【硬式野球】春季リーグ振り返り特集~山城航太郎投手~

2024年6月中旬

6月2日に早大の優勝で幕を閉じた東京六大学野球春季リーグ戦。法大は6勝7敗、勝ち点2の4位と悔しい結果に終わった。春季リーグ振り返り特集6回目の今回は、山城航太郎投手(キャ4=福大大濠)のインタビューをお届けする。

豪腕・山城航太郎

選手インタビュー

山城航太郎 投手

ーーリーグ戦を振り返って
自分が思い描いてた起用法ではなかったんですけど、与えられた少ない登板機会では、その時にできるベストなピッチングをできたんじゃないかなと思います。

ーー思い描いていた起用法とは
オープン戦からほぼ全試合ベンチ入ってて、連投もいっぱいしてたので、多くの試合で投げる準備をしてました。いざリーグ戦入ると、不信感というか、指揮官に対して「なんでだろう」っていう思いや「もうちょっと使ってくれてもいいんじゃないかな」っていうのはありました。登板回数やもう少し試合数投げれたんじゃないかなと思います。

ーー優勝できなかった最大の要因は
追いつめられた場面での強さがなく、ここぞという場面でのプレーの弱さや決めきれない部分、負けてる試合の負け方が弱いチームだったと思います。「これしちゃダメでしょ」っていうのがもろに出たり、負けにつながるプレーが出たりしたのが勝てなかった原因かなと思います。

ーー吉安主将は神宮と同じ気持ちで練習に取り組めていなかったことを挙げていたが
状況に応じての練習というより、毎回同じパターンの練習をしていて、 緊張感のある雰囲気作りができてなかったなと思います。もうちょっとみんなで言い合って、そういう厳しい雰囲気をつくっていけたら神宮の苦しい場面でも実力を発揮できたのかなと思います。

ーー球場の表示では152キロが最速だったが、トラックマンの数値ではどうだったか
トラックマンでは154.7キロでした。自己最速を更新できたのは良かったんですけど、155キロを目指していたので、満足はしてないです。

ーー中継ぎでの登板が多かったが、準備の面で意識していたことは
今季初登板時が結構苦しい場面だったんですけど、僕はそんなに四隅に狙って投げるようなタイプじゃないので、ブルペンで強い球を投げることを意識して、ゾーンで勝負するっていう準備はできていたと思います。

ーーオープン戦の時はコントロールを乱す場面もあったが、リーグ戦では四球0
法政のグラウンドより、神宮のマウンドとか球場の雰囲気の方が合っているというか、イメージ的に悪くないと感じています。神宮のマウンドで立つと、怖い感じがしないというか、ストライク入らないんじゃないかっていう思いがあまりなくて、そんなに嫌なイメージがないのとオープン戦より力感なく投げれたのもあると思います。

ーー一方で奪三振が0だったことについては
奪三振に限らず、空振りが全然なかったので、オープン戦との違いを感じました。 六大学のバッターっていうのは全然空振りしないなっていう印象があって、オープン戦の時だったら、これ空振りだなっていうのも当てられてたので。真っ直ぐでもう少し空振り取りたいなっていうのがあるので、ここから秋に向けて真っ直ぐの質を上げて、空振りを取れるようにしていきたいです。

ーーリーグ戦で得た手応えは
変化球でストライク取れるのが大きかったかなと思います。初球に変化球で入ることが多かったんですけど、そこでストライク取れたことで、その後の真っすぐとかも思いっきり腕を触れたので、そういう早めに追い込んだら気持ちにも余裕ができたので良かったと思います。

ーー印象に残った試合とその理由は
やっぱり慶應の3回戦ですかね。あの試合で結構みんな落ち込んだので。チームとしても優勝を目指している中で、あそこで勝ち点を落としちゃったので、その悔しさと自分が投げさせてもらえないっていう気持ちの両方でもどかしかったです。「最後ぐらい投げさせろよ」っていう気持ちもあって、いろんな感情が出たので今季のリーグ戦の中で一番印象に残っています。

ーー毎試合ブルペンで投球練習をしている印象だが肩を作らなかった試合はあったか
立ち投げだけの日がありました。指示があったら肩を作るんですけど、その指示がない日もありました。

ーー先発の2人の投球はどうだったか
今まで投げてきたっていうのもありますし、7回ぐらいまでどっちも投げてくれるので、こっちの気持ちとしては、8回、9回をしっかり抑えれば大丈夫かなっていう意識でいたので、頼もしい二人だなと思います。

ーー髙村助監督の存在について
年始から見てもらって、今まで野球やってきた中での指導のレベルの違いを感じました。1つ教えてもらうだけでの変化がすごい大きいなと思ってて、髙村さんに教えてもらって良くなったことが何個もあるので、この出会いはすごい良かったなと思います。

ーー教えてもらったことの中で印象に残っていることは
一番は変化球の握りですね。今までと違う握りを提案されて、「全く同じ感じで投げてみろ」って言われたら、ボールがよく曲がったり、落ちたりしました。フォークはあんまり良くなかったんですけど、高村さんに握り教えてもらってすごく落ちるようになりました。その人にあった投げ方での握りっていうのを見つけてくれるので、それがすごいなと思います。

ーー明大3回戦の打席では途中交代の松下歩叶選手(営3=桐蔭学園)の装備を使っていたがその理由は
打席に立つと思わなかったので、普通に借りただけですね(笑)。サイズ的に、「貸して」って言って借りたっていうだけです。

ーー対戦した中で1番嫌だったバッターは
横山(陽樹)と飯森(太慈、いずれも明大)です。

ーーどんなところが嫌だったか
横山は自分の中で手応えのあったフォークを当てられたり、変化球後の真っ直ぐを当てられたりしたことです。飯森はファールだったんですけど、ちょっと浮いた変化球を1発で捉えられて危なかったっていうのと、最後インコース真っ直ぐでいって、もうちょっと詰まるかなとか思ったんですけど、抜けてしまったので嫌なバッターだなっていう印象があります。

ーーこの夏チームとして取り組むことは
チームとしては、技術以外の部分ですかね。アップでのダッシュとかも最後まで全力で走るとか、 そういう細かい部分を詰めていったら、また違う見えるものがあるんじゃないかなと思っているので、キャプテン、副キャプテンだけじゃなくて、4年生全体が率先して下がついてくるようにっていうことを僕は秋終わるまで継続させたいと思ってます。そこをどれだけみんなで意識しながら、すぐ2週間で終わるんじゃなくて、長い期間意識できれば変わってくるんじゃないかなと思うので、チームとしてはそういうところを意識してやっていきたいです。

ーー個人としては
夏でまた不安定なピッチングしたら信頼は得られないと思うので、1番は安定感を継続させて、確実性を上げることです。また、空振りを取れるような変化球と真っすぐどちらも質を上げていきたいなと思います。

ーー今後の意気込みを
早稲田が優勝した記事を色々目にして、やっぱり悔しいなと思うので、もうあと1回しかないのでここを優勝して、有終の美を飾りたいなと思います。

ーーファンの方にメッセージを
今季は結構期待して見てくださってる方とかも多い中で、また4位っていう結果に終わってしまったので秋こそはちゃんと優勝できるように頑張りたいと思います。

(取材・盛岡惟吹)


山城 航太郎(やましろ・こうたろう)
キャリアデザイン学部4年・2002年9月3日生まれ
福岡県出身・福岡大大濠
180cm80kg・右投右打
今季成績:3試合 3回 0奪三振 与四球0 防御率0.00 0勝0敗

硬式野球部の写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。

 

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