東京六大学準硬式野球秋季リーグ戦
対早大戦
2020年10月18日(日)
早大東伏見G
慶大に勝利し、優勝に向けもう負けられない法大は、昨秋の王者早大を相手に迎えた。先発石橋錬(社3)が好投を見せ6回まで1点リードで試合を進めるも、7回に伏見颯真(営2)が2死から出塁を許し、変わった湯浅創太(経3)も打ち込まれ一挙4点を返される。なんとしても逆転したい法大だったが、打線は沈黙し、2-6で敗戦。同時に今季の優勝も夢へと消えた。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
早大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 4 | 1 | 0 | 6 | 7 | 1 |
法大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 6 | 2 |
(法大) 石橋、伏見、●湯浅、西村、前芝−渡邉
(立大) 安在、清水、○田中ー中村
盗塁:大石(4回、6回)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手名 | 出身校 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 | 打率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (5) | 堀江悠介(経3) | 健大高崎 | 5 | 2 | 1 | 0 | .188 |
2 | (7) | 古屋一輝(経2) | 健大高崎 | 4 | 2 | 0 | 1 | .400 |
3 | (8) | 鈴木歩夢(社1) | 明星 | 2 | 0 | 0 | 0 | .500 |
4 | (3) | 堀尾浩誠(社2) | 報徳学園 | 4 | 1 | 1 | 1 | .250 |
5 | (6) | 福本陽生(経1) | 星陵 | 3 | 0 | 0 | 1 | .214 |
6 | (2) | 渡邉慶輝(現3) | 上田西 | 4 | 0 | 0 | 0 | .364 |
7 | (9) | 南太貴(営4) | 法政二 | 0 | 0 | 0 | 1 | .000 |
9 | 大石悠月(経4) | 静岡 | 2 | 1 | 0 | 1 | .222 | |
8 | (1) | 石橋錬(社3) | 遊学館 | 1 | 0 | 0 | 1 | .000 |
PH | 藤平心(社2) | 藤代 | 1 | 0 | 0 | 0 | .333 | |
1 | 伏見颯真(営2) | 帯広緑陽 | ― | ― | ― | ― | .000 | |
1 | 湯浅創太(経3) | 国学院久我山 | ― | ― | ― | ― | ― | |
1 | 西村勇輝(経3) | 日本文理 | ― | ― | ― | ― | ― | |
PH | 近藤匠(経2) | 札幌第一 | 1 | 0 | 0 | 0 | .000 | |
1 | 前芝航太(営3) | 法政二 | ― | ― | ― | ― | .000 | |
9 | (4) | 細木雄斗(社3) | 報徳学園 | 3 | 0 | 0 | 0 | .167 |
PH | 唐橋悠太(経1) | 桐光学園 | 1 | 0 | 0 | 0 | .000 | |
4 | 高橋凌(社1) | 花巻東 | ― | ― | ― | ― | ― |
投手成績
回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 自責点 | 防御率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
石橋 | 6 | 2 | 6 | 3 | 1 | 2.77 |
伏見 | 0 1/3 | 1 | 0 | 1 | 2 | 4.76 |
湯浅 | 0 1/3 | 3 | 1 | 0 | 2 | 10.80 |
西村 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1.93 |
前芝 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6.00 |
戦評
慶大に勝利し2勝1敗で迎えた法大は優勝に向け絶対に倒さなければならない早大との大事な一戦に臨んだ。先発マウンドには慶大戦で好投を見せた石橋錬(社3)が上がった。
初回安打を許すも3三振を奪い上々の立ち上がりを見せる。しかし2回に1死から四球で走者を許すと盗塁を許した際に渡邉慶輝(現3)の送球が逸れ1死三塁のピンチを背負う。そして適時打を放たれ先制点を許す。一方法大打線は4回まで毎回走者を出すも得点が奪えず1点が遠い状況が続く。だが5回裏、1死から今季初先発出場の古屋一輝(経2)が右前安打を放ち、続く鈴木歩夢(社1)の死球で1死一、二塁の好機を作る。すると4番の堀尾浩誠(社2)が左前適時打を放ち同点に追いつく。そして6回裏にはこの回先頭の大石悠月(経4)が内野安打で出塁し盗塁も決め、無死二塁となる。その後2人が凡退し2死二塁となるも堀江悠介(経3)の左中間適時打で勝ち越しに成功する。
6回2安打1失点の好投を見せた石橋に代わり7回から伏見颯真(営2)が登板する。2死を奪うも四球と二塁打で2死ニ、三塁となり湯浅創太(経3)に代わる。初球を放った打球は投手強襲のニ点適時打となり逆転を許す。そして続く打者には二点本塁打と放たれ、この回4失点をしてしまう。8回にも変わって登板した西村勇輝(経3)が犠飛で1点を追加されてしまう。法大打線は7回以降無安打で得点を奪えず、そのまま試合終了。そしてこの敗戦により今季の優勝を逃すこととなった。
6回まで毎回走者を出すもなかなか得点を奪えず打線のつながりが課題となる試合となった。優勝の可能性は無くなったものの次戦の明大戦は4年生にとって最後の試合となる。法大にとって宿敵でもある明大に勝利し有終の美を飾ってもらいたい。
(記事:渡辺光我)
先発石橋は6回1失点の好投を見せた
『去りゆく戦士たち』第4回 水谷憲正
今季リーグ戦期間中では、対戦カードごとにラストイヤーとなる4年生の特集を行います。第4回目の『去りゆく選手たち』では、投手陣を統括する副将、水谷憲正(経4)選手にフォーカスしました。ぜひご一読ください!
冷静に状況を見極めた投手運用と、徹底したトレーニングの管理で投手陣をまとめるのが副将の水谷憲正(経4)だ。投手陣最年長として全員の調子を確認し、要所で最適な投手をベンチに伝え送り出す。様々なタイプの投手がそろう法大のブルペンにおいて重要なチューニング役を担っている。
神奈川生まれ神奈川育ちながら、高校は埼玉県の強豪、聖望学園高へ。父は有名校で野球部の監督を務め、中学はクラブチームでプレー。何でもある環境だったからこそハングリーさを求めた。「親元を離れて厳しい環境で成長したかった」と当時の選択を振り返る。最後の夏は主将を務め埼玉県大会に臨むも、花咲徳栄高に決勝で敗れ、惜しくも甲子園出場とはならなかった。
法大進学後は1年次の春からリーグ戦に登板し、順風満帆なスタートを切ったように思われた。しかし、2年次からは登板数が激減。2018年3月の関東選手権が最後の登板となっている。「試合で投げるためにはどうすればいいかということと、これまで試合で投げてきたという実績に悩まされていた時期で、真摯に練習に取り組んでいた時期でした」。自身への期待と、これまでの実績の葛藤にさいなまれた苦しい時間だった。
月日は流れ最上級生となり、副将を務めるようになった。水谷が掲げたリーダーとしてのスタイルは『一歩引く』ことだった。「昨年までの先輩がいる時は先輩に頼ってばかりでした。準硬式野球部は4年生になると就職活動でいなくなることが増えてしまうので、2、3年生が中心になります。そのために、自分の代では周りを見て、一歩引いた立場で、チーム全員が変な方向に逸れないように支えることを意識していました」と語る。自身が指導し、マウンドへ送り出す立場を理解したような言葉である。投手陣を引っ張る兄貴分は、誰よりもチームの将来を考えている男だった。
(記事:磯田健太郎)
投手陣をまとめる兄貴分だ
選手インタビュー
大石悠月
ー今日を振り返って
優勝するために大事な一戦だったので勝ち切れなかったので悔しいの一言です。
ー今日の勝負の分かれ目は
早稲田は代打を出してチャンスを作って繋いで点を取っていきましたが自分たちはそのような場面を生かせず繋ぐことができなかったので選手交代のところかなと思います。
ー2安打で得点にも絡んでいたが打席で意識したことは
今日はスタメンではなく途中からだったのですが元々右投げの投手が来たら行くと言われていたのですぐ行ける準備はしていました。先制点や勝ち越し点が欲しい場面で回ってきたので塁に出ることだけ考えて簡単に終わらないということを意識して打席に立ちました。
ーここまでのリーグ戦を振り返って
チームとしては下級生が多く出ているのでそういった意味では来年以降につなげるといったことを考えてできていると思います。
ー次戦が4年生にとって最後の試合になるが次に向けて
優勝はなくなりましたがこの悔しさを忘れず平日にはしっかり修正して最後みんなで勝って終わりたいと思います。
堀江悠介
ー今日を振り返って
打てなかった僕らの責任でもありますが早稲田の方が一枚上手だったと思います。あとチャンスでしっかり返す力という部分が負けた原因だと思います。
ー具体的に勝敗を分けた場面は
7回の4失点の場面です。僕らは追いかける展開になると思っていましたが2対1になりリードして気を抜いてしまったところが敗因です。いけるだろって思ってた時点でもう既に気が抜けていた気がします。
ー適時打を放った打席はどんな意識で
ランナー返すだけですね。とりあえず1対1だったので同点よりリードした方が当社も投げやすいので調子は良くないですがランナー返そうという気持ちで頑張りました。
ーここまでのリーグ戦を振り返って
正直打率的にも僕が打線を止めていると思うので最後の試合は4年生の為にも頑張りたいです。
ー最後の明大戦に向けて
ありがたいことにこのチームは後輩たちが多く出ているので4年生に恩返しできるよう勝って引退してもらうために僕らも頑張りたいです。
内田裕馬学生コーチ
ー今日を振り返って
早稲田大学が強かった、それに尽きます。
ー勝敗を分けたポイントは
数少ないチャンスを点数に結びつける力が早稲田の方が一枚も二枚も上手だったと思います。
ーチームとして走者を出す場面が多い中、点に繋がらなかった原因は
勝負強さといったらそれで終わってしまいますが、そこでの意識といった部分が普段の練習から足りなかったのかなとも思います。
ーここまでのリーグ戦を振り返って
どこも練習ができない状況が続いて、コロナ自粛明けから2、3班に分かれて練習をしていて満足には出来ない中、チームを作るためにキャプテン、副キャプテンの幹部を幹部を中心に4年生が特に頑張ってくれたと思います。
ーいつもと今日はメンバーが大きく変わったがその意図は
普段の練習でバットの振れてる選手を選び、25人誰が出ても大丈夫なようにしているので調子の良い選手が出場した形です。
ー次の明大戦が4年生にとって最後だがそれに向けて
とにかく全員悔いがないようにやるだけです。
ー4年間を振り返って
思い通りにチームを良い方向に持っていくために常に考えていますがなかなかうまく行かないことが多く、そういった時に後輩はもちろん1番は同期のみんながチームが良くなるために考えて行動してくれたので特にこの1年間は良い1年だったと思います。
ー実際にプレーしないという中で自分の意図を選手に伝える難しい立場だったと思いますがそれについて
普段の練習はもちろん練習以外のところでコミュニケーションや人間関係を大切にするということを4年間継続してやってきました。先輩たちを見てきた中でどうやって良いチームを作るかということを考えた時に後輩がやりやすいチームだと思い、グラウンドに入ったら1年から4年までチームの勝利やレギュラーを目指すために遠慮なくできるチームを作るべきだと考えました。後輩からの信頼といったところを特に意識してやりました。