【フェンシング】第72回全日本選手権 男子エペ・女子サーブル 惜しくも準決勝で敗退も、髙嶋は堂々の3位入賞!
第72回全日本選手権 男子エペ・女子サーブル
2019年9月21日(土)
駒澤オリンピック公園体育館
大会3日目では男子エペと女子サーブルが行われた。男子エペでは村山健太郎(デ工4)が1回戦を突破したものの、2回戦で1本勝負をものにできず敗退。25位と悔しい結果に終わった。女子サーブルでは髙嶋理紗(国文3)と月野敬子(国文1)がベスト16入り。中でも髙嶋は準決勝で惜しくも敗れてしまったものの、堂々の3位入賞を果たし、今大会法大勢で最高の成績を収めた。
試合結果
種目 | 出場選手 | 順位 |
---|---|---|
男子エペ | 村山健太郎(デ工4) | 25位 |
浅海正哉(文1) | 46位 | |
女子サーブル | 髙嶋理紗(国文3) | 3位 |
月野敬子(国文1) | 15位 | |
稲野邊南(国文2) | 25位 | |
吉田真花(法2) | 41位 | |
和田佳奈(文3) | 42位 |
戦評
男子エペ
男子エペは予選プールを通過し、本戦トーナメントへ村山健太郎(デ工4)と浅海正哉(文1)が出場した。
浅海は1回戦で津江(山口クラブ)と対戦。序盤に大量得点を許したが、その後流れを引き寄せ浅海のペースに持ち込む。しかしその勢いは続かず、終盤に引き離される形となり無念の1回戦敗退となった。全体の46位で大会を終えた。
村山は1回戦で赤池(吉祥寺クラブ)と対戦。序盤にリードされたものの、中盤以降はペースを掴み、そのまま追い上げを見せ15-13で勝利。続く2回戦では同級生の好敵手加納(早大)と対戦。両者は昨年の71回大会でも対戦しており、その試合では加納が勝利。村山としては、なんとしても勝ちたい一戦だった。序盤は村山がリードしていたものの、中盤以降互角の戦いが繰り広げられる。そして一進一退の攻防の末、最後は一本勝負に。この勝負をものにしたのは、加納だった。村山は1年前の雪辱を果たせず、3回戦進出は叶わなかった。試合後自身のプレーを振り返り、「非常に惜しい結果に終わった」と悔しさをあらわにした。しかし、「学生選手権に向けて頑張っていきたい」と前向きに語り、次の試合に向け再出発を誓った。
女子サーブル
女子サーブルには髙嶋理沙(国文3)、和田佳奈(文3)、稲野邉南(国文2)、吉田真花(法2)、月野敬子(国文1)らが出場。全員が予選プールを通過、本戦トーナメントへ進んだ。
和田と吉田は共に初戦では学生との対戦となったものの、僅かに及ばず1回戦で姿を消すこととなった。稲野邉、月野らは共に1回戦を突破。稲野邉は2回戦でシード選手である木村毬乃(株式会社なとり)と対峙。序盤は互角の戦いを見せたものの、中盤から4ポイント連続失点をするなどして9-15で敗戦となった。月野は2回戦を快勝し3回戦へ駒を進めた。3回戦では立ち上がりから点差が開き、そのまま相手ペースで試合が進んだ。8-15で敗戦し、準々決勝進出はならなかった。
今大会最も奮闘したのは髙嶋だった。「緊張もしたが、自分がやってきたことを信じてプレーした」(髙嶋)と語ったように、初戦から果敢に攻め、2回戦、3回戦を快勝。続く準々決勝では、前回大会で敗れた福島史帆実(セプテーニHD)と再び対峙。準々決勝では大会前からシード選手との対戦カードを把握し、意識しながら練習に取り組んだ髙嶋に軍配があがった。立ち上がりから積極的に踏み込み、相手との距離を詰めポイントを奪い、見事な勝利を収めた。その後準決勝まで駒を進めるも、2017年度全日本覇者の青木千佳(NEXUS)に決勝の切符を奪われ、3位で今大会を終えた。
全日本開幕前には「アジア選手権や世界選手権で団体メンバーという形で遠征に行き、自分の使える技が明確に見えてきた」と髙嶋。けがなどの影響で練習への取り組み方、試合への調整など上手くいかないことも多かったという。それでも手にした全日本の銅メダルは紛れもなく、昨年涙した日から真摯にフェンシングと向き合ってきた結果だった。
(記事:梅原早紀、飯嶋幸喜、写真:片山和貴)
選手インタビュー
村山健太郎
ー1回戦、赤池選手との試合で意識したことは
赤池選手の動きには緩急があり、試合序盤は自分のアタックのタイミングを相手に合わせるのが難しく、その動きに翻弄されていました。ですが、試合後半は剣を変に引かないように、前に構えるようにしたところ、それが逆転に繋がりました。
ー2年連続で加納選手と対戦しているが、今日の試合はどうだったか
加納選手は自分と同期であり、切磋琢磨してきた仲で常に意識してきた選手です。去年は天皇杯で負け、今年こそはという気持ちで試合に臨んだのですが、14-15と惜しい結果に終わってしまい、非常に悔しい思いです。
ー加納選手との試合の中で納得のいくアタックはあったか
加納選手はスピードがあってパワーもある選手なので、それに対して、剣のコースを変えて相手を翻弄し、相手の剣を抜くようなアタックが多く決まったのは、自分でも納得のいくプレーでした。
ー今後に向けて一言
今回、全日本に負けてしまい、ランキングは大きく落としてしまったのですが、これで終わりではないので、学生選手権やその他の大会に向けて一からやり直して頑張っていきたいです。
髙嶋理紗
―全日本を振り返って
最近は調子が良くて、今年はいけるんじゃないかと思ったのですが、準決勝では自分の思っているようなフレーズと異なって、迷いが生じた点があってそこが少し悔しかったです。
―ジャッジについて
攻撃権や剣を叩く時のタイミングで決まるので、そういった判断が準決勝は難しくて、ビデオを2回使ってもだめだったのでその点はすごく悔しかったです。
―大会前の調子や手応えなどは
ここ最近は5月に試合に出たきりで、そこから試合はしていなかったのですがアジア選手権と世界選手権で団体メンバーという形で遠征に行き、日本の選手だけではなく海外の選手と剣を交える機会がありました。そこで自分の使える技が明確に見えてきて、自分の中でいいイメージを持つことができました。
―初戦の入りで気を付けていたことは
種目が最終日の日程だったので、2日間他の種目の試合を観ていました。初戦から負けてしまう選手も多かったので、緊張もしたのですが自分がやってきたことを信じてプレーしました。
―準々決勝では前回大会と同様の組み合わせとなったが
昨年は福島さんに負けてしまい、すごく悔しい想いをしました。シード選手は一週間前くらいから誰と対戦するのかがわかっていたので、一緒に練習をしながら少し研究をしていました。その点が良かったかなと思います。
―大会前に設定した目標とそれに対する達成度は
もちろん目標は優勝することだったので、最後勝って決勝の舞台に行きたかったです。満足はしていないのですが、これが自分の今の実力だということを受け止めて今後もやっていきたいです。
―今大会を終えての気持ちは
練習も100%で取り組むと、痛めている部分が悪化してしまい、試合前も100%で準備ができないという状態が続いていました。それでも上手く向き合いながら試合に臨めるようになってきたと思います。
―今後の目標と意気込みをお願いします
全日本が終わり、今後は海外のW杯やグランプリが続いていくので、五輪出場につながる大事な戦いが始まります。一試合、一試合集中して五輪出場権を得られるように頑張っていきます。
フォトギャラリー
- 3位入賞の高嶋
- 稲野邉は積極的なアタックを仕掛けた
- 惜しくも1回戦敗退となった和田
- 髙嶋は準決勝で惜敗
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- 浅海は予選プールを突破するも1回戦で姿を消した
- 試合後笑顔を見せた稲野邊