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【硬式野球】他大学インタビュー2023 明治大学野球部①~田中武宏監督、上田希由翔主将~

2022年3月19日(日)
オンライン

慶大戦、立大戦で続けざまに勝ち点を獲得し、勢いに乗る法大。勢いに乗る法大は空き週を挟んで明大との『血の法明戦』を迎える。昨年、春秋ともに勝ち点を奪われ、リーグ優勝を遂げた宿敵との1戦、『克』のスローガンに込められた『下克上』には申し分のない相手である。弊会はその対戦相手の明大にインタビューを行った。第1回となる今回は明大を率いる田中武宏監督、主将を務める上田希由翔内野手に話を伺った。

明大を率いる田中監督

監督・選手インタビュー

田中武宏 監督

―昨年を振り返って
毎年ですけれども、選手が入れ替わるので、去年は去年でキャプテンの村松(開人、現中日)のチームだったということで、うちはキャプテンのチームであると指名したときから言っています。それが結果として連覇できて、秋は日本一というのを達成できて、去年の4年生には「おめでとう」という一言ですね。

―監督から見た連覇の要因というのは
特に春はうちも2回(新型コロナウイルスの)クラスターを食らって、オープン戦も多分10試合もできてない、今ごろからやりだしたような感じだったもんですから、そして柱になるような実績のある選手が特にピッチャー陣でいなかった中で、不安しかないスタートで戦いながら自信をつけて強くなっていったかなと。その後を受けて、秋は(村松)キャプテンがけがから帰ってきて、チームの中心となってやってくれた。また出ているメンツも変わってきているので、春と秋で違うチームで優勝したような感じですね。

―明大の野球と言えば『人間力野球』。今の部員にはどう受け継がれている
今の部員に昔の話をしても伝わらないものですから、ただ本がありまして、丸山先輩という方が書かれた本なんですけれども、これを(部員に)渡して、去年からですかね、明治の野球部のルーツから字に起こしてくれているものですから、『人間力』だけでなくてその他の部分も含めて、なんで監督とかスタッフがこういうことばっかりいうのかというのを全員が理解してくれていると思います。

―今のチームの状態は
先程も言いましたが、去年はコロナの影響でキャンプにも行けなかった、練習もできなかった、オープン戦も半分以上が流れたということに比べますと、(今年は)キャンプも行けた、オープン戦も雨で中止というのも1試合だけですし、順調に来ていていて、去年と比べるとかなり違うなというのが実感しています。

―かなり順調に来ている
体調不良、当然コロナもインフルエンザも1人もいませんし、けが人も新たに大きなけがを負ったという選手がいないもので、ピッチャーに関してはほぼほぼ全員が投げられる、野手に関しましても去年から治療中というのを除いて、(けがで)競争から外れいていくというのがいないもので、そこはみんなに感謝しています。

―投手陣はエース番号の『11番』争いが激化しています
「『11番』を付けたい」と手をあげているのが何人かいますので、そこは平等に登板機会を与えて、「もう結果だよ」と。結果とプラスで周りが納得しないとだめなので、それはみんなわかってくれていると思うので、それを見守っている最中です。

―監督が『11番』に求めるものとは
チーム内で認められる以外にも、OBを含めて(認められること)ですよね。『11番』を付けてきた投手がプロ野球や社会人で頑張っているということがありますから、その子たちも納得してもらえるような姿を求めたいです。

―野手陣の方は
主力どころは変わりませんけど、ベンチ入りがかかる当落線上の選手ですよね。けががないもんで、単に好不調でベンチ入りは日によって変わるというような感じです。コーチ時代から13年見ている中でこんなにハイレベルで争いが起こるというのは初めてですね。喜ばしいことです。

―今年のチームは
去年は『チーム村松』、今年は『チーム上田』なので、その色を出していくのはキャプテンなので、スタッフはそれを手助けするだけなので、上田を中心とした『チーム上田』がどういう風に出来上がっていくのかを楽しみにしています。

―法大の印象と言うのは
今も昔も法政大学さんといえば資質の雲南と言われて、たまたま去年はうちが勝ち点を取ることができたんですけども、それも紙一重でたまたま取れただけの話であって、持っている素材というのは昔から変わらず資質の高い選手が各ポジションにいるなと変わらない印象です。

―警戒する選手は
それはあげたらいくらでも出てくるんでしょうけども、ピッチャーで中心になるのは尾﨑(完太、キャ4=滋賀学園)くんであったり篠木(健太郎、営3=木更津総合)くんとか誰もが認めるような力量の持ち主ですし、野手でも去年から出てる浦(和博、キャ4=鳴門)くんだったり今泉(颯太、法4=中京大中京)くんだったり内海(貴斗、人4=横浜)くんであったりとか出てこられるんでしょうし、今挙げた選手は中心になってくるんでしょうし、当然警戒というか注意しないといけないなと思います。

―シーズンへの意気込み
今年のチームというのは上田(希由翔)を中心とする『チーム上田』なので、キャプテンを中心としたチーム作りを4月8日から明治のファンや六大学ファンの方々に楽しみに見てくださいというところです。

(取材:皆川真輝)


田中 武宏(たなか・たけひろ)
1961年生まれ
兵庫県出身・舞子→明大→日産自動車
『現役時代は外野手として活躍。2011年にコーチとして母校に戻ると、2020年に監督に就任した。『人間力野球』を継承し、昨年は見事春秋連覇を達成した。今季も厚い選手層を生かして頂点を目指す。』

上田希由翔 主将

―昨季を振り返って
自身初のベストナインも獲りましたし、個人としては満足はしてないですけど、いい結果が残せたと思います。全体としても春秋リーグ戦連覇ということもできたので、その点に関してもよかったのかなと思います。

―満足されなかった点というのは
自分の中では、ホームランがなかなか打てなかったのと、チャンスの場面での打席と言うのが自分の中で4番として点を返せた部分があったのかなと思っているのでそういうところです。

―オフに取り組んだところというのは
スイング量を増やしてスイングの強さだったりを今着実に力を付けられていると思います。

―今年のチームは
個々のレベルも高いので、今は試合に勝つということを考えながら日々オープン戦をやってます。

―主将がチームを作るということですが、どんなチームを作りたいか
チーム全体としても『全てに圧倒するチーム』というテーマを掲げていて、野球でも、人間としても、寮生活でも全てにおいて他のチームを圧倒するっていうのをテーマに。自分はそういうチームを作れたらなと思っています。

―チームとしての今年の目標をお願いします
春のリーグ戦優勝しか考えていないので、今一番最初にある春のリーグ戦を優勝するためにって今やっています。

―個人としてのリーグ戦での目標は
ホームランと打点が増えればいいとは思っているんですけど、そこまで個人の結果、記録というのはこだわってなくて、チームのが第一優先でと考えています。

―法大の印象は
ピッチャーがいいピッチャーがそろってますし、打者陣も火をつけたら危ない人が結構いるので、そういう面でも集中するというか、1つ1つ丁寧にアウトを取っていかないといけないなと思ってます。

―警戒する選手というのは
ピッチャーでしたら篠木、尾﨑、吉鶴(翔瑛、営3=木更津総合)といいピッチャーがそろってますし、野手でも今泉だったり浦といういいバッターがそろっているので、そこは注意すべき人たちかなと思ってます。

―対戦したい選手は
篠木、尾﨑、吉鶴は今自分が行っているトレーニングするところがあるんですけど、そこが一緒で結構会ったり、野球の話をしたりとか一緒にトレーニングをしたりとかする仲なので、その3人には負けたくないなと思います。

―シーズンに向けて
簡単に勝てる相手ではないと思うんですけど、自分たちは春のリーグ戦連覇というのを目標に1つ1つ全力で頑張りたいと思います。

(取材:皆川真輝)


上田 希由翔 (うえだ・きゅうと)
国際日本学部4年 2001年8月12日生まれ
愛知県出身・愛産大三河
183㎝93kg・右投左打
昨季成績:12試合 53打席 47打数 14安打 2本塁打 10打点 5四死球 3三振 打率.298
『猪軍団を引っ張る主将。4番として出場を続け、勝負強さに定評のあるスラッガーが今季も勝利につながる一打を放つ。』

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