【ラグビー】関東大学リーグ戦 対東海大 見せつけられた「力の差」ミス多発で今季も大敗を喫する
関東大学リーグ戦
2017年9月24日(日)
秩父宮ラグビー場
初戦流経大戦での惜敗の悔しさを胸に迎えた昨季リーグ戦王者との一戦。立ち上がりは法大がペースを掴み、先制したものの、ミスやペナルティが目立ち、東海大のフィジカルを生かしたプレーで立て続けにトライを奪われ結果を見れば7-76。今季も大敗を喫した。
試合結果
トータル試合結果
07 |
07 |
前半 | 31 | 76 東海大 |
---|---|---|---|---|
00 | 後半 |
45 |
ポイント詳細
1/0 | T | 5/7 |
---|---|---|
1/0 | G | 4/5 |
0/0 | PG | 0/0 |
0/0 | DG | 0/0 |
T:根塚洸 G:萩原 |
※前半/後半
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学部/学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 黒田圭汰 | 社4 | 報徳学園 |
2 | HO | 川越藏 | 現3 | 高鍋 |
3 | PR | 土山勇樹 | 社3 | 東福岡 |
4 | LO | 山根陵 | 現3 | 大津緑洋 |
5 | LO | ウォーカーアレックス拓也 | 社2 | 東福岡 |
6 | FL | 吉永純也 | 経1 | 東福岡 |
7 | FL | 山下憲太 | 社1 | 長崎海星 |
8 | NO.8 | 斉田倫輝 | 経4 | 仙台工業 |
9 | SH | 中村翔 | 経2 | 東福岡 |
10 | SO | 奈良望 | 社3 | 秋田工業 |
11 | WTB | 北島遥生 | 現4 | 常翔学園 |
12 | CTB | 呉洸太 | 社3 | 大阪朝鮮 |
13 | CTB | 杉本悠太郎 | 経4 | 國學院久我山 |
14 | WTB | 根塚洸雅 | 経1 | 東海大仰星 |
15 | FB | 萩原蓮 | 経3 | 東福岡 |
16 | Re | 大澤翔舞 | 営4 | 長崎北 |
17 | Re | 菊田圭佑 | 経2 | 仙台育英 |
18 | Re | 金子崇 | 社4 | 東福岡 |
19 | Re | 五反田拓巳 | 経4 | 法政 |
20 | Re | 増田和征 | 経4 | 京都成章 |
21 | Re | 根塚聖冴 | 経3 | 京都成章 |
22 | Re | 長利完太 | 経3 | 桐蔭学園 |
23 | Re | 斉藤大智 | 現1 | 黒沢尻北 |
交代選手
時間(分) | 退 | 入 |
後半11 | 吉永 | 増田 |
後半14 | 中村 | 根塚聖 |
後半35 | 杉本 | 長利 |
後半43 | 呉 | 斉藤 |
リーグ戦 結果
日付 | 対戦校 | 会場 | 結果 |
9月10日(日) 15:00 | 流経大 | 浜川競技場 | ●49-52 |
9月24日(日) 15:00 | 東海大 | 秩父宮ラグビー場 | ●7-76 |
10月9日(月) 11:30 | 中大 | 上柚木公園陸上競技場 | – |
10月22日(日) 11:30 | 大東大 | シラコバト運動公園陸上競技場 | – |
11月3日(金) 11:30 | 関東学院大 | 上柚木公園陸上競技場 | – |
11月18日(土) 14:00 | 拓大 | 御勅使南公園 | – |
11月25日(土)14:00 | 日大 | 江戸川区陸上競技場 | – |
戦評
前回、あと一歩のところで流経大からの勝利を逃した法大。今回の相手は昨季リーグ戦王者であり代表キャップを保持する選手を多く擁する東海大学だ。前回の課題となったディフェンスを修正し、今季の初勝利を飾ることができるか。
まずゲームを動かしたのは法大であった。前半2分、ラック処理からFBの萩原蓮(経3)が敵陣に攻め込み、ラックから展開して、最後にはリーグ戦初先発の根塚洸雅(経1)がパスを受けてトライ。萩原のゴールも成功し、7-0と先制した。「立ち上がりからプレッシャーをかけていこう」と強く意気込んでいた法大にとっては好調の出だしだった。
このままゲームの主導権を握るかに思えたが、昨季リーグ戦王者も黙っていない。同12分、法大のオフサイドから敵陣に蹴りだすと左右に振られ、ディフェンスの薄くなったBKラインを破られ相手FB野口竜司にトライを決められる。ゴールも決まり7-7の同点とされる。そのまま同15分には法大のキックをクイックスローでグラウンドに入れられ相手LO川瀬大輝にそのままトライを取られ逆転を許した上、さらに東海大の勢いは止まらない。同23分法大のオーバーザトップから蹴り出され、ゴール前ラインアウトからピックアンドゴー(注)でトライを決められる。ゴールも決められ7-19と点差をつけられた。また、法大にミスが目立ちはじめる。同31分には法大のペナルティから、また同34分には法大のハンドリングエラーからターンオーバーされて、トライを奪われ、7-31で前半を終えた。
(注)FWがラックの中のボールを拾い、ラックサイドを縦に突くプレー。
先制に喜びを爆発させたが苦しい展開が続く
追いかける形となった後半5分、追い討ちをかけるように法大のノックオンスクラムからボールを回され相手CTB池田悠希にトライを決められてしまう。敵陣に攻め込みたいところであるが、ミスが目立つ。同10分、法大ハンドの反則からゴール前に蹴り出され、ラインアウトモールから相手LO西川壮一にトライを奪われた。ここで流れを変えるべく、法大は同14分にSHを根塚聖冴(経3)に交代。弟・洸雅とともに秩父宮のグラウンドに立った。しかし、東海大の勢いを止めることはできず立て続けにトライを奪われ、スコアを57-7とされる。法大も負けまいとフェーズを重ね、徐々に敵陣に攻め込んでいくもゴール手前で自ら反則を犯しあと一歩のところでチャンスを逃してしまう。その後もCTB呉洸太(社3)が前へ出るアタックなどで攻め上がる場面があったものの得点には繋がらない。ロスタイムに突入し、法大もなんとか次回につながるトライを取りたいところであったが、東海大の勢いは最後まで止まらなかった。同42分には相手FL王野尚希がハーフウェイラインから独走トライ。さらに同43分にもトライを奪われ、難しい角度からのゴールもしっかりと決められて7-76でのノーサイドとなった。法大は先制以来無得点という厳しい結果に終わったのであった。
東海大のフィジカルを生かしたラグビーとミスに苦しんだ
個々のタックルは目立ったが、相手の個人技によって突破されトライを奪われるシーンが多く見受けられた。またアタックにおいては何度も敵陣に攻め込みチャンスを作るも、自らの反則から自滅することが多かった。前回通用したスクラムも、主に後半では押し負けるシーンが見られ、課題の残る試合となった。
次戦は今季2戦2勝と波に乗っている中央大。ペナルティを減らし、プレーの精度を上げ、今季初勝利を目指したい。(岡田一希)
インタビュー
島津久志監督
ー今日の試合を振り返って
力の差ですよね。やっぱり強かったですね。
ー特にどういった部分に「力の差」を感じましたか
フィジカルの部分と前に出るスピードですかね。
ー昨年リーグ戦王者との対戦でしたが選手たちのモチベーションはいかがでしたか
選手たちも、リーグ戦2位を目指すということでこれまで東海大には…といったような感じでしたが、この前の流経大との試合で自信をつけたと思うので、勝ちにいく気持ちはあったとは思いますね、でもやはりここまで力の差があったということは、反省する点をもっと磨いてやっていかないいけないですよね。差は埋まらないです。
ー立ち上がりはペースがよく、先制点を挙げましたが
ボールをキープし続けることができればああいったいい形でできるんだと思いましたね。でもそれもまた1つの反省材料なんでしょうね。それだけボールをキープできて、いかに攻められるのかというのが大事ですよね。
ー唯一のトライはリーグ戦初スタメンの根塚洸雅選手によるものでした
この前の早稲田とのジュニアの試合でも結構よかったのでそれでそのまま今回起用という形だったのですが、期待には応えてくれましたし、これからどんどん伸びていってほしい選手ですね。
ー代表クラスの選手も多数出場していました
キーマンはキーマンで当然注意してましたが、組織力というか、やはり全てを見ても到底勝てるチームではないと思いましたね。
ー今後の課題にもなるような反省点をあげるとしたら
流れを変えてしまったのは全てミスからですからね。ボール回す場面でハンドリングエラーでターンオーバーされたり、ペナルティを犯してゴール前のラインアウトに持っていかれるとかでどんどんリズムを崩してしまいましたね。そこを修正して次戦に挑みたいと思います。
増田和征副将(経4,FL)
ー今日の試合を振り返って
立ち上がりは自分たちのペースで、自分たちでボールをキープして崩してトライを奪ったという展開はすごくよかったんですけど、そこから後半にかけては自分たちのミスで自分たちの首を絞めて負けてしまうといった形になってしまいましたね。
ー今日の東海大戦はどういったモチベーションで戦いましたか
自分たちのやってきたことを出し切るしかないということで、とにかく自分たちが今まで積み上げてきたものを全て出し切って、勝ちに行くしかないということで、やりました。
ー実際戦ってみてこのように点差が開いてしまいましたが原因はどこにあると考えますか
とにかく自分たちのペナルティとハンドリングエラーですね。もちろん相手のフィジカルが強かったということもあるんですけど、なによりも自分たちのミスで自分たちの首を絞めてしまったということが1番痛かったところですね。
ー逆にプラスの要素はありましたか
アタックに関しては、流通経済大学とやった時もそうですが、自分たちの形に持っていきさえすれば通用するということは分かりました。それがトップチームに通用したということは少しポジティブに考えていいかなと思います。
ー代表クラスの選手も多く在籍するチームでしたがやはり意識はしましたか
そうですね。すごく強力な外国人選手がいたので、そこに特にマークがいってしまっていたのはありましたね。
ー次戦に向けて
今回の負けを糧にします。自分たちの弱みが明確になった試合であったと思うのですが、強みもあった試合だったと思うので、しっかりそれを生かして反省して、次の試合絶対に勝ちにいきたいと思います。
副将としてチームを鼓舞する
呉洸太(社3,CTB)
―敗戦となった今日の試合を振り返って
試合前のロッカーでは、皆気合い入ってて、立ち上がりから前に出てプレッシャーをかけていこうという話をしてました。その通り出来て先制トライも取れたので良かったと思います。しかし、1トライだけで終わって、後は受身になってしまったので、修正しないといけないですね。
―根塚洸雅選手の先制トライをアシストしましたが
前半からとばしていこうと思ってて順目に走り続けて、最後は良いパスを放れて良かったです。
―東海大の対策は
一人一人フィジカルが強いので、一人がタックルしたら両サイドの二人がさらにタックルしてダブルタックルする。一人、二人、三人で止めて、直ぐ立ってポジションに着くことを心がけました。
―東海大のFB 野口竜司選手の存在は大きかったですか
大きかったです。前後半、自陣でプレーしてて、キックを大きく蹴るとFBの野口さんがいたので、怖かったですね。
―キックを多用していましたがその理由は
みんな敵陣でアタックしたいという思いは一緒でした。敵陣に入るために深く蹴って、「ディフェンスでボールを取ってアタックに繋げる」という法政の目指してる形をやりたかったです。しかし、敵陣でプレー出来なかったので、キックの精度を高めていきたいです。
―東海大の印象について
ディフェンスでは前へのプレッシャーが凄くて、あまり進めなかったです。
―そのプレッシャーが原因でアタックする毎にペナルティをしてしまうような攻撃パターンになってしまったのでしょうか
相手のディフェンスのプレッシャーが強くて、受身になってしまいました。自分たちが前に出る意識が薄くなり、消極的なプレーが多くなり、それがミスにつながったかなと思います。流経大戦からずっと「日本一ペナルティがすくないチームになろう」と話してるんですけど、まだまだ多いので改善しないといけないですね。
―ペナルティへの具体的な対策は
基本的にブレイクダウン時のペナルティが多いです。練習でもブレイクダウンに入るときは「スピードチェンジして入れ」と言われてますが、スピードチェンジ出来ずに、ゆっくりなスピードで入って自立出来ないことが多いので、ブレイクダウンを強化しないといけないなと思います。
―BKのアタック、ディフェンスの評価は
流経大戦に比べて消極的で前に出れるアタックができず、相手にプレッシャーをかけることができませんでした。ディフェンスは内と外にいる選手とコミュニケーションとれて、(自分がタックルする選手を)ノミネート出来たので、良かったと思います。
―格上とされた流経大、東海大と戦ってきましたが、次回は中大ですが対策は
目の前の試合しか集中してなくて、まだ中大の対策は考えていませんが、去年、一昨年も競った試合をしてるので、流経大、東海大より少し力は落ちると思いますが油断せずにチャレンジャー精神で挑みたいです。
アタッキングラグビーに欠かせない存在だ
吉永純也(経1,FL)
ー今日の試合を振り返って
今日は前半の最初は自分たちのペースでトライを取れました。コンタクトもしっかり体を当てられていたのですが、時間が経つにつれてやってきたことをミスで台無しにしてしまうことが多く、そこから相手に点を取られ、そのまま相手に流れを持っていかれてしまいました。
ーFWのセットプレーを振り返って
スクラムは前半しっかり戦えて、自分たちの意識していることをしっかり出して、東海大学に耐えて押されずボールをキープできたのは良かったです。後半、自分たちフォワードの疲れがたまってきて、スクラムが少しずつ相手に崩されてきしまいました。ラインアウトはタイミングがずれたり、個々の役割が明確になっていなかったりして、ボールを落としたりすることが多かったのですが、次はしっかり修正したいです。
ー東海大学のプレーについて実際に戦ってみてどう思いましたか
フィジカルがやっぱり強かったです。個々の強さがあったので、法政では何人かで一気に止めないと一人では勝てないところもありました。ミスボールから点を取りきるまでのボール運びがうまかったので見習いたいです。
ーペナルティについて、前半と比べて後半で意識したことは
ノットリリースやオフサイドは個人で修正できるので、ノットリリースなら寄りを早くして、オフサイドなら横を確認して一緒に出るなど、そういったことをハーフタイムで確認していきました。
ー前半のターンオーバーについて意識したことは
タックルした後にすぐ起き上がることを意識したのですが、そのほかに今日は自分たちは数で行くことを決めていたので、一人一人のコンタクトで勝てないところを二人目の寄りを早くしてターンオーバーを狙って行きました。
ーFWで集まって円陣して話し合ったことは
相手にペースを乱されることが一番いけないので、自分たちでペースを作ってそのペースを保ってボールキャリーをしていこうと話し合いました。
1年生として唯一続けてスタメン出場を果たしている
根塚洸雅(経1,WTB)
ー唯一のトライとなる先制トライを挙げました
自分たちの練習してきたアタックが相手のディフェンスにハマったので、そういう分では立ち上がりという意味で大きかったかなと思います。その次からが修正が甘かったのが敗戦につながったのでそれ以降のアタックのクオリティを上げて行こうと思います。
ーリーグ戦初出場について
正直80分の大学の試合に慣れてない部分があるのでこのシーズン中に早く直して、元々怪我して復帰したこともあるんですけど自分のラグビー感を戻していけたらいいなと思います。
ー試合開始前の気持ちはいかがでしたか
始まる前は結構リラックスした感じで試合に臨めたんですけど、やっぱりあれだけ東海大学さんに攻められると焦りが出て来てしまいました。そこで焦らずにいつものプレーができていればなと思いました。
ー兄(聖冴)とこの秩父宮でともにプレー出来たことについて
まあいつも通りの感じで、そこまで特別な感情はなかったですね
ー自身の長所はどういったところですか
フリーな時にボールをもらった時のプレーとラインに入ってのディフェンスは心がけているところがあります。
ー東海大仰星の先輩、野口竜司選手も出場していました
自分の中では1年生ということで1年生らしくプレーしたかったので、チャレンジしていこうという思いで試合に臨みました。ミスもあるとは思うけどそこで気持ちを落とすのではなく、どれだけミスをしてもやり抜こうという気持ちをずっと持っていました。
ー次戦の中央大戦に向けて
今日出た反省点をしっかり修正して次の試合までにチームとしても個人でも完成したプレーを見せられたらなと思います
リーグ戦初出場でこの日唯一のトライを決めた
フォトギャラリー
秩父宮での校歌斉唱- キックオフのボールをキャッチするLOウォーカー
- 前に出るアタックでトライをアシストしたFB萩原
- WTB北島も快足を飛ばす
- 日本代表としてもプレーする東海大主将の野口竜司の存在も大きかった
- プレーでチームを引っ張る副将LO斉田
- ボールキープ力の高いLO山根
- CTB根塚洸(左)、SH根塚聖兄弟揃っての秩父宮でのプレーだ