【空手】第62回全日本大学空手道選手権大会 法大の躍進は全日本の大舞台でも! 成長著しい1年間の集大成は37年ぶりの4強入り!!
第62回全日本大学空手道選手権大会
2018年11月18日(日)
日本武道館
この一年間、着実に成長を遂げてきた法大。東日本、関東での準優勝を経て、集大成ともいえる今大会では、その力を存分に発揮し、目標としていた打倒・近大も達成。準決勝で惜しくも国士大に敗れるが、37年ぶりの4強入りを果たした!!
※掲載が遅れてしまい、大変申し訳ございません。
試合結果
男子団体組手
回戦 | 対戦校 | 結果 | 試合詳細 |
---|---|---|---|
1回戦 | 愛知学院大 | ○4-1● |
先鋒 今村○4-1●伊藤 |
2回戦 | 大阪産業大学 | ○3-0● |
先鋒 宇野○1-1●森本 |
3回戦 | 大阪経済法科大 | ○2-2● (ポイント) |
先鋒 宇野▲2-2▲寺田 |
準々決勝 | 近畿大 | ○3-2● |
先鋒 宇野●2-3○中野 |
準決勝 | 国士舘大 | ●0-3○ |
先鋒 宇野●2-5○渡邊 |
戦評
準優勝を納めた関東選手権から1ヶ月。今年度最後の大会である全日本で目標として掲げたベスト4を達成できるか、注目の大会となった。
1回戦は主将・今村洸登(デ工4)の安定した先鋒戦から順調に大将戦まで勝利し危なげなく初戦を突破。2回戦では先鋒の宇野勇気(理工3)が上段の突きで先制し勝利を収め、次鋒の青山広樹(文2)、中堅・酒井寛太(生命1)も続き、負けなしで3回戦出場を決めた。3回戦の先鋒は宇野。お互い様子を見ながらの試合で2-2の引き分けに。次鋒の青山は突きで先制するも中段蹴りを決められ2点を奪われ敗戦。副将の鶴田陸(文1)も積極的に攻撃を仕掛けるが3-4と敗れ、追い込まれる。しかし大将・泉光雅(理工1)が相手に隙を与えない3-0と意地を見せ、ポイント制勝ちで法大が勝利を収める。
準々決勝の相手は近大。先鋒の宇野が中段蹴りを決めるが2-3で惜しくも敗れ、次鋒の鶴田が積極的に攻撃し白星をあげる。しかし中堅の青山が1-2で敗れ副将の谷沢元輝(国文3)が巻き返しを図る。両者一歩も譲らない接戦となるが、大将戦で泉が着実に点を重ね逆転勝ちを収める。
そして迎えた準決勝、対国士大。ここで勝てばチームの目標であるベスト4以上の結果を得ることができる勝負の一戦となった。先鋒・宇野、次鋒・鶴田が続けて中段蹴り、上段蹴りをそれぞれ決められ悔しい敗戦を喫する。点差は10点と大きく開いたまま中堅戦で青山が逆転を図るも3-3で副将戦へ。谷沢は積極的に攻撃を仕掛けるが1-1で試合終了。先制点を取られていたため、そのまま法大の敗戦が決まった。
今年度の集大成となる全日本はベスト4という結果で幕を閉じた。1年生ながら大将を務めた泉が「ベスト4を達成できたことが純粋に嬉しい」と語るように、確実に成長を遂げている法大。1年生たちのめざましい活躍もあり、今後の法大空手部の更なる盛り上がりが期待される。(桑原美穂)
監督・選手のコメント
手嶋重忠監督
―試合を振り返って
良かったのは、明確な目標であった近大戦に勝利したことです。
―国士大は射程圏内であったかと思いますが、辛くも敗戦となりました
今日の選手の動きを見ていると、宇野は思わしくなかったし、鶴田も元気がなかったですね。その中でよく近大に勝てたな、と思います。選手には注意しましたが、きちっとした突きや決めであるとか、基本がおろそかになっていたので、試合の流れで勝っていた感じですね。国士大に負けたのはそういう点で相手が勝っていたからだと思います。
―鶴田選手に関しては、上段蹴りが魅力の1つだと思いますが、やはり審判へのアピールは難しいですね
今日は試合前から腰が高くて。焦るとすぐに足が上がるのは(蹴りで得点しようとするのは)良くないですね。コツコツと突きで点を重ねて、相手が油断している時に蹴れば良い。上位の大学はみんな下がらずに前へ詰めて来ますから、そこを蹴りで狙うのは危ないですね。
―近大戦、泉選手に救われたところが大きかったと思います
多摩での合宿もそうだし、皆にも泉の良いところを言っていたんです。彼のような大将を据えるのは初めてだったのですが、こういう大将がいると負けないんだな、と実感しました。手足が長い、懐が深い、という資質もありますね。泉が引いて待っていると、相手が焦って入ってくるから、そこを狙うように、と言っていました。技数は多くないのだけれど、間合いの取り方が上手かったりだとか、無駄な動きをしないので。そういった駆け引きの中で、泉のペースに持ち込むことができました。厳しい状況の中でも、最後に泉が勝ってくれる、良い大将を見つけました。今回の大会は、泉の力は大きいですね。
―プレッシャーの中でも平常心を保てる精神的な強さも感じました
そう。それで焦ったりして無駄な動きをしないんです。私自身、敵チームにこういう大将がいたらやりづらいな、と思って、先程言ったような戦法を徹底するよう言ってきました。それが上手くはまったんじゃないかな。
―谷沢選手は公式戦では久しぶりにコートに立ちました
谷沢は、今までは遠い間合いからの左手の突きが多くて、それがあまり当たらなかったんです。それを注意して、中段突きがないと勝てないぞ、ということで。今回も使おうと思っていたところに、コーチの方から「体はできてる」と話があったので、実際に出しました。1回目も2回目も中段突きで点を取っていましたし、話を聞いてくれたんだな、と。国士大の最後の最後は焦りもあったのか、きちんとしてない部分もあって、それは注意しました。中段突きで安定して点が取れるようになれば、選手としてももっと上に上がれると思いますね。
―1年間を振り返って
とにかく1年生の成長は大きかったですね。私も顔を出すたびに、付きっきりで練習を見たりして。彼ら自身も、自分のことや戦い方がわかったりして、成長を感じてるのではないでしょうか。あとは青山ですね。大分、空手がわかってきた気がします。最初はあまりにも技が大きくて、遅かったのですか、今年になって左の中段が入るようになったので。それにともなって、コンパクトな蹴りも入るようになったり。全部の動きが、狭い範囲の中でも対応可能になりました。
―この大会で4強入りは久しぶりのものだと思います
選手は喜んでるんじゃないかな。国士大に関しては、勝負だから仕方ないし、悔しいだけ。目標としていた近代に勝つことができたのが良かったです。
―成長著しい年でしたが、今後の展望は
今年も試合運びはそう悪くない。技がちょっと大きいのと、体が先に動いてしまうので、基本練習の量を増やして、もう1回やり直そうかな、と。何人かの、腰が浮く、間合いが遠いっていうのがなかなか直らないので、そこも直していく。ようやく松涛館の空手を教えられる、という感じですね。
―来年に向けて抱負を
この冬場に筋トレをして、強い体を作って、強い技を出せるようになれば、勝てます。同じレベルにいてはだめなので、油断しないでやっていきたいです。
今村洸登(デ工4)
―今日の試合を振り返って
今回はメンバーもそろっていたので、全日本はベスト4、近大に勝つことを目標にしていました。結果的にベスト4になれたということは、チームとしてはすごくよかったと思います。しかし最後に対戦した国士舘は、適わない相手ではないはずなのですが、そこを勝ちきれなかったというのが今後の課題になるし、次はもっと上を狙えるね、という話になってくるので、今後に期待です。
―1年生の活躍をご覧になって
安心できて、頼りがいのある頼もしい1年生たちなので、よく働いてくれたという感じでしたね。
―今年のチームはいかがでしたか
わがままで自由奔放なのですが、やはり根っ子の部分で、ちゃんと試合に勝つとか強くなるとか、そういうことを考えている意識の高いチームなのかなと思います。
―法政で過ごした学生生活を振り返って
スポーツ推薦ではないということで、1年生の頃は全然試合に出られなかったのですが、結局こういった形で主将もやらせていただいて、試合にも多少出させてもらえるという、本当に素晴らしい、幸せな経験をしました。
―空手部での4年間はいかがでしたか
充実!ものすごく充実していました。空手の部分で、ハイレベルな仲間と競い合うというのもそうですし、それだけではなくて人間的にも大きく成長できる場だったと思うので、すごく充実していました。
―4年間共に戦った同期に伝えたいことは
支えてくれて、ありがとうございました。あとは、もっと遊びましょう(笑)。
―後輩たちに期待することは
東日本、関東優勝を1番に期待していますね。まあ、できると思うので。できるメンツだし、できる実力を持っているはずなので、もっといい結果を出してほしいです。
宇野勇気(理工3)
―ベスト4で今大会を終えました
1年生も2年生も、3年生もですけど、結構実力が上がってきていて正直いけると思っていました。これは実力通りかなと思ってたんですけど、(準決勝の)相手が国士舘というのもあって、やっぱり決勝行きたかったですね。
―宇野選手個人としては
動きとしては全然悪くなくて、けどやっぱり負けるということはチームに貢献してないので。しっかりもっと勝ちを意識して、次4年生になるので『先輩はやってくれる』という安心感をチームにもたらしたいなと思います。
―国士大はこれまでも対戦経験がありますが、今日の印象は
僕らは近大に勝つということを目標にしてやってきてしまったので、そこで勝ってからはどこか集中力が足りなかったのかなと。そんなに国士自体は変わらなかったですけど、自分たちの集中力の問題です。
―今年1年を振り返って
今年はいろいろあったんですけど、チームとしてずっと結果を残していったわけで。東日本で2位、関東で2位、今回もベスト4までいけて。1年生からずっとやってきて後輩とかも入ってきて、やっと頑張りがチームとして(結果に)残せたかなと思います。
―来年からチームを引っ張る立場になりますが、どのようなチームにしていきたいですか
一人一人が強いですし、技術も高いのでそれをまとめるとかじゃなくて、自分が勝ちでチームを引っ張っていきたいです。どうのこうの言ってまとめるとかじゃなくて、必ず勝ってチームに貢献します!
―1年生が力をつけていますが今後期待することは
この1年いろいろ経験してきて、チームとして勝ち上がってきていっぱい試合数も経験したので、その経験を生かして必ず勝てる選手に全員がなればチームとして強くなると思います。自分含めて、チームに頼るとかじゃなくて自分で勝つというのを意識してほしいです。
―4年生は今大会で一区切りとなります
4年生は(今村)洸登先輩1人だけでメンバーに入ってきていて。けど各キャンパス、小金井もメンバー入ってない人でもしっかり練習に来て、自分たちの相手をしてくれて本当に下から支えてくれたというか。めっちゃ感謝してます。
―来年の目標は
とりあえず東日本で優勝することと、あとはインカレは最後なので、決勝に行くことです。1個ずつでいいのでまずは決勝にいって、その先の優勝は再来年に託したいと思います。
泉光雅(理工1)
―1年生で2度目の大将となりました
とても緊張しましたが先輩方や同期たちが繋いでくれたので絶対に勝とうという気持ちで頑張りました。
―初めての全日学の印象は
レベルは高かったのですが、後半は気持ちの問題かなと思ったので、もう少し練習量を増やして、次はちゃんと勝てるように頑張ろうと思います。
―ベスト4という結果の感想は
監督がベスト4を目標として定めていたので、それを達成できたことが純粋に嬉しいです。
―今後目指す選手像は
2つの大会でずっと大将を任されたので、多分これからも大将だと思います。大将戦でも確実に勝てるような選手を目指していこうと思います。
―来年の意気込みを
来年は全ての大会で優勝できるように頑張りたいです。
フォトギャラリー
- 大将としてチームの勝利に貢献した泉
- 「勝つ」ことでチームを鼓舞する宇野
- 谷沢は公式団体戦では久しぶりのコートに
- 来年は上級生として枢軸を担う青山
- 近大戦でも白星を挙げた鶴田
- 目標に掲げた「近大に勝利」を達成し歓喜する