2024年3月13日(水)
4月13日に開幕した東京六大学野球春季リーグ戦。下級生から神宮で活躍してきた4年生を中心に、リーグ単独最多47度目の優勝に期待が高まる。春季リーグ特集15回目の今回は、大島公一 監督のインタビューをお届けする。
大島公一監督インタビュー
ーー今現在のチームの状態について
やっぱりいい人、悪い人、なかなか安定しないなっていうのが現状かなと思います。
ーー鴨川キャンプを振り返って
お陰様で夜間練習の模様も撮っていただいて、私も見れないところを見させていただいたんで、 僕は非常に意義がある鴨川キャンプだったかなと思います。
ーー鹿児島キャンプを振り返って
鹿児島もやっぱりね、なかなか少人数で選手が約30人ぐらいの中で10日間近く行くっていうことは今まで経験がなかったので、そういう意味では1つそれも意義があったかなと思います。
ーー実践を通しての収穫は
結果云々っていうよりは、実践ができたっていうことと、鹿児島の方が意外と喜んでくれた、非常に応援をいっぱいしてくれた、そういう意味ではすごくそれも嬉しい状況でした。
ーーけが人が出てしまったことについては
大きなけがが2人出てしまったことは残念で仕方ないですね。未然に防ぎたい気持ちはあるけども、そこばっかり考えて制限しても成長が遅れてしまいますので、 野球はけがもつきものだし、 取り組む姿勢によってはけがの治りも早いと思ってるんで、トライしてもらいたいなと思います。
ーー監督として初めてのリーグ戦が近づいてるが心境は
あんまり大きな感情の揺れがない状況ですが、 実は内面的にはプレッシャーを感じてるのかもしれません。
ーー周りからは『優勝』という言葉を言われることもあると思うが
僕自身は言わないですね。1つ1つやるべきことを積み重ねた結果、その先に何かいいものがある。それを信じてやるべき課題をやることかなと思います。
ーー監督として1番大切にされてること、選手にいつも伝えていることは
やっぱり地道な努力が大事だっていうことと、普段の努力と気分転換も大事だよっていう話はしてるかなと思います。そしてやっぱり起きてることは全部『必然』なので、素直に取り組んで、謙虚に反省して、柔軟に対応してくださいっていう話はしてます。
ーー主将からは自由にやらせていただいてるとの話があったが
もちろんそれは学生野球で、『彼らのチーム』で新しい1ページを作るのは『彼らの力』だと思ってます。 それに対して僕は、少しでも勝つ方法であったりとか、よくなる方法論を提供する立ち位置だと思ってるので。 まずは主体である彼らが何をするかっていうことが第一になると思います。
ーー主将の𠮷安遼哉(法4=大阪桐蔭)に期待することは
本当に人間的にも優れてるし、非常に人気もあるし。言葉ではなく背中で、行動で示すタイプだと思うので。 ちょっと頑張りすぎてる部分があるので、それが要注意かなと思ってるけど、非常によくやられてるなと思ってます。
ーー選手たちからは寮生活含めた私生活から変えていきたいとのことだが
この部分もね、ほんとにより良いものを探求していくっていうことが大事だと思いますし、私生活を整えるっていうことは将来大きく役に立つことではあると思うので。ますます進化してほしいなと思います。
ーー野球以外が野球に出るということか
わずかなこととか地道なことっていうのは野球以外のことが多いと思うんでね。 そういうのをやっぱり自分として確立してくれる、習慣化するっていうことが、私生活を整えるってことだと思うので。 ぜひそこは大事にしてもらいたい1つです。
ーー試合ではマウンドに内野手も含めて全員が集まっているが
今年からルールが改正されて、 それがオッケーになるので、そのタイミングを模索してるっていう現状です。オープン戦の中でマウンドに行くっていうケース、ピッチャー交代のタイミングも含めて、マウンドにみんな集まるっていうことも、ちょっとルールが改正されてるのでその確認の意味を込めてやっています。
ーー今のチームの強みと弱みについては
強みは4年生が中心になってるってことかなと思いますね。逆にそこが驕りになりすぎてしまうっていうことは注意かなと。
ーー4年生は下級生から試合に出ている選手も多いが期待することは
これはね色々僕も毎年言うんだけど、新4年生、これコロナ世代で甲子園に出れなかった世代だよね。 大変苦しい、悔しい思いをしてる。だから、そういう意味では、この4年間の成長っていうのは、他の世代よりも僕は成長が早いんじゃないかなと思ってる。そういう意味では、そういうところを思い切って発揮してもらいたいなと思ってます。
ーー今現在の不安要素は
不安要素は私だね。私の未熟さが不安だね。
ーー采配については
それは難しいね。簡単なことじゃないね。他大学はベテランの監督もおられるので、1番不安材料は私ですね。
ーー助監督から監督になっての変化は
なってみないと見えない景色がいっぱいあったね。すごく監督になると色んなことの役割が多岐に渡るなっていうのは感じてます。
ーー中津大和(営4=小松大谷)選手がショート、武川廉(人4=滋賀学園)選手がセカンド、田所宗大(キャ4=いなべ総合)選手がファーストと多くの選手がコンバートしたことについて
他に使いたい4年生が多かったから、その最善を考えるとこういう形になるかなと思うのと、中津、武川、田所にとっては彼らの可能性を広げるためにもこれもいいのかなと思ってます。
ーー髙村助監督の就任については
非常に引き出しも多いし、ピッチャーの相談相手にもなってくれるところもあります。ピッチャーなんかは、悩んだ時に非常に相談にのっていただきやすいんじゃないかなと思います。
ーー投手起用に関しては、髙村助監督が中心にやっていくのか
うん、そうだね。起用も含めて私が最終的には決断をするんだろうけども、相談に乗っていただきながらやろうと。
ーー髙村助監督とは大学時代も一緒にプレーするなど交流もあったと思うがどのような方か
ほんわかしてるよ(笑)その中に芯が強いものを持ってる。そういう方かなと。
ーープロ野球で活躍した監督から見て法政の選手のポテンシャルについては
昔は毎年のように2人、3人プロに行ってた時期があったからね。 そういう意味では少し小粒になってるのかなと思うけど、その分、昔より本当にチームワークはいいよね。仲が良い。そこは強みと弱み、両方あるんじゃないのかなと。
ーー篠木健太郎(営4=木更津総合)、吉鶴翔瑛(営4=木更津総合)と強力な2枚看板に監督から期待することは
フル回転だよね。体調を万全にして、できる限り登板してもらいたいなと。
ーー2人は先発か
その場合もあるし、どっちかが後ろに回ってもらう場合もあるかなと思います。それはやっぱり他大学を分析した中で、また試合を進めていく中で、 いろんなパターンが出るから、それがフル回転かなと。
ーープロ野球の世界で戦ってきた監督の目から見て、2人のすごさは
やっぱりボールが強いっていうのは第一だよね。速いボールを投げれるっていうね。これはすごい能力だから。それをある程度コントロールできる。 それが2人の特徴かな。あとはもうメンタル的に安定してるんで、そこは非常に良いと感じるよ。
ーードラフトでも注目の2人だが、さらに伸ばしてほしいことは
1つ1つのスピードボールの精度だよね。いいボールの確率を上げるってことと、やっぱりコントロールですね。 ここはやっぱ非常にこうマストだよ。強いボールを投げるとともに、正確なボールを投げなきゃ。これも極めてもらいたいなと。
ーー2人の冬の成長は
順調に来てるんじゃないかな。あんまり無理させられなかったけど、特に篠木の場合、順調に来てるよ。吉鶴も自分なりに色々考えてやってるなっていうのは感じてます。
ーーこの春のキーマンは
キーマンっていうのは、やっぱりそう考えたらキャプテンかな。やっぱ𠮷安がどんだけ体が持つかだね(笑)
ーー脇を固める武川廉(人4=滋賀学園)選手、西村友哉(法4=中京大中京)選手の2人の副将については
中心の選手なんでね。みんなに頑張ってもらいたいから。4年生が非常にまとまりがいいので、その強みをうまくグラウンドで発揮させられたらいいかなと。
ーー以前安達壮汰(営3=桐光学園)に期待しているとのお話があったが、他には
2人の負担を少しでも少なくするために、安達も絶対欠かせない存在であるし、山城も欠かせない存在である。 ピッチャーは何人出てきても無駄になることはないですね。
ーー今年は強力打線であるが、その中で小技や走塁に関しては
走塁とキャッチボールの意識っていうのは、非常にこうチーム力を上げるのに必要な要素かなと思ってるので、そこは1人ずつでも上手になれればいいかなと思ってます。
小技についてはやっぱ1点を取る。どうしても僅差ゲームになるので、必ず必要になる時が来ると思ってますので、そういう準備は進めていきたいなと。
ーー近年はあと一歩で勝ちきれずに負けてしまう試合も多いが
これは勝てないチームの必ず言われることだよね。だからそこをどうクリアするか。それをクリアできれば当然、勝つチームは勝負強いねって言われるし、それをクリアできなければ負けるチームは勝負弱いねって言われるということだと思うので。そうならないように、勝負弱くならないように、勝負強くなるように、地道な努力をしていきたいなと思います。
ーー不動の1番バッターだった武川廉(人4=滋賀学園)選手を今年は4番に置いているが
実績から言ったらもう4番に相応しいのかなと思いますし、いろんな打順もこれから出てくるかなと思います。ある程度固定して、何試合か戦って来ましたけど、ちょっと動かすことも必要なのかなと。これから出てくるかなと思ってます。その時、その時かなと。でも1人けがすることによって変わるっていうことはないようにとは思うんだけど、その時の最善を今模索しているかなと。武川の4番は基本的に外さないで行きたいなと思ってます。
ーー打順を組むうえで考えていることは
相手が嫌がる打線はどうかと考えた時に、 上位にいいバッターを並べときたいなと思います。
ーー意気込みは
ほんとに応援してくれる人が多いですし、選手たちもほんとになんとか勝ちたいという気持ちはあるんで、その期待に応えられるようなマネージメントができたらいいかなと。
ーー最後にファンの方へメッセージを
本当にみんな勝ちたいと思ってるし、いい思いをしたいと思っている。 そういう思いを神宮球場でね、肌で感じていただければと思ってます。 応援していただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
(取材・矢吹大輔)
大島 公一(おおしま・こういち)
1967年6月17日生まれ
東京都出身・法政二高→法政大学→日本生命→近鉄→オリックス→東北楽天
硬式野球部の写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。