2022年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD
2022年10月20日(木)
法政大学野球部合宿所
5年連続で法大に吉報が届いた。山下輝(令3年度卒=現東京ヤクルト)、三浦銀二(令3年度卒=現横浜DeNA)、岡田悠希(令3年度卒=現読売)に続いて今年も法大からプロ野球選手が誕生した。是澤涼輔(現4=健大高崎)は埼玉西武ライオンズより育成4位、村上喬一朗(法4=東福岡)はオリックス・バファローズに育成5位で指名を受け、悲願達成となった。
ドラフト指名選手
氏名 | 指名球団 | 順位 |
是澤涼輔(現4=健大高崎) | 埼玉西武ライオンズ | 育成4位 |
村上喬一朗(法4=東福岡) | オリックス・バファローズ | 育成5位 |
ドラフトレポート
リーグ最終カードを残して行われたドラフト会議。法大からは5人がプロ志望届を提出し、自らの名前が呼ばれる瞬間を待った。
村上は「呼ばれないのかなと思った」と振り返る通り、5選手とも支配下で呼ばれることはなかった。午後5時過ぎから始まり、午後7時40分を迎えたころ、ついにその瞬間がやってきた。まず是澤涼輔(現4=健大高崎)が埼玉西武ライオンズから育成4位で指名を受けた。リーグ戦出場3試合、無安打の男がプロ入りをつかみ取ったのだ。埼玉西武の担当スカウトは「地肩の強さが売り」と一芸に秀でたことがプロへの道を切り開いた。法大から埼玉西武への入団は現在東北楽天で打撃コーチを務める後藤武敏(平15年度卒)氏以来、20年ぶりとなった。
続いて名前が呼ばれたのは、副将の村上喬一朗(法4=東福岡)。法大の大島公一助監督も現役時代にプレーしたオリックス・バファローズから育成5位で指名を受けた。3年秋からレギュラーに定着し、堅実な守備に加えて同年秋は打率.333、4年春は打率.311と2季連続.300割越えと攻守ともにみせた安定感がプロ入りへとつながった。「日本一の捕手」を目標にプロへの階段を駆け上がる。
今年は2名がプロ入りを決めた法大。平均在籍年数7.3年という厳しいプロの競争に打ち勝ち、まずは支配下登録、そして一軍の舞台での活躍に期待だ。
(大井涼平)
共同記者会見(※一部抜粋)
ー指名された今の率直な感想は
是澤: 非常に驚いています。それから時間が経つにつれてだんだんと嬉しい気持ちが込み上げてきて、これから頑張ろうという気持ちが芽生えています。
村上:。なかなか名前が呼ばれず、呼ばれないのかなと思っていたんですけど、なんとか名前を呼んでいただいて、自分の名前を聞いた瞬間はホッとした気持ちになりました。ですが瞬時にプロの世界に入って、育成選手としての入団になるので、支配下を狙って一軍の試合で活躍するということをすぐ思うようになりました。
ーこの報告をどなたにしたいですか
是澤:真っ先に母親に電話をしました。自分は母親と祖母との3人暮らしなのですが、男がいない中で必死に育ててもらったのでその感謝の意味を込めて真っ先に気持ちを伝えました。
村上:自分も真っ先にこの気持ちをお母さんに伝えようと思っていました。さっき時間があったのでお母さんに電話して、「ありがとう」という言葉をかけました。
ーご自身の長所とプロ入り後伸ばしていきたいところは
是澤:自分は捕手で二塁への送球が強みでして、育成指名ということでその一芸を買っていただいたと思っています。誰にも負けない盗塁阻止率であったり、肩の強さを活かした守備をこれから鍛えていきたいと思います。
村上:自分の長所としては元気とか明るさ、人間性というところが僕の長所だと思うので、試合に出たらチームの雰囲気を良くしたり、チームを落ち着かせたりというのが僕しか持ってないことだと思うので、その能力をプロに入って存分に発揮して、優勝に貢献できる捕手になれたらいいなと思います。
ー是澤選手は100マス計算が趣味ということですが
是澤:小中学校のバス移動の際に携帯は触ってはダメだったので、通りすがりの車のナンバーで足し算をしていて、数学も得意だったので、それから趣味にしています。
ー野球には何か活かされていますか
是澤:瞬時の状況判断だったりとかに生きていると思います(笑)。
ー村上選手は三味線が趣味ということですが
村上:三味線は祖母と祖父が三味線の師範でして、野球を始めるより前に三味線を始めました。野球に生きていることと言えば、こういった取材の時に絶対に突っ込まれるので、そこでコミュニケーションを取って、仲良くなれるところかな思います。
ー三味線を何歳の時に初めて、得意な曲などはありますか
村上:野球を始めたのは小学校3年生で、三味線を始めたのは小学校1年生です。小学校3年生の時には芸名が名乗れるまで上達していて、地元松山の民謡曲をよく弾いていたので、それは僕が得意な曲ですね。
―指名された球団の印象と話してみたい選手や憧れの選手は
是澤:西武ライオンズさんは山賊打線と言われるほど豪快なチームでありながら、今年はパ・リーグでチーム防御率が1位で、投打ともに充実している球団だなという印象があります。僕は高校健大高崎に進学させてもらったのですが、西武ライオンズの柘植(世那)さんに憧れて進学しました。柘植さんに色々教わって、いつか超えれる捕手になりたいなと思ってます。
村上:オリックスさんは去年と今年リーグ優勝されて、また日本シリーズにも出場して、すごい強いなという印象です。中嶋監督の采配もキャッチャーとしてすごく尊敬していて、すごいなと思わせる場面がたくさんあって、その監督の下でいつか野球がやりたいので、早く支配下になって一軍でプレーしたいなと思ってます。
ー対戦してみたい選手は
是澤:佐々木朗希(千葉ロッテ)投手のストレートをバッターボックスで体感してみたいなと思います。
村上:今日のドラフトが僕にとって印象に残っているので、六大学で同級生のピッチャー橋本達弥(慶大)くんはベイスターズに指名されていたので、プロの世界でも勝負できたら良いなと思っています
ー取りたいタイトルは
是澤:スローイングが売りの選手なので、捕手でパ・リーグのゴールデングラブ賞を取れるような選手になりたいなと思っています。
村上:僕はタイトルとかではないかもしれないですけど、勝つ捕手が一番良い捕手だと思っているので、日本一の捕手になれたら良いなと思っています。
―お互いに捕手。お互いどういう存在で今後どう切磋琢磨していきたいか
是澤:(僕と村上は)2人とも結構タイプが似ていると思っていて、強い送球ができたりするので、そこは結構意識していました。またもう一人今季、捕手で出ている大柿(廉太郎、法4=健大高崎)という捕手がいるんですけど、村上も多分意識していると思いますし、その三人で切磋琢磨して練習してきたからこそ指名につながったと思います。これからもチームは違いますけど、支配下にどちらが先に上がれるかという意識を持って競争していきたいなと思います。
村上:先ほどあった捕手三人、僕と是澤と大柿というのがいて、もう一人ずっと専属で僕たちの面倒を見てくれた青木(謙秀、キャ4=法政二)学生コーチは、雨の日も風の日も僕らの無茶苦茶な練習に付き合ってくれていました。チーム互いに意識はしていたんですけど、プライベートで僕は仲は良いと思っていて、二人でレインボーブリッジに自転車漕いで散歩した想い出とかもよく僕は話します。結構無視されるんですけど(笑)。(プライベートは)そういう関係性ですが、野球の方はすごく僕も意識していて是澤に抜かれないように、大柿に負けないようにという感じでやっていました。プロに入っても同じ育成選手として入団するわけで、是澤よりも先に支配下選手になって、活躍するというのは今できた目標です。
ー秋のリーグ戦はなかなか全試合にフルで出ることはできていませんでしたが、アピールの場が少ないことへの焦りは
是澤:当然ありましたけど、試合前のキャッチボールだったり、シートノックから全力でプレーするっていうのを心がけていたので、そこがうまくつながったのかなと僕自身は思っています。
村上:僕自身も秋のリーグ戦はじめスタメンではなくて、ずっと焦りも感じてはいました。慶應戦スタメンで出て、なんとか最大限のアピールをしようと思って、プレー以外の面でも、全力疾走であったり声も出したりとか、立ち振る舞いっていうところも意識して、それがなんとか実ったのかなという風に今は思います。
―大学四年間を通して成長できた部分は
是澤:身長が伸びました(笑)。あとは先ほどもお話しさせて頂いた通り、大柿も村上もいて、非常に激しいレギュラー争いだったんですけど、その中で思いやりだったり、周りを見る力だったりっていうのは、二人を通して僕も学ぶことができたので、それはこれからも活かしていきたいなと思います。
村上:考え方の面だったり、人としてというところの面が一番伸びた四年間だなと思いました。いろんな人に支えられて、大学に入って様々な人と出会って友達と出会って先輩後輩に出会って、その中で自分が人として成長していたと思います。毎日日記も書いているんですけど、四年前の日記を見返したときに、まだまだ子供だなと思う部分があったので、今の自分は四年前の自分に比べて成長したのかなと思います。