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【バスケ】第99回関東大学バスケ入替戦 対神奈川大 接戦を演じるも惜敗。一部昇格は来年へ持ちこし

第99回関東大学バスケットボール1部2部入替戦
2023年11月9日(木)対神奈川大@国立代々木競技場第二体育館

2戦先勝の入替戦、初戦を落とし後がない法大は序盤から猛攻を仕掛けるも力及ばず敗戦。悲願の一部昇格とはならなかった。

試合結果

試合結果

 58
法政大学
17 1Q 16    67
神奈川大学
8 2Q 15
19 3Q 15
14 4Q 21

法政大学スターティングメンバー

選手名 ポジション 出身校 得点 リバウンド アシスト
#3 今池翔大(文4) PG 法政第二 7 0 2
#7 本山遼樹(法2) PG 福大大濠 11 5 0
#10坂本温人(現福2) PG 法政第二 3 7 1
#23堤玲太(文3) SF 九州学院 0 2 1
#74 長橋冬真(経済4) C 國學院大久我山 0 4 0

  法政大学ベンチ入り選手

選手名 ポジション 出身校 得点 リバウンド アシスト
#0杉信イフェアニ PG
#6杉澤ロメオ SF
#8石田泰三 SG 2 3
#9黒木丈 SF 福大大濠 0 1 0
#11岡部雅大 SG 國學院久我山 2 3 0
#14佐藤正樹 SG 法政第二
#21藤平皓成 C
#24安原明優 SG 法政第二
#25 鍋田憲伸(法1) PG 福大大濠 29 2 1
#75柳田大斗 C 4 2 0

試合経過

日付 対戦相手 結果
11/8 神奈川大 70-73 LOSE…
2 11/9 神奈川大 58-67     LOSE…

 

11月9日(木)。国立代々木競技場第二体育館。

初戦を3点差というあと一歩のところで落とし、一部昇格に残された道は2連勝のみ。しかし選手・スタッフたち全員が2連勝を明確に見据えていることがアップを見ているだけで伝わってきた。舞台は国立代々木競技場第二体育館。場内アナウンスや選手たちのピリッとした雰囲気も相まって会場のボルテージは最高潮。多くの観客が見守る中、スターティングメンバーが大きくコールされ5人は颯爽とコートへ向かう。

 

一瞬の静寂のあと、いつもより大きなブザーが会場に鳴り響く。第1Q、ジャンプボールを頼れるビッグマン#74長橋冬真(営4=國學院久我山)が勝ち取ると、ボールはゴール下に陣取る#23堤玲太(文3=九州学院)の元に。相手ディフェンスは流れに乗らせまいと3枚瞬時についてくる。そこで#23堤は#7本山遼樹(法2=福大大濠)がフリーになっていることを見逃さなかった。攻守ともに高いレベルを誇る#7本山が放ったボールは美しく弧を描き3Pが決まる。相手ディフェンスを散らし、チーム全員が機能して先制に成功した。これで流れに乗れるかと思ったところだが、神奈川大はそう簡単には打ち崩せない。得点の動かない硬直した試合が続く。#7本山が圧巻のディフェンスでショットクロックを使い切らせると、それに呼応して#25鍋田憲伸(法1=福大大濠)や#75柳田大斗(営2=國學院久我山)がハードワークを見せ、なんとかファールをもぎ取る形で食らいついていった。16-17と一点リードで第2Qへ。

▲安定したシュート力をいかんなく発揮した#7本山遼樹

第2Q。#8石田泰三(法3=北陸学院)が開始早々お手本のようなレイアップで先制を果たすと、#25鍋田もレイアップを決め21-16とリードを5点に広げる。完全に攻撃に勢いがあり、神奈川大にタイムアウトを取らせた。しかし、さすがは一部所属大学。このタイムアウトを契機に神奈川大の流れが変わる。しっかりと修正をし、オフェンス時はシュートが外れ無得点で終わることはなかったのではないだろうか。神奈川大は確実に攻撃の機会を得点に結びつけ、法大の攻撃はチームディフェンスでしのぐ。気づくとこのピリオド神奈川大の得点は15、法大は8点に抑えられた。25-31で後半戦へ。

 

6点ビハインドで迎える第3Q。先制はここも法大だった。流れるようなボール運びから#7本山が3Pを決めたのだ。そんな先輩の背中を見て#25鍋田がチームを牽引。以前のインタビューでは「PGの自分が点を取るというよりかはゲームメイクできるようにしたい」と答えていたが、シュートが決まらず1点が遠いこの状況では彼自身が打破するしか道はなかった。19点中13点を彼があげ、44-46。射程圏内で勝負の最終Qに向かう。

 

最終Q。#25鍋田が足を攣り途中コートを出るなど、満身創痍ながらこのピリオドも彼が執念で得点を重ねた。#7本山も173cmと小柄ながらジャンプ力を活かしてディフェンスリバウンドをもぎ取り、それを#25鍋田が3Pで沈める。スコアは53-60、残り時間35秒のところで、タイムアウトを取った。すぐに選手全員で話し合い、誰一人として諦めている者はいない。逆転勝利にはあと7点。確実にその7点を取るビジョンを描き、共有していた。試合が法大ボールで再開するとすぐに、我らがエース、#3今池翔大(文4=法政二)がだれも止められない速さのドリブルから3P。この場面ででスリーを決めてくれることこそが、誰もが認める法大のエースたる所以だろう。しかし、時計は無情にも進んでゆく。刻一刻と迫るタイムリミットに焦りが出て、相手にスティールを許す場面も。反撃むなしく、最終的には9点差をつけられ58-67で試合終了。

▲足を攣りながらも必死にコートに立ち続けようと執念を見せてくれた#25鍋田憲伸

 

試合を振り返ると、最も存在感を見せていたのは満場一致で#25鍋田憲伸(法1=福大大濠)だろう。相手のパスコースを読みカットに成功すると自ら切り込みレイアップを決めるなど、最終Qは法大の14点中11点、試合トータルでは29点を鍋田が一人で決めてみせた。得点だけに目がいきがちだが、視野の広さも人並みならぬものを持つ彼はまだ一年生。現状に満足せず向上心の塊のような鍋田憲伸がどう成長を遂げるのか、そしてそんな驚異的な後輩に感化されどう最高学年が成長していくのか。来年確実に成し遂げてくれるであろう一部昇格までどのように突き進むのか、今後のチーム作りから目が離せない。

 

 

 

▲4年生集合写真。後輩たちから慕われ、多くの人から応援される素晴らしいチームを作り上げてくれたのは、この4年生たちだったからこそ

▲4年生スタッフ陣。チームのマネジメントから選手たちのケアまで、縁の下の力持ちとして必要不可欠な存在だった

 

 

 

佐藤俊二監督インタビュー

ー今日の試合振り返って

結果が求められる試合だったので負けてしまって本当に残念です。それだけですね。

ー今日のゲームプランは

スカウティングをしたかたちでやられたくないところと、やらせていいところと、ある程度分けてゲームプランを作っていて、それがうまくいったし、ただうまくいったけども相手の方が上回っていたと思うし。今日もプラン的に大きく変更したところはないけど、細かく誰と誰をマークさせるとか微修正しながらっていう感じでやってはいたので。相手も思いが強いチームだし、そこでずっと一部で戦ってきているチームなので、そこのところで相手を上回れなかったところがチームの課題。そこを一年どれだけ作れるかっていう所が、本当に法政が一部に上がるためには必要なところになってくると思うので、またオフ挟んで頑張ります。

ー今後の展望、法大バスケ部の目指すところは

下級生プレータイムもらっている学生が多いし、そういう意味では来年以降も戦えるチームだとは思うけども、やっぱりそれをつくるのは最上級生、今の3年生がどういうチームを作りたいのかっていうところ。その思いの強さがチームのコアになってどれだけチームを成長させられるか決まるから、ここまで今年の4年生が連れてきてくれて、ただあと一歩足りなかったのは事実だから、それを下級生どういう思いでやるかっていうのがチームの成長につながると思うので、オフを挟んで3年生ともよく話し合って来年に向けてがんばりたいです。

ー4年生に思うところ

今日の試合に限らないけども、今年一年チームを一部に上げようって一生懸命やってくれたし、今の4年生は入学した時からコロナがあってなかなか満足に活動できない中で、体育会の活動をしてきて、最後法政は選手たち主体でやっている中で4年生が良いチームつくってくれたなって思います。

ーチームの課題は

ディフェンスは本当に全員の共通認識としてかなりレベルアップはしたと思うけども、オフェンスのところでかなり停滞してしまう部分があって、現実的に相手がハードについてきた時に崩せたのが#25(鍋田)憲伸だったり#7本山(遼樹)のスリーもそうだけども、なかなか個人で打開することが増えてしまってチームとして打開することができなかったので、個のレベルアップも必要なんだけども、チームとしてどこで攻められるのかとか分析もしながら良い形でオフェンス作れればなって思います。あとはリバウンドの所が、今日圧倒的にリバウンド負けちゃったので、そこはチームの勝ち負けに直結する部分なので、全員分かっていたし試合中も言い続けて、出ているメンバーも観ているメンバーも分かっているし、そこに対して全員が言い続けたけどもできなかったっていう所が自分たちの力不足かなって思います。

ー反対に引き継ぎたい良かった部分は

4年生の力だけども、チームとして同じ方向を見て戦うっていうチームの一体感があったと思うし、大学までバスケ続けているわけだし、一部でやるからこそ大学バスケの本当の意味での楽しい部分が始まると思うので、今日はその片鱗を今回の入替戦でね、大学バスケのヒリヒリした楽しい試合、(今日の)結果は悔しいけども、そういう試合をたくさん積み重ねることが大学バスケの楽しい部分だと思うし、大学4年間ある中で紆余曲折しながらバスケに向かい合いながらやっていくことが大学バスケの良いところだと思うので、今年の4年生は最後全員がバスケに向き合って本当に良いチームだったと思う。コロナもあってこの3年間ぐらいはなかなかうまくチーム作りできていなかった部分もあったので、そこは成長した良かったところかなと思います。

ー応援してくださるファンの方々へ

今年一年間応援ありがとうございました。入替戦までは来ることができたんですけど、最後結果を残せなくて、私も悔しいですし、私以上に学生スタッフ含めて選手たちもみんな本当に悔しい思いでいっぱいなので、必ず来年さらに上のステージ行けるようにがんばります。引き続き応援よろしくお願いします。

 

 

(写真提供=法政大学体育会男子バスケットボール部)

記事・伊藤朱音

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