【特集】新米記者の目~紙面に載せられなかった新米記者たちの熱い意気込み~
新米記者の目
2018年6月29日(金)
夏の訪れを感じさせるここ数日。読者のみなさんにはすでにスポーツ法政新聞会第237号が届けられきっと目を通してもらったことでしょう。ところで、毎年6月ごろに発行する紙面には『新米記者の目』というコーナーがあることをご存じだろうか。2人の1年生記者が自分の抱負を紙面に書くのだ。今回は紙面に載った2人の新米記者以外にも「抱負を書きたい‼」と力強く手を挙げた新米記者が7人もいる。泣く泣く紙面に載せられなかった熱き決意をここで思う存分紹介したい。一読してくれれば幸いだ。
新米記者の目
磯田健太郎
スポーツには大きな力がある。単に人々が楽しむ娯楽として存在するだけではない。プレーを行う人も観戦者も熱狂の渦に巻き込む。スポーツは時に他のなにとも比較しがたい大きな影響力を持っている。
小学校3年の時に野球を始め、大学1年となった今では私の競技歴は11年目を数えた。レギュラーになった期間はほとんどない。高校生活の公式戦での私の定位置は、スタンドの応援用の大太鼓の前だった。だが、私は野球から沢山のことを学び、感じ取った。たった1球で勝負が決まってしまう非情さ。『間』があるからこそ深みが生まれる勝負の局面。応援がもたらす力。試合全体を支配する「流れ」の恐ろしさ。自分たちを支えてくれる方々への感謝を欠かさない。そして、美しくありすぎる表舞台に立てない人間が必ずいる。いつしか私は、このスポーツの面白さを、奥深さを、残酷さを。儚さを、多くの人々に伝えたいと考えるようになり、スポーツ法政新聞会の門を叩いた。
私はスポーツを愛する者として、またこの国のスポーツ文化の発展を望む者として、スポーツ法政新聞会でそんなスポーツ界の未来を担う選手たちとスポーツの感動を記事にして広めたいと考えている。そのために身を粉にして尽力できたら、これ以上の幸福はない。
大桃太郎
私は、幼い頃から様々なスポーツを見たり、プレーしたりすることが大好きだった。小学校3年生になると野球を始め、野球一筋で高校まで続けてきた。高校野球を始めてからは、新聞やテレビに報道してもらう機会があった。そのとき、親が新聞を各紙、買いに行ってくれたり、学校で友人や先生方から、「お疲れさま」や「次も頑張って」など、多くの労いの声をかけてもらったりした。とても嬉しかったことを覚えている。私の経験からスポーツ法政新聞会では、選手の努力や成果を報道していき、私の記事が選手たちの日々の練習の原動力となることを理想に掲げている。スポーツ法政新聞会での活動を通じて、法大生に体育会の活躍を知ってもらいたい。試合に今よりも足を運んでもらうことで、母校のスポーツ応援をする楽しさを知ってもらいたい。法大生が一体となって、法政大学のスポーツを盛り上げていければと思っている。全てのスポーツで、実力だけではなく、人気でもどの大学にも負けないものを作っていく。
加瀬航大
4月中旬から様々な体験取材をさせてもらい改めて分かったこと。それはスポーツの持つ不思議な力だ。特にスポーツは人に「喜び」を与える力を持っている。
小中高の12年間、私はスポーツと関わってきた。スポーツには「主体的な喜び」と「客観的な喜び」がある。前者は実際にプレーをしていろいろな戦術を駆使し相手に勝つことで得られる喜び。後者は観客として選手やチームと一体となって勝利を味わうことで得られる喜びだ。この「二つの喜び」を余すことなく読者に届ける。それがスポーツ記者としての使命だ。 人気競技はもちろん、 「まだまだ認知度が低い競技も私の書いた記事でより一層注目を浴びせる」という目標もできた。先日、準硬式野球の体験取材をさせてもらった。「準硬式野球」。正直、最初に聞いたときはイメージが浮かばなかった。しかし、グラウンドを生き生きと走り回る選手達。そして何よりもベンチから明るい声援を送り続ける選手一人一人の表情。その光景が私の「準硬式野球」のイメージを作った。
スポーツが持つ力や熱。様々なスポーツの魅力。これを自分の文章で読者の方々に届けていきたい。
鈴木滉平
逆転満塁ホームラン、ブザービート…。試合の流れは誰にも予測することができない。監督や選手でさえわからない。スポーツには一瞬で試合の流れが変わる。試合終了と同時に勝つこともある。そんな名場面は会場の観客を魅力する。自分が応援しているチームが勝てば見ず知らずの人同士でも感動を分かち合う。負ければ悔しくなる。だからこそ、スポーツは面白い。
大学に入ったら自分が好きな野球とバスケに関わりたかった。私は硬式野球とバスケの体験取材でスポーツ法政新聞会にとても魅力を感じた。試合中にスコアを書き、気になった点をまとめる。試合後それを選手に真っ向からぶつけて記事にまとめる。躍動する姿をカメラで切り取り、記事に深みを出す。私は試合を見ていない人でも試合内容がよくわかるような記事を書いていきたい。監督や選手の声を通してよりわかりやすく伝えていきたい。「見に行きたい」と思えるスポーツの面白さを読者に届けていく。
須藤大樹
スポーツには人々の心を結びつける力を感じる。私が初めて法大の六大学野球の試合を見たときに感じたことだ。
相手は立大。法大は9回表が終わった時点で0-3とリードを許していた。立大が圧倒的な投手力で法政打線を抑え込んでいた。「このまま終わってしまうのか」と私は感じた。しかし、9回裏中山翔太(人4)が二塁打で出塁。スタンドからは迫力ある『チャンス法政』で次打者の福田光輝(人3)に声援を送る。3球目だった。福田が気迫ある応援にこたえるかのように放った打球は右翼スタンドへ一直線。肩を組み校歌を歌う応援席、喜び合う選手たち。一本のホームランが選手、スタンドの人々を結びつけたのである。
惜しくも打線続かず負けてしまったが、試合後に行う「エール交換」。お互いの健闘をたたえあう。その光景に私は法大、立大両校の「一体感」を感じた。
スポーツにはたくさんのドラマがある、感動がある。私はこれらを記者として鮮明に伝えたい。私の記事を読んだ読者が法政スポーツに興味を持ち、会場に足を運んでくれたら本望だ。そして感じてほしい。スタジアムの「一体感」と、人々の心が結びついた瞬間を。
守本咲希
母校の襷を胸に、箱根路を駆け抜ける―
正月の風物詩ともなった箱根駅伝。『箱根から世界へ』というように各大学の主力選手が集結する大舞台だ。
昨年の1月2日、私は選手を一目見ようと大手町に足を運んだ。応援団の声援が鳴り響くスタート地点。大勢の観客が押し寄せ、スタートの時を待つ。私はそこで、学生スポーツ新聞を初めて手にした。そこに記されていたのは、各選手がこの大舞台に立つまでに辿ってきた『軌跡』だった。けがを乗り越え出場を決めた選手、競技生活の集大成を迎える選手。結果からは知ることのできない日々の努力や、それぞれの選手が懸ける『想い』があった。
大舞台で実力を出し切るのがどれほど大きなことか。独特の緊張感。仲間へ繋ぐ襷の重み。全身全霊をかけ1分1秒を争う姿に心を打たれた。私は記事を読み、選手の活躍を祈る気持ちが一層強まった。同時に、人の心を動かす言葉の力を身をもって感じた。この経験がきっかけで、スポーツ法政新聞会への入会を決めた。
私は取材を通して、各種競技での法大選手の『軌跡』を追いたい。実際に現地で見たもの、選手が語った『想い』を伝える。そんな記事を読者に届けていきたい。
吉田あゆみ
『選手に寄り添った記事を書きたい。スポーツの素晴らしさを伝えたい』
高校生のとき、マネージャーとして野球部に入部した私は、高校野球の世界にのめり込んだ。正直辛いことばかりで、毎日のように悩んで、葛藤して、ぶつかって…。それでも野球、仲間、笑顔、頑張っている姿、その空間が大好きだった。母校の野球部はマネージャーが戦評などをホームページ上に載せていたため、私も2年間でたくさん書いた。最初は書くことに精一杯で大変だったが次第に慣れていった。部活への思い入れが強くなるにつれて、楽しさとともに、「結果だけでは伝わらないみんなの頑張りをもっと伝えたい」と感じた。それを第一に考えてからは、保護者やOBOGの方から「あの記事感動したよ。これからも楽しみにしてるね!」などといった嬉しい言葉をもらうようになった。
野球や他のスポーツの体験取材に参加したとき私は入部理由を改めて感じた。「スポーツは本当に多くのことを与え、魅せてくれる。選手の側で一緒に切磋琢磨してきた私だからこそ、選手に寄り添った記事を書いて、読者に伝えられるものがある」と。『少しでも多くの人がそのスポーツや選手に興味を持ち、応援したいと思ってもらえる』。そんな記事を書けるように精進していきたい。