【硬式野球】秋季リーグ開幕直前特集 第11回 ~し烈な定位置争いをする3年野手編②~
2017年9月6日(木)
法政大学野球部合宿所
最後に法大がリーグ戦を制したのは12年の秋。現在のチームにその歓喜を知る選手はいない。3位に終わった春の悔しさを胸に過ごした3か月。リーグ戦開幕を直前に控え、士気を高める彼らの現在の心境を伺った。第11回は斎藤卓拓、原田寛樹、吉岡郁哉の3人。ベンチ入りメンバーを争う彼らに、今季の意気込みを語っていただいた。
選手インタビュー
斎藤卓拓 外野手
ー改めてリーグ戦初先発出場を果たした昨季を振り返って
本当に初めてで、新人戦はベンチには入っていたのですがスタメンで出ることは無くて。前日にも何も伝えられていなくて、神宮に到着してロッカールームでスタメンを言われた時に初めて言われて。もう、「2番レフト斉藤」と呼ばれて返事もまともに出来なかったくらいでしたね。リーグ戦のメンバーに入ってみて、リーグ戦全部を戦っていくのは本当にキツかったのですが、とにかく必死にという感じでしたね。
ー自分のどこを評価されたと考えていますか
2年生までずっとBチームでやってきて、気持ちも切れかけていた部分もあったのですが、2月の終わりの全員で行く鴨川キャンプで全員アピールする場があって、そこでうまくアピールが出来たのかなと思います。特に、5人くらい朝に呼ばれてみんなが練習する前にグラウンドでノックなどの練習をするメンバーに選んでもらえて、そこで1時間くらいノックをする中でエラーをしなかったんです。それを監督も見てくれていて、そこから入れてもらえてといった感じでしたね。
ー「気持ちが切れかけていた」ところからここまで這い上がれたのは技術面だけでなく気持ちの部分も大きかったですか
気持ちが切れかけてはいたのですが、自分はスポーツ推薦ではなくて指定校で入ってきていて、今も二寮にいて。その中でずっとBチームで練習をしていて、1人だったらもう諦めてしまうではないですけど、二寮の同期がいたから頑張ろうと思えたし、俺だけAに上がった時も代表というか、あいつらの気持ちも背負って、頑張ろうと思えましたね。
ー一塁走者コーチの姿が印象的でしたがその時の心境というのは
結構代走が多かった中終盤じゃないとほとんど代走は回ってこないんですけど、1回からずっとランナーコーチに行っていて、やっぱりランナーコーチから見えるピッチャーの癖だったりとか、少しでもそういうのを見つけてチームに還元できればなという気持ちが大きかったですね。
ー走者コーチの経験が生きてくることはありますか
初回からずっと見ているので、代走とかで出てもあまり緊張はしないというか、そのまま入れるのでむしろベンチから代走に行くよりもいい結果が出やすいですね。
ー自身の持ち味は
足と守備ですね。
ー夏合宿で特に力を入れた練習は
やっぱり守備と足に関しては高校からずっと力を入れてきたことで、大学に入ってからもすごく重きを置いていて、それで目立ってやろうという気持ちで練習していて。春のリーグ戦が終わって、11打席もらったのですが2安打しか出来なかったので、そういうこともあってリーグ戦は打たないとスタメンやベンチにも入れないんだなというのは痛感したので、夏はずっとバッティングに力を入れました。練習したのはもちろんなんですけど、周りのみんなに色々なことを聞いて、自分から話しかけて、「今バッティングについてこう考えているんだけど、どう思う?」というようなことを聞いて参考にしたりしていたこともあって、すごくバッティングの調子はよくなってきましたね。
ー定位置固定に向けてアピールしたい点は
簡単にヒットは出ないと思うので、今のチームでは中山(翔太,人3)を初め、バッティングのいい選手がすごく揃っているので、その中でしぶとくファウルだったり、繋いで繋いで中山や向山(基生,営3)の前にランナーを作ってということを徹底してチームの勝利に貢献したいです。
ー森(龍馬,キャ4)主将率いる今のチーム状況はいかがですか
やっぱり上級生3,4年生主体ですごくまとまりのあるチームで、上級生が肝になってくると思うのですが、その中でも1,2年生も上級生に萎縮することなくいい意味でのびのび出来ていて、1,2年生もいい結果が生まれていると思うので、チーム全体でも厳しさの中にいい雰囲気があってすごくいい状態だと思います。
ー4年生に対する想いは
今、4年生がスタメンであまり試合に出ていない状態なのですが、4年生の存在は本当に大きくて、ベンチに居てくれるだけで頼りになりますし、すごくしっかりしていて外を固めてくれているから3年生がのびのび出来ているというイメージがあるので、できるだけ長くやりたいですよね。すごいいい4年生です。
ーそういった4年生にどうやって恩返ししたいですか
4年生も一度も優勝していないので、本当に、優勝しかないと思います。結果にこだわっていきたいですね。
ー今シーズンの目標は
チームは色紙にも書きましたけど、優勝パレードです。個人は神宮を駆け回るのと、守備で魅せるということですね。
ー最後に意気込みをお願いします
指定校でこの大学に入れてもらって、監督にも今使ってもらえているので、その恩返しもそうですし、スポーツ推薦じゃないからこその泥臭さを見て欲しいです!
(取材:山口有沙)
社会学部3年 1996年10月18日生まれ
埼玉県出身・大宮西
169cm67kg 右投左打
俊足を武器とし代走としても活躍する他、守備も評価され昨季はリーグ戦先発を果たした成長株。打席ではつなぎの役割を果たし、指定校入学ながらの「泥臭さ」でチームを勝利へ導きたい。
原田寛樹 内野手
-ここまでのオープン戦を振り返って
チームとしてやりたいこともできてきていますし、個人としても準備は着々とできていると思います。
-昨季を振り返って
春は最後しか試合に出ていないですけど、最後は良かったのでその良いイメージで秋も入っていけたらなと思います。
ー昨季に見つかった課題は
左ピッチャーがあまり打てなくて思考錯誤しながら練習してきて、今では得意になってきたのでそこは克服できたかなと思います。
-夏の練習で重点を置いた部分は
守備は今は外野やっているんですけど、外野陣で毎日テーマを持ってそれを突き詰めてやっています。バッティングは素振りの音だったり体の使い方なんかは、毎日「これ」という自分の芯がというのがありますけど、それを確認しながらやっています。
ー北海道キャンプでの収穫は
実戦が多かったですけど、レベルの高い相手だったので試合勘や相手との駆け引きなどを磨けたのが収穫です。
ーキャンプでの練習以外での思い出は
宿舎の部屋で学年関係なく一発芸をしました。僕はネタにされる側です(笑)。1年の立花(海都,文1)の一発芸が面白かったです。
-宮崎で開催されたオールスターゲームでは大活躍でした
個人としては出来過ぎだった部分はありますけど、試してきたものが出せたというか今までの取り組みが間違っていなかったんだなというのが確認できましたし、他の大学のレベルの高い選手といろいろ話したりしてとてもいい刺激をもらいました。
-現在のご自身の調子は
結構いいですね。またどんどんここから上げていきたいです。
-先発争いを勝ち抜くために必要なことは
自分のタイプというか持ち味を失わないようにブレないようにやっていくだけだと思います。
ー原田選手の持ち味は
バッティングだったり肩だったり、チームの一員なのでチームの戦術に沿うようにやっていきたいです。
-原田選手は「何としても塁に出る」という気持ちが他の選手よりも強いように感じます
野球はチームスポーツなので、自分だけじゃなくてチームの一員なのでその気持ちは大事なんじゃないかなと思います。
-今季は4年生とプレーする最後のシーズンとなります
1年生の頃から3年間一緒にやってきた先輩なので、最後は負けじゃなくて優勝してしっかり送り出したいなと思います。
-今季までに調整したいことは
もうここまで来たら技術や体力はグンと伸びるわけじゃないので、あとは今までやってきた積み重ねの確認というかチームの対策と個人の調整をうまく並行してやっていきたいと思います。
-他の選手に負けないアピールポイントは
積極的なプレーです。
-今季での個人の目標は
春よりいい成績っていうのはもちろんのことでそれがチームの優勝や勝ちにつながるようにしていきたいです。
-意気込みとファンの方への一言をお願いします
春は入りが悪く4連敗しましたが、秋は入りから120%でいくので温かいご声援をよろしくお願いします。
(取材:下河辺果歩)
原田寛樹(はらだ・ひろき)
法学部3年 1996年8月30日生まれ
埼玉県出身・春日部共栄
179㎝75㎏ 右投左打
昨季は東大戦で先発出場を果たすと抜群の選球眼と持ち前の強気なバッティングで驚異的な出塁率を誇った。ガッツ溢れる積極的なプレーで定位置をつかんでみせる。
吉岡郁哉 内野手
ー現在の状態は
最近はバッテイングの方でも調子が上がってきてるので、そこは調整をしっかりして試合に臨みたいと思います。
ーオープン戦を振り返ると
何試合かB戦でも出さしていただいて、自分のバッテイングが出来るようになってきてるので、そこは自信持ってやっていきたいです。
ーリーグ戦では代打起用もありましたが、代打の難しさとは
やっぱり初球からどんどん振っていくことは意識してやっていますね。代打なんで積極的には意識してます。
ー昨季は故障に泣きました
リーグ戦の1週間前に薬指の骨折をしてしまって、この秋はそういうことでチャンスを無くすことはしたくないので、身体には気をつけてます。
ー夏はサマーリーグに参加しました
3年生は自分1人だったので、キャプテンにさせていただいて、いつも引っ張っていくことの難しさを経験しました。
ー主将を経験して森(龍馬,キャ4)選手や学年責任者の川口(凌,人3)選手などの見方も変わりましたか
そうですね。チームのことも考えて、自分のことも考えるので。自分のことよりもチームのことが大事なのでそこをどう勝たせるのかとても難しいことだと思います。
ーサマーリーグでの成果は
自分の思うような結果が出せなかったので、そこは本当に悔いが残っていて。それでもチームのことを考えるようになったら成長できると思いました。
ーサマーリーグで活躍した選手は
みんな頑張ってくれてたので、必死についてきてくれたので、そこは嬉しかったです。石川(達也,キャ1)がしっかりと抑えてくれて、それで勝ちにつながったので、いい投球をしてくれたと思います。
ー左打ちの内野手が多い中で、競争がし烈だと思います
内野手の選手の層が厚いので、どう自分の持ち味を出すかでチャンスは来ると思うので、アピールしたいと思います。
ー期待する選手は
高校の先輩でもある大崎(拓也,法4)さんですね。一緒に野球やる最後の年なので、頑張ってほしいと思います。
ー今季への意気込みは
リーグ優勝から遠ざかってるので、そこは優勝して日本一になることしか今は考えていないです。
ー最後にファンへのメッセージをお願いします
自分の出番が来たらしっかりと自分らしさを出していきたいと思います。神宮での応援お願いします。
(取材:渡辺拓海)
吉岡郁哉(よしおか・ふみや)
経営学部3年 1996年5月16日生まれ
奈良県出身・智辯学園
176㎝83㎏ 右投左打
鋭いスイングで強烈な打球を飛ばす強打の内野手。昨季はけがに泣き出番が回ることはなかった。8月にサマーリーグの主将を経験し、更に成長した主砲候補は代打での快打を期待される。