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【硬式野球】東京六大学野球秋季リーグ戦開幕直前特集 『覚悟』 第1回 青木久典監督インタビュー

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【硬式野球】東京六大学野球秋季リーグ戦開幕直前特集 『覚悟』 第1回 青木久典監督インタビュー

2019年8月21日(水)
法政大学野球部合宿所

 9月14日に開幕する東京六大学野球秋季リーグ戦。昨季5位に低迷した法大野球部にとっては昨季の雪辱を果たす舞台であり、さらには「秋連覇」を目指す舞台でもある。青木久典監督も復帰し、開幕に向け、準備は着々と進んでいる法大。今回は開幕直前特集として、開幕までの7日間にわたり、監督、選手、スタッフのインタビューをお届けする。第1回の今回は、今季の指揮を執る青木久典監督のインタビューをお届けする。

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今季の指揮を執る青木久典監督

青木久典監督インタビュー

青木久典 監督

—昨季の法大の戦いぶりを振り返って
そうですね。外から見ていたのですが、あまり詳しくは見れていないです。あやふやなことは言えないと思います。数字的なことでしか、わからないのかなと思います。

—その「数字的なもの」で言うと、チームホームラン数、打点数というところは良かった点として挙げられると思います
打つ方に関して、たくさんホームランを打てて、それに乗じて打点が上がったというところは良かったとは思うんですけれども、『勝ち』というところににつながる『勝利打点』ではないということで、そういう意味では評価として低いのかなという感じで見ていますね。

—選手個人で見ると、安本竜二(営4)選手が5試合連続本塁打で連盟タイ記録を樹立しました
それに関しては、安本は今まで、レギュラーではなくてくすぶっていた中、しっかり4年の春に開花できたということは本当に良かったなという感じで、うれしく思います。

—守備面では失策数12と、粗さが目立ってしまいました
それはその通りですよね。数字の面でもそうですし、あとは目に見えないものも含めたら相当粗さというところはあったと思います。そこのあたりが、チームが優勝戦線に絡めなかった原因なのかなと思います。やはり、そこは整備していかなければ、とは思っていますね。

—そのような昨季の成績があった中、8月1日にチームに再合流し、まずは選手に対してはどのようなことを
まずは、4カ月、自分が見ていないという事実があるので、いきなり2日から北関東の遠征も入っていたのですが、もうわからないことだらけなんですよ。なので、しばらくは「静観」させてもらう、ということは言いましたね。「みんなのことはゼロの状態で見ているから、アピールしてね」という話をしました。選手に対しては、とにかく、「静観」するというところを言いました。

—監督代行を務めた金光興二副部長とはどのような話を
本当に、金光さんは4か月、大変な思いをしたと思います。引き継ぎの時にはチームの状況や、4か月間のことを、こと細かく教えていただきました。金光さんから引き継いだこと意識しつつ、今度は自分自身が考えることも選手たちに伝えていければいいのかなと思ってやっています。金光さんには本当に感謝しています。

—では、スタッフについて、学生コーチとはなにかコミュニケーションは
本当に、学生コーチ、特に4年生の4人ですね。素晴らしいんですよ。本当に彼らがいてくれるおかげで、いろいろ僕もやりやすくできてますし、彼らには感謝の言葉しかないです。話したここと言えば、さまざまなんですが、僕の考えていること。戦術、戦略を含めてです。(試合中に)「今、俺はこういうことを考えて、こういうサインを出したよ」とか、あとは「リーグ戦であればこの選手をこの場面で使う可能性がある」だとか、「この場面ではこのピッチャーをスタンバイさせておいてくれ」だとか、そういうようなことを、逐一。そうしていかないと、いざ、リーグ戦本番というときに(チームが)機能していかないと思うので。そのようなことを言っていますね。

—昨季、打撃面で不振に陥った舩曳海(キャ4)選手や毛利元哉(法4)選手など、選手個人個人と何か話は
しましたね。具体的には、彼らは野球人なので、技術的なことを「俺はこう思う」という私の意見をしつつ、話しました。特に舩曳に関しては「ここが崩れているから打てないんだ」という話をしました。舩曳は、(打撃に関して)自分の考えというのがあると思うのですが、(監督として)ここだけは譲れないぞ、ということを話しましたね。また、人間として、人間力を高めるような話もしました。当たり前のことを当たり前にしなさい、ということですね。

—投手陣については昨季、課題が残りましたが、今季の軸として考えている投手は
まだ決まっていないですね。昨季第一先発だった三浦(銀二、キャ2)の状態としては普通かなと思いますね。良くも悪くもなく普通です。ただ、もう少し(先発投手については)悩もうかなと思っています。

—新戦力については
特に、ピッチャーでいうと、古屋敷(匠眞、営2)なんかは、すごく成長したなと感じているので、十分戦力になるんじゃないかなと感じています。野手の方で言うと、野尻(幸輝、営1)とか、あとは齊藤(大輝、人1)、大柿(廉太郎、法1)というキャッチャー。この3人はかなり面白いなと。やっぱりそれなりの場数というのを踏んできている選手たちなので、(ベンチ入りに)食い込んでくるんじゃないかなと、思っていますね。

—スタメン争いについて、オープン戦では内野手、外野手ともにさまざまな起用が見られます
内野で言うと、遊撃手はキャプテンの福田(光輝、人4)がいて、そこは変えるつもりはないですね。セカンドがどうなってくるかというところで、調子の良い選手が(先発に)なってくるのかなと思いますね。西山(翔真、法4)というのも、良い働きをしてくれていて、福田がもしけがをしてしまっても、代わりにやってくれるだろうということを思っています。セカンドは現段階で相馬(優人、営4)と佐藤(勇基、法3)が争っていて、このままもう少し考えようかなと。先ほども言ったように、ゼロから見始めているので、結果を出している選手を使いたいと思っています。相馬はこれまでずっとスタメンで出ていますが、そういう選手でも、しっかりゼロから見ていますね。外野手については今、舩曳は好調なので、このままいったらスタメンかなとは思います。普通に行けば、舩曳、宇草というところは決まりだと思いますね。そこで、もうひと枠をどうするかといったところで、片瀬(優冶、人3)や杉村(泰嘉、文3)といったところが非常に成長著しいので、良い悩みが出ていますね。相手投手によって使い分けるということも考えています。あとは毛利がどのくらい復調するかといったところですね。

—現在のチームの状態、雰囲気について
本当に、ベンチに入っている4年生の清水(俊作、文4)、古山(侑杜、社4)、札葉(弘樹、経4)あたりが一生懸命声を出してくれているおかげで、チームの雰囲気が停滞してしまうような時も、盛り上げてくれますし、良い状態だと思います。彼らはやっぱり必要不可欠でしょう。そこには野球の技量というのは関係ないと思うんですよね。そこは、僕の中では「戦力」として思っているので、彼らの存在は大きいですよ。良い「戦力」です。

—開幕戦までにチームとして詰めていくことは
まずは、守りの中で変なミスをしないことだと思います。そうしないとゲームにならないと思うので。やっぱり、ピッチャー含め、守りの部分を強化することかなと思います。まずは「負けない野球」をしていかなければならないと思うので、そういったところでしっかりとした野球をする。そうして失点を少なくすれば、うちの攻撃陣が持ち味を出して、奮起してくれるだろうと。それが(勝利への)パターンではないかなと思いますね。

—鍵となるカードは
これといったところはないですね。特に、うちは春5位なので、挙げるなら最初とその次のカードではないでしょうか。まず、そこに全精力を向けていかないと、次はないと思います。

—今季のキーマンを1人挙げるとしたら
「ピッチャー陣」といったところですかね。誰が先発になってくるかというところで、そこのあたりがキーになるのかなと。そういう意味では、(具体的には)春、あまり良くなかった朝山(広憲、法4)だと思います。彼が機能するかどうかで、ピッチャー陣が良い方にも、悪い方にも行くと思うんですよ。彼がキーマンですね。

—最後に今季の意気込みと、ファンの方々へのメッセージをお願いします
まずは、春の良くない結果というのがあるので、『覚悟』を決めて、この秋、しっかりとした結果を残したいと思っています。ファンの皆さんには、まず、ご迷惑とご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。また、こうしてチャンスをいただいたので、真摯な気持ちで、学生たちと向き合っていきたいですし、法政大学野球部の良い伝統、歴史を残せるように、頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします。

(取材:山﨑有馬)

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青木 久典(あおき・ひさのり)
1973年2月16日生まれ
三重県出身・三重高校→法政大学→たくぎん→本田技研鈴鹿→サンワード貿易
『現役時代は主に遊撃手としてプレー。大学では 現侍ジャパン監督の稲葉篤紀と同期。副将も務めた。社会人野球部では9年間中心選手として活躍し2004年に現役を退く。その後、富士大学のコーチ、監督を経て14年1月より法政大学野球部の助監督に。今年4月から4か月間の謹慎があったが、8月1日にチームに復帰。再び指揮を執り、チームを秋連覇に導く』

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