【硬式野球】「とても長い1年間だった」 主将&4番の重責を担ったヤクルトドラフト1位・松下歩叶 リーグ通算14本塁打を放った強打者が見せた”執念”の集大成(秋季リーグ戦振り返りインタビュー①)
松下 歩叶 主将
ーー法大の秋季リーグ戦3位という結果を振り返って
結果的には3位でしたけど、正直優勝も狙えていたと思います。そういった中で、3戦目勝ち切れなかったというところは、甘さが出たというか厳しい世界だと痛感しました。
ーー優勝に足りなかった部分は
やはり明治と比べて、どの分野を取っても劣っていたと感じています。投手力が足りないということは色々なところから言われますけど、投手力だけではなくて、打撃もそうですし、走塁、チームの雰囲気というのも全然劣っていたなと思います。
ーーご自身の成績については
数字だけ見たら目標としていた3割、3本、10打点は達成しましたが、打点はまだまだ取れたというか。もっと勝利打点をつけなければいけなかったと感じています。(リーグ最多打点だったが)打点を稼げたことは良かったですが、勝ちに絡む打点をもう少しあげたかったなと思ってます。
ーー慶大1回戦でいきなり本塁打が出たことで、安心した部分はあったか
まず1本個人的にはほしかったので、まずは初戦で出たというのは非常に良かったです。けれども、試合はまさかの展開だったので、勝ち切りたかったなというのはあります。
ーー苦しみながらも慶大から勝ち点を獲得できた要因は
バッター陣がなんとか夏場にやってきたことを発揮できたからだと思います。(具体的には夏にどのようなことをやってきたか)春を振り返って状況に応じたバッティングであったり、得点圏のバッティングというところが課題に挙がりました。得点力不足というのがあったので、そこをバッティング練習だったり、実践的な練習じゃないところでも取り入れながらやりました。そういった部分が結果につながったと思います。
ーー早大1回戦での伊藤樹(4年=仙台育英)から打った本塁打を振り返って
インコースを使われるというのは分かっていたので、インコースの真っすぐを少し頭に入れていました。その中で、変化球が浮いたのに対して、反応できたので良かったなと思います。
ーー早大からは2023年春以来となる勝ち点獲得となったが
まずは前半の山だと思っていたので、伊藤樹を打って勝ち、勝ち点を取れたというのはとても自信にはなりました。
ーー明大投手陣の前には、これまで爆発していた打線が影を潜めていたが、明大投手陣のすごさは
コントロールのミスがあまりなかったです。もちろん球威は他大学に比べて2段階くらい違いましたが、それに増してコントロールミスがないというのが、明大投手陣の強みだなというのは感じます。
ーー最優秀防御率を獲得した大室亮満投手(2年=高松商)はどのような印象だったか
手足が長くてインコースにも投げられて、まだ2年生だと思うので、すごい投手になるのではと思います。
ーー明大2回戦後の木本圭一(明大4年=桐蔭学園)との抱擁は事前に話していたのか
話はしてなかったです。その場でやりました。(ドラフト指名後も連絡をもらったか)指名されてすぐに連絡をもらって、「おめでとう」と言ってもらいました。
ーー東大戦での2本の本塁打を振り返って
ホームランが出るのがシーズンの中で遅かったなというのが思うところです。でも、学生野球最後の最終節に、ホームランを打てて終われたというのは、個人的には良かったなと思います。
ーー今秋は本塁打を打った瞬間に感情を爆発させることが多かったが
自然に出てしまいました。その後、反省もしていますが、ほしい場面でホームランが出た打席が多かったので、少し感情が出てしまったなと思っています。
ーー東大3回戦では4年生が途中から多く出場し、安打を放つと松下選手もベンチから飛び出して喜んでいたが、その時の心境は
本当にうれしかったというのが1番です。なかなかチャンスをもらえなかったり、試合に出ることができなかった4年生が多い中で、あのような出場機会にちゃんと結果を残す4年生を誇らしく思いました。東大戦に出てた4年生は本当に辛いこともあったと思いますが、腐らずに練習熱心で本当に頑張っていた選手たちなので。そういった選手に1つ結果がついてきて、自分のことのようにうれしかったです。
ーー走者が一、三塁にいる場面などでは守備サインを出していたが
監督から自分が任せてもらっていました。最初は自分からキャッチャーの井上(和輝、法1=駿台甲府)に指示を出して、サインは井上が出していましたが、それは効率が悪いということになって。井上にも1年生でそこまで責任を負わせたくないという気持ちもあったので、自分が出すようにしました。
ーー4年間で成長したと感じる部分は
プレイはもちろん成長できましたが、やはり考える力ですかね。私生活でも練習でもそうですけど、自分で考えてどうすればうまくなるのか、どうすればチームが良くなるのかというところを考えながらプレーしていました。ただ練習するよりも成長するスピードが早く、成長率が大きかったなというのは感じるので、頭を使うというのはこの4年間で学んだところです。
ーー法大のキャプテンとして過ごした1年はどうだったか
とても長かったですね。いろいろな方からは「良い1年だったね」とか「順風満帆な1年だったね」とか言われることもありますが、自分自身全くそんなことはなくて。本当にほとんどが辛いというか、プレッシャーだったり責任だったりで悩んだ時期の方が長かったです。その分うれしいことは何倍もうれしく感じたところはありますけど、長く感じたというのが1番です。
ーーキャプテンになってからチームとして変えた部分は
自分がキャプテンになったからというよりかは、4年生の幹部が率先していろいろなことを取り入れてくれました。それでルールや制度が変わったところもありました。そこは自分がというよりは、4年生の幹部が頑張ってくれたと思います。
ーー4年間で印象に残っている試合は
2年春の明大1回戦ですかね。自分はスタメンで試合には出ていませんでしたが、木本が本塁打を打って明大が勝った試合でした。その試合の最後の打者が自分というのも悔しかったです。ライバルに打たれて、自分が打てなくて。自分の中ではポイントになった試合でした。
ーー印象に残っている本塁打は
今秋の伊藤樹から打ったホームランと3年秋の立大4回戦で打ったサヨナラ本塁打ですかね。
伊藤樹に関してはずっとやられていて、そのピッチャーから良い追加点が取れたので、記憶に残っています。
ーー期待してる後輩は
まずは藤森康淳(営3=天理)ですかね。今年ブレイクして、来年チームを引っ張っていく立場になって、いろいろなプレッシャーや責任があると思います。その中で、自分の目指す場所もあると思うので、しっかり結果を残してほしいです。あとは中高の後輩でもある山口凱矢(営3=桐蔭学園)ですね。彼はけがで今投げれていませんが、持ってるポテンシャルはすごくある選手です。ここまで苦しんでいると思いますけど、ラスト1年は野球に懸けて、他の誘惑だったり邪念は取り省いて、最後花開いてほしいなと思います。
ーー監督、助監督に対する思いは
大島監督に関しては結構自分に任せてもらうことが多くて、チームの方針やバッティング、守備技術面のことに関しても任せてもらっていました。自分のことを信用して任せてくれたことに感謝したいなというのはあります。髙村助監督は練習だったりで関わることは少なかったですが、野球以外の相談事だったり、チーム作りであったりというところの相談をさせてもらいました。そういった時に、真摯にご相談に乗ってくれたことがあったので、そこは本当にありがたかったです。あとは、加藤前監督。加藤監督が1年生の秋に最初に使ってくれて、そこから自分も人生が変わりました。あそこで起用してくれた加藤監督には、感謝してもしきれないです。
ーー同期へのメッセージ
最終戦であったり、最後のリーグ戦の同期の活躍というのは、自分の中では頑張って一緒にやってきて良かったなと思いました。今年1年間は練習だったり試合で苦しいことが多かったので、同期に助けられたことが多かったです。同期のみんなは「松下が頑張ってくれてありがとう」と言ってくれますが、自分が支えてもらってばかりだったので、感謝は伝えたいなと思います。
ーーファンの皆さんに一言
4年間どんなシーズンになっても、どんな試合展開であっても応援してくださって、その応援が本当に力になりました。まずは4年間ありがとうございました。ここから次のステージでも法政の代表として頑張るので、引き続き応援よろしくお願いします。
(インタビュー:松野要)
松下歩叶(まつした・あゆと)
経営学部4年・2003年4月14日生まれ
神奈川県出身・桐蔭学園
181cm85kg・右投右打
今季成績:15試合 56打数 18安打 打率.321 4本塁打 13打点 1盗塁
硬式野球部の写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。
【秋季リーグ振り返りインタビュー一覧(公開次第更新いたします)】
| 松下歩叶(営4=桐蔭学園)主将 | ・ドラフト振り返りインタビュー 【硬式野球】「息の長い選手に」 “世界の松下”がプロの舞台へ飛び立つ 東京ヤクルトスワローズ 1位指名・松下歩叶ドラフト振り返りインタビュー – スポーツ法政 ・秋季リーグ戦振り返りインタビュー |
| 赤間梢吾(キャ4=法政二) | |
| 永野司(営4=倉敷商) | |
| 野崎慎裕(営4=県岐阜商) | |
| 丸山陽太(スポ4=成東) | |
| 助川太志(グロ3=茗渓学園) | |
| 山床志郎(文2=高鍋) | |
| 井上和輝(法1=駿台甲府) | |
| 今泉秀悟(キャ2=石見智翠館) | |
| 中村騎士(営2=東邦) | |
| 品川侑生(文4=三重) | |
| 浜岡陸(法4=花咲徳栄) | |
| 片山悠真(文3=八王子学園八王子) | |
| 藤森康淳(営3=天理) | |
| 境亮陽(営1=大阪桐蔭) | |
| 鶴丸紘 学生コーチ(スポ4=都城東) | |
| 平尾聡一郎 学生コーチ(文4=海星) | |
| 大島公一 監督 |


