【バレー】 第70回秩父宮賜杯全日本バレーボール大学男子選手権大会 2回戦 対早大 3回戦進出ならずも関東王者相手に大健闘
第70回全日本バレーボール男子選手権大会 2回戦 対早大
2017年11月29日(水)
大田区総合体育館
昨日の富山大との激闘を制し、2回戦に駒を進めた法大が迎え撃ったのは、1部秋季リーグ戦で優勝を果たした早大。挑戦者として挑んだ法大は序盤から勢いを上げ、第1セットを奪うことに成功する。しかし早大の反撃に会い、第2セット目は落としてしまう。それでも、格上の相手に食らいつくバレーを見せ、第3セットを奪取。セットカウントでは2-1と法大がリードする。しかし関東王者の強さを見せつけられ、第4、5セットを取ることが出来ずゲームセット。悔しさも残る試合となってしまったが、関東1部優勝校相手に粘り強いバレーを見せ、下級生にとっては来年に糧となる試合となった。
試合結果
トータル試合結果
2 法大 |
25 | 1セット | 23 | 3 早大 |
---|---|---|---|---|
22 | 2セット | 25 | ||
25 | 3セット | 19 | ||
21 | 4セット | 25 | ||
9 | 5セット | 15 |
法大スターティングメンバー
背番号 | 選手名 | ポジション |
---|---|---|
22 | 大村翔哉(営1) | WS |
2 | 榎本京祐(法4) | MB |
18 | 藏田大輝(法2) | WS |
23 | 佐藤優弥(文1) | WS |
15 | 前田隆二(営2) | MB |
19 | 西田寛基(営2) | S |
1 | 小林慎平(営4) | L |
20 | 白井乾太(営2) | L |
途中出場選手
背番号 | 選手名 |
---|---|
7 | 河西孔明(法3) |
11 | 渡邊和馬(文3) |
26 | 竹田将也(法1) |
16 | 伊元幸正(営2) |
戦評
2回戦の対戦相手は関東王者の早大。今季2部リーグ戦4位の法大としてはかなり大きな相手だ。1部のチームにどこまで法大バレーが通用するかが試される試合となる。 第1セット目から格上相手にしっかりと攻撃も決まり、点差も開くことなく点の取り合いに。早大がスパイクやフェイントをうまく使い、一気に3連続ポイントを獲得するも、直後に法大側がタイムアウトを挟み、立て直しをはかる。このタイムアウトが効いたのか、そこからMB前田隆二がCクイックを決め、次のプレーでも前田が相手の攻撃をしっかりブロックで止める。その後もWS大村翔哉のスパイクでブロックアウトを取り、取られた分をきっちり取り返す。これで法大は流れをつかみ、最後は2連続でWS佐藤優弥がスパイクを決め、第1セットをものにする。
落ち着いて取りに行きたい第2セット目。前のセットの勢いそのままに佐藤が早大から最初の1点を奪う。しかし早大のスパイクが決まり、ブロックも機能し始め、点差はあまり開かずともリードされる展開に。懸命に攻撃を続けるも追いつくことが出来ず、24-22で相手に気持ちよくバックアタックを打たせてしまい、第2セットは終了。
このまま早大に流れを持って行かせたくない第3セットだったが、いきなりスパイクを決められてしまう。しかし相手のスパイクミスを機に5連続でポイントを獲得。その後も調子上げ、相手がタイムアウトを2回取るも、法大リードは変わらない。そのまま逃げ切り、25-19で第3セットを勝ち取った。
この時点でセットカウントは2-1で法大がリード。この第4セットを奪えば、関東王者に勝利することが出来る。序盤は両者譲らず、シーソーゲームに。だが、さすが関東を制した早大。落ち着いたプレーで一気に得点を重ね、法大は早大にリードを許してしまう。WS藏田大輝や佐藤、前田が懸命に点差を縮めようとするが要所、要所で法大のサーブミスによりうまく縮めることが出来ない。結果25-21で早大にこのセットを取られ、勝負は最終セットに。
ここまで来たら何としてでも、ものにしたい最終セット。しかし序盤から相手のブロックにかかってしまい、うまく流れに乗れない。それでも最上級生である4年生のMB榎本京祐が2枚のブロックをかわし、Aクイックを決め、チームに流れを引き寄せようと奮闘する。だがここにきてミスが連発し、相手に連続して4点を奪われ、13-7。最後は早大のスパイクを拾えきれず、15-9でゲームセット。
結果早大に勝つことが出来ず、2回戦突破とはいかなかった。しかし1部優勝校にフルセットまでもちこませたことは1部相手でも戦える力があると証明できた試合となった。4年生にとっては勝利こそ得られなかったが、これから新たに1部昇格に向けて走り出す下級生に1部相手でもしっかり戦えるという希望を与えたのではないだろうか。この経験を糧に来春、コートに立つ姿がさらに大きく成長を遂げた法政バレー部であってほしいと願う。(高橋歓菜)
インタビュー
濱口純一監督
―今日の試合の振り返りを
昨日の富山大の時に、どっちかというと自分らが受け身に回って、ああいうフルセットっていう展開になったので、この早稲田の試合に関しては、秋リーグ全勝で優勝してますし、そういうところで我々がチャレンジャーということで、スタートで競っていくっていうことを念頭においてやっていたので、功を奏したかなと思います。
―2度セットカウントでリードしながら、最終セットではサーブミスが相次ぐなど脆さも出ました
サーブが入らなかったっていうよりも、相手が4セット目くらいまでに落としていたボールもつないできたりとか、ここ一番の集中力とかに関しては向こうの方が上だったのかなというのは正直ありますね。
―4年生は今回が最後の大会でしたが、どのような世代でしたか
1部も経験している年代ですし、そういう意味では実力があったと。小林くんに関しては1年生の時からリベロでやってくれて、リベロ賞も取ったので、実力のある世代だと思います。
―主将としての小林選手はどのように映りましたか
なりたての頃は各代に言えることなんですけど、リーダーシップ取れるところまではあかなかったんですけども、リーグ戦終盤、時間が経つにつれてしっかり主将らしくチームをまとめてくれたと思います。
―3年生はスタメンがいない苦しい世代ですが、最終学年となる来年に向けて重要なことは
今2年生が主軸で、下級生が出ていて今までの代とはちょっと違った形の関わり方っていうのもあると思いますし、今出ているメンバーがまた来年も出れるっていうのは、毎回そうなんですけど、言えないですし。最終学年で頑張って試合に出てる子、進藤(涼=平28年度卒、現トヨタ自動車ビーチバレーボール部)くんとかもそうですし、そのへんはあると思うので、まずは1回終わったので基礎を鍛えるのもそうですし、新4年生が試合に出たいという気持ちがあるのであれば、頑張ってほしいと思います。
―最後に、4年生に向けてメッセージを
大学4年間長いようで短いバレーボール生活だったと思います。これからバレーボールと関わる人と関わらない人がいると思いますし、後輩が1部に上がる姿を見てほしいというのもありますし、卒業しても法政バレー部のOBですし、しっかり法政のバレーを応援して。まずはリーグ戦で1部に上がって、1部で強い法政を築けるような形でいろいろサポートしてもらえたらなと思います。
小林慎平主将
ー今日の試合を振り返って
個人的には結構全部やり切って終えたので、気持ちよく終われました。ただ最後やっぱり欲が出て、勝ちたかったんですけど、どうしても勝てなかったですね。悔しい思いもしたんですけど、でもやっぱ最後自分のベストなプレーが出来たんで、気持ちよく終われたかなと思います。
ー気持ち的には良い結果で終われたと
そうですね。最高の結果ではなかったですけど、まぁ気持ちよくバレーが出来て楽しかったです。
ー1年間主将としてやってこられていかがでしたか
いやー、もう本当に何回も辞めたくなりましたね。一時期スタメンとかも外される時期があったんですけど、でも最後こういった形で終われたんで、やっぱり最後まで頑張ってきて良かったです。最後みんながまとまって一生懸命試合をしているチームの主将でいれたことに、誇りをもっています。
ー4年間を振り返って
最初1部から始まって、半分は2部だったんですけど、いろんなこと経験して。2部行って良かった面悪かった面どっちもあるんですけど、やっぱり1部でサーブレシーブ賞とったりだとか、2部で調子悪いながらも何とかリベロ賞とったりだとか。最終的にはサーブレシーブ賞をもう一回とれて、数字で残せたのが ひとまず良かったと。2年の秋から一応個人賞は全部もらい続けたんですけど、その結果を出せたのもチームのおかげだし、それまで導いてくれた監督さんやスタッフのおかげだと思うのでそれをやっぱり社会にでても、繋げていきたいなという思いで卒業できそうな4年間でしたね(笑)
ー社会人になられてもバレーは続けられますか
そうですね。一応内定選手として、正式に発表があったんですけど、また社会人になってもバレーやらせていただけるということで、頑張りたいと思います。
ーこれからの小林選手の目標は
僕が内定しているチームがチャレンジリーグⅠで上位なんですけど、ちゃんと入って、スタメンを勝ち取って活躍してチームを勝たせるように頑張りたいと思います。
ー下級生に向けて
今年何一つ目標を達成出来なかったんですけど、唯一最後に来年に繋がる1試合が出来たっていうことはすごく大きいことだと思います。必ず春で2部優勝して、1部行ってもらいたい。で、今日の借りを秋で返してくれということを伝えたいです。
ー最後、今まで応援してきてくれた方にメッセージを
本当に今年1年間勝てなかったんですけど、やっぱりそれでも遠いところまで足を運んでくださった皆さんに本当に感謝の気持ちでいっぱいです。これからまた復活すると思うんで、引き続き法政バレー部の応援よろしくお願いします!
榎本京祐
ー今日の試合を振り返って
今日は早稲田大学で格上の相手だったので、自分たちはとにかく挑戦者っていう気持ちで思い切り臨めたんで、フルセットっていう結果だったのかなと思います。
ー負けてしまいましたが、早稲田相手にフルセットで最後まで粘れて、終われたことについては
後輩も含めてみんな今日、全員が頑張ってくれたのでこういったナイスゲームになったと思います。格上の早稲田と最後にやることが出来て良かったです。
ー大学バレーの4年間を振り返って
1年生の一番最初だけ出て、そこから外されてちょっと苦しい期間もあったんですが、4年の最後まで試合に出れることが出来て、本当に充実した4年間だったなと思います。
ーチームに向けて
ずっと2部に止まらずに、1部の上位を目指せるチームだと思うので、来年こそ1部に上がって欲しいです。
ー社会人になられても、バレーは続けられますか
そうですね。クラブチームかどっかで。
ー最後に今まで応援してくださった方に向けて、メッセージを
親も含めて、4年間ずっと応援してくださった皆さんがいなかったら、ここまで頑張れなかったと思うので、本当にありがとうございましたっていう感謝の気持ちでいっぱいです!
村田勇人主務
―惜しい試合でした
やっぱり今年1番、ベストゲームをしたので、4年生としての務めを果たせたかなと思います。
―1部に所属していた時期も経験されましたが、このチームはいかがでしたか
4年生がバレー以外で不甲斐ないところが結構あったので、本来こういう形の4年生はいないと思うんですけど、最後までついてくれてありがとうって感じですね。
―タイムアウトの際に盛り上げて選手たちを迎える姿が印象的でした
もう僕もいっぱいいっぱいだったので(笑)。あいつらが盛り上がって頑張れるんだったら、こっちも一緒にって感じで、やりました。
―村田さんから見て、主将としての小林選手はいかがでしたか
人間としては、人間力が低かったんですけど、どんどん今日を迎えた時には立派な人になったんじゃないかなと思います。
―村田さん自身この4年間はいかがでしたか
教職を取っていて、バレー漬けというわけにもいかなくて、勉強と両立しなきゃいけなくて、大変でした。
―現チーム最後の相手が関東王者・早大となりましたが
もちろん勝つつもりで、まあやってることは当たって砕けろなんですけどね。勝てるように対策をやっていこうとやりました。
―セットカウントで2度リードを奪いましたが、これは4年生の意地でしょうか
榎本も割り切っていたので(笑)。活躍してくれて、慎平もレシーブ良くて、1年の大村もね、東日本インカレから頭角を現してきて、あいつはこの大会のヒーローなので、来年はあいつに期待ですね。
―下級生に向けて
また2部からのスタートで申し訳ないんですけど、きみたちなら必ず1部に行けると思うので、自分を信じて頑張ってほしいと思います。
―4年間を共にした同期に向けて
結構今年になっていろんなやつの悪いところが露見したんですけど、そういうところを知ったから、さらに仲が良くなったねって感じです(笑)。
―最後に、法政を応援してくださった方々に向けて
4季連続2部でも今日のように応援に来てくれたり、自分の学科の同期も昨日応援に来てくれていて、みんなからまだ応援されているのはありがたいことなので、今後とも法政大学をよろしくお願いします。
河西孔明
―早大相手に惜しい試合でしたが、振り返りを
今日の試合は、昨日出だしがダメだったんですけど、今日は1部の1位を相手に全力でやろうとあうことで、出だしから全員が気持ちをつくって出来ていたと思います。その中で自分たちに足りないものが相手のほうにはあって、こういう形になってしまったんですけど、そんなに悪くない試合だったと思います。
―4年生は最後の大会でしたが、やはり見ていて強い思いが感じられましたか
4年生たちが最終的に全カレを引っ張っていこうとしてくれましたし、自分たちも4年生のためにやろうと決めていたので。濱口さんと山田(快=コーチ)さんも今回で最後なので、そういうことでみんなで頑張ろうと一丸になって臨みました。
―現在3年生はスタメンがいない苦しい状況ですが
3年生は試合に絡む機会が少なくて、ピンサとか控えセッターで出たりとか、そういうところでチームに貢献して、その中でリーダーシップを持って4年生としてやっていかないといけないと思います。
―4年生に向けてメッセージを
4年生1人1人みんな個性が強くて、いろいろ自分が弱気になったりとかダメなプレーをした時にはしっかり叱ってくれたので、3年間一緒にやってきて、すごい感謝しています。
―最後に、改めて来年に向けて意気込みを
来年は今年できなかった目標の1部昇格と、東カレ、全カレどっちも優勝目指して頑張りたいと思います。
フォトギャラリー
- 得点源としてチームを支える藏田
- 的確なトス回しで、相手を翻弄する西田
- 第3セットを奪い、チーム全員でハイタッチをかわす選手たち
- 流れを変えるため、ピンチサーバーとして出場した河西
- 大村の成長は止まることを知らない
- 4年間の思いをこの試合でぶつけた榎本
- 観客席からの温かい拍手を受ける選手たち
- 試合後4年生全員で集まり、仲の良さを見せた