうような流れですね。
—早大のGKはかなり下へのシュートに強い印象を持ちました
そうでしたので、ハーフタイムに「下しか打てない状態でのシュート」「下を見て下を打つシュート」は決まらないと選手たちに声をかけました。相手のGKは早めに下に沈みますので、多少態勢が悪くても上に打つことだったり、上を狙うそぶりを見せて、GKの腰の位置を上げてから下に打つといった指示を出しました。ただ、僕も現役時代はGKでしたので、その目線から言わせていただくと、この2試合は相手のGKがかなり好調だったと思います。こっちのGKも悪くはないのですが、相手と比較した時に少し劣ってしまったかなという印象です。そういった意味では仲村を欠いているのは少し痛いかなと思います。
—GKが2人体制だと厳しい部分も出てきますか
やはり3人目がいないと、ペースが悪くなった時にGKを入れて流れを変える、といったことがやりづらくなります。福本吉と深井はタイプの違うGKで、福本吉に関してはオーソドックスなタイプで、深井の方は相手を誘い出して止めるキーピングをします。通常ならば2人がうまくいかなくなった時に仲村を出すのですが、今日に関しては2人ということで、深井を二度起用する形になりました。ただ、点を多く決められた後にもう一度出て、調子を取り戻すというのは非常に難しいことですので、駒が少ないと厳しい部分も出てきます。
—今後への抱負を
連敗スタートですが、個人の能力では劣っていないと思います。先ほども言ったようにコンビネーションの問題だと分析しています。(コンビネーションは)体力的に消耗せずに練習できるものですので、時間を使いながら、本来やりたいハンドボールを来週からできるように頑張ります。
本田拓海
—試合を振り返って
昨日の試合が駄目な試合だったので、みんなで切り替えていこうという話はしてました。立ち上がりは相手についていけた気がしましたが、相手の調子が良くなってきたときに、勢いに負けてずるずるやられました。気持ちで負けた部分もありましたし、自分たちの切り替えもうまくいかなかった感じです。
—個人のプレーとしては
ディフェンスはカットやクロスアタックなどいつも通りのプレーができました。オフェンスは審判に合わせられなかった部分が少し出てしまったのでオフェンスもディフェンスもバランスよくやっていきたいです。
—マッチングした相手は本田選手と似たプレースタイルの選手だったと思いましたが
向こうの方がスピードがあるので相手の切りや速攻に対して警戒しておかないといけないなと意識してました。
—チーム全体として得点を重ねられていませんが、その原因は
自分もですがノーマークの時に外すのが2試合通して多かったです。あと流れが来た時に点を積み重ねられないというのができていなかったかなと思います。
—今季の意気込み
この2試合の結果はもうどうにもならないので、切り替えてここから全部勝つつもりで、全員で気持ちを入れてやっていきたいと思います。
松岡寛尚
―試合を振り返って
点差は結構開いてしまいました。相手に連続得点をされてしまった時にこっちの雰囲気が暗くなってしまいました。特に試合に出ているメンバーが暗くなってしまったと思います。その雰囲気を引きずってしまい、昨日今日と大差になったので明後日のミーティングでしっかり話し合って修正したいと思います。
―後半で試合に入った時の心境はいかがでしたか
昨日はパスを捌いてばかりでした。そういうプレーだけでは、ディフェンスが自分に当たってこないので、今日は自分で点を取りに行こうという気持ちでした。
―早大の印象は
背が大きくて、フィジカルが強いチームだと思っています。法大には身長の高い選手がそんなにいないのでフットワークを使って前に当たろう、と話をしてたんですけど今日それができなくて上から打たれてしまいました。
―抑えられなかった選手は
前半は左利きの伊舎堂(博武)さんです。彼に捌かれてパスを受けた選手に上から打たれてしまいました。後半は西山(尚希)さんというエースの選手で、全部フィニッシャーにさせてしまいました。あの勢いでやられると、結構厳しかったです。
―これで開幕2連敗となってしまいました
序盤は勝てる可能性のある試合でした。この負けのただの負けに受け止めるのではなくて、次の試合に繋げられるようにしたいです。
―次節に向けて警戒してる選手はいますか
センターの堤(裕太)さんが東海大の柱となっている人で、パスも出せて自分でも点が取れる選手です。その選手を抑えれば勝つ可能性は上がると思うので、しっかりとマークして戦いたいです。佐藤立盛さんも上からのシュート力がすごい選手なので、その2人を抑えられるかが鍵になると思います。
フォトギャラリー
- 今季初勝利を狙った
- 速攻から得点も決めた山本祐
- 高間は無得点に終わった
- 松岡は後半だけで7得点
- 本田は前半早々に3得点
- 戦況を見つめる佐藤監督
- 田島はディフェンスで持ち味を発揮した
- 内門は厳しいマークに遭った