【ラグビー】関東大学リーグ戦 対日大 数的不利にも負けない!!シーソーゲームを制し、勝利への執念見せつける!!
関東大学リーグ戦
2018年10月20日(土)
セナリオハウスフィールド三郷
最後は数的不利を強いられても、法大は負けなかった。
関東大学リーグ戦1部が20日にセナリオH三郷などで行われ、法大は日大に41-31で接戦を制した(3勝1敗、勝ち点13)。前半は外国人選手擁する日大のFW陣に苦戦するも、FL(フランカー)山下憲太(社2)のトライで逆転。後半リードを奪われたが、FB(フルバック)井上拓(社3)のトライで再逆転。終盤法大はシンビン(10分間の一時退場)で数的不利となるも、リードを死守した。この試合のMOM(Man Of the Match)にはCTB(センター)根塚洸雅(経2)が選ばれた。なお、同日には法大の他に東海大、21日には流通経大、大東大がそれぞれ勝利した。
法大は28日(14時00分キックオフ)に秩父宮ラグビー場で昨季の王者・大東大と対戦する。
20、21日の関東大学リーグ戦1部
法 大 41―31 日 大
東 海 大 73 ― 15 専 大
流 通 経 大 40 ― 33 拓 大
大 東 大 81 ― 17 中 大
試合結果
トータル試合結果
41 法大 |
27 | 前半 | 26 | 31 日大 |
---|---|---|---|---|
14 | 後半 | 5 |
ポイント詳細
4/2 | T | 4/1 |
---|---|---|
2/2 | G | 3/0 |
0/0 | PT | 0/0 |
1/0 | PG | 0/0 |
0/0 | DG | 0/0 |
T:呉,斉藤,山下憲(2)/井上拓,中村翔 G:金井(2)/金井(2) PG:金井 |
※前半/後半。Tはトライ、Gはコンバージョンゴール、PTはペナルティートライ、PGはペナルティーゴール、DGはドロップゴール。公式試合記録による
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学部/学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 李承記 | 経4 | 大阪朝鮮 |
2 | HO | 川越藏 | 現4 | 高鍋 |
3 | PR | 土山勇樹 | 社4 | 東福岡 |
4 | LO | 塩見伊風 | 社4 | 長崎北 |
5 | LO | ウォーカー アレックス 拓也 | 社3 | 東福岡 |
6 | FL | 吉永純也 | 経2 | 東福岡 |
7 | FL | 山下憲太 | 社2 | 長崎海星 |
8 | NO.8 | 山下太雅 | 現2 | 東福岡 |
9 | SH | 中村翔 | 経3 | 東福岡 |
10 | SO | 金井大雪 | 経4 | 深谷 |
11 | WTB | 井上拓 | 社3 | 御所実 |
12 | CTB | 呉洸太 | 社4 | 大阪朝鮮 |
13 | CTB | 根塚洸雅 | 経2 | 東海大仰星 |
14 | WTB | 斉藤大智 | 現2 | 黒沢尻北 |
15 | FB | 奈良望 | 社4 | 秋田工 |
16 | Re | 濱野隼也 | 社2 | 秋田工 |
17 | Re | 稲田壮一郎 | 社1 | 春日丘 |
18 | Re | 菊田圭佑 | 経2 | 仙台育英 |
19 | Re | 安達武志 | 経2 | 報徳学園 |
20 | Re | ジョーンズ杏人竜 | 経2 | 札幌山の手 |
21 | Re | 根塚聖冴 | 経4 | 京都成章 |
22 | Re | 長利完太 | 経4 | 桐蔭学園 |
23 | Re | 中井健人 | スポ4 | 筑紫 |
交代/入替選手
時間(分)/交代・入替 | 退 | 入 |
前半21/入替 | 吉永 | ジョーンズ |
戦評
拓大戦では9トライを奪い快勝した法大。この試合以降の三戦は昨年の上位三校との試合を迎えるため、何としても勝利を手にして弾みをつけたい。前半開始間もなくCTB(センター)呉洸太(社4)のトライで先制すると、同5分にはCTB(センター)根塚洸雅(経2)のビッグゲインから日大反則によるアドバンテージを得ると巧みなグラバーキック(※②)でWTB(ウイング)斉藤大智(現2)にボールが渡りそのまま2本目のトライを奪い14-0とする。しかしそう上手くはいかず、同8分法大の反則から蹴り出され、ラインアウトからドライビングモール(※①)で圧倒されトライを奪われる。リードを広げたい法大は日大の反則からSO(スタンドオフ)金井大雪(経4)がペナルティーゴールを決め17-7とする。同8分に取られたトライと同じくドライビングモールで日大にトライを奪われたが、すぐにFL(フランカー)山下憲太(社2)がトライを奪い突き放す。しかし、同28,34分に法大陣での反則で2本連続でトライを奪われ、22-26とついに日大に逆転を許してしまう。4点差のビハインドのまま試合を折り返すかに思われたが、日大ボールのラインアウトでボールを奪うと、ゴール前で好機を作り、同42分にFL山下憲が2本目のトライを奪い再度逆転。27-26となんとか1点をリードし前半を終える。
3試合連続トライを決めたWTB(ウイング)斉藤(中央)
日大FW(フォワード)に圧倒される形で失点してしまった前半を修正したい後半。しかし、三度ドライビングモールでトライを奪われ27-31と逆転を許す。なんとか試合を手繰り寄せたい法大は後半26分CTB根塚洸のラインブレイクからWTB(ウイング)井上拓(社3)にパスを繋ぎトライ。34-32で再逆転する。同30分には呉のゲインからSH(スクラムハーフ)中村翔(経3)がトライを奪い突き放す。このままノーサイドを迎えるかに思われたが同35分に山下憲がシンビン(10分間の一時退場)となり、数的不利を強いられる。だが、懸命にタックルを続けリードを守り切り、辛くも法大が勝利を掴み取った。
ラインアウトを成功させる法大
専大戦で敗戦を喫したものの、ここまで4試合を3勝1敗で終えた法大。「今日勝って(残りの)試合を迎えられるのは大きい」とWTB井上拓は上位校対決へ意気込んだ。次戦は昨季の王者・大東大。連勝の勢いそのままに王者に挑む。(岡田一希)
※①ドライビングモール…モールを組んで前進すること。
※②グラバーキック…相手の背後の空いているところを狙って地面にボールを転がすキックのこと。
The Featured Hoseirugby Player
根塚洸雅(経2,CTB【センター】,グラウンドリーダー)
(さすがU20日本代表!!刺さるタックルとタックラーを蹴散らす走りで勝利に貢献)
今春はU20日本代表として遠征に参加した根塚洸雅(経2)。WTB(ウイング)からCTB(センター)へとポジションを変えた彼のビックゲイン、ビックタックルは会場を沸かせ、納得のMOM(Man Of the Match)に選ばれた。 日大と一進一退の攻防を続ける法大は試合途中、スクラムを崩してしまうコラプシング(※①)やハンドリングミスが目立ち相手のペースに飲まれてしまう。それでもCTB根塚洸は相手ディフェンスのギャップ(※②)、ディフェンスの目線を注意し隙を狙い続けた。
苦しいディフェンスが続く中、CTB根塚洸は日大のキーマンである外国人選手の「『パスを受けるスピード』に注目した」という。実際にパスをもらう際のスピードとダミーの際のスピードを見分け、狙いをすました低いタックルで見事に相手の流れを止めた。相手の心理を読み取るようなCTB根塚洸のプレーは日大を苦しめ、法大に流れを引き寄せた。
「相手の動きを注意し角度をつけ、スピードとタックルを追求すればこれからの3戦も勝てることができる」と語ったCTB根塚洸。U20からのケガを乗り越え、大きく成長した類まれなセンスで、これからも法大ファンを魅了する。(小島周)
※①コラプシング…故意にスクラムを崩してしまう反則。
※②ギャップ…ディフェンスの空いているところ。ディフェンスラインがそろっていないことなどが原因で生まれる。攻撃側にとっては攻めやすい状況となる。
攻守でU-20日本代表の実力をみせたCTB(センター)根塚洸(中央)
選手インタビュー
井上拓(社3,WTB【ウイング】,グラウンドリーダー)
―今日の試合を振り返って
いっぱい反省点はあると思うんですけどやっぱりスコアで勝てたというのはこれから先の大東大、東海大、流通経大につながるところだと思うので、プラスにとらえてこれからの一週間しっかり準備してやっていけるようにしたいです。
―昨シーズンのけがから復帰して
昨季試合に出られなかったのが一番悔しくて、勝った試合も負けた試合も客席からしか見られなかったので、春からケガ明けで使ってもらえて、こうやって勝った喜びをみんなと共有できるのはうれしいですね。そこに感謝しながらしっかりやっていきたいですね。
―外からコールが目立った
(声が出ていたということを)外から見ている人から言っていただけることは嬉しいので、これからも続けていきたいです。
―後半の逆転トライについて
あのシーンはフェーズを重ねてFW(フォワード)、BK(バックス)いろいろな人が苦労してくれたボールをもらって、トライという形に出来てよかったです。
―前半に反則からの失点が多かったが
相手の強みでペナルティー(反則)からラインアウトでトライという部分があって、そこがうちは弱い部分。試合前から「気を付けよう」と言っていたのですが、相手のほうが一枚上手で、相手の強みをぶつけられた形になりますね。後半もそうですし次からの試合に向けても修正しないといけないなと思います。でもハーフタイムで少し改善できたのは良かったと思います。
―前半はサインプレーが多かった
前回の拓大戦であまり実践できなかったのですが、引き出しをたくさん持っている中でぶつけていけたので良かったです。
―次からの三試合への意気込み
今日勝って(残りの)試合を迎えられるのは大きいと思うのでプラスにとらえて、次からの三試合をしっかり楽しんで全部勝ちたいと思います。
後半逆転トライを奪ったWTB(ウイング)井上拓
根塚洸雅
―今日の試合を振り返って
前半良い入りができたことでチームが流れに乗れたし、途中で敵の流れになった時にも我慢しきれました。相手のFW(フォワード)が強いことがわかっていたのでスクラム、モールを後半修正できたことで、ゲインをさせずにバックスは相手の隙を狙えました。そこで差をつけることができました。我慢ができたということが大きいです。
―BK(バックス)の作戦など
日大の前の試合を見た時に13番の外国人選手を使うこと、10、12、13番の間にスペースがあることとディフェンスのコミュニケーションがあまり取れていないイメージがあり、そこのギャップを意識していました。後半は外に一気に展開してトライを狙おうとしていました。
―ビッグゲインをした場面が目立ったが、そのギャップを狙ったのか
そうですね。相手の視線が内側をよく見ていて、「自分のことを見ていないな」と分かるときは外からアングル(※①)で走り込んだり。逆に外を向いているときはカットアウト(※③)をして、相手の目線を意識しました。
―タックルで意識した部分は
外国人選手はやっぱり強くて、日大はその選手を使うかダミーで裏に回すかのどちらかだと思っていたので、自分のポジションから見た時に、パスの時のスピードを見て(タックルを)狙ったのがうまくいって、タックルを低く入ることができた。相手のスペースにうまく入れたという実感はありました。
―夏のけがの影響など
中大戦は動きづらさや怖い時があったが、今はもうなくなって踏み込む時も走る時もいつも通りです。
―けがをしていた時に特に意識した練習は
今年からCTB(センター)、バックスリー(※②)に入るということを言われていたので、体のサイズアップ、自分のスピードを落とさない程度の体づくりと、瞬発力とリロード(※④)の速さは意識しました。
―自分の個性を発揮するプレーは
今日は特になのですが、アングルを意識したのが結構この試合ではハマりました。CTB(センター)のポジションで相手のギャップのある位置をアングルで狙って入って行くスピードとタックルは自分がミスすると一気に外に回されてしまうのでそこを意識しました。そのアングルとタックルをこれからも突き詰めていけば残りの3戦も通用してくると思うので頑張りたいです。
―残りの3戦に向けて
今までのチームよりフィジカルがあると思うのですが、それでも自分たちも通用するプレーが絶対あると思う。そこをミスで終わらせるのではなく、自分たちのラグビーをやっていけば勝てると思うので、自分たちのラグビーを練習して、その練習の成果を出せるように頑張りたいです。
※①アングル…ボールをもらうコース
※②バックスリー…両WTB(ウイング)と最後方のFB(フルバック)の3人の総称
※③カットアウト…内側に走ると見せかけて外に切り返し、パスをもらって相手の外側を抜くこと
※④リロード…タックルやブレイクダウンなどで倒れたあとすぐに起き上がりプレーに参加するための動き
フォトギャラリー
- 3試合連続トライを決めたWTB(ウイング)斉藤(中央)
- 後半逆転トライを奪ったWTB(ウイング)井上拓
- ラインアウトを成功させる法大
- ボールをもらい、ゲインするFL(フランカー)ジョーンズ
- PGを決めるなど足でも存在感をみせるSO(スタンドオフ)金井
- 強い当たりとパスで好機を演出したCTB(センター)呉(左)
- ボールをもらい力強い攻撃をみせたLO(ロック)塩見
- 外国人選手を3選手ようした日大の攻撃を止める法大
- 帰国後、法大FW(フォワード)を引っ張るLO(ロック)ウォーカー
- 外国人選手に低いタックルで止めにかかるCTB根塚洸ら
- 攻守でU-20日本代表の実力を見せたCTB(センター)根塚洸(中央)
- 前半4試合連続のトライ、今季3回目の1試合2トライを決めたFL(フランカー)山下憲