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【水泳】第97回日本学生選手権 ハイライト① 関口真穂、昨年5位からジャンプアップ!200M背泳ぎで銅メダル獲得を果たす!!

第97回日本学生選手権
2021年10月7日(木)〜10日(日)
東京辰巳国際水泳場

大会2日目に行われた女子200m背泳ぎで、関口真穂(3)が2分13秒15をマークし銅メダルを獲得。前回大会の5位から2つ順位を上げた。女子200mバタフライでは森柄花菜(2)が自己ベストで決勝進出を果たし、昨年予選落ちに終わった悔しさを晴らした。女子100m平泳ぎでは奈須田ゆうか(4)が1年次以来の自己ベストで決勝進出。最後のインカレで4年生の意地を見せつけた。

 


表彰式で笑顔を見せる関口(写真=右)

初日・2日目ハイライト

女子200m背泳ぎ

昨年の5位から2つ順位を上げ、3位になった関口。「メダルが獲れてホッとした。練習の成果がしっかりと発揮できた」と安堵。狙っていた2分11秒台には届かなかったが、ベストタイムに迫る好記録をマークし、「まずまず」と充実感をにじませた。

これまで精神面の弱さが課題だったが、コーチとの二人三脚で乗り越えた。「インカレ前に何度もタイム設定やレースプランを確認し合った」。冷静さを保てたことで「決勝でタイムを上げられた」と話した。

元々は後半の泳ぎが持ち味。前半型の選手に対抗するために、今大会に向けて苦手としていたバサロキックの練習に力を注いだ。スタートやターンで周りから遅れることがなくなり、泳ぎに余裕が持てるようになった。心身共に大きく成長してつかんだ銅メダルだった。

「大学に入学した時から、大きい舞台で活躍するというのを目標としてやってきた。それが少しずつ形になってきたので、残り1年間でさらにより良い結果が出せるように頑張っていきたい」。まだまだ挑戦の道半ば。インカレを経て、また選手として一回り階強くなった。(根本 成)

女子200mバタフライ


「去年のインカレで思うようにレースができなかった時から、来年こそはという思いで練習してきた。今年はすごく自信があったので緊張は全くしなかった」と森柄。この1年間で2秒以上記録を短縮してインカレを迎えた。予選は8位通過だったが、決勝では1つ順位を上げる活躍ぶり。「去年は出るだけになってしまったので、シード権獲得に自分が貢献できたことはすごく嬉しかった」と話した。今後もさらなる高みを目指していく。

女子100m平泳ぎ

予選のスタート前、緊張感と重圧が奈須田を襲った。力み過ぎた泳ぎは1分10秒09。100分の1秒自己ベストだったが、「(1分)10秒かかったら決勝に残れないと思っていたので、ずっと泣いていた」と明かした。

2年次と3年次は、練習に身が入らず、一度もベストを更新することが出来なかった。最後のインカレで結果を残すために、昨年の11月に所属チームを移籍。そこから気持ちを切り替えた。「最後の1年間が一番練習がキツかったが、その分だけ速くなっている実感があった。これで落ちたら本当に居場所がないという思いだった」。

予選のランキングが発表されると、8番目に自分の名前があった。「本当にうれしかった」。いつの間にか、頬に伝った『悔し涙』は、『うれし涙』に変わっていた。(根本)


奈須田は決勝でさらに記録を縮めた。

男子100m平泳ぎ


「試合前から調子がいい自覚があった。決勝のレースは、本当は1分00秒3を狙っていた」と山尾。しかし、目標には及ばず、1分00秒69で7位。「去年は5位という結果だった。今年は少しでも順位を上げて得点を取りたいと思っていたので本当に悔しかった」と語った。

選手インタビュー

関口真穂

ー 3位と分かった瞬間はどういった気持ちになりましたか
メダルが獲れてホッとした気持ちもありましたが、コーチと練習してきた中で『優勝』という目標も立てていたので少し悔しさも感じました。

ー 力を出し切れましたか
今までバサロキックを中心に練習をしてきました。予選も決勝もバサロキックをたくさん打つことができたので、練習の成果がしっかりと発揮できたかなと思います。

ー 2分13秒15というタイムについては
予選から13秒台が出ていて、練習の中でも調子が良かったので、本当は自己ベストだったり、もう少し速いタイムが出せると思っていました。今回は自己ベストを更新することはできませんでしたが、ここ最近はコンスタントに速いタイムで泳げているので、今回のタイムについてはまずまずかなと感じています。

ー 最初の50m、100mは先頭でターンしました
自分の中では分かっていませんでした。後から確認したら、前半から結構速いペースで入っていたことが分かり、楽に泳ぎながらも速いペースで泳げていたと思います。

ー レース中に意識していたことは
バサロキックは苦しくても必ずしっかり打つということと、自分は焦ってしまう部分があるので落ち着いて泳ぐことを意識していました。

ー 前半から速く入れた要因は
今までは練習の中で苦しくなるとタイムを落としてしまうことが多かったのですが、インカレに向けた合宿等で苦しくなってもタイムを落とさないということや楽に速く泳ぐということを強化してきたので、それが生かせたかなと思います。

ー 後半の泳ぎを振り返って
最後の50mは必ず上げるということをレース前にコーチとも話をしていました。100mから150mの区間と比べると、ラスト50mは上がっていたとは思いますが、最後逆転されてしまい、もう少し速くなければいけないんだなと終わってからは思いました。後半の泳ぎに関して言えば、合宿で強化してきた部分が出せなかったと思います。後半の100mを意識した練習を多く組んでいたので、前半トップで入っていただけに、最後抜かされてしまったのは悔しいですし、今後直していかないといけないなと思いました。

ー 決勝でタイムを上げることが、課題としてあったと思いますが、その点に関しては
最近は日本選手権などの大きい大会で決勝に残ってもタイムを落としてしまうことが多かったのですが、今回はプレッシャーに負けないで、タイムを上げるということを意識して泳げたので良かったと思います。

ー プレッシャーに打ち勝った要因は
今回はインカレ前にコーチとミーティングをすることが多くて、タイム設定やレースプランを何度も確認し合ってやってきました。予選と決勝それぞれのレースプランをしっかり確認できていた点が決勝でタイムを上げられたことに繋がりました。

ー この1年間を振り返っていかがですか
1年生の時は、なかなかタイムも上がりませんでしたし、成績も良くなくて結構落ち込むことが多かったです。ですが、ここ最近は練習で積み重ねてきたことが本番でも発揮できるようになったと感じています。大学に入学した時から、大きい舞台で活躍するというのを目標としてやってきて、それが少しずつ形になってきたので、残り1年間でさらにより良い結果が出せるように頑張っていきたいです。

ー 好調の要因は
1年生の時と比べると練習への意識が変わってきたと思います。今までは頑張るだけに特化していたところがありますが、今はレースを想定しながら練習ができているので、そこが上手く結果に繋がっているのかなと思います。

ー 目標としているタイムは
大学生の間に2分10秒台は出したいと思っています。このインカレは2分11秒がコーチと目標としていたタイムだったので、今回はそこまでは行きませんでしたけど、今後は10秒台を目指して頑張っていきます。

ー 女子はシード権を獲得しました
学校練とクラブ練で分かれていながらも、インカレに向けて皆でやりとりをすることが多くありました。チームとして一つになれたことが、決勝に多くの選手が進出できた要因かなと思います。

ー 今後の意気込みをお願いします
来年3月の選考会でユニバーシアードの代表に入ることが一つ目標としてあります。また、今回のインカレで4年生の柏崎さんが優勝されたのを見て、自分も来年は優勝できるように頑張っていきたいと思いました。

森柄花菜

ー 2年目のインカレは、どういった気持ちで迎えましたか
去年はすごく緊張してしまいました。空気に呑まれてしまい、自分の泳ぎが出来なかったということがありました。ですが、今年は自分自身の記録が上がっていて、調子も良かったのですごく自信があったのであまり緊張しませんでした。予選の前は「絶対にA決勝に行くぞ」という気持ちでした。

ー インカレに向けて取り組んできたことは
去年は、そもそも泳ぎが上手くいっていませんでした。動きが1つズレてしまうと全部がズレてしまう感じがあって、なので今大会に向けては泳ぎが上手くハマるように練習をしてきました。

ー 200mバタフライは予選から自己ベストでした
正直、自信があったのでタイムとしてはもうちょっと出るかなと思っていました。ただ、ベストが出ましたし、目標としていたA決勝に残ることができたので、良かったなと思います。

ー 狙っていたタイムは
日本選手権のタイムが13秒1だったので、そこを切るために12秒台を出したいと思っていました。

ー 後半の泳ぎについては
私は結構短い距離が苦手なので、いつも最初の100mは置いて行かれて、そこから上げていくというレースが多くあります。ですが、最近は後半部分が伸びてこないと感じるところがあり、それが影響して今回のレースも12秒台に届きませんでした。

ー 決勝のレース前はどういった気持ちでしたか
決勝前は選手権のタイムを切りたかったので、予選のタイムより上げられるようにと思っていました。また、周りの選手がすごいレベルの高い方たちだったので、楽しんで泳げればいいなと思っていました。

ー 緊張はありましたか
緊張は本当にしませんでした。予選も決勝も全く緊張しなくて、すごいレースが楽しかったです。

ー 決勝の泳ぎを振り返って
2本泳ぐ体力を持ち合わせていませんでした。これまでも決勝に残ってもタイムを落としてしまうことが多かったので、そこはもう少し強化していって、来年以降は決勝に残るだけでなく、決勝で戦えるようになりたいなと思います。

ー 決勝では、予選よりも順位を上げて7位になりました
予選が8位通過だったので、一つでも順位を上げられればと思っていました。本当に最後の最後に抜いた感じでしたが、順位を上げることができて良かったと思います。

ー 決勝を泳いだ感想は
速い方たちについて行って、戦えるようになりたいと強く思いました。

ー どういったことが今回の結果に繋がったと感じていますか
去年のインカレで思うようにレースができなかった時から、来年こそはという強い気持ちで練習してきました。また、友達とかがインターハイに出て活躍している姿がすごいかっこいいと感じていました。去年の経験と周りの人たちの活躍が刺激になって、自分もああなりたいという気持ちに繋がりました。

ー 今年は2秒以上ベストを更新しました
2秒上がった時は、こんなに上がるんだという感じでした。やはり去年のインカレで思うような結果が出せなかったので、そこから練習に対する意識が変わったと思います。

ー 今回、女子は多くの選手が決勝に残りました
私は法政の中で一番最初の決勝レースだったので、いい流れを後の選手たちに繋げることができればなという思いでした。

ー そして、シード権も獲得しました
去年、私は出るだけになってしまって、全然得点に絡める結果ではなかったので、今回の女子の結果に自分が貢献できたことはすごい嬉しかったです。

ー 今後の課題は
持ち味の後半の強さを取り戻すことと、予選と決勝の2本泳げる体力を付けることができればもっといいレースができると思います。

ー 今後の目標を教えてください
まずは日本選手権のタイムを突破して、選手権の決勝で泳げればいいと思っています。また、これからどんどん速い子たちが入ってくるので、そういう子たちに負けないでインカレの決勝で戦っていきたいと思います。

奈須田ゆうか

ー 最後の大会でベストを更新されましたが、満足のいく結果は得られましたか
そうですね。ベストは絶対に出したいと思っていたので、良かったと思います。

ー レースについて伺います。まず100mの予選のスタート前はどんな気持ちでしたか
100mの予選の前が一番緊張しました。今まで出てきた試合の中で一番の緊張感があって、力んでいた部分と焦っていた部分があったと思います。決勝進出は最低限クリアしたいと考えていました。移籍もしたので、これで落ちたら本当に居場所がないなという思いでした。ベストを出す自信は練習の段階から結構ありましたが、私の後にまだ2組残っているということで、不安もありました。

ー 予選から好タイムでしたが、泳いでいる中でベストが出るような感覚はありましたか
予選は力んでいた分、後半すごいバテてしまいました。後半キツかったので、泳いでいる時は、どのくらいで泳いでいるのか分からなかったです。予選のタイムは1分10秒09で一応0.01秒ベストを更新しましたが、10秒かかったら決勝に残れないと思っていたので、タイムを見た時は終わったなという気持ちでした。

ー 結構落ち込みましたか
やってしまったなという気持ちが大きかったです。終わった後にマネージャーの未亜が「ベストですね」って言ってくれたんですけど、そういえばベストだったなという感じでした。あの時は落ち込んでいて何も入ってこなかったです。

ー 決勝進出が決まった時の気持ちは
後の組の選手のタイムを見ていて、順位を数えていたんです。私はずっと9番だと思っていました。9番だと思ってずっと泣いている時にランキングが発表されて、ギリギリ8番ということが分かって、本当に嬉しかったです。

ー 決勝のレース前はどんな気持ちでしたか
予選の時にあった不安やプレッシャーは全然ありませんでした。8位通過で失うものは何もないと思っていたので気楽でしたし、入場が一番最初だったので、余裕があって結構周りを見ることができました。ただ、これが人生最後の100mのレースだと思ったら、レース前に泣きそうになってしまいました。

ー やはり寂しさもあったのですね
100mの平泳ぎは、小学生の頃から決勝で泳いできた種目だったので、最後ってなるとやっぱり込み上げてくるものがありました。

ー 決勝は力んだりしませんでしたか
スタートも決まって、50mの入りで32秒台を初めて出せました。ただ、後半は少しバテてしまいました。タイムに関しては9秒台を出して終わりたかったので、良かったと思います。欲を言うならば、もう少し9秒台前半とか8秒台を出せたら良かったと思いますが、0.6秒くらいベストが出たので良かったかなと思います。

ー 100mが終わったときの気持ちは
泣くかなと思っていましたが、意外と涙は出てきませんでした。予選よりタイムも順位も上がりましたし、タッチしてすぐにスタンドの方を見たら仲間がすごい手を振ってくれていたので、全然メダルとか獲っていないのにガッツポーズをしました。

ー メドレーリレーは予選敗退でした
エントリーは11番だったので、私たち的には、結構チャレンジャーの気持ちで、決勝に残りたいねという話をしてレースに臨んでいました。結果については、やはり周りが速かったのと、自分自身は前半速く入り過ぎて、トータルで1分09秒8くらいかかったので、そこはもう少し落ち着いていけてたら良かったかなと思います。

ー レース後はメンバーとどんな会話がありましたか
4年生が3人出場していて、メドレーリレーの予選で引退という形になったのでお疲れ様という話をしました。

ー 今回は1年生以来のベストだったと思いますが、ベストを出すまでの期間を振り返っていかがですか
ベストは3年ぶりなんですけど、正直なところ、2年生と3年生の頃は練習に身が入っていませんでした。その時は本当にいい加減な水泳をやっていたので、コーチに対しても仲間に対しても反省しています。今振り返ると、もったいない期間だったなと思いますが、去年の11月にJSSに移籍してからは気持ちを切り替えて競技に取り組むことができました。練習を真面目にやっていなかった自分としては、JSSの練習が本当にキツくて、最初は付いていくだけで精一杯という感じでしたが、段々とキツい練習もこなせるようになって、自信がついていきました。最後の1年間が一番練習がキツかったですが、その分だけ自分が速くなっているという実感がすごいあったので、キツいながらも楽しくこの1年間は競技に取り組むことができました。たくさん泳ぎ込んだことが今回の結果に繋がったと思っています。

ー もう競技に対して悔いはありませんか
今回9秒5まで出せたので、正直もう少し続けてもいいかなとも思っている部分があって、そこはまだ保留中です。達成感はすごくありますが、もう少し行けるという気持ちも芽生えています。

ー 最後に後輩たちへメッセージをお願いします
自分自身がちゃんと練習をやっていなかった期間があるので、ずっと真面目にやれと言える立場にはありませんが、自分を変えたり、自分を速くするためにすることは遠慮なくやってほしいと思います。また、大学で競技を引退する選手がほとんどだと思うので、練習にしろ環境にしろ、悔いのないようにやってほしいです。

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