【硬式野球】強豪ひしめく神宮でも『結束』を見せ日本の頂点をつかみ取れ!!明治維新百五十年記念 第49回明治神宮大会 展望
明治維新百五十年記念 第49回明治神宮大会
2018年11月10日(土)
神宮球場
今季12季ぶりとなるリーグ戦優勝を果たした法大野球部が次に臨むのは、明治神宮大会。現役部員にとって初の全国大会となる。各リーグの強豪がそろい集った中でも、今季優勝の勢いそのままに『日本一』へ。大学野球の頂点を狙う。
神宮大会展望(※出場校結果は11月10日16時時点)
東京六大学野球秋季リーグ戦では12季ぶりに歓喜が訪れた法大野球部。『大学日本一』になるため、明日の第49回明治神宮大会初戦に臨む。東京六大学リーグと違い、明治神宮大会はトーナメント方式と一発勝負。落とせない戦いを共に戦う、各リーグを制覇してきた出場大学を一部紹介する。
まず、法大が明日対戦する環太平洋大は4年連続5度目の出場。前回大会では慶大を倒し、初の4強に輝いた。昨日2-1で勝利した函館大戦で先発したのは、エース・西山雅貴。前回大会の慶大戦では6回無失点と好投した3年生右腕が函館大戦でも7回1失点の好投。丁寧にコーナーを突き内野ゴロの山を築く西山の投球に抑え込まれると厄介だ。
法大が準決勝で対戦する大学は東日本国際大、近大、筑波大のいずれかとなる。東日本国際大の注目選手は西武からドラフト4位指名となった粟津凱士(かいと)。スリークォーターから放たれる最速147㌔の直球と2種類のシンカーを操る右腕として、西武でも即戦力として期待されている。近大は最速150㌔右腕の村西良太、スリークォーター左腕の小寺兼功と2年生ながら4番を任される佐藤輝明に注目だ。佐藤はフルスイングが魅力の左の強打者。今年の第42回日米大学野球選手権大会、第29回ハーレムベースボールウィークにそれぞれ出場し、関西学生リーグ戦でも3試合連続の本塁打を放つなど優勝に貢献した。筑波大学は、今季は盤石の投手陣体制が敷かれている。日体大の松本航や東妻勇輔、東海大学の原田泰成らが在籍する首都大学リーグは上位10傑の防御率が2.60以内と好投手ぞろい。その中で、防御率0.00、0.32で1,2位を占めたのが筑波大の佐藤隼輔と加藤三範。加藤三範はベストナインにも選出されており、彼らを打ち崩すことができるかが鍵を握りそうだ。
決勝で戦う可能性があるのは、立正大、創価大、関西国際大のいずれか。『戦国東都』と言われるほど強豪ひしめく東都大学野球を、2カード落としたのちに追い上げ18季ぶりに制した立正大は、主将の伊藤裕季也、小郷裕哉のドラフト指名された両野手に注目だ。伊藤裕は、駒大との優勝決定戦で先制の本塁打を放ち、最高殊勲選手にも選出。粘りの野球を見せている。創価大には来秋のドラフト候補の杉山晃基、小孫竜二、望月大希の3年生投手トリオを擁する。関西国際大は初戦で中部学院大を7回コールドで8-1で下し勝利を収めた。2年生左腕の武次春哉が7回1失点と好投した。
対する法大は今季先発の柱となった三浦銀二(キャ1)、高田孝一(法2)、菅野秀哉(キャ4)、石川達也(キャ2)ら、今季力投を見せた投手陣が迎え撃つ。青木久典監督が「(先発は)一番状態の良い者。リーグ戦とは同じ形にはならないかもしれない」と言うように、先発はまだ未定。落とせない一発勝負に向け、ぎりぎりまで状態を見極める。一方の、野手陣は主将・向山基生(営4)、ヤクルトから2位指名された中山翔太(人4)が変わらず中軸を打つことが予想される。また、クリーンアップの前に走者をためるため、リードオフマンの宇草孔基(営3)、今季リーグ2位の打率.419を残した小林満平(法4)、3位の打率.373の川口凌(人4)らの、リーグ戦同様の役割にも期待がかかる。また、接戦が予想され、かつ六大学リーグにはないタイブレーク制も採用される今大会。守備の細かいミスが命取りとなるだけに、リーグ戦では内野のベースカバーなどにおける連携ミスが目立った試合もあったが、注意が必要だ。
神宮大会では優勝3回。準優勝5回を誇る法大だが、前回の優勝は1981年(昭和56年)の第12回大会以来と遠ざかっている。東京六大学連名代表としての誇りを胸に、37年ぶりの王座奪還へ。向山主将のもと『結束』したオレンジ旋風はまだまだ神宮に吹き続ける。
(藤原陸人)
フォトギャラリー
- 一丸となって神宮大会優勝に挑む部員たち
- リーグ戦で3勝を挙げるなど活躍を見せた三浦
- 救援で力投を見せた菅野
- 救援として3勝を挙げた石川
- 主将として打線をけん引する向山
- 4番としての活躍が期待される中山
- 下位打線の軸となるであろう川口凌
- リードオフマンとしてブレイクした宇草