箱根直前インタビュー
2021年12月11日(日)
東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根)まで残すところあと4日となった。今大会の目標は、前回大会達成できなかった「総合5位以内」。1年間掲げてきた目標に挑む選手たちに、公開練習日の今月11日にお話を伺った。第4回は松本康汰選手、山本恭澄選手、高須賀大勢選手のインタビューをお届けする。
インタビュー
松本康汰
―今のチームの雰囲気は
監督も過去最高というくらいですし、チームの仕上がりとしてはいいと思います。
―雰囲気が良い要因はどういったところですか
夏合宿からみんな良い練習ができていましたし、学年問わず仲が良いチームなので、そういった面からもいいチームづくりができているのかなと思います。
―個人としての調子はいかがですか
日体大競技会、MARCH対抗戦とDNSだったのですが、若干足に不安があったので、昨年MARCHを走った後にけがをしてしまったこともあり、同じことを繰り返さないために、今回は箱根一本に合わせるという形になりました。今は足の痛みもなく走れているので、仕上がりとしては問題ないと思います。
―今季ここまでを振り返って
箱根前にけがをしてしまって走れずという悔しいスタートで、関東インカレも出られませんでした。全日本大学駅伝の予選会には間に合ったんですけど、自分の走りができなかったですし、チームとしても完敗してしまったので、前半シーズンは苦しいシーズンでした。夏合宿以降は自分も含めみんな練習ができていて、出雲も上位で戦えました。徐々に状態が上がってきているので、最後箱根駅伝をしっかり走って笑顔で終えられたらと思います。
―全日本大学駅伝の予選会が1つのターニングポイントだったと思います。予選会後のミーティングで話したことは
「現時点での実力がこれだから、このまま練習していても箱根駅伝は走れるけど戦えないし、今のままではだめだよね」という話をして、そこから意識を変えてできたと思います。
―チームとして変わった点は
一気にガラッと変わったわけではないですが、練習前の準備や練習の雰囲気は夏合宿前から少し変わったかなと思います。
-10月の出雲駅伝では1区6位でした。改めて走りを振り返ってみていかがですか
1区の仕事は流れを作ることだと思っていて、その点では及第点をあげられるかなと思います。ただ、事前の調子が良くて区間賞争いや上位争いを目標にしていたので、そういった点では悔しいです。
-出雲駅伝後はどういった流れで練習していましたか
その翌週に富津岬で20kmのタイムトライアルをやって、余裕を持って終えられました。そこから練習は途切れることなくできています。
-11月のレースでは多くの選手が自己ベストを更新しましたが、この結果は松本選手からご覧になっていかがですか
富津の感じだと、あそこまで結果が出るとは思っていなかったです。世田谷ハーフ付近からチームの状態が一気に上がってきて、驚きと嬉しさと焦りがあります。
-下級生の選手たちも結果を残しました
このチームがスタートした当初は、4年生中心のチームで下からの突き上げがないというのがありました。ですが、この秋になってから1、2、3年生がしっかり走れていて層が厚くなってきたので、チームとして喜ばしいことだと思います。
-今年のチームカラーは
4年生は仲が良いので、その雰囲気が伝染しているのか分からないですけど、4学年通して良い意味で壁がないチームです。ご飯の時とかも楽しい雰囲気で、チームとして1つにまとまっていると思います。
-4年生として意識したことはありますか
これまではチームのことをあまり考えてこなかったですが、今年は4年生としてチームの底上げや、自分がしっかりしてチームを引っ張っていくということを意識してやっていました。
-最後の箱根に懸ける思いは
これまで苦しいことがたくさんありましたし、1人では乗り越えられなかったこともたくさんありました。その中で同期や家族などたくさんの方が支えてくれて、そういった方に恩返しができるような箱根駅伝にしたいなと思っています。また、1月3日にみんなで笑って終わるというのが自分の目標なので、それを達成したいです。
-希望区間は
1区か3区ですね。自分の力を一番出せると思います。
-好きな言葉はありますか
「笑いは人の薬」という言葉です。笑うのは体に良いことという意味で、自分は笑って生きていたいと思っているので。そういう人生を送りたいです(笑)。
-箱根駅伝に向けての意気込みをお願いします
さっきと被りますが、これまで支えてくれた方々に恩返しをする箱根駅伝にしたいと思っています。また、1月3日に全員で笑って終えられるように頑張ります。
松本康汰(まつもと・こうた)
社会学部4年
2000年8月24日生まれ
出身校:愛知(愛知県)
自己記録:28分52秒82(10000m)、1時間03分09秒(ハーフマラソン)
山本恭澄
―エントリーされましたが、今の心境はいかがですか
今まであと一歩のところで届かず、4年目まで1回もエントリーされたことがなかったので、嬉しかったです。ですが、自分が入ることで落ちてしまう選手の気持ちも分かるので、素直に喜ぶことはできず、その分頑張らないといけないという責任感が芽生えたので、複雑な気持ちもありました。
―エントリーを聞いたときには、過去の経験を思い出しましたか
言われたときは一安心でしたが、後から実感が湧き出したのと同時に落ちた選手のことを考えていました。
―自身のメンバー入りの要因は
一発で爆発的な結果を出すというよりは、大きく外さないということだと思います。そういった安定感が評価されたのかなと思います。
―安定感がついてきた要因は
自分は元々、けがをしない選手で3年以上けがをしていないので、地力や安定感がついてきたと思います。
―これまでご自身が歩んできた3年間と比べて、今のチームはどのように映りますか
他大さんと比べるのではなく法政大学だけを見たときに、昨年よりも今年の方が5位というのは現実的だと思います。流れさえ良ければ、もっと上を目指せると思えるくらいの勢いはあるので、そのメンバーの一員としてやれていることへの自信があります。昨年は偉大な4年生はいらっしゃいましたが、下級生が盛り上げていくというイメージでした。今年は4年生が良い意味でも悪い意味でも流れを左右する重荷を担っているので、頑張らないといけないという良い意味でのプレッシャーはあります。
―期待の選手の名前を挙げると
内田(隼太、経4)は2年生までは自分と同じくらいの選手でしたが、今となってはエース級の選手ですし、中園(慎太朗、社4)はそこまで差はないと思っていましたが、この1年間で安定感に加え爆発的な結果を生み出すようになり、チームとして心強くなりました。後輩では、3年の宗像(直輝、社3)は驚異的なラストスパートを持っていますし、楽しみです。
―昨年の4年生と今年の4年生の違いは
昨年の4年生は、走りの面でもそうですが、心の面で支えになって下さっていました。今年は特に内田は走りで背中を見せるタイプなので、自分が昨年の4年生の役割をやらないといけないと思っています。
―4年生同士で話し合いは
毎月全体のミーティングと不定期での学年ミーティングを行っています。仲が良いので、ご飯を食べるときにも集まったり、何気ないフランクな話からチームの話になったりもします。
―自身の希望区間は
7区を走りたいです。6区にゲームチェンジャーになる選手がいて自分の強みは安定感だと思っているので、6区からの流れをさらに上昇させることは厳しいかもしれませんが、絶対に流れを切らさない自信はあります。復路の後半に流れを変えられる選手を持ってくるとしたら、つなぎの7、8区は大事になると思うので、そこでチームの追い風を切らさないような走りはできると思っています。
―個人としての意気込みをお願いします
最初で最後の箱根駅伝となるので、もしサポートに回ったとしてもお世話になった大学への恩返しの意味を込めて、できることは全力でやってチームの総合5位に向けて頑張りたいと思います。
―応援してくれるファンの方々に向けて一言お願いします
今年は箱根駅伝総合5位という目標で1年間やってきました。全日本予選で負けるという辛い経験をしてからチームを引き締め、夏合宿を乗り越えて秋に結果が出てきました。この勢いを切らさず、総合5位を取って皆さんに恩返しできるように当日は頑張るので、応援よろしくお願いいたします。
山本恭澄(やまもと・たかずみ)
経済学部4年
2001年2月10日生まれ
出身校:伊賀白鳳(三重県)
自己記録:29分36秒21(10000m)、1時間03分55秒(ハーフマラソン)
高須賀大勢
ー2年連続の箱根メンバー入りとなりました
今年は出走したいという気持ちがあるので、とりあえずメンバーに入ってホッとしたというのと、入ってない人の分まで頑張りたいなという思いです。
ー高須賀選手にとって箱根駅伝とは
家族をはじめ、色んな人が応援してくれていますし、この大会に出るために支えてくれているので、出ることによってそういう人たちに恩返しができるかなと思っています。
ー希望区間は
前回は4区の当日変更で出場がかなわなかったという悔しさもあるので、ぜひ4区でと考えていたんですけど、4区は実力の高い人が多く、走るには少し厳しいかなと思うので、7~10区あたりを狙いたいです。
ー夏季のけがから時間が経ちましたが今の状態は
状態は結構上がってきています。けがに関しては万全です。
ーこの1年間の取り組みを振り返って
今年1年はけがが多くて思うようにいかなかったんですけど、ここまでいい状態で来ているので、今年度最後となる箱根駅伝は頑張りたいと思います。
ー今季の大会から得た収穫は
去年は箱根予選会を走ったんですけど、その時はほとんど平坦な道だったのでコースとしては楽な部類に入るコースでした。ですが今年は世田谷ハーフでタフなコースを走って、そういうところでも自分は走れるということがわかったので、そこは自信につながりました。また、今までトラックは全然走れなかったんですけど、MARCH対抗戦では上手く走れたので色々なところに対応できる力はついたのかなと思います。
ー最近はどのような調整をしていますか
ここからはあまり時間が無いので、強化すると言うよりは自分の体調を整えることを最優先にして練習に取り組んでいます。
ーチームの雰囲気は
すごく良いです。法政のメンバーはほぼ全員がここまでの大会で良い結果を出せているので、流れは法政に来ているのかなと思います。
ー当日まで残り3週間となりましたが、心境の変化は
心境はそんなに変わらないですかね。ここまでずっと箱根だけを目標にやってきて、あと1ヶ月になったというだけなので。自分の中で「1番大きい大会である箱根に向けて頑張ろう」という気持ちは変わらないです。
ーライバル選手は
法政の同期のメンバーはみんな意識しています。宗像や細迫(海気、社3)、松永(伶、経3)、あと今回はメンバーに入れなかったですが稲毛(崇斗、社3)もそうです。1年生の頃から自分よりも高いレベルでずっとやってきた選手たちなので、そういうメンバーに追いつきたいなという気持ちはずっと持っています。
ーチーム目標(総合5位)達成に向けたポイントは
ポイントはみんな失敗せずに走りきること、実力をしっかり出すことになってくると思います。
ー当日へ向けての意気込みをお願いします
一生懸命頑張ります!
ーファンの方々へのメッセージをお願いします
チーム全員でチーム目標である5位をつかみ取るので、皆さん応援よろしくお願いします。
高須賀大勢(たかすか・たいせい)
生命科学部3年
2001年4月8日生まれ
出身校:専大松戸(千葉県)
自己記録:29分17秒06(10000m)、1時間04分26秒(ハーフマラソン)
直前インタビュー一覧
【第6回】坪田智夫駅伝監督、内田隼太駅伝主将、西沢康平駅伝主務 (12月31日公開)
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