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【硬式野球】東京六大学野球2022春季リーグ戦 第4週 慶大3回戦 最後は頼れる主将が決めた!令和の東京六大学野球史に残るシーソーゲームを制して、王者から勝ち点奪取!

東京六大学野球2022春季リーグ戦 第4週 慶大3回戦
2022年5月2日(月)
神宮球場

先発の篠木健太郎(営2=木更津総合)は、中1日ながら序盤から好投を見せる。その投球に打線も応える。3回に、浦和博(キャ3=鳴門)の適時二塁打などで、3点を先制し、主導権を握る。6回にも1点を追加し、4点リードで8回へ。ここまで順調に来ていた篠木だったが、つかまり1点差とされる。そして9回。2番手・塙雄裕(法3=常総学院)が2死から廣瀬隆太に本塁打を許し、逆転を許す。しかしその裏に、押し出し四球で同点とすると、ここまで打率一割台と低迷が続いていた主将・齊藤大輝(人4=横浜)がサヨナラ打を放ち、白星をつかみとった。

初戦と同じく、サヨナラ勝利を飾った!

試合結果

トータル試合結果

1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
慶 大 0 0 0 0 0 0 0 3 2 5 11 1
法 大 0 0 3 0 0 1 0 0 2x 5 1

(慶大)増居、渡部淳、橋本達、●白木、外丸、生井、浮橋—善波、宮崎
(法大)篠木、〇塙—村上
[本塁打] 山本2号2ラン(8回、篠木)、廣瀬4号2ラン(9回、塙)

打撃成績

打順 位置 選手 打率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 (8) 宮﨑 4 1 0 .444 中安 四球 三振 左飛 三振
2 (7) 高田 2 0 1 .000 一併 死球 三ゴ 四球 四球①
3 (4) 齊藤大 4 1 2 .160 三ゴ 右犠① 遊ゴ 一飛 左安①
4 (3) 3 1 1 .185 四球 中二① 二ゴ 三振
5 (5) 今泉 3 0 0 .280 右飛 三振 四球 三振
6 (6) 海﨑 2 0 0 .176 三邪 右飛 一犠 死球
7 (9) 野尻 3 0 0 .143 三振 一邪 遊失 死球
R 木下 .000
8 (2) 村上 3 1 0 .227 三ゴ 右安 三振
H 高原 1 0 0 .250 三振
9 (1) 篠木 3 1 0 .333 遊安 三振 遊ゴ
1 1 0 0 .000
H 平原 0 0 0 .333
H 大柿 0 0 0 .000 四球
28 5 4 .222

 

投手成績

球数 打者 防御率
篠木 8 130 35 9 6 4 2 3.58
1 16 5 2 1 0 2 2.38
9 146 40 11 7 4 4 3.82

 

ベンチ入りメンバー

10 齊藤大輝(人4=横浜) 22 是澤涼輔(現福4=健大高崎) 25 内海貴斗(人3=横浜)
12 山本大雅(法4=三重) 32 久保田碧月(営3=高川学園) 31 鈴木大照(文2=明徳義塾)
13 塙雄裕(法3=常総学院) 4 高田桐利(営4=広陵) 1 野尻幸輝(営4=木更津総合)
15 石田旭昇(文4=東筑) 5 松田憲之朗(キャ4=龍谷大平安) 8 宮﨑秀太(営4=天理)
16 尾﨑完太(キャ3=滋賀学園) 6 海﨑雄太(文4=埼玉栄) 33 西村友哉(法2=中京大中京)
17 武冨陸(営3=日大藤沢) 7 今泉颯太(法3=中京大中京) 34 平原大靖(文4=石見智翠館)
18 篠木健太郎(営2=木更津総合) 9 浦和博(キャ3=鳴門) 37 木下将吾(文4=静岡)
2 大柿廉太郎(法4=健大高崎) 23 肥後幸太(法4=法政二)
19 村上喬一朗(法4=東福岡) 24 高原侑希(法3=福井工大福井)

戦評

負ければ今季の優勝戦線からは、大きく遠ざかってしまう大事な一戦。2つ目の勝ち点獲得を目指して、慶大3回戦に臨んだ。

ここまで早大2回戦から5試合連続で先制を許し主導権を握られている法大にとって重要となる立ち上がり。対慶大初戦となった土曜日から中1日を空け、先発を任されたのはエース・篠木健太郎(営2=木更津総合)。初回、昨試合で初球先頭打者本塁打とサヨナラ本塁打を放った1番・萩尾匡也に四球を与えると無死一、二塁の危機を招き、迎えるは3番・廣瀬隆太。痛烈な当たりも、ここは海﨑雄太(文4=埼玉栄)がうまくさばき併殺打に打ち取る。後続も断ち初回を無失点で切り抜けた。


篠木は前回登板の悔しさを晴らす投球を見せた

試合が動いたのは3回裏、法大の攻撃。相手先発の増居翔太から、篠木が内野安打で出塁すると、1番・宮﨑秀太(営4=天理)、2番・高田桐利(営4=広陵)の連続四死球でチャンスを広げ、1死満塁とする。ここで打席には主将・齊藤大輝(人4=横浜)。追い込まれてからの5球目を右翼へと運び、チーム6試合ぶりの先制点となる犠飛を放つ。なおも、一、三塁とし4番・浦和博(キャ3=鳴門)が初球の直球をとらえ、左翼フェンス直撃の適時二塁打を放ち1点を追加する。さらに相手投手の暴投も重なりこの回3点を挙げた。


浦の適時打などで、序盤から主導権を握った

先発の篠木は走者を背負いながらも変化球を効果的に使い、要所を締める投球で6回まで慶大打線に得点を与えない。

追加点が欲しい法大は、6回裏。1死から5番・今泉颯太(法3=中京大中京)が四球で出塁すると、続く海﨑が1球で犠打を決め2死二塁とチャンスを広げ、7番・野尻幸輝(営4=木更津総合)へ打席が回る。その初球、遊撃手への強い当たりは相手の送球ミスを誘い、待望の追加点となる4点目をあげた。


野尻の鋭い当たりが追加点を呼んだ

7回までスコアボードに0を並べ、自身初の完封勝利も見えてきた中で8回のマウンドへと登った篠木。先頭を打ち取ったものの、味方のミスも絡み一、三塁の危機を背負うと、7番・山本晃大に投じた初球が暴投となり1点を返される。さらに走者1人を置き、山本に投じた124球目。内角高めの直球を右中間スタンドに運ばれ、1点差まで詰め寄られる。

そして1点差のまま迎えた9回表。マウンドにはこのカード3連投となる2番手の塙雄裕(法3=常総学院)。慶大先頭の代打・奥村拓馬が放った打球は右翼手前に。野尻が差し出したグラブがわずかに及ばず、二塁打となり危機を招くが、塙は落ち着いていた。続く慶大の1、2番を伸びのある直球で打ち取り2死までこぎつける。しかし、簡単には勝たせてくれないのが昨年春秋王者・慶大。このカードでは1安打に抑えていた3番・廣瀬が高めのボール球を捉えると、打球は大きなどよめきと歓声とともにバックスクリーンへと消えていった。4-5と土壇場で試合をひっくり返された。


あとひとつのところで、打球は無情にもバックスクリーンに叩き込まれた

1点を追いかける側となった9回裏の攻撃。先頭の海﨑、続く野尻が連続死球で出塁し、9番・塙代打で打席に入った大柿廉太郎(法4=健大高崎)が四球を選び、1死満塁とサヨナラの場面を作る。続く宮﨑が三振に倒れ2死満塁となり、万事休すと思われた。ここで打席には今カードから復帰した2番・高田。カウント3-1から7番手・浮橋幸太が投じた5球目は、高めに外れ押し出し四球に。これで5-5の同点とし、なおも2死満塁で3番・齊藤大を迎える。一打サヨナラの緊迫の場面で、2球目の低めの変化球を上手く捉え三遊間を抜くサヨナラ安打。ここまで不振にあえでいた、法大の頼れる主将の目覚めの一振りが試合を決めた。


最後は主将が決めた!

東京六大学野球史に残るであろう、同一カード3試合連続サヨナラ試合という熱戦を2勝1敗で制し、勝ち点を2とした法大。王座奪還へ向けて負けられない戦いが続く。今日の勢いそのままに、次戦の明大戦も『一心』を胸に勝ち点をつかみ取り、優勝に向けて突き進む。

(記事:野田堅真 写真:東夏紀)

クローズアップ:齊藤大輝『我らの主将が熱戦に終止符!齊藤大輝がサヨナラ決めた!』

この試合が始まるまで打率.143と苦しんできた男がここ一番で最高の結果を残した。

直前で同点に追い付き、なおも1死満塁と球場のボルテージは最高潮に達した場面。「絶対に打ってやろう」と意気込み、2球目のチェンジアップを引っ張ると、打球は三遊間を破った。主将・齊藤大は2時間40分の熱戦に終止符を打つサヨナラの適時打を放つと、「みんながつなげてくれたので、期待に応えられて良かったです」と喜びを口にした。

第2打席には犠飛を放ち、先制点を挙げる場面もあり、先制点と決勝点に絡む活躍ぶり。『齊藤大に始まり、斎藤大に終わったゲーム』ともいえるほどに、法大の主軸に座る打者としての『格』を存分に見せつけた。

勝ち点2を獲得する快進撃を続ける春季リーグ戦も、残すは2カードのみとなった。「自分が打たないと優勝できないと思っている」と主軸としての誇りと自覚を胸に、20年春以来の優勝に向け、勝負強い打撃でチームをけん引する。

(記事・皆川真輝)

選手インタビュー

齊藤大輝 主将

ー慶大から勝ち点を奪いました。今の気持ちは
最高です!

ー第2打席では先制の犠飛。どのようなことを考えて打席に
1、2試合目で、慶應さんに先取点を取られてたので何がなんでも先制を取るという気持ちで打席に入りました。

ー9回にはサヨナラ打を放ちました。感想は
みんながつなげてくれたので、期待に応えられて良かったです!

ー打った球種は
チェンジアップか、フォークだと思います。

ーサヨナラ勝ちの瞬間にチームメイトが出てきて、どのようなことを思いましたか
前半戦に援護出来なかったので、大事な場面で打てて良かったなと思いました。最高のチームだなと思いました!

ー次の明大戦に向けての意気込みをお願いします
必ず勝ちます!

村上喬一朗 副将

ー今日の試合を振り返って
3試合連続のサヨナラゲームとなり、捕手としてとても貴重な経験ができたと思います。

ー篠木選手とは、試合前にどのような打ち合わせを
前の試合では、少しデータを重視し、思うようなピッチングができなかったので、自分のいい球を投げ込もうという話をしました。

ー警戒していた慶大の選手は
3番の廣瀬(隆太)、4番の下山(悠介)、7番の山本(晃大)です。

ー立大2回戦以来の安打となりました。今の打撃での状態は
今の打撃の状態は悪くありません。これから毎試合打つ気持ちで頑張ります。

ー明大戦への意気込みをお願いします
優勝むけて、連勝するのみです。

高田桐利 選手

ー今日の試合を振り返って
チーム全員で諦めずに勝てたので良かったです。

ー今日は3出塁となりましたが、打席で意識していることは
どんな形でも塁に出ることと、つなぐことです。

ー今カードからの出場となりましたが自身の状態は
いつもと変わらないです。

ーチームの中での自身の役割は
つなぐことです。

ー次戦に向けて一言お願いします
どんな形でも絶対勝ちます。

浦和博 選手

ー慶大からの勝ち点を奪いました。今の気持ちは
とても嬉しいです。

ー今日の試合を振り返って
チームが一丸となって粘り強く戦うことができたと思います。

ー2打席目の適時打の場面は、どのようなことを考えて打席に入りましたか
先制点が取れたのでその流れに乗って初球を打とうと考えてました。

ーそのときの狙い球は
ストレートです。

ー次の試合に向けての意気込みをお願いします
チームの勝利に貢献します。

篠木健太郎 選手

ー中1日での登板でしたが、疲れは
1戦目の登板が非常に悔しく、抑えたい気持ちが強かったので特に感じていなかったです!

ー今日の投球で意識したことは
相手から逃げないように投げようとしました!

ー今日見つかった課題は
もっと相手の反応を見るべきだなと思いました。

ー9回の攻撃はどのような気持ちで見守っていましたか
雰囲気がとても良いチームなので、絶対勝てると思ってました!

ー次戦への意気込みをお願いします
チームのために、優勝のために腕を振ります!

試合の写真は、スポーツ法政新聞会の公式ツイッター、また公式インスタグラムに掲載いたします。

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