【バドミントン】第69回全日本総合選手権 宇野・西川ペアがベスト16で大会を終える

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【バドミントン】第69回全日本総合バドミントン選手権大会 宇野・西川ペアがベスト16で大会を終える

第69回全日本総合バドミントン選手権大会
2015年11月30日(月)~12月6日(日)
代々木第二体育館

全日本インカレでの劇的な男子団体優勝からはや1か月半。東京の中心で、日本のバドミントンプレーヤーの頂点を決める大会が開催された。法大からは男子・女子あわせて4名の選手が3種目に参戦。男子ダブルスにおいて、宇野友規(国4)・西川裕次郎(社2)ペアが本選2回戦で日本ランキング1位の早川賢一・遠藤大由(共に日本ユニシス)ペアに敗れるも、ベスト16に入った。一方、女子も窓場由加奈(人4)・宮浦玲奈(国2)ペアが本選に出場するも、こちらは初戦敗退に終わった。

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宇野(写真左)・西川ペアはベスト16で大会を終えた

試合結果

女子シングルス

選手名 結果
宮浦玲奈 予選2回戦敗退 

男子ダブルス

選手名 結果
宇野友規・西川裕次郎 ベスト16

女子ダブルス

選手名 結果
窓場由加奈・宮浦 ベスト32

 

戦評

男子

 男子ダブルスで宇野・西川ペアがベスト16で大会を終えた。

 予選2回戦で鈴木大裕・藤原達矢(東北マークス)ペアを破ると、続く本戦1回戦で富岡高(福島県)の本田・山澤ペアと対戦。しかし、「会場の緊張感に飲まれた」(西川)と語るように、第1ゲーム序盤はミスから連続失点を喫し、リードを許してしまう。それでも6-7の場面。西川のショットが決まるとそこから4連続得点し、再度主導権を握る。以降も積極的にスマッシュで崩そうとする相手に対し、ロブでカバーし相手に逆転を許さない。 最後は宇野のスマッシュが決まり21-17でこのゲームを先取した。第2ゲームは互いに序盤から点を取りあう展開となる。試合が動いたのは14-13の場面。相手のシャトルアウトから得点すると、そこから一挙に4連続得点。5点差とし勝利に大きく近づく。しかし、ここで相手も負けじとスマッシュなどで応戦。勝負はこのまま20-20となり延長戦へともつれる。だが、ここで勝負を決めたのは宇野・西川だ。宇野が得点を決めると、最後は西川のスマッシュを相手が返球できずゲームセット。接戦になりながらもなんとか勝利し、2回戦へ駒を進めた。

 続く2回戦では世界ランキング6位で日本ランキング1位の早川・遠藤ペア(日本ユニシス)と対戦。格上相手に攻めの姿勢を見せるも、前半の時点で5点差をつけられる展開となる。その後も要所で宇野のスマッシュが決まるなど光るプレーも見られも、点差を縮めるには至らず、14-21で落とした。次の第2ゲームでは開始早々3連続で失点してしまう。それでも、直後に相手のフォルトで点を取ると、そこから相手の動揺につけ込みネットインや相手のネットミスでポイントを重ね同点に追いつく。しかし、さすがは日本王者。意地を見せ、次々と鋭いショットを落としフォーメーションを崩していく。後半も西川がスマッシュで積極的に攻めていくも、あと一歩のところでラリーが続かず。最後は真ん中にショットを決められ14-21で敗北。奮闘を見せたもののストレートで敗れた。(松本凌太)

女子

  女子ダブルスでは全日本インカレで3位に入賞した窓場・宮浦ペアが本戦から出場。1回戦で日本ランキング9位の久後あすみ・横山めぐみペア(山陰合同銀行)と対峙した。第1ゲームは開始早々こそ主導権を握るも、以降は窓場のミスが目立ったこともあり、逆転を許してしまう。7-11でインターバルを折り返すも、ここからなかなか点差を縮められない。そして、最後は横山のショットを拾えず15‐21でこのゲームを落とした。

 続く第2ゲームは窓場・宮浦の4連続得点で幕を開けた。ここからラリー戦でも得点するなどし引き離しにかかる。しかし、8-4で久後のクロススマッシュを起点に5連続失点、逆転を許してしまう。なんとか主導権を奪い返したい窓場・宮浦は相手に必死に食らい付いていく。その甲斐もあり、インターバル後に相手のネットミスなどに助けられ逆転に再び成功。このまま勢いを保持し、勝利に向かって進んでいきたい窓場・宮浦。しかし、17-14の場面で「勝ち急いでしまった」と宮浦が語ったようにミスなどで点を許し、またも相手ペースとなってしまう。ここから奮闘を見せるも、相手にあっさりと逆転を許す苦しい展開に。結局、最後までこの状況を打開できず17-21で敗れた。同時にこの瞬間、最初にして最後の全日本総合は初戦敗退に終わった。

 ダブルスで出場した宮浦はシングルスにも出場。予選1回戦で芝野真由(専大)と対戦した。宮浦は序盤から試合を優位に進め、インターバルを11-8で折り返す。以降も状況は変わらず、21-11で先取した。続く第2ゲームも第1ゲームの好調を維持し、積極的なプレーを展開。的確なショットを打つ宮浦に対し、相手は対応できない。結局、このゲームも21-10で制し、ストレート勝ちを収めた。

 予選2回戦ではインターハイ3位の大家夏稀(金沢向陽高)と対戦。序盤は順調にポイントを連取し、このまま勢いに乗ると思われた。しかしその後はスマッシュのアウトなどで相手に点を与えてしまう。そこからは流れが変わり、思うようなシャトル運びができないまま18-21と第1ゲームを奪われる。第2ゲームは、前後に相手を動かしミスを誘うも速い球に追いつくことができない。後半に何とかシャトルに食らいついていくが、自分のペースがつかめず18-21とストレート負け。念願の本選出場とはならなかった。

 

 この結果、今大会の最高成績は宇野・西川ペアのベスト16に終わった。今回の大会をもって、4年生の選手は引退となるが、ともにペアを組んだ2年生にとっては今後の躍進に向け手掛かりを得ただろう。この経験を糧に、さらなる目標へ突き進んでほしい。(松本)

選手コメント

窓場由加奈・宮浦玲奈

ー試合の振り返り
窓場:相手は命かけてバドミントンをやっていたので…。やはり気迫が違いましたね。
宮浦:自分のやれる力を出し切って負けたので、そこはよかったかなと思います。

ー相手の印象はいかがでしたか
窓場:過去に対戦したことがある相手だったので、イメージ通りかなという感じでした。実力が違いましたね。
宮浦:サーブが浮かないところがありましたね。大学生だったら攻められるところも、攻められなかったので、そこが違いかなと思いました。

ー第1ゲームでは、動きが固かったように思えました
窓場:アップが足りなかったですね。それと1ヶ月練習できなかったことも良くなかった原因かと思います。
宮浦:私は緊張が原因ですね。

ー2ゲーム目後半の17-14から1点も得られず逆転負けを喫してしまいました
窓場:中盤に流れをつかんでいたところで、自分たちが(流れを)離しちゃったのが、終盤苦しくなったことにつながっていると思います。
宮浦:決め急いだことが原因だと思っています。自分のせいですね。

ー窓場選手は学生最後の大会を終えられました
窓場:14年間やっていたバドミントンが最後だったので、ここ(全日本総合)の舞台でやれてよかったと思います。

ーこの大会で来年に向けて何か得られたことはありましたか
宮浦:やはり、実業団と大学生は実力が全く違うということがわかりましね。

ー今後に向けて
窓場:今後は競技としては離れますが、趣味としてやっていきたいですね。
宮浦:春リーグで勝って4冠したいです。

宇野友規・西川裕次郎

ー日本ランキング1位の早川賢一・遠藤大由ペア(日本ユニシス)と戦ってみていかがでしたか
西川:
全てが自分たちと違いましたが、レシーブだけは何とか対応しきれましたね。そこは自信を持って今後に生かしていけたらいいし、実業団の選手に勝つにはパワーをつけないと勝てないと実感したので、次につながって良かったです。
宇野:
自分たちの得意なパターンで、少しでも点数が取れて長い時間コートに立てたかなと思ったのでその点では満足しています。

ー第1ゲーム序盤から点を連取されていましたが
西川:点数のことはあんまり考えられなかったですね。相手のサーブが上手かったので、何にもできなかったっていう感じです。
宇野:最初からどれだけやられるかというよりかはどれだけ自分たちが点数を取ることができるかという感じだったので。負けていても自分たちの得意なショットが決まれば良かったので、あまり点数については考えていませんでした。

ー第2ゲームでは、序盤同点に追いつく場面もありましたが
西川:1ゲーム終わってから11点まで頑張って粘って取れるようにしようという話はしていました。第2ゲームの出だしで0-3になったのですが、そこから相手の流れにちゃんと食らいついていけたので良かったです。
宇野:相手のサーブ場面で少しフォルトなどがあって、一瞬乱れたかなという部分で自分たちも少しついていけました。相手が集中していなかった部分につけこめたのは良かったです。

ーご自身の調子は
宇野:相手が格上で向かっていくだけなので。調子はいつもは良い状態で臨めるのですが、やはり相手が強すぎました。
西川:須賀監督から昨日の夜に、足と体を使ってしっかり動いてから技術面で対応していくように言われたのでね。アップの時点でもう足は相手よりも絶対に動かそうと思ったのですが、そんなに甘くもなく。ちょっと相手が強すぎました。

ー2ゲームとも14-21というスコアだったことについて
西川:自分たちは実業団の選手とのプレーを(全日本総合の前まで)一切していませんでした。実業団の選手は全然(大学生とは)プレーが違うし、そういう経験をもっと積めば、さらに良いところまで競ることができると思います。その部分(実業団とのプレー経験)で相当劣っていて、周りと比べてもこっちが劣っているように見えるので…。しっかりもっと実業団の選手と練習する機会が増えたらもっと良いラリーができると思うし、慣れという部分で相当な差があるなと感じました。
宇野:慣れや経験などそういう部分は僕も実業団の選手と練習してきていませんでした。来年からは日光新キャプテンがもっとどんどんアクティブに、色んなところにお邪魔したりして積極的に球に触れ合って来年も全国優勝に向けてやってほしいなと思います。

ー早川・遠藤ペアの印象は
西川:早川さんが小学生のころからの先輩なのですが、小学生のころからずっと憧れていた人だったし、試合でもちゃんとした試合ができて良かったです。これを生かしてまた来年ここに帰って、何かやり返したいと思います。
宇野:まだまだ相手も本気出してる訳ではないと思うし、それでも14点。これが世界のバドミントンだなと感じました。

ー監督がベンチにいなかったことについては
西川:監督はいつも平日仕事であまり来れる状況ではないので、予選も本戦1回戦も来て下さったことに感謝してプレーしていました。

ー本戦1回戦の相手は高校生ペア。やはりプレッシャーなどはありましたか
西川:相手というより雰囲気などの緊張感が強かったですね。予選の相手は実業団だったんですけど、1回戦の相手は自分たちより年下ということもあり、負けられないし負けてはダメだったので。ですが、その中で勝ててよかったです。
宇野:「最後だし楽しくやろう」としか考えていなかったので、自分もプレッシャーとかはあまりありませんでしたね。

ー本戦1回戦では相手のスマッシュをロブで返しているシーンが多々見られました
西川:取れないスマッシュじゃないし、自分はレシーブを得意としているので、レシーブから攻めに展開していこうかなという感じでロブを上げていましたね。ただ、相手からしたらロブのアウトミスを待っていたと思うんですけど、昨日やって慣れているのでこっちのほうがそういう面では余裕があったと思います。

ー全日本総合を総括して
西川:なかなか体験できない機会を体験でき、(この大会に出場していない)チームメイトにもそういうことを伝えていけるようなプレーを自分もしていかなければならないと思ったし、(レベルが)上の人とはすごく差があるので、この差が開かないように自分ももっともっと強くなって来年頑張ります。
宇野:ベスト16というのは予想以上にいけたかなと。ベスト8に入った方が全然すごいですけどね。ですが、くじ運にもそれなりに恵まれて、ここまで長くバドミントンをできたのは自分としては満足していますし、最後に早川・遠藤ペアと対戦できたことはすごく良い経験になりました。

ー宇野選手は今日で選手生活最後の試合となりましたが、悔いは残らずに終わることはできたのではないでしょうか
宇野:そうですね。もうここまで勝ち上がった時点で結構満足ではあったし、あとはやるだけという感じだったので。やっぱり3年のときの結果がひどすたので…。ですが、4年生で最後の関東選手権や東日本インカレでまあまあ結果が出て、全日本総合もこのペアで出場することができたことはすごく満足しています。

ー来季への意気込みを西川選手お願いします
西川:オフシーズンがもう12/4から始まります。今自分は大学生で、大学内で戦っていますが、実業団の選手と戦うというのを目標にしていたら大学の選手には余裕で勝てるようになっていくと思うので、少し視点を変えてやっていったらいいかなと思います。

フォトギャラリー

  • unoandnishikawaondec3宇野(写真左)・西川ペアはベスト16で大会を終えた
  • unoandnishikawaondec2シャトルを返球する宇野(写真左)
  • madobaandmiyauraondec32nd窓場(写真奥)・宮浦玲奈ペアは本戦1回戦敗退となった
  • madobaandmiyauraondec3スマッシュを打つ宮浦(写真奥)と構える窓場
  • miyauraondec2no2宮浦はシングルスにも出場
  • miyauraondec2予選1回戦で快勝するも、2回戦で敗れた宮浦
 

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