関東大学リーグ戦1部
対立正大
2022年10月30日(日)
セナリオハウスフィールド三郷
前節、今シーズン最多の5トライで2戦ぶりに勝利した法大。連勝を狙うべく今節に迎える相手は昇格組・立正大。絶対に落とせない一戦だったが、序盤から相手にトライを許し、前半を6-19でリードされて折り返す。逆転を狙う後半だったが、相手の勢いのある攻撃を止めることができず、18-64で大差での敗戦となった。大学選手権出場を目指す中で、痛い今シーズン2敗目となった。
試合結果
トータル試合結果
18 法大 |
6 | 前半 | 19 | 64 立正大 |
---|---|---|---|---|
12 | 後半 | 45 |
ポイント詳細
0/2 | T | 3/6 |
---|---|---|
0/1 | G | 2/6 |
2/0 | PG | 0/1 |
0/0 | DG | 0/0 |
T:南部、佐野 G:石岡 PG:熊田2 |
※前半/後半、得点者は法大のみ記載
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 石母田健太 | 4 | 國學院栃木 |
2 | HO | 井口龍太郎 | 4 | 静岡聖光学院 |
3 | PR | 河村龍成 | 4 | 明和県央 |
4 | LO | 竹部力 | 3 | 大分舞鶴 |
5 | LO | 木村開 | 3 | 秋田中央 |
6 | FL | 山下武準 | 3 | 法政二 |
7 | FL | 吉永昴生 | 4 | 東福岡 |
8 | NO.8 | 佐野祐太 | 2 | 目黒学院 |
9 | SH | 小山田裕悟 | 1 | 桐蔭学園 |
10 | SO | 熊田経道 | 3 | 大阪産業大附属 |
11 | WTB | 松田陸 | 2 | 石見智翠館 |
12 | CTB | 金侑悟 | 2 | 大阪朝鮮 |
13 | CTB | 中井駿 | 2 | 大分舞鶴 |
14 | WTB | 坂田龍之介 | 4 | 東海大仰星 |
15 | FB | 石岡玲英 | 3 | 御所実業 |
16 | Re | 石川空悟 | 3 | 佐賀工業 |
17 | Re | 中野一樹 | 3 | 國學院栃木 |
18 | Re | 渡辺明志 | 2 | 佐賀工業 |
19 | Re | 渡部創太郎 | 3 | 桐蔭学園 |
20 | Re | 寺前琉達 | 2 | 報徳学園 |
21 | Re | 北川拓来 | 1 | 昌平 |
22 | Re | 南部翔大 | 4 | 京都成章 |
23 | Re | 田中大誠 | 1 | 國學院栃木 |
戦評
前節、34-15で関東学院大を撃破し、今シーズン初のボーナスポイントも獲得した法大。日大戦以来の2連勝を狙うべく今節激突する相手は、昨シーズンの2部王者・立正大。昇格組ながら今シーズン大東大と関東学院大に勝利し、ここまで2勝2敗と前評判を覆す快進撃を見せおり、油断のできない相手だ。外国人留学生も多数所属しており、フィジカルを活かした勢いのあるラグビーにどう対応するかが勝利へのカギとなる。
そんな法大のスタメンは関東学院大から3人を入れ替えて臨む。HOの井口龍太郎(4)が日大戦ぶりに先発復帰し、今シーズンの法大のスクラムを牽引するフロントローの4年生トリオが3試合ぶりに揃って出場となった。また、今シーズン著しい成長を見せるNo.8の佐野祐太(2)とWTBの松田陸(2)も2試合ぶりの先発出場となった。
勝てば大学選手権が見えてくる一戦。試合は序盤から動く。7分、自陣5mライン付近での相手ボールのラインアウトを起点にトライを奪われる。先制トライを許した法大は15分、熊田経道(3)の正確なPGで3点を返すも、5分後の20分、自陣ゴール前でのスクラムを起点にトライを奪われてしまう。その後も法大は積極的な攻撃を見せる相手の前に中々攻め込むことができず、得点は24分の石岡玲英(3)が決めたPGのみに。31分にも外国人留学生を活かした力強い攻撃でトライを許し、そのまま前半終了。6-19でリードされて試合を折り返す。
3試合ぶりに揃って出場となった石母田健太、井口龍太郎、河村龍成のフロントロー4年生トリオ
後半開始の笛が鳴り、逆転を狙う法大だったが、立正大の勢いが止まらない。43分、47分と早々に立て続けにトライを奪われ、6-33と点差は27点に。なんとかまずは1トライを返したい法大は51分、ラインアウトを起点に敵陣に攻め込み、細かくパスを繋いでいき、最後は南部翔大(4)が相手に付かれながらもトライを奪い切る。南部はこれが今シーズンリーグ戦初トライとなった。ここからさらに反撃したい法大だったが、67分、70分と立て続けにトライを奪われ、得点は11-50に。残り時間10分を切り、なんとか一矢報いたい法大は73分、敵陣で前に蹴り出したボールがゴールポストに当たって跳ね返り、それを拾った佐野祐太(2)が飛び込みトライ。石岡のCKも決まり18-50に。しかし終了間際の78分と82分にダメ押しの2トライを奪われ、ここでノーサイドの笛。18-64という大差での敗戦となり、立正大学に史上初のリーグ戦1部での3勝目と、64得点という1部でのチーム最多記録を作られるという悔しい一戦となってしまった。
今シーズン初トライを決めた南部
勝てば大学選手権が一気に見えてくる一戦だっただけに、スコア以上に痛い1敗となってしまった。新宮孝行監督も「完敗としか言いようがない」と振り返るように、立正大学の勢いのある攻撃やSHのボックスキックを含むハイパントに対して、法大が後手に回ってしまったことが敗戦に繋がってしまった。また、今シーズン好調のスクラムに関しても、外国人留学生を含む相手FW陣に力負けとなってしまった。しかしその中でも良かった部分や収穫はある。その収穫をどう活かしていくか、繋げていくかが次戦以降の勝利のカギとなってくる。
そんな次戦の相手は、29年ぶりの1部昇格ながら、開幕戦で王者・東海大に勝利するなどここまで快進撃を見せている台風の目・東洋大。大学選手権に向けてこれ以上絶対に落とせない。絶対に負けるわけにはいかない一戦となる。
まだまだシーズンは終わっていない。もう一度原点に立ち返り、大学選手権出場、そして「大学選手権ベスト4」という目標に向かって、自分たちを信じて突き進むのみだ。
(記事・写真:板倉大吾)
記者会見
新宮孝行監督、吉永昴生(4年・FL・東福岡)、石岡玲英(3年・FB・御所実業)
—試合を振り返って
新宮監督:今日の試合は見ていただいて分かりますように、今まで第1戦、第2戦とやってた試合と全く違うゲームをやっている感じでした。基本的に敵陣に行って、相手にプレッシャーをかけるのにも関わらず、こちらの方で自滅したような感じで後ろに回して回して相手の強いディフェンスにやられてしまったということで、後半の入りもそうですし風上もあるんですけどキックを蹴らずに自陣で自分たちで自滅したというような感じでした。本当に今回の試合は完敗としか言いようがないです。後ろ向いても仕方がないので、あと2試合勝つことによって、まだ3位に入ることができる可能性があるので、そこに向けてまた法政に戻って練習をして、原点に戻ってやるしかないと思っています。
吉永:今回の試合は自分たちのやりたいことがひとつも出来ずに、相手のやりたいアタックにやられてしまって、そこから修正できずに、法政のFWが接点で勝つことができなかったというのが大きな敗因だと思っています。監督が言ったように、今回の負けをどう受け止めてこれからの2戦にどう繋げるかが大事だと思うので、これからどういう意識でやっていくのか、練習からしっかりまとめてやっていきたいと思います。
石岡:今回の試合に関しては立正大学さんの方が準備の段階で僕たちに対して良い準備をしていて、それを発揮するという点で勝っていたのかなというのが正直な印象で、自分たちが準備の段階を怠ったりとか甘く見たりとか少し手を抜いたりこだわれなかったところが今日の負けに繋がったのではないかと感じています。その中でも通用したこと、しなかったことが明確に浮き彫りになったのも今回の試合だなと感じているので、次戦に関してはその部分を修正して、自分たちの強みをもう一回正確にして、準備の段階でしっかり東洋大学さんに勝れるように1日1日大切にしていきたいなと思いました。
—序盤からスクラムが上手くいきませんでしたが
吉永:スクラムが最初からやられてしまったというのが大きな部分だと思うんですけど、今までだったら最初にスクラムでやられても修正できていたんですけど、今回の関してはスクラムでパワー以外のところで修正していこうと思ったんですけど、その修正していった部分も上手くいかずに、だんだんのまれていってしまいました。セットプレーでスクラムが負けるとわかっていたので、アタックではクイックでボールを出したり、ディフェンスでは相手に良い球出しを悪くするようにプレッシャーをかけていたのが、後半そこが上手くいったのかなと思います。
—相手のハイパントに対しては
石岡:ハイパントに関しては、蹴られる側もリスクが大きいイーブンなボールだと思うんですけど、蹴る側もボールに寄っちゃったりとか、その後のアンストラクションというのは、アタックでも狙える部分がたくさんあるというふうには考えているので、そういった部分では良くも悪くも向こうが蹴ってきたボールに対して、こっちがしっかりアプローチ出来ればポジティブに働くんじゃないかなというメンタルでは挑んでいたので、嬉しくはなかったですけど、そのボールに対して働きかけることでチームに勢いが出ればなとは思っていました。そこに対して相手の方が次のボールに対しての働きかけだったり、その後のできたラックに対して良い準備をしてきたというところで、僕たちが準備不足だったのが露呈してしまって、セーブされていないところに対してアプローチできなかったというのが、今回の試合に関してはあまりポジティブな考えに持っていく前に準備不足なところで負けてしまったと感じています。
—「火の玉タックル」が思うように出来なかった要因は
吉永:大東戦では前半で自分たちのタックルが上手くいかずに後半修正することができたんですけど、今回80分間通してFWの接点のところで相手にスマッシュのような形で入られていたので、そこで上手く前に出ることができずにタックルを受けてしまうといった部分が多かったので、一歩下がって前に出ることをこれから意識してやっていきたいなと感じています。