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【準硬式野球】東京六大学準硬式野球秋季リーグ戦 対早大3回戦 6回に勝ち越しを許し敗戦…春の雪辱果たすことなく早大に3季連続で優勝を譲り、法大は今季4位でリーグ戦終幕

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【準硬式野球】東京六大学準硬式野球秋季リーグ戦 対早大3回戦 6回に勝ち越しを許し敗戦…春の雪辱果たすことなく早大に3季連続で優勝を譲り、法大は今季4位でリーグ戦終幕

東京六大学準硬式野球秋季リーグ戦
対早大3回戦
2019年10月21日(月)
早大東伏見グラウンド

東京六大学秋季リーグ戦最終週。1勝1敗で迎えた早大戦。早大が勝利すると3季連続でリーグ優勝を譲ることとなる試合となった。法大は先制こそ許したものの、4回に2得点。6回にも7番乘松幹太(現4)の適時二塁打で同点に追いつく。しかしその裏、湯浅創太(経2)がマウンドに立つも、1死満塁とピンチを招きスクイズで走者が生還。これが決定打となり、3-4で敗戦。今季は勝ち点2で4位フィニッシュとなった。

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試合後、悔しさをにじませた堀(写真中央)

試合結果

トータル試合結果

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
法大 0 0 0 2 0 1 0 0 0 3 5 1
早大 1 0 2 0 0 1 0 0 × 4 10 1

(法大) 尾崎、前芝、●湯浅、春−乘松
(早大) 清水、前田、○杉山-吉田

二塁打:鎌田(4回)、乘松(2回、6回、8回)
盗塁:鎌田(4回)

打撃成績

打順 位置 選手名 出身校 打数 安打 打点 四死球 打率
1 (5) 堀江悠介(経2) 健大高崎 3 0 0 1 .333
2 (6) 大石智貴(経4) 静岡 4 0 0 0 .146
3 (7) 堀皓貴(社4)  鳴門 4 0 0 1 .326
4 (9) 佐々木勇哉(社4) 花巻東 3 0 0 1 .286
5 (3) 海津裕太(経4) 日本文理 2 0 0 2 .308
6 (4) 鎌田航平(社3) 鳴門 2 1 1 0 .250
7 (2) 乘松幹太(現4) 新田 4 3 2 0 .227
8 (1) 尾崎海晴(社3) 鳴門 1 0 0 0 .167
  PH 岩本大河(スポ3) 浜松西  0  .000
  PR 古屋一輝(経1) 健大高崎 ―  ―  ―   ―  ―
  1 前芝航太(営2) 法政二 0 0 0 0  .200
  PH 八木達也(社2) 日大三  1  0  0   .000
  1 湯浅創太(経2) 國學院久我山 ー   ー ー  ー   .200
  PH 大石悠月(経3) 静岡 0 0 0  .250
  1 春翔一朗(経1) 静岡 ー   ー ー  ー   .000
9 (8) 伊藤滉章(社4) 新居浜西 4 1 0 0 .375

※通算打率は対戦カード終了時に掲載致します。

投手成績

  被安打 奪三振 四死球 自責点 防御率
尾崎 3 7  1 1 3 3.51
前芝 2 0 2 3  0  0.51
湯浅 2 2 0 1  1  2.30
1 1 0 1  0  6.61

 

戦評

 今季優勝逸から気持ちを立て直し挑んだ早大戦。最終戦となった今試合終盤、1点差を追う中迎えた9回表、2死三塁。主将堀皓貴(社4)が放った打球は、レフト方向へ。ふわりと弧を描き、三塁走者伊藤滉章(社4)が本塁へ向けて走り出すも、堀の打球は無情にも左翼手のグローブの中へ。その瞬間、早大のリーグ戦3連覇が決定。昨季と同じ光景がフラッシュバックするかのような終幕となった。

 先制は早大だった。初回、先発の尾崎海晴(社3)がマウンドに上るも先頭から内野安打、犠打と続き1死二塁のピンチを招く。ここで3番打者の打球を尾崎が一塁へ送るも、これが悪送球に。失策の間に先制を許した。3回にも2者連続で安打を放たれると、犠打で送られ1死二、三塁に。中犠飛で1失点、なおも左前適時打を放たれ、序盤から3点を追う展開となった。

 しかし4回、ここまで1安打と沈黙していた打線が奮起する。1死から海津裕太(経4)が四球で出塁すると、6番鎌田航平(社3)が中越え適時二塁打を放ち、一塁走者海津が一気に本塁へ。1点を返すと、鎌田が三盗に成功し再び得点圏に走者を置く。7番乘松幹太(現4)の内野ゴロを二塁手が捕球し、本塁へ送球。飛び出していた鎌田の足が勝り、この回2得点で1点差に詰め寄る。なおも6回、再び1死二塁の好機で乘松に打席が回る。捉えた打球は、左越えの適時二塁打となり同点に追いついた。

 4回から前芝航太(営2)が無失点に抑え試合を立て直すも、6回から継投した湯浅創太(経2)が、立ち上がりから早大打線に苦戦を強いられる。先頭打者の打球が湯浅の足に当たり三塁方向へ転がると、三塁手堀江悠介(経2)がフォローに入るも一塁へ送球できず内野安打に。犠打で送られ、その後も中前安打、四球と続き1死満塁と苦しい展開が続く。ここで早大主将吉田龍平のスクイズ成功により走者が生還。これが勝敗の行方を分けた決定打となった。法大はそれ以降得点を試みるもかなわなかった。今季は勝ち点2で4位フィニッシュとほろ苦い結果に終わった。

 試合後、一人ベンチに座りうつむく堀の姿があった。「後輩たちには自分たちの代を踏み台にして、頑張って欲しい」。絞り出すように語った言葉は、今年度チームを率いた主将堀の最後の願いだった。

(記事、写真:梅原早紀)

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4回に中越え適時二塁打を放った鎌田

監督・選手インタビュー

本間隆洋監督

―最終戦を振り返って
とにかく負けは負けだったのですが、試合内容と勝利にかける執念という点においては4年生がしっかり最後までゲームを作ってくれました。個人的には負けなのですが、学ぶことが多かった試合でした。

―具体的に試合から学んだこととは
やはり一球に対する執念や全力疾走と言いますか、最後になってかもしれないですが4年生が体を張ってみせてくれました。そういった意味では、来年に必ず残る要素がある試合だったと思います。

―出塁はあったものの好機を生かせなかった要因は
ここぞという時の一打がなかったことだと思います。攻めあぐねるといいますか、それはこの一年今年のチームとしての課題でした。課題をなかなか克服できずに終わってしまったような印象が残りました。

―堀選手もインタビューで「詰めの甘さ」について話されていたが
言ってしまえば「詰め」というか「際」の部分をしっかりと詰めていく強さというものが今年は出来なかったような気がします。これは私の采配においてもそうでした。結果が出なかったということはやはり監督の責任です。

―最後のミーティングで話されたことは
やはり4年生が最終試合だったので、今年一年間タイトルを獲らせてあげられなかったことに対する申し訳ない気持ちがありました。それから4年間ユニフォームを着て試合に出たメンバー、ユニフォームを着ずにチームの為に働きかけてくれた選手と様々でしたが、それは関係なく一緒に野球をやってこれたことへの感謝を伝えました。あとは3年生以下の選手たちに対しては4年生の悔し涙というものを決して忘れるなと、そういった話をしました。

―早大戦を振り返って
やはり早稲田さんは投手がしっかりしている印象で、大崩れしないチームでした。それに加えて今年度は打線ですね。バント、スクイズ、長打と大技、小技もある。それから守備も徹底していると本当に隙の無い良いチームだったと思います。やはり強かったですね。

―チームの昨季と異なる点としては
やはり試合にかえる執念が垣間見えた試合が多かったことです。全日本出場をのがし、清瀬杯でもタイトルが取れずに今季に入ってからは何が何でもタイトルを獲ろうという意識がありました。少しエンジンがかかるのが遅かったかもしれないですが、堀の力も大きかったと思います。

―主将の堀選手についてコメントをいただけますか
堀はああいう風に見えて責任感が強いと言いましょうか、ミーティングの際にも「とにかく手がかかる下級生時代」という話もするくらいだったのですが、主将になってからのチームの手綱さばきというのは感心に値するものでした。高校時代も主将をやっていたこともあり、良い形でチームを導いていけたことに関して、本当に良い主将だったと思います。去年の鳴川(宗志=平30年度卒)とは対極だったのですが、今年の4年生は個性が強い子が多かったので、それを束ねるためには堀という存在が適任だったように思います。先ほども言ったのですが、楽しい時間を過ごさせてもらいました。本当にいい主将でした。

―今季はけがで離脱した選手も多く控え選手の活躍もあったが
そうですね、例を挙げるとすれば海津(裕太、経4)がですね、最後の最後にポテンシャルを発揮してくれたような気がします。4年間腐らず野球を精いっぱいやってくれました。今季は後半から出場の機会が多く、その際にも球をしっかりと見極めて出塁してくれるなど、海津の存在がきらりと光ったリーグ戦でもありました。他の控え選手もそうですが、どんな形であれみんなが必要不可欠な人間であり、誰かが欠けていては成り立たなかった一年だったと思います。

―最後に選手たちへメッセージをお願いします
やはり去年の秋から、早稲田大学さんの独走状態といいましょうか、3シーズン優勝を逃すという苦しい状況が続きました。ですから、来季も優勝を逃すとなると、低迷期になってしまうと、少なくとも私は今そう思っています。ですから法政大学として1、2シーズン優勝を逃してしまうということは他大学に比べて重く捉えるべきだと思います。まずは来季に向けて『王座奪還』を目指して、早く返り咲くことができるように何が何でも優勝をつかみ今年の4年生たちに今年の敗戦は無駄ではなかった、と思ってもらえるような結果を残したいです。

堀皓貴

―最終戦を振り返って
最後、後輩たちが頑張ってつないでくれたチャンスだったのですが、何とか気持ちで(打球を)落として同点にしたかったです。それができなくて悔しかったのと、試合後みんなが悔しがっている姿を見て「このチームで野球をやってこれて良かった」と思いました。

―勝負を分けたポイントは
最後の僕の打った打球がレフト前に落ちないことが、今年のチームの詰めの甘さが象徴されているなあ、と整列の際にふと思っていました。早稲田のレフトがちょうどあの位置を守っていて、僕の打球が落ちなかったことが早稲田と法政の違いだったというか。僕は今までやってきて詰めが甘かったなと思うことがあって、それがあの場面で象徴されていたような気がしました。

―具体的に詰めが甘い点は
僕が入学にしてからずっと、法政の準硬式というのは能力に頼って野球をやっているといたところがありました。そして今年のチームはそこまで能力が高いわけではなかったと思うので、そういった点で意識を変えたり、もっとチームに反映させるべき点があったかなというのが詰めの甘さと僕の後悔でした。もうちょっと何かできたんじゃないかな、というのが今の感情です。

―新チーム発足から約一年が経過したが当時から堀選手が思い描いていたチーム像とは
そうですね、去年から僕たちの代は賑やかでわりと先輩方がいたときもわいわいしていました。今年は逆に下級生が静かなのでやはり僕たちの代が鍵となるのではないかと思いました。その中で乘松だったり、大石や佐々木などの4年生が皆僕を助けてくれたという印象が強いです。

―最終戦では伊藤滉選手など普段試合出場の少なかった4年生も活躍したが
最後のミーティングでも話したのですが、試合中もベンチのメンバーもそうでない人たちも含めて皆が得点が入ればみんなが喜んでくれて、点を取られたら悔しがって、なおさら「メンバー外の人たちの為にも勝ってやりたいな」と思っていたのでその点が一番悔しいです。

―最後の打席で思っていたことは
「絶対に打てる」と思って打席に入っていました。絶対に打てると思っていたんですけど、あの打球は振り返ってみると「僕らしい」結果だったと思います。レフトに捕球されてしまった時は頭が真っ白になりました。

―リーグ戦を振り返って
ちょっと泣きそうだったんですけど、最後までチームメイトに涙を見せることはなかったので、そういった点では涙を我慢できて良かったです。実は泣いていましたが(笑)。明日目が腫れちゃいそうです。

―昨季の早大戦と今季を振り返って
やはり最後という気持ちだったと思います。4年生も今まで以上の気持ちが入っていたことを実感できましたし、喜怒哀楽が本当に出た試合だったなと感じました。昨季は2連敗してしまいましたが、今季第3戦までもつれ込んだのは4年生の気持ちも大きかったからだと思います。

―最後にチームに向けてメッセージをお願いします
頼もしい後輩たちが沢山いるので、僕たちの代のように無冠の代で終わらぬよう、僕たちを反面教師にして、踏み台にしてぜひとも頑張って欲しいと思います。

乘松幹太

―最終戦を振り返って
勝ちたかったっていう一言だけです。勝っても寂しさだったり後悔が残ると思うんですけど、最後やっぱり勝って粘り強さだったり何か残せたらなという思いで試合には臨んでいました。まぁ、その粘り強さというのは見せられたのかなと思うんですけど、負けてしまったら悔しさは当然あると思うので、これからの後輩に向けて勝ちを残せなかったのは後悔があります。

―それでもご自身は4安打の活躍でした
本当に僕は、打撃面に関してはさっぱりだったので。ずっと足を引っ張っていて、守備だけで出してもらってる状態でした。同期の堀とかにも、守備だけで出してもらっていたので感謝の気持ちで一杯ですね。使ってくれて「ありがとう」っていう気持ちと、最後何とか形にしたいなっていう思いと、後輩も応援してくれているので最後気持ちで何とかしようという思いで臨みました。

―リーグ戦を振り返って
西村(勇輝、経2)だったり、昨年のリーグ戦で投げていた石橋(錬、社2)だったりといった本来投げる投手がいない中で、尾崎(海晴、社3)も肉離れなどのアクシデントはありました。しかし、その中でも前芝(航太、営2)、湯浅(創太、経2)、伏見(颯真、営1)、春(翔一朗、経1)という所の投手が試合を作っていく、勝利をつかんでいくという中に、今まではスポーツ推薦で入ってくるエース格の投手が大事だと思われていた所や投手陣の頭数多いだけというイメージをなくして、一人一人が力を付けてきたと思います。戦力として投手陣は来年も変わりないので、来年僕としては期待が大きいですね。

―4年間を振り返って
僕はスポーツ推薦じゃない中で、正直1年生の時にけがとかもあって出れるか分からない状況で、自分の武器である守備力という所を磨いてやってきました。そういう中で、今後の人生でも自分の強みで勝負していくのは大事だと思います。また、最終的な課題として今日は結果が出たのですが、打撃面で結果が残りませんでした。正直、打撃から目を反らしていた部分はあって、リーグ戦中も打撃で足を引っ張っていたので、こういう弱みと向き合って克服していくのは大切なんだなというのを学んだ4年間でした。

―準硬式野球部へ進んだ理由
昨年まで学生コーチをしていただいていた松田一将(平成30年度卒)さんが(新田)高校の先輩だった関係で誘われたのがきっかけです。正直、高校時代に甲子園も行けなくて燃え尽きたみたいな所もあって、大学では野球はいいかなと思っていました。だけど、先輩から一緒に野球をやろうと言っていただいて入部しました。今となっては、優しい先輩や明るい同期に恵まれて野球やってて良かったなと思います。もし、野球をやっていなかったらと考えるとゾッとするくらい野球だけの大学生活だったので、あの時手を差し伸べていただいた先輩には感謝しています。

―同期は例年以上に明るく、やんちゃな代とも言われていて副将として苦労したこともあったと思います
一見、暴走しがちという問題の多い学年って言われてたんですけど、結局盛り上がらないといけない部分だったり、一人一人が爆発力を持った選手だったからこその粘りだったり、数々の良い試合を作れてきたのは4年生の個性の強さがあったからこそだと思っています。正直、僕自身盛り上げるのは得意ではないので佐々木(勇哉、社4)だったり、海津(裕太、経4)といった辺りには感謝しています。

―来年期待している後輩は
今季出てきた前芝、湯浅、伏見辺りの投手には期待しています。あとは、渡邉慶輝(現2)と堀尾(浩誠、社1)の捕手2人ですかね。どっちも使いたいっていうくらい同じ力を持ってますし、僕が言うのもあれですけど、僕が出てたのが不思議なくらい彼らは実力を持ってるので、そういう意味で2人の捕手と数多く残るバッテリー陣の活躍っていうのは期待しています。

―次の代に向けてチームとしての課題は
得点力が課題ですね。例年の法政は得点ができるのだけど、守備がっていう所や投手力がって所が課題でした。だけど、今年は逆で2点、3点に抑えても点が取れないっていう状況でした。今試合もそうですが、やはり攻撃力っていう部分は大事で打てるチームっていうのが強いと思ってます。まぁ、打てる選手っていうのは残ってるので心配はしてないですけど、集中的に点を取れるように本当の攻撃力ってのを身に付けてもらいたいなと思います。

―卒業後の進路について
一般就職という形です。先輩だと永田(直、平成28年度卒)さんや亀沢(寛紀、平成29年度卒)さんと同じ民間企業の方でサラリーマンとしてやっていきます。今までは野球という貯金があって(野球を)中心にやらせてもらってたんですけど、何もない状況からなので、初心というものを忘れないようにしたいと思います。でも、高校や大学の時にも苦しい練習や苦しい環境に耐えてきた自負はしてるので、ちょっとやそっとでやられるようなメンタルではないです。そういう意味で、野球で学んだものは大事にしていきたいなと思います。

―後輩へメッセージをお願いします
早大に優勝を獲られてしまって、優勝数で負けてしまってるので来年以降に逆転して「六大で1番強いのは法政」って言われるようなチームを作っていって欲しいなと思います。

フォトギャラリー

  • ozaki R先発を任された尾崎
  • DSC 0371 R海津(左)の生還に喜ぶベンチ
  • ito R4回に内野安打を放った伊藤滉
  • kamada R4回に中越え適時二塁打を放った鎌田
  • kamada2 R生還し笑顔を見せる鎌田
  • norimatu R6回に適時二塁打を放った乘松
  • DSC 0098 R塁上でガッツポーズをする乘松
  • DSC 0680 R法大での4年間にピリオドを打った4年生たち

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