2025年5月20日(火)
神宮球場
1敗1分、あと1敗で優勝が完全消滅するという背水の陣で挑んだ慶大3回戦。初回にいきなり松下歩叶(営4=桐蔭学園)に2ランが飛び出し先制。その後只石貫太(営1=広陵)にリーグ戦初本塁打が生まれるなど順調に得点を積み重ねる。慶大も粘りを見せ6回に同点に追いつかれるも最終回、松下執念の左越適時打で1点をリードし、そのまま逃げ切り。戦況を5分とし、優勝の望みもつないだ。

値千金の適時打を放ち吠える松下
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法大 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 6 | 12 | 1 |
慶大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 5 | 9 | 0 |
(法大)槙野、山床、野崎、赤間ー只石、中西祐、土肥
(慶大)渡辺和、田上、木暮、入江、水野、小川—渡辺憩
[本塁打]
法大:松下 2号2ラン(1回 渡辺和)、只石 1号3ソロ(6回 入江)
慶大:なし
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 | 打率 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9 回 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (8) | 藤森康 | 4 | 1 | 0 | 1 | .342 | 見三振 | 四球 | 投ゴロ | 空三振 | 中安 | ||||
2 | (9) | 境 | 5 | 1 | 1 | 0 | .349 | 見三振 | 右2① | 投ゴロ | 中飛 | 投ゴロ | ||||
3 | (7) | 片山 | 5 | 4 | 1 | 0 | .414 | 右2 | 右安① | 投安 | 二ゴロ | 右安 | ||||
R7 | 山田 | ― | ― | ― | ― | .500 | ||||||||||
4 | (5) | 松下 | 5 | 2 | 3 | 0 | .333 | 中本② | 遊併打 | 左飛 | 中飛 | 左2① | ||||
5 | (3) | 今泉秀 | 5 | 1 | 0 | 0 | .286 | 右安 | 二ゴロ | 二ゴロ | 空三振 | 二ゴロ | ||||
6 | (6) | 熊谷 | 4 | 2 | 0 | 0 | .310 | 左安 | 空三振 | 投ゴロ | 中安 | |||||
7 | (2) | 只石 | 3 | 1 | 1 | 0 | .273 | 二飛 | 一ゴロ | 左本① | ||||||
2 | 中西祐 | 1 | 0 | 0 | 0 | .214 | 投ゴロ | |||||||||
R | 岩井 | ― | ― | ― | ― | ― | ||||||||||
2 | 土肥 | ― | ― | ― | ― | ― | ||||||||||
8 | (4) | 中村騎 | 2 | 0 | 0 | 2 | .231 | 遊ゴロ | 四球 | 空三振 | 四球 | |||||
9 | (1) | 槙野 | 0 | 0 | 0 | 1 | .000 | 四球 | 捕犠打 | |||||||
1 | 山床 | ― | ― | ― | ― | .000 | ||||||||||
H | 井上和 | 1 | 0 | 0 | 0 | .167 | 中飛 | |||||||||
1 | 野崎 | ― | ― | ー | ー | .125 | ||||||||||
H | 浜岡 | 1 | 0 | 0 | 0 | .188 | 一ゴロ | |||||||||
1 | 赤間 | ― | ― | ― | ― | ― |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
槙野 | 4 2/3 |
100 | 22 | 5 | 6 | 3 | 3 | 7.15 |
山床 | 1/3 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1.35 |
野崎 | 2 | 39 | 11 | 3 | 2 | 2 | 2 | 5.46 |
赤間 | 2 | 23 | 7 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0.00 |
ベンチ入りメンバー
10 | 松下歩叶(営4=桐蔭学園) | 27 | 土肥憲将(キャ3=鳴門) | 39 | 岩井天史(人1=滋賀学園) |
13 | 赤間梢吾(キャ4=法政二) | 3 | 今泉秀悟(キャ2=石見智翠館) | 7 | 浜岡陸(法4=花咲徳栄) |
16 | 永野司(営4=倉敷商) | 23 | 只石貫太(営1=広陵) | 9 | 内山陽斗(文4=天理) |
41 | 帯川翔宇(文4=札幌一) | 42 | 井上和輝(法1=駿台甲府) | 1 | 藤森康淳(営3=天理) |
12 | 山床志郎(文2=真鍋) | 4 | 中村騎士(営2=東邦) | 33 | 片山悠真(文3=八王子学園八王子) |
19 | 古川翼(キャ3=仙台育英) | 37 | 西村大和(法1=報徳学園) | 26 | 境亮陽(営1=大阪桐蔭) |
17 | 小森勇凛(キャ2=土浦日大) | 5 | 品川侑生(文4=三重) | 29 | 山田頼旺(法1=中京大中京) |
24 | 槙野遥斗(営1=須磨翔風) | 2 | 熊谷陸(人2=花巻東) | 50 | 平尾聡一郎(文4=海星) |
22 | 中西祐樹(法3=木更津総合) | 8 | 小川大地(営2=大阪桐蔭) | 51 | 鶴丸紘(スポ4=都城東) |
戦評
慶大からの勝ち点獲得に向けて、勝利したい重要な一戦。法政の先発はリーグ戦初先発の槙野遥斗 (営1= 須磨翔風 )、対する慶大の先発は渡辺和大(3年=高松商)。この試合に敗戦すると、法大の優勝が完全消滅する大一番となる。
一回の表は、法大の攻撃から試合が動き出す。1、2番が連続三振に倒れるも、3番・ 片山悠真 (文3= 八王子学園八王子 )が昨日の調子そのままに右前への二塁打で出塁する。ここで4番・松下歩叶(営4=桐蔭学園)。バックスクリーンへ叩き込む2ラン本塁打で先制する。さらに5番・今泉秀悟(キャ2=石見智翠館)が右前打を、6番・熊谷陸(人2=花巻東)が左前打を放つ連打で2死一、三塁と攻め立てる。しかし、後続が倒れ追加点はならず。2点をリードしこの回を終える。
一回裏の慶大の攻撃は、2番・小原に四球を許すも、4番・今泉を空三振に仕留め、槙野が上々の立ち上がりを見せる。
二回表、1死走者なしの場面で9番・槙野、1番・藤森康淳(営3=天理)が連続で四球を選び出塁すると、2番・境亮陽 (営1= 大阪桐蔭 ) がバットを折りながらも右前へ運ぶ適時打を放ち、3点目を追加する。さらに3番・片山が一二塁間を破る右前適時打を記録し、4点目を追加。相手先発の渡辺を降板させる勢いで差を広げる。
二回裏、4番・中塚に中前に打球を運ばれ、出塁を許す。その後2死まで打ち取るも、8番・林に右中間への適時打二塁打を許してしまい、1点を返されてしまう。
三回表、ここは相手投手の田上遼平(3年=慶應湘南藤沢)に三者凡退に抑えられ、得点はならず。
三回裏の慶大の攻撃は、1番から始まる好打順。しかし、槙野が1、2番から連続三振を奪うと、続く3番・常松も遊ゴロに打ち取り流れを渡さない投球を見せる。
四回表、8番・中村騎士(営2=東邦)が相手投手の暴投で塁に出ると、9番・槙野がしっかりと犠打を決め1死二塁の好機を演出する。しかし後続が断たれ得点には至らず。
四回裏、6番・渡辺憩から中前へ二塁打を浴びるも、槙野が落ち着いた投球を見せ、慶大打線を無失点で抑える。
五回表、先頭の3番・片山がこの試合猛打賞となる投手への内野安打を打ち出塁する。その後二塁まで走者を進めるも、あと一本が出ず無得点。
五回裏、ここで試合が大きく動く。この回もマウンドに上がる槙野だったが、8番・林に二塁打を打たれ無死二塁のピンチに。代打・横地の放った打球を中堅手・藤森がダイビングキャッチで好補するも、続く1番・今津に四球を許してしまい1死一、二塁に。そして2番・今津が痛烈な打球を左方向に運び、2点適時二塁打で反撃ののろしを上げる。3番・常松は打ち取るも、4番・今泉将に四球を出したところで法大は継投に入る。槙野に変わり山床志郎(文2=高鍋)が連日の登板。槙野は4回2/3を3失点という内容だった。一打同点の緊迫した場面だったが、山床が5番・中塚を遊飛に打ち取り、見事に切り抜ける。
試合も後半戦となる六回表、ここで先頭の7番・只石貫太 (営1= 広陵 ) が捉えた打球は左方向へグングン伸び、豪快にリーグ戦初アーチを決めることに成功する。5点目を追加し、再び差を広げる。
流れを維持したい六回裏、3番手の野崎慎裕(営4=県岐阜商)が登板。山床は1/3回を無失点に仕留め、流れを引き寄せる投球でマウンドを降りた。試合は6番・渡辺、代打・福井に連打を浴び、無死一、三塁のピンチを背負ってしまう。すると続く8番・林の放った打球が右方向への犠飛となり、4点目を返され再び1点差に。リードを守りたい法大だったが、なおも2死一、三塁のピンチで打席には2番・小原。遊方向に適時内野安打を放たれ、ついに同点に追いつかれる。
逆転の糸口を掴みたい七回表は、2番・境からの好打順だったものの、三者凡退に倒れ無得点。
七回裏は6番・渡辺憩に四球を許し、盗塁と失策により一時三塁まで走者を進められるも、なんとか踏ん張り無失点で終える。
八回表は、熊谷陸(人2=花巻東)が中前打を放つ。さらに8番・中村騎士(営2=東邦)が四球を選び一、二塁のチャンスを作る。しかし、代打・浜岡陸 (法4= #花咲徳栄 ) が惜しくも一ゴロに倒れ無得点。
その裏の攻撃。4番手の赤間梢吾(キャ4=法政二)がマウンドへ。野崎は2回を2失点とらしくない投球でマウンドを降りた。赤間は慶大打線を一奪三振を含む三者凡退に抑え、この回を終える。
九回表、ついにチャンスが訪れる。1番・藤森が中前打で出塁すると、3番・片山が右方向へ打球を運び右前打となる。一塁走者・境の好走塁もあり、1死一、三塁のチャンスを迎える。ここで頼れる4番・松下。左方向へと打球が抜け、値千金の適時二塁打を放つ。これで6点目を追加し、再びリードすることに成功する。しかし、その後追加点を挙げることはできず、1点のリードで最終回へ。
九回の裏、ここを抑えて勝利したい法大だが、2番・小原に三塁方向への内野安打を許し、その後3番・上田の投犠打で1死二塁のピンチとなってしまう。しかし、ここで赤間が持ちこたえた。4番・今泉将を二ゴロ、5番・丸田を一ゴロに打ち取り試合終了。
4番手・赤間はリーグ戦初勝利。一時追いつかれたものの、乱打戦を制し優勝と勝ち点獲得へ望みをつなげた。
(記事:加納正義)