【陸上競技】第99回日本陸上競技選手権大会2日目 男子200mで長田が4位入賞!
第99回日本陸上競技選手権大会2日目
2015年6月27日(土)
デンカビッグスワンスタジアム
2日目では男子200m決勝で長田拓也(経3)が4位の結果を残し、惜しくも表彰台は逃したが、自身初の日本陸上競技選手権大会(日本選手権)で入賞を果たした。

試合結果
種目別結果
種目 | 名前 | 記録 | 順位 |
---|---|---|---|
男子100m予選 | 大瀬戸一馬(スポ3) | 10秒37 | 4組2着 |
長田拓也(経3) | 10秒36 | 5組1着 | |
男子200m決勝 | 長田 | 20秒63 | 4位 |
男子400m予選 | 伊藤健太(経3) | 46秒91 | 1組7着 |
矢野琢斗(スポ3) | 46秒64 | 1組6着 | |
女子400mH予選 | 川端涼夏(スポ4) | 59秒36 | 2組4着 |
戦評
男子100m
4組目に出場した大瀬戸一馬(スポ3)は故障の影響もあり、不安を抱えながらのレースとなった。「全力を出すのは怖い」と勝負に出る力をまだ発揮することはできていない。それでも安定した走りを見せ、2着10秒37とまずまずのタイムを残した。5組目の長田拓也(経3)は、スタートに失敗するも中盤から巻き返す。「疲れを残さないように」と200mの決勝にむけて余力を残しながらも、10秒36の組1着でゴール。大瀬戸、長田両者ともに順当に準決勝進出を果たした。 明日行われる準決勝では2人は同じ組で戦うこととなる。その中には関東インカレで優勝したケンブリッジ飛鳥(日大)や2年前の王者、山縣亮太(SEIKO)など有力選手が数多く出場するが、その中でも決勝に進み表彰台を獲得してほしい。(羽根田萌)
予選を通過した大瀬戸
男子200m
男子200m決勝には先日の予選を突破した長田が挑んだ。
高瀬慧(富士通)、藤光謙司(ゼンリン)らタイムで長田を上回る選手が数多く出場した決勝。厳しいレースも予想されたが、スタートから飛び出し加速していく長田。だがコーナーを付近で藤光が抜けだし、高瀬、サニブラウン・アブデル・ハキーム(城西大城西高)にもかわされ、ラストの直線へ。必死に前をいく選手を追ったが惜しくも及ばず4位。レース後、表彰台を逃し、高校生のハキームに負けたことを悔しがったが、初めての日本選手権で自己ベストを更新し、4位に入ったことは貴重な経験となったはずだ。明日行われる100mの準決勝、決勝では目標とする世界選手権の参加標準記録(10秒16)を切り、表彰台を獲得できるか。(佐々木岳)
200mで4位に入った長田
男子400m
男子400mには矢野琢斗(スポ3)と伊藤健太(経3)が出場。共に同じ組での出場となった。この組にはOBで10連覇中の金丸佑三(大塚製薬)や、関東インカレを制した佐藤拳太郎(城西大)ら、実力者の揃う厳しい組であった。
2レーンからスタートした伊藤は落ち着いた入り。序盤から他選手のスピードに圧倒されるが、粘りの走りを見せ、7着ではあったものの、セカンドベストとなる46秒91をマーク。
一方で矢野はスタートから飛ばし、200mを通過したあたりでは先頭争いを繰り広げる。しかし後半は疲れから徐々にペースダウン。自己ベストを更新したものの、6着に終わり、明日の決勝進出を逃した。
棄権者が多く出た影響で、レースの時間がずれたことや、1着でゴールした金丸が今季日本最高タイムを出すなど、難しい状況であったが両選手とも大舞台でも臆することなくレースに挑んだ。明日の決勝には残れなかったが、この悔しさは秋の全カレにぶつけて欲しい。(佐々木岳)
伊藤は初の日本選手権に出場
女子400mH
この日最初の種目女子400mHに登場した川端涼夏(スポ4)。レース後半で前の選手との差を詰めようとするも、追いつくことができず。それでも自己ベストに迫る59秒39でフィニッシュした。「今回も前半出ることができていなかった」と序盤の走りについてはまだまだ納得していない。今大会では、目標としていた58秒台を出すことはできなかった。この後のシーズンでは、夏の練習で修正すべきところを克服し、全日本インカレでの目標である「2種目(400m、400mH)入賞」。にむけて調整していってほしい。(羽根田萌)
川端は自己ベストに迫るタイムを出すも予選敗退
選手コメント
川端涼夏
ー今日のレースを振り返って
調子はすごく良かったので、もう少しタイムが出るかなという感じでした。タイムもセカンドベストではあったのですが、思ったよりもタイムが出なかったのはすごく悔しいです。
―やはりベスト更新を狙っていたということでしょうか
そうですね。58秒台を出すことを目標としていたのでベストに届かず、悔しいところはあります。
―4着という結果で決勝進出とはなりませんでしたが、着順については意識していましたか
決勝には出たくて、参考記録では私は下の方だったのですが出られるかなと思っていたので、着順は結構気にしては走っていました。
―関東インカレの際にアキレスけんに痛みがあるとおっしゃっていましたが、いまはもう気になってはいない状態なのでしょうか
そうですね。ケアもして、まだ治りきったとは言えませんが走っているときはそんなに気になっていないので大丈夫かなと思います。
―日本選手権にむけて意識して練習していたことはありましたか
特に意識したことはないですね。とりあえずアキレスけんを治すことを第一にやって、あとは調子を合わせていくという感じでした。
―今大会で今シーズン前半が終わりましたが
今シーズンは58秒台を出すことを目標にやっていたので前半で出したかったのですが、出なかったというのは反省する点だと思います。でも関東インカレでベストが出たのは大きな収穫だったと思うので、これを励みに後半も頑張っていきたいと思います。
―これから夏には、どのようなことを中心に調整していく予定なのでしょうか
今回も前半が出られていなかったので、スピード練習をしつつ総力を上げられるように頑張りたいと思います。
―これからの目標は
58秒台を出すというのは必須条件だと思います。全カレでは入賞を目指していきたいなと思っていて、400mは今まで入賞したことがないので2種目入賞することを目標に頑張りたいなと思います。
長田拓也
―100m予選のレースをふりかえって
スタートがあまり良くなくて、雨も降っていて足もあまり良くなかったので、9割くらいですっといった感じでいきました。200mもあったので疲れを残さないようにっていう感じですね。
―200mについては20秒63の4位という結果でしたが
タイムも5台が出なかったですし、3位にいけるかなと思って走っていました。あと高校生(サニブラウン)に負けたというのは一番悔しいです。全部悔しいですね。タイムも順位も全部悔しいです。悔しいしか出てこないです。
―レース内容ついては
前半良い入りができたなと思ったら藤光さんに抜かれたのがわかって、そこから粘れれば良かったのですがその間に高瀬さんとハキームにいかれちゃって、後半最後の方は粘れたと思ったのですがそこで150mくらいのところでいかれちゃったというのが良くなかったのかなと思います。
―100mではスタートが良くなかったとおっしゃっていましたが、200mについては
そこは100mの後に修正していけたので、スタートに関しては明日は大丈夫かなと思います。
―100mでの目標は
200mで表彰台に上れなかったので、貪欲に狙って、無理かもしれないですが優勝を狙って、最低でも表彰台というのを目標にして明日は頑張ります。タイムは10.16を切ります。
大瀬戸一馬
―今日の100mを振り返って
1週間前にけがをしてしまって、試合に出るか自体が微妙なラインだったので、この試合まで練習もできてなくて、不安を抱えて臨みました。その割にはタイムも良かったですし、準決勝にも順当に進めたので、今日は良かったかなと思います。
―けがをした部位は
右の腿の裏あたりです。
―やはり走りに影響はあるのでしょうか
微妙ですね。走っていて痛みもありますし、違和感もあるので。それでもだいぶ回復したので、今は走れます。ただ予選も気持ち9割くらいで走っていたので、全力を出すのはちょっと怖いなという感じです。
―そういった状態の中では10秒37で2着というのは良かったということでしょうか
そうですね。悪くはないと思いますけど、決勝に残るためにはもう少しあげないと厳しいかなと思ってはいます。
―明日の準決勝、決勝の目標タイムは
タイムは特に目標はないです。とりあえずこんな状態でも決勝に残れる走りはしたいなと思っています。決勝に残れば何が起こるかわからないので、まずは決勝を狙って走りたいなと思います。
―世界選手権の参加標準記録(10秒16)などはあまり意識していないということでしょうか
そうですね、元々は狙っていたのですが、今はそういう状態ではないので、今できることをしっかりやっていきたいと思います。
―明日の準決勝、決勝へ向けて意気込みを
まずは決勝にしっかり残りたいです。世界リレーも出てアドバンテージもあるので。決勝に残れれば決勝をしっかり走って、リレーでの代表入り目指して頑張りたいと思います。
矢野琢斗
―6着で46秒64というタイムでフィニッシュしたことについて
先々週の学生個人から自分的には疲労が抜けきれていなくて万全な状態とは言えない状態で臨んだのですが、結果はタイム的には出ているので、タイムが出ているだけに悔しいなという感じでした。もう少しちゃんと疲労抜き、治療に行って練習ができていればもしかしたら(決勝にいけた)ってのがあったのかもしれないかなと思うと少し悔しい部分が残りますね。
―今日のレースをふりかえって
学生個人の200mの感覚が残っていて前半を上手くできて、監督からも前半は良かったよと言われてて、その前半上手く抜けていってから後半がやはり伸びなかったというのが、その疲労と繋がっているのかなという感じがあります。良いところもあれば悪いところもあるかなというレースでした。でも前半ちゃんといけたというのは、ひとつ収穫でもありますし、後半伸びなかったというのは今後の課題と捉えることができるので、それをうまく今後の練習で埋めていきたいなと思います。
―予選が変更され、同じ組には実力のある選手が多くなり厳しい組になるのではと感じたのですが
本当は1日二本だったのが一本に変更して自己ベスト的に決勝には厳しいという状況だったので、気持ちを切り替えてというか上の選手を乱してやろうと思っていました。前半からいってペースを乱して、何かひとつやってやろうというような。まだ矢野琢斗はいるんだぞみたいな感じを、何か起こしてやろうかなという気持ちで臨みました。
―ご自身の調子については、疲労が残っている中では良かったかなという感覚だったのでしょうか
そうですね。一応ベストが出ているので、ベストで出ている分やはり残念です。ベストコンディションで臨みたかったなというのはあります。調整の仕方などが今後の課題になってきますね。
―今大会にむけて、休息のほかに何か調整していることはありましたか
僕は練習をちゃんとしていないと400mが走れないというのもあって、練習しなきゃいけないなというのと休んで疲労を取りたいなというのがあって板挟みの状況でした。特に意識していたことは、練習の本数を減らして疲労を抜きながらも、きちんと200mのスピードをためられるように、という練習を意識してやってきたつもりでした。でもまだまだ甘かったかなと思います。
―今シーズン前半が終わりましたが
シーズンインがそんなに速いタイムではなかったですが、冬季練習の感覚だと45秒台中盤を走れるはずだという感じでシーズン入りました。今前半終わって46秒64を出して、僕にしては前半良いシーズンだったんじゃないかなと思います。
―これから夏にはどのような練習をしていきますか
200mを上手く走れてきているのでそれを400mに生かせるようにしたいです。マックススピードというよりも楽にいけるスピードを高めて、マックスでは走らないで8、9割の力で200mのペースでスピードを上げるというような、ちょっと難しいことだと思いますが、出力の問題などを取り組んでいくのと、今日後半がうまく伸びなかったというのもあるので、しっかり後半を走れるように練習を積んでいきたいと思います。
―これからの目標は
今日決勝にいった人たちは学生が多いので、全カレはその人たちに追いつけるように、なるべく決勝に残って勝負できるようにしたいです。また、最後に国体があるので、去年国体7位で入賞しているので今年もそこを狙いたいです。あと日本選手権リレー優勝できればと。3つの試合を重点的にいって練習していきたいなと思います。
伊藤健太
―今日の400mを振り返って
今日は自分の中では調子が良かったので、いけるとは思ってはいたのですけど、前の集団にバーっと行かれたとき、これは勝つのは無理だなと思って、自分の走りでベストは狙っていこうと思いました。結果的にはセカンドベストで、ベストまであと0.02秒だったので、悔しいですけど70、80点くらいかなという感じのレースでした。
―金丸選手を始め、速い選手が同じ組に揃っていたことは走りに影響しましたか
自分の気持ち的には影響はなかったと思いますけど、自然と引っ張られたのかなというのはありますね。
―初めての日本選手権の雰囲気はいかがでしたか
やはりトップ選手が多く出ていて、自分はこういう大会は、楽しんでやっていけるので楽しかったですね。金丸さんとも初めて本番で走れて、楽しかったし良い思い出ですね。
―今大会でシーズン前半を終えましたか、振り返っていかがでしたか
シーズン初めは調子が上がらなくて、けがもして、今年は全然良くないのかなと思っていました。ですが、関東インカレ前にけがを治して、関東インカレでベストも出て調子が良いなと思った矢先に県選手権あたりでけがをして、また振り出しに戻っちゃったなと思っていました。ですが、ここで完全ではないですがけがが治って、そのけが明けでこれくらい出たので、秋シーズン、後半はもう少し頑張ってみようかなと。希望が持てる前半でした。
―これから夏の期間に取り組みたいことや改善したいことは
自分は前半、スピードとかが他の選手と比べるとないので、上手く速い段階でスピードに乗せることや加速やスタブロが課題で、そういうところを夏意識して練習していきたいなと思います。
―シーズン後半の目標や意気込みを
来年も日本選手権出たいと思っているので、標準は上がると思うのですが、とりあえず46秒7くらいは出したいなと思います。あとレースの内容も、もっと最初から早い段階で勝負できる、自分のレースを。もう少し前で戦える走りをしたいなと思います。
―全カレでの目標などは
もし選ばれたら大阪の長居は良いタイムが出る競技場なので、タイムを狙っていきたいなと思います。
フォトギャラリー
200mで4位に入った長田は100mでも予選を突破
大瀬戸はけがを抱えつつも好タイムで予選突破
自己ベストをマークしたが、予選通過ならず
伊藤は初めての日本選手権でセカンドベストを出した
川端は惜しくも決勝進出を逃した