【陸上】第94回関東学生対校陸上競技選手権 3日目
第94回関東学生対校陸上競技選手権 3日目
2015年5月16日(土)
日産スタジアム
関東インカレは折り返しの3日目を迎えた。
法大は400mHで3選手、200mで長田が明日の準決勝進出を決め、男子マイルリレーでも全体トップで決勝進出と、明日に向けて好結果を残した。
一方で長距離陣やフィールド競技ではなかなか得点をあげられず、苦しい状況が続いている。
試合結果
種目別結果
種目 | 名前 | 記録 | 順位 | 結果 |
---|---|---|---|---|
男子200m予選 | 長田拓也(経3) | 21.19 | 1組1着 | ○ |
大瀬戸一馬(スポ3) | 21.55 | 2組5着 | ● | |
川辺隼也(スポ1) | 21.77 | 4組5着 | ● | |
男子800m予選 | 中村彩人(スポ3) | 1.55.54 | 2組8着 | ● |
男子5000m決勝 | 矢嶋謙悟(経1) | 14.53.85 | 28位 | – |
男子400mH予選 | 濱井涼介(社2) | 51.75 | 1組4着 | ○ |
岡田壮平(経4) | DQ | – | – | |
中矢光一(経2) | 52.45 | 4組4着 | ○ | |
男子走高跳決勝 | 芋川駿(スポ1) | 2m05 | 9位 | – |
小川僚太(現2) | NM | – | – | |
男子4×400mR予選 | 片山雄斗(スポ1)-猪口悠太(経4)-伊藤健太(経3)-矢野琢斗(スポ3) | 3.005.84 | 1組1着 | ☆ |
女子400mH予選 | 川端涼夏(スポ4) | 1.01.4 | 3組1着 | ○ |
女子4×400m予選 | 田中芹奈(1)-吉武志織(スポ2)-斎藤杏里彩(1)-鈴木美帆(1) | 3.59.81 | 3組4着 | ● |
戦評
関東インカレは3日目を迎えた。
法大のこの日最初の種目は男子800m予選に出場した中村彩人(スポ3)。1周目中盤から先頭集団に離され、そのまま追いつくことができず8着に終わった。
続いて行われたのは女子400mH予選の川端涼夏(スポ4)。昨年は3位と表彰台を獲得している川端は、落ち着いた走りを見せ、組1着となり余裕を持って予選通過。明日の準決勝、決勝が本当の勝負となるだろう。各組3着プラス、タイム上位の4選手が準決勝進出となる男子400mHには3選手が出場。今季好調の濱井涼介(社2)は中盤まで上位につけるも後半抜かれ、4着。中矢光一(経2)も組4着となり、共に順位での準決勝を逃したが、タイムでそれぞれ2、4番となり明日の準決勝に進出した。一方で岡田壮平(経4)はハードルを倒してしまい、失格となった。
明日の準決勝に進出した濱井
前日の100mを沸かせた選手の多くが欠場した男子200mには法大からは全3選手が出場した。100mで2位に入り、一躍注目選手となった長田拓也(経3)は余裕をもって1着で予選を通過。最後は流してゴールし、21.19というタイムを残した長田には明日の決勝で今大会3つ目の表彰台が期待される。また、けがの影響で出場が危ぶまれた大瀬戸一馬(スポ3)はスタートからトップで走り、このまま余裕の予選通過かと思われたが、突然の失速。レース中に足を痛めた様子で、無念の予選敗退。4×100mリレーでアンカーを務めたルーキー川辺隼也(スポ1)は、スタートから周りの選手に差をつけられ、5位でフィニッシュ。準決勝進出とはならなかった。
ルーキー川辺は予選敗退となった
フィールド競技では男子走高跳決勝が行われたが、出場した両選手は結果を残せず。フィールド陣は男子走幅跳以外で得点をあげられていないが、最終日の明日、意地を見せられるだろうか。
午後6時。日が陰り始め、やや涼しくなり始めた。この時間から行われた女子4×400mリレー予選には田中芹奈(1)、吉武志織(スポ2)、斎藤杏里彩(1)、鈴木美帆(1)が出場。明日の400mHに備えてか、川端は欠場となった。序盤から中大など、力のある大学に引き離れていく法大。立大と激しい4着争いとなったが、最後に突き放され5着に。だがレース後立大が失格となり、結局4着となった。エース川端を欠いた中でも1年生中心のレースをしたことは、今後に向けて大きな経験となっただろう。
続いて行われたのは男子4×400mリレー予選。ここ最近は関東インカレ、全日本インカレで予選敗退が続いていたが、昨年の日本リレー選手権では2位となったことで、大きな期待が寄せられている男子マイル。この日は1年生の片山雄斗(スポ1)が1走に入り、これまで主に1走を務めた矢野琢斗(経3)が4走で挑んだ。1走の片山はスタートから飛ばし、レースをリードする。終盤に東洋大、早大にかわされるも上位に着け、バトンは2走の猪口悠太(経4)へ。猪口は徐々に加速していき、オープンレーンに入る手前から前を走るチーム一気にを抜き去りトップに立つ。だがラスト100mで追い上げを見せた東洋大とほぼ並ぶかたちで3走・伊藤へバトンが渡る。中盤まで早大と競り合う展開になるが、ラストの直線で突き放し、差をつけアンカーの矢野へバトンパス。終盤に城西大、早大の追い上げにあうが逃げ切り、3分05秒84という好タイムを叩き出し、1着でゴール。明日の決勝では優勝はもちろん、14年ぶりの法大記録更新も狙えそうだ。
この日最終種目は男子5000m決勝。1年生の矢嶋謙悟(経1)が出場したが、留学生ランナーを中心に展開された早いペースについていけず、28位でゴール。ベストからは程遠いが、まだ1年生の矢嶋はこの結果をバネに成長して欲しいところだ。
矢嶋は大学トップレベルの選手との差を痛感させられた
明日はいよいよ関東インカレ最終日となる。注目は大会最終種目でもある男子マイルリレー決勝だろう。ここまで優勝者がゼロではあるが、マイルで表彰台の頂に上ることはできるだろうか。また200mの長田や女子400mHの川端も表彰台、優勝にも期待が懸かる。一方でここまで結果を残せていない長距離陣には明日朝から行われるハーフマラソンで意地を見せて欲しい。4日間の長丁場を締めくくる最終日に法大は好結果を残せるか。(佐々木岳)
選手コメント
猪口悠太 主将
―400m予選は47.91で6着でしたが、この結果についてはどのように感じていますか
僕のレースパターンをできなかったというのが負けた原因かなと。調子が良くて、楽に最初の200m入れたかなと思ったのですが、それが裏目に出たというのが予選負けた原因かなと思います。かなり練習も走れていて(調子は)上がってきていたので決勝はいけるなと思っていたのですけど、こういうかたちで終わってしまい残念です。
―4×400mRについては3:05.84と好タイムで予選トップ通過ですが、手応えはありましたか
毎年、決勝に残ることができていなかったのですが(今年は)全員が力を持っているチームなので残れるとは思っていました。今回こうやってタイムがついてきて、着順1着で入ることができて、良い雰囲気で明日を迎えることができそうなので手応えとしては非常に良いかなと思います。
―関東インカレの前からリレーメンバー(エントリーの選手も含め)の調子は良かったのでしょうか
伊藤、岡田があまり良くなくて、僕もけが明けで、矢野だけが結構良かった感じでした。でもちゃんとみんな上げてきていて力があるのだなと思いました。
―今日はいつも出場している岡田選手が出場していませんでしたが、今年は今日走ったメンバーでやっていこうと考えているのでしょうか
岡田が400mHであまり結果が良くなくて、片山とどっちが良いのだろうかという話になったときにそこで片山が良いんじゃないかと選びました。僕と矢野と伊藤はほぼ固定ですが、そのあたりを片山と岡田など他のメンバーもいるが流動的になるのかなと思います。ですが固定というのは意識していないです。誰が抜けるかもわからないです。
―レース直前まで誰が走るかはわからないということでしょうか
そうですね。走順も特に決まっていません。誰がどこでも走れて、誰でも走れるというのが法政の強みというか良いところではありますね。
―関東インカレ3日目が終わりましたが、主将として部員たちの結果をどのように感じていますか
4年生が全体的に例年に比べてあまり結果が伴っていなくて、後輩たちに頼りっきりで申し訳ないなというのがありますが、 最後まで良い流れで今日マイルも決勝に残れましたし、明日の種目でもチャンスはあるのでチーム全体としては良い流れで、きているのかなとは思います。
―猪口選手が出場していた400mは矢野選手、伊藤選手が自己ベストを更新し、矢野選手は決勝進出を果たしましたが、その点についてはどのように感じていますか
とても嬉しいですね。チームメイトなのであまりライバルとしては意識していませんが、タイムが出て、決勝に1人進んでくれて、彼らが400mブロックの力になっているのかなと思います。
―明日の最終日にむけて意気込みを
あまり気負わず、毎年4×400mRは残れていないので最後くらいはちゃんとやってうまくいけば優勝できればいいかなと思っています。
矢野琢斗
―今日のマイルリレーを振り返って
今まではずっと1走だったのですが、今日は初めての4走でした。自分の調子が良く、流れが自分にあり、最近のレースでも後半粘れていると言われていたので、4走を任されました。最後1位でゴールできるように、自分の仕事をしっかりしようと考えていました。それがうまくできたので、この結果になったと思いました。
―全体で1番良いタイムでしたが、このタイムについては
今回3分5秒台ということで、今までのタイムが3分8秒台だったのですが、これまで僕が1走で走った時と比べて、1年生の片山君が1走で良い流れを作ってくれたおかげで、2走以降も自分達のレースができたのかなと思いますね。良い流れをそのままみんなで繋げた感じだと思います。
―昨年は予選落ちでしたが、リベンジしたい気持ちもあったのでは
そうですね、僕たちが入ってからは関カレ、全カレ全て予選落ちなので、僕と同じ代の伊藤でなんとかしたいなといつも話していました。やっぱり僕もそうですし、猪口さんも本数持たないんですよ。選手の特性としてスピード系で攻めるので、レースが重なってくると体力的にきつく、またうまくみんなの調子が噛み合わなかったというのもあって、今まではうまくいきませんでした。あとは1走の流れが悪かったり、誰かがけがをしていたりというのもあったので、決勝進出は逃してきたのですが、今年はもうそれだけは絶対にないようにと思っていました。やはり去年の日本選手権リレーで入賞できたのが良かったかなと思いますね。そこから冬季練習も良い流れでできて、チーム400mブロックで、関東インカレを目指すという目標をしっかりと立てて、冬季練習を積んできた結果がこれだったのかなと。
―本数を重ねるときついというお話がありましたが、この4日連続という日程はかなり厳しいのでは
昨日の決勝がそれでしたね。それで決勝はあまり走れなかったです。昨日の決勝は気持ちも切れてしまったのがあったかもしれないですね。リラックスし過ぎたというか。メンバーを見ても僕が勝負できるメンバーでないので、他の選手の胸を借りるつもりで走ろうと思ったことで、攻めの気持ちが足りなかったのかなと。心のコンディションが良くなかったですね。ですがやはりマイルになると気持ち的にも上がりますね。今日は良い流れで4走に持ってきてくれたので、これは行くしかないなと。
―昨日の400mの準決勝では自己ベストを更新しましたが、現在調子が良いのですか
そうですね、今シーズン始まってからすぐに46秒台は出るという手応えはずっとあったのですが、関東インカレまでに試合を3本走り、どれも調子が良かったものの、46秒台には届かず、といった感じでした。いつ出るのだろうかと思っていたら準決勝でポンと出ちゃいました。まだ伸びていくような感じはあるので、このまま調子の良い流れでどんどん自己ベストを出していければなとは思っていますね。
―今回のタイムで日本選手権のA標準も切りましたが
去年も出たのですが、今年からB標準が上がりまして、他に出場する方法がB標準を切って、地方選手権で2位以内に入れば日本選手権出場できるのですが、去年の夏場に少し調子を落として、四国選手権も失敗して、日本選手権も出られない状態でした。ですが、関東インカレくらいの大舞台になればベストを出して、A標準くらい切れるかなと、そういう手応えがありました。このままいけば日本選手権も猪口さんも出られますし、同じ代の伊藤(健太)も、OBの金丸さん(佑三、09年度卒)らも出ると思うので、その選手たちに追いつけ追い越せという気持ちで頑張りたいですね。あと城西大の同年代の2人がいいので、あの人たちに追いつけ追い越せでやっていきたいなと思いますね。
―明日はマイルリレーの決勝がありますが、目指すのはやはり優勝ですか
そうですね。2番手の早稲田がまだフルメンバーではなかったのですが、自分は昨日の疲労もまだあり、今日も1本しか走っていません。これで僕と猪口さんが調子を取り戻して、片山と伊藤は走りの特徴として疲れは大丈夫だと思うので、僕と猪口さんで攻める積極的なレースができれば、優勝も狙えますね。あともう1つマイルの法政記録も狙っていきたいなと思いますね。ぜひ優勝、金メダル狙っていきたいですね。
―改めて明日への意気込みを
まだ走順もわかっていないのですけど、できれば僕がまた4走を走って、1位でゴールラインを越えたいと思うので、また法政のチーム一丸となって、ぜひ優勝を狙って頑張っていきたいと思います。
矢嶋謙悟
―試合を終えて、今の気持ちは
自分の持っている力を出し切れなかったです。
―ラスト1周で見せた追い上げはレースプランでしたか
レースプランではなかったですが、力を出し切れなくても最後は全力で終わろうと思い、走りました。
―レース後、監督からどのような話がありましたか
中盤にペースが落ちすぎるクセがついていると言われたので、それが今日のダメなところだったということです。それと今日のレースをただ走っただけにするのではなく、来年またこの大会を走った時に「今日走っておいて良かった」と思えるように頑張っていこうと言われました。
―今日の5000mのレースでは、数多くの大学トップレベルの選手と走りました
わかっていたことなのですが、自分はまだまだだなと。かなりレベルが違うなと思いました。
―レースに1年生で出場できたことについては
これを経験として次につなげていきたいです。
―法大陸上部に入部して、部の雰囲気はいかがですか
悪くはないですが、どの選手もいまいち結果が出てないので、これからの練習が重要になってくると思います。
―高校と大学で練習の違いはありますか
走る距離が少し増えました
―今後への意気込みをお願いします
今日は悪かったのですが、今後全日本駅伝予選・箱根駅伝予選もあるので、チームのメンバーに入って、チームに貢献できるように頑張りたいです。
フォトギャラリー
- 全体1位で決勝進出を決めたマイルリレー。矢野(前)と伊藤
- 川端は余裕を持って準決勝進出
- 中矢はベストを更新し準決勝進出
- 走高跳の小川は記録を伸ばせず
- 200mも好調ぶりがうかがえる長田。準決勝、決勝にも期待
- けがの影響もあってか大瀬戸は本来の走りができず
- アンカーの鈴木にバトンを渡す斎藤
- 矢嶋は課題の残るレースとなった