【馬術】第47回関東学生馬術新人競技大会 障害馬術 主将・出田、2頭の新馬の初戦を完走で終える。
第47回関東学生馬術新人競技大会
2016年3月5日(土)
日本中央競馬会馬事公苑
法大からはヤマニンリンクス、ヤマニンエミュの新馬2頭が出場した。鞍上は今年度主将を務める、出田匠(経3)。
結果はヤマニンリンクスが3位、ヤマニンエミュが4位だったが、両馬とも総減点0。新たな障害馬術競技馬が誕生した瞬間だった。
競技結果
障害馬術結果
種目 | 選手名 | 馬名 | 順位 | タイム | タイム減点 | 障害減点 | 総減点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
オープン競技(70cm) | 出田匠 | ヤマニンリンクス | 3位 | 62.02 | 0 | 0 | 0 |
ヤマニンエミュ | 4位 | 63.81 | 0 | 0 | 0 |
戦評
今大会出場したヤマニンエミュ、ヤマニンリンクスの2頭は、ともに障害初挑戦。障害の飛越に失敗し、馬がトラウマを背負ってしまうケースも少なくない。それだけに、昨年6月から両馬を担当してきた出田は「嫌な思いはさせたくない」という一心で鞍上した。
1番目に走行したヤマニンエミュはやや落ち着きのない性格でありながら、その道中は発奮することもなく、見事完走。8番目のヤマニンリンクスも落ち着いた表情で、淡々と障害を飛越。結局、両馬ノーミス。総減点0で終えた。
「将来、普通に競技に使えるようになるかな」。そんな期待が込められた2頭。次の出場は4月上旬に行われる、東都学生馬術大会を予定している。まだまだ調整段階ではあるが、完璧な初陣だっただけに今後の成長が楽しみだ。(伊藤華子)
選手コメント
出田匠 主将
―今日出場した2頭は新馬だったとのことですが、両馬の調子はいかがでしたか
初めてなので僕もわからないですね。でも馬の調子というよりかは、普通に乗って普通にまわって来れたので良かったです。嫌な思いはさせてくないので。
―以前、新馬に乗った経験は
高校生のころにちょっと乗ったりはしてました。自分の先生と一緒に乗っていたり。
―この競技は新馬ばかりが出場するのですか
低いレベルですけど、そうではないですね。
―では、なぜこの大会に出場させたのですか
この2頭は(昨年)6月にうちに来ているので、3か月くらい乗ってからですかね、「将来、普通に競技に使えるようになるかな」って。それだったらもう今後のこと考えて、早めにやろうかなと。
―両馬は6月からずっと出田選手が管理されているのですか
そうですね。基本的には僕が乗っています。ときどき下(の学年)の子たちも乗るという感じですね。
―両馬の性格は
リンクスは基本的におとなしいです。一言でいうと本当に「おとなしい馬」ですね。でも、言い方がよくわからないんですけど、「おとなしくて可愛いけど、ちょっとバカ」って感じですかね。「可愛らしいバカ」です(笑)。
エミュの方は、とにかく「おてんば娘」ですね。とにかくもう、おてんばです。うるさいです。
―正確が逆なんですね。
そうですね。全然逆ですね。
―どちらの性格が「障害馬術に向いている」といったことはあるのですか
障害馬術は、馬に少し気合が入っていた方が、性格的にイケイケの方が良いんです。そういう点ではエミュの方が向いているという感じではあります。でも、リンクスも大人しいだけではくて、「可愛らしいバカ」の部分があるので。
―そこが良い方向に繋がったということですね
なので、今日乗った感じではリンクスの方が乗りやすかったです。早めに落ち着きましたし。エミュは最後まで落ち着かなかったです。ずっと周り見ていたので。
―今日は何時ごろ来られたのですか
人は遅くて、10時ごろに来ました。馬は昨日から来ていましたね。
―2頭は、ここへ来てから周りを見たりなどはしていましたか
すごい見ましたね。エミュがもう、ずっとですね。馬房の中で汗だくになるくらいですから。リンクスは大人しくしてました。そこ(馬房:馬が寝泊りする小部屋)で寝っ転がってました。
―次に出場するのは
来月ですね。東都学生(東都学生馬術大会)っていうのがあるんですけど、そこでまた今日みたいにオープン競技っていう、調整試合に出て。シーズンだと月1くらいで、試合に使っていこうかなとは。9月に、争奪戦(関東学生馬術争奪戦)っていう学生戦があるんですけど、相手の学生さんがうちの馬に乗ったりとか。その時に使いたいので。それまでにちょっと仕上げたいです。なので、僕だけじゃなくて、三浦(里菜=経2)とか大川(空=文1)とかに乗ってもらって。詰め詰めで、使っていきます。
―新チームの調子はいかがですか
人数が少ないですし、経験者が僕と三浦と大川の3人です。あと五十嵐(佳奈=法2)と大川は市ヶ谷生ですから、基本的に僕と三浦がメインでやって、2人が補助的にやっていく感じでやっています。人数は少なくても、逆に一人ひとりがしっかりしてやれる環境です。一人ひとりの意識が足りないと始まらないので、そこは良いのかなと思いますね。ポジティブな方に捉えて。人数少ない方がコミュニケーションがとりやすいですし、一人ひとりがちゃんと意識持ってやってくれているので。ちゃんとやっていれば下の子たちが上級生になった時に教えられるので。それはそれで、良いところだとは思います。
―部を長期的に考えられているのですね
そうですね。
―主将を務められて、苦労は。また、感じたギャップなどはありますか
主将になってもいつまでも忙しいというか(笑)。そこは意外というか。僕が大学1年生のときに思っていた「主将」とは違うなとは思います。やっぱり主将ですけど、下級生と同じ目線でしていって。良い関係でやれるようにしようかなと思います。
―部員とはどのようにコミュニケーションをとられていますか
馬を教えるときもそうですが、教えないとき。休憩しているときや馬の手入れをしているときに、本当に他愛のないことですけど、「最近どうなの?単位大丈夫なの?」とか。うちは留年すると試合に出られないので、そこはずっと心配してやっています。一応みんな留年せずに今年は通りました。文武両道をちゃんとしている部活として、それはすごく良いことなのかなと思います。
―最後に。もうすぐ新学期なので、来たる学生へメッセージを
どちらかと言うと、一般生が入りやすい1部体育会です。入りやすいですが、文武両道とかはしっかりしています。「自分を高めたい。もっと自分をしっかりさせたい」と思う人は、是非ぜひ、うちで修行してください!(笑)
フォトギャラリー
- 2頭を、無事完走させた出田(馬=ヤマニンエミュ)
- 「おてんば娘」ヤマニンエミュ
- ヤマニンリンクスの見事な跳躍
- 完走をねぎらう出田(馬=ヤマニンリンクス)