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【水泳】ジャパンオープン2020 (50m) ① 宮本一平 力を出し切れず7位… 悔しさバネに代表選考会で『テッペン』狙う!

ジャパンオープン2020(50m)
2021年2月4日〜7日
東京アクアティクスセンター

昨年の6月に実施される予定だったジャパンオープンが開催された。4月の五輪代表選考会の前哨戦として、日本トップ選手たちが激突。法大からも多くの選手が真剣勝負に挑んだ。初日に行われた男子400m個人メドレーでは代表入りを目指す宮本一平(人3)が好記録を目指して出場するも目標には届かなかった。

※取材は大会後にオンラインで実施しました

400m個人メドレーで最後の力を振り絞る宮本(提供・日本水泳連盟)

100m背泳ぎで力泳する小川 (提供・日本水泳連盟)

4月の日本選手権での活躍が楽しみな柏崎 (提供・日本水泳連盟)

50m平泳ぎで力泳する奈須田 (提供・日本水泳連盟)

 

初日・2日目 結果

予選結果(女子)

種目 順位 選手名 タイム 備考
 200m自由形 21位   柴田夏海 (スポ3) 2分04秒18
23位 柏崎清花 (営3) 2分05秒81
400m自由形 16位 柏崎清花 4分19秒43
19位 柴田夏海 4分20秒86
800m自由形 17位   中島千咲代 (現1) 8分54秒09
100m背泳ぎ 20位 小川真菜 (経3) 1分04秒16
50m平泳ぎ 12位 奈須田ゆうか (社3) 32秒49
400m個人メドレー 16位 柏崎清花 4分52秒42

予選結果(男子)

種目 順位 選手名 タイム 備考
100m平泳ぎ 16位 山尾隼人 (経1) 1分01秒43
50mバタフライ 7位 赤羽根康太 (人4) 24秒07 決勝進出
400m個人メドレー 7位 宮本一平 (人3) 4分17秒94 決勝進出

決勝結果

種目 順位 選手名 タイム 備考
男子50mバタフライ 4位 赤羽根康太 23秒86 自己新
男子400m個人メドレー 7位 宮本一平 4分19秒00

Pick Up

宮本一平

混戦の2位争いから遅れ、最後は力を出し尽くしてタッチ板を叩くと、しばらく電光掲示板を見つめていた。上から7番目に表示されていた自分の名前。4月こそは1番上に。そんな思いが湧き上がってきた。

予想外の結果

強さと速さの両方を求める男に満足感はない。400m個人メドレーで自己ベストの4分13秒94から大きく遅れる4分19秒00でまさかの7位。プレッシャーに負けた。「身体のコンディションは良くていい状態でしたが、気持ちの方がついてこなかった」と肩を落とした。

ジャパンオープンに向け準備は順調で、周到だった。2週間前に行われた北島康介杯では200m背泳ぎで2分00秒58、100m平泳ぎで1分01秒15、200m平泳ぎは2分11秒81と好記録を連発。「良い感覚をつかめていたので、今回は背泳ぎから平泳ぎのところで他の選手に追いついて、追い抜いて、引き離してというレースプランを描いていました」とレース前の心境を語る。

しかし、想定は崩れた。苦手とするバタフライで4番手と好調な滑り出しを見せたが、背泳ぎで6位に、一番の武器である平泳ぎでも思うような泳ぎが出来なかった。「やはり平泳ぎのところで周りの選手が見える状況だと勝てない」。思い描いていた理想のレース展開から外れ、悔しさを滲ませた。

自信を持ってスタート台へ

今回のレースでは、既に代表入りを決めている瀬戸大也(TEAM DAIYA)を除き、3人の選手が派遣標準記録を突破。代表争いは熾烈を極めている。だが、そのような中でも「残り1枠の代表権を勝ち取りたい」と信念は曲げない。「自分の中では代表を勝ち取るために4分10秒台や10秒を割る記録を目指していて、その記録が出せるような練習ができています」。宮本は高らかに断言した。

泣いても笑っても一発勝負の選考レース。代表入りを勝ち取るために今度こそ、培ってきた『自信』を身にまとい『決戦』のスタート台へと上がる。

4月の代表選考会では平泳ぎで後続を突き放すことができるか (提供・日本水泳連盟)

(記事:根本 成)

インタビュー

宮本一平

ー 大会を終えて今はどのような気持ちですか
4月の代表選考会前の最後の大きい大会だったということで、400m個人メドレーで好記録を出したかったのですが、不甲斐ない結果に終わってしまいました。自分がここまでやってきた練習内容は非常に良かったです。それを考えれば、全然違う結果になってしまったと思います。

ー今大会で400m個人メドレーはどれくらいのタイムを狙っていましたか
ここまでベストを出せるような取り組みをしてきたつもりだったので、大会前は4分10秒に近いタイムで泳げるという自信はありました。ただ結果としては自己ベストから遠のいたタイムでした。

ー 4分10秒に近い記録を出すためにどういったレースプランを立てていましたか
今までは最初のバタフライは他の選手から置いていかれないようにするという考えでした。ただ、2週間前の北島康介杯で200m背泳ぎと100m、200mの平泳ぎに出場して良い感覚を掴めていたので、今回はバタフライは自分の中で落ち着いて泳いで、背泳ぎから平泳ぎのところで他の選手に追いついて、追い抜いて、引き離してというレースプランを描いていました。結果としては描いていたプラン通りに泳げなかったというのが現状で、ベストからも大きく遅れるタイムになってしまいました。

ー 身体のコンディションは
身体のコンディションは非常に良かったです。泳ぎの感覚も良くていい状態でしたが、レースになった時にまだ気持ちの方がついてこなかったのかなと思います。レースに向けてモチベーションを上げていけるような練習や、気持ちの入れ方を確認していくことを残された期間でやっていきたいです。

ー 予選は4分17秒9というタイムでした
4分17秒台という記録は予選としては良いタイムだったのかなと思います。予選のレースが終わってからは少し疲れもありましたが決勝は楽しめればなと思ってしました。ただ、決勝進出ラインが4分18秒0だったので多少焦りはしました。

ー 200m個人メドレーも決勝進出ラインが高かったと思います
そうですね、今大会は個人メドレーもそうですし、平泳ぎの方も決勝進出ラインが高かったのでやはり下のレベルが上がってきていると感じました。

ー 400m個人メドレーの決勝はバタフライを57秒4で入りました
このタイムは予定通りでした。

ー 次の背泳ぎでは順位を落とす形になりました
自己ベストを出した大学2年次のインカレのときは背泳ぎのラップが1分04秒でした。今はそれよりも速いタイムで背泳ぎの部分を泳げればいいなと考えているのですが、今回は+2秒くらいかかってしまったのでそこを上げていけたらレースとしても理想の形になってくるのかなと思います。背泳ぎのラップを上げるのはコース取りも大事だと思っていて、今回は1番端っこのコースということもあり周りの選手の位置が見えない状況だったのでその辺りも影響したのかなと思います。

ー 300mまでは2位争いが横並びの展開でした
自分のレースプランとしてはやはり平泳ぎのところで周りの選手が見える状況だと勝てないなと思っているので、300mまでに他の選手を突き放していくことが理想です。

ー 決勝では複数人が派遣標準記録を突破しました
大会が終わってから萩野公介(ブリヂストン)さんが400m個人メドレーでは五輪を目指さないかもしれないと報道がありました。今大会の結果を見ても残り1枠の争いは本当に接戦だと思っています。ライバルの中では今回2位の井狩選手(近畿大)が4分12秒9でしたが、自分の中では代表を勝ち取るために4分10秒台や10秒を割る記録を目指していて、その記録を出せるような練習ができています。4月には理想のレース展開が実現できるように残りの期間しっかり練習、そして調整をしていきたいです。

ー 200m個人メドレーを振り返って
400m個人メドレーでは緊張もして、気持ちが乗らなかった分、200mでは楽しんで泳ぐことができたのかなと思います。予選のときに1組前の記録を見たら3人が2分00秒台を出していて、決勝ラインが高いなと予想はしていました。予選は萩野さんが隣にいたので全力で付いていって、その中でスピードが付いているなという手応えを感じとることができました。今後の400m個人メドレーに向けてはそのスピードを維持する能力を高めていけたらなと思います。

ー 決勝では前半の100mをベストの時よりも速く入りました
レースプランとしては400mと変わらずにバタフライは焦らずに落ち着いて入って、その他の種目で上げていくことを考えていました。背泳ぎの部分のラップが30秒1ということで今までで1番速く泳げましたが、そこを29秒台で刻むことができれば、次の平泳ぎで他の選手を突き放す展開に持っていけるのかなと思います。

ー 背泳ぎは400m個人メドレーのときよりも上手く泳げましたか
400m個人メドレーのときは背泳ぎがあまり進んでいないように感じていましたが、200m個人メドレーでは修正して泳ぐことができました。

ー 200m個人メドレー決勝の泳ぎは自信にはなりましたか
表彰台までも自己ベストまでもあと0.1秒差ということで惜しいところはありますが、ベストに近いところでコンスタントに泳ぐことができているのは自信にはなっています。

ー これからの練習のテーマはどういったところですか
次のレースは2月20日、21日にある東京都オープンでの200m個人メドレーと400m個人メドレーになります。今はそこに向けて今回のレースで足りなかった部分を補ったり、良かった部分を伸ばせるようなメニューを自分自身で作ってやっています。自分としてはスピード持久力の面が課題なので、その部分をこの2週間で徹底的にトレーニングして4月に良い結果が出せればなと思います。

ー 東京都オープンは記録を狙いますか
自分自身でメニューを作って、どれくらいタイムが出るのか試したいと思っています。200mも400mコンスタントに好記録が出せれば自信にも繋がるので記録を狙いたいです。今回のジャパンオープンでは記録を狙い、それがプレッシャーになって、考えていたレースプランが実行できなかったので、理想のレース展開をして4月に向けてモチベーションが上がる試合にしたいです。

ー 日本選手権の目標をお願いします
400m個人メドレーで4分10秒を割って順位としては1番を狙います。代表に内定している瀬戸大也選手がいる中でも勝てる力を付けていって残り1枠の代表権を勝ち取りたいと思います。200m平泳ぎでも狙っていきたいと思っていて、派遣標準記録までは残り2秒と結構離れてはいますが、力をつけて大会に臨みたいです。

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