【スキー】第91回全日本学生スキー選手権大会 女子1部GS 下村健闘も12位と入賞にはあと一歩届かず、得点ゼロでこの日を終える
秩父宮杯・秩父宮妃杯 第91回全日本スキー選手権大会
2017年3月1日(木)
野沢温泉スキー場
昨日に引き続き、比較的温暖な気候の下で行われたインカレ2日目。この日は女子大回転(GS)に5人が出場。全員が安定した滑りを見せ、二本目へと駒を進めた。しかし最高順位は下村の12位とあと一歩奮わず、法大は得点なしでこの日を終えた。
試合結果
アルペン部門
女子1部GS
順位 |
選手名(学部・学年) |
一本目 |
二本目 |
合計 |
12位 |
下村美緒(社4) |
1:03.60 |
1:05.68 |
2:09.28 |
13位 |
林鮎子(現3) |
1:02.96 |
1:06.41 |
2:09.37 |
19位 |
松浦由季乃(デザ工4) |
1:04.82 |
1:05.80 |
2:10.62 |
20位 |
山北鮎夏(現2) |
1:04.11 |
1:06.79 |
2:10.90 |
22位 |
高橋萌恵(社2) |
1:06.04 |
1:06.59 |
2:12.63 |
戦評
昨日に引き続き、異例な暖かさの中で迎えた大会2日目。
この日は女子大回転が行われ、法大からは5名が出場。前日4位入賞を果たした塩入の勢いそのままに、彼女たちも上位進出を狙った。
上位進出が見込まれた林は苦しい滑りとなった
緩んだコースに深い霧、そしてウォームアップ時の雨。一本目から度重なる悪条件が彼女たちを襲う。前回大会でSG3位入賞の林鮎子(現3)が12位と出遅れれば、「すべてをインカレに懸けていた」と振り返る松浦由季乃(デザ工4)も、濃霧も相まり24位。全員が二本目へと駒を進めるも全体的に滑りが固くなり、本来の実力を出しきれなかった状況に、近藤監督は「スピードに対する怖さとか慣れといったことがまだまだ足りていない」と振り返った。
GSでは悔しさを味わった松浦
そして迎えた勝負の二本目。日差しは更に強く照りつけ、気温もますます上昇。コースは今まで以上に荒れ、途中失格者が続出する中でのレースとなる。法大の5人も一本目の遅れを取り戻そうとする焦りから滑りに精彩を欠き、順位を大きく伸ばすことはできず。しかし今回でラストレースとなった4年生・下村美緒(社4)は、「とにかく入賞、そして表彰台に立ちたい」という強い気持ちを胸に荒れた難路を激走。入賞まではあと一歩及ばなかったものの、チーム内トップの12位。法大女子アルペンの意地を見せつけた。
最高学年として意地を見せた下村
女子GS入賞者0名。去年、一昨年と強さを見せていた競技だけに、この現実は重くのしかかるが、女子アルペンはまだSL(スラローム)を残している。この結果を受け止めた上で、上手く切り替えることができるのか。法大女子アルペンの真価が問われる。(都築慧士)
監督、選手コメント
近藤浩之 監督
―今日の女子GSを振り返っていただいて、いかがでしたか
それぞれ選手たちが頑張って来たとは思うんですけど、一本目の遅れが順位にそのままつながったという感じでした。二本目のコースが荒れるというのはわかっていたので、一本目でタイムを稼いで、二本目でそれを守るということを意識していましたが、一本目で少し滑りが硬くなってしまって上位に行けなかったので、逆に二本目は焦りが出てタイムが伸ばせなかったかなと思います。
―朝方の天気は悪天候でしたが、それに対応した選手たちの姿を見ていかがでしたか
最初の3人までは(天気が)非常に良いコンディションで滑っていたんですけど、後の30番台の選手かからはガスがかかってきてしまって、それはすごく可哀そうでした。そんな中でもある程度(前半の選手と)タイム差がそれほどなく良い位置につけた点は本当に頑張ったなと思います。
―今日の大会で見つかった課題点はありますか
スピードに対する怖さとか慣れといったことがまだまだ足りないと思います。どちらかというと技術系のテクニックは全選手が強いんですけど、アタックするような、どんどんスピードを出して突っ込んでいくというところに対する弱さを今回感じました。「荒々しさ」のような気持を全面に出すとかそういったところがもしかすると大人しい、お行儀が良いという感じだと思います。
―その中でも4年生の下村選手がチームトップの成績を残しました。
彼女も法大に入学してからけがをしたり、松浦(由季乃)もそうですけど二人とも前十字靭帯を切ったりというのを乗り越えてやってきて、最後は10位以内に入れてあげたかったなと、そのくらいの実力はあるんですけど、大事なところでアタックするという気持ちとか欲とかがもしかしたら足りなかったのかなと思います。でも松浦も下村も二人とも良い滑りでした。
―明日からはSL(スラローム)がスタートします
個々のコースはとても難しい斜面でただでさえ失敗のリスクが高いんですけど、それに加えて雪の状態が良くないので、もしかしたらミスが多く出るかもしれないけど他校も同じ条件でやるので、最後はミスが出てもスピードを殺さないでゴールする強い気持ちが必要だと思います。
―クロスカントリー、ジャンプ競技も明日からスタートします
ジャンプは二年生で、どちらかというとコンバインドの選手なので、ジャンプが飛び抜けて良いという訳ではないし、ジャンプとクロカンで競う選手たちなので、スペシャルジャンプを専門にやっている選手たちからするとちょっと不利かもしれませんが、二人ともレベルが1年生の時より上がってきているので、そこはチャレンジしてやってほしいと思います。
クロスカントリー30kmは、苦手というかどちらかというと短い距離で勝負していくタイプなので、次の10kmとリレーに向けて他校はどうかとかそういうのを見るチャンスだし、4年生2人は良いゼッケン番号からスタートするので、チャンスがあったらどんどん前に仕掛けてやっていって良いレースにしていってほしいと思います。
下村美緒
―今日のレースを振り返って
すごく悔しいレースとなってしまいました。
元々足を痛めていたので、暖かく雪面が不安定だったのは多少不安にはなっていたのもあるのですが、それでも最後のインカレで何とか入賞したいという気持ちがあったので。
―試合前に意識されていたことは
やはり最後だったので、とにかく入賞、そして表彰台に立ちたいという気持ちは強く持っていましたね。
―レースのイメージやプランというのは
男子が先に滑っていたので、気を付けるべきところは気を付けて、攻めるところは攻めてというのはイメージしていました。特に最初の緩斜面なんかは勝負を大きく分けるポイントでもあったので、いかにいいリズムを刻んでいけるかを意識していました。
―実際に滑ってみていかがでしたか
気温が上がってバーが緩み、難しい状況の中でも攻めなければならないけど、ミスもしてはいけないという難しいところで。1本目は攻めきれなかったのですが、それでも2本目は無心で自分なりには攻めれたかなとは思います
―今回でラストレースとなりましたが
最後という実感が湧かなかったのですが、スタートに立ったときに「これが最後か」と思うと、色んな思い出が込み上げてきて。それだけに勝ってチームに貢献したかったという思いは残ってしまいましたね。
―法政大学での4年間を振り返って
最高の仲間に出逢えて、最高のチームで闘えて本当に幸せでしたね。
―最後に後輩たちに向けて一言お願いします
本当に皆力を持っていますし、雰囲気もいいので、これからも今まで以上に勝てるようなチーム作りをしていってもらえればと思います。
松浦由季乃
―今日までどのようにインカレを意識して練習をされてきましたか
私はインカレに懸けていたので、全日本学生チャンピオンスキー大会とかFISレースのようなポイントレースがここまで続いてきたんですけど、そのレースも全部インカレのために練習をしたし、インカレのためにレースも考えてやってきました。
―今日の一本目は悪天候が重なり、晴れからいきなり霧がかかる状況でしたが、どのように対処しましたか
条件が悪いのはみんな一緒だと思いましたし、その中でも滑ることは変わらないし自分の滑りに集中することを意識していました。
―一本目が終わった後、二本目に向けてどんなことを意識しようと心掛けましたか
一本目が終わって24位だったので、二本目のスタートが一本目よりも良くなって、バーンの状況が良くなるのはわかっていたので、行くしかないという思いで攻めました。
―一本目と二本目で雪の状況は変わっていましたか
二本目は、私はスタートの順番が早かったんですけど、その時はもう緩んで少し荒れていました。
―二本目を滑り終えていかがでしたか
優勝したくてそれに合わせてきたのですごく悔しかったんですけど、SLに出ることが決定したので、今はそれに懸けている感じです。
―今日見つかった課題はありましたか
一本目は攻めてはいたんですけど、濃霧で全然コースが見えていなかったので、自分の中で少しセーブがかかってしまったなという部分はあったし、二本目でいうとコースが荒れていたので下半身よりも上半身が元気よく動き過ぎてしまった感じはありました。
―4年生でラストのシーズンですが、最後のSLにむけて意気込みをお願いします
SLこそポイントを獲って、今までやってきたことを、集大成として有終の美を飾れるように頑張ります。