【サッカー】2得点を奪い、開幕白星スタート
JR東日本カップ2016 第90回関東大学サッカーリーグ戦1部開幕節 対筑波大学
2016年4月3日(日)
茨城県立カシマサッカースタジアム
今年のスローガンを準備と覚悟を意味する「preparedness」に定めて始動した長山法政。去年の中心選手だった田代雅也(現FC岐阜)、西室隆規(現カターレ富山)が抜けた穴をどう埋めるかが注目されたこの試合は、昨年まで出場機会が少なかった選手の活躍もあり、2−0で勝利した。タイトルを目指すチームにとっては幸先の良いスタートとなった。
試合結果
トータル試合結果
2 法政大学 |
1 | 前半 | 0 |
0 |
---|---|---|---|---|
1 | 後半 | 0 |
得点とアシスト
時間 | 大学 | 得点者 | アシスト |
---|---|---|---|
21分 | 法政大 | 青柳燎汰 | |
90分 | 法政大 | 玉田晃太郎 |
加藤威吹樹 |
戦評
待ちわびた第90回関東大学サッカーリーグが開幕した。開幕戦の相手は昨年、2部で2位となり昇格した筑波大。昇格組相手に勝ち点3を奪って、幸先良くスタートしたい法大は、どのようなサッカーをするのか注目された。
今年のフォーメーションは3−6−1。昨年の主力が抜けたポジションには、青柳燎汰(現福2)や長倉颯(経2)など昨年リーグ戦で出場機会が少なかった選手がスタメンに抜てきされた。
試合開始早々、長倉が中央からミドルシュートを放つなど積極的な姿勢を見せ、得点に対する意欲を見せる。一方、筑波大も西澤健太や鈴木徳真がドリブルで法大ディフェンス陣に切り込もうとするなど一進一退の攻防が続いた序盤。そんな試合が動いたのは21分。武藤友樹(社3)がパスを受け右サイドの深い位置までドリブルで駆け上がると、中央にクロスを送る。そのクロスを筑波大GKの弾くと、それに反応した青柳が詰めて先制ゴールを奪う。その後は、前線から追いかける守備ではなく、ある程度構えて相手のパスコースをなくすような守備をした法大。「スキを作らない守備をして、切り替えをしやすい状況を作れたことは狙いに近かった」(長山一也監督)。前半は相手にボールをもたせながらも、危険なエリアにパスを出させずに、主導権を握る狙った通りの展開で終了する。
しかし後半に入ると、流れは変わり完全に筑波大ペースに。左サイドを中心に突破を許し、あわやのシーンを作られる。相手の攻撃が続く中で徐々にディフェンスラインが下がってしまい、さらに相手の猛攻を許してしまう。81分には筑波大のFKからゴール前で混戦となったところで何度もシュートを打たれるが、GK関口亮助(経3)を中心としたDF陣が体を張ってブロックし、この日一番のピンチを防ぐ。そんな守備陣の気迫が伝わったのか90分。途中出場の玉田晃太郎(経3)がカウンターからボールを運び、ゴール左からミドルシュートを放つと、このシュートが低い弾道でゴール左隅に突き刺さりダメ押し弾を奪う。その後のアディショナルタイム4分も相手にゴールを割らせず、2−0で開幕戦を勝利で飾った。
「開幕戦は難しいゲームになると思っていた」と長山監督が振り返ったように、筑波大がボールを持つ時間は多く、法大は我慢する時間帯が続いた。特に後半は、決定的ピンチを何度も迎えたが、粘り強い守備で対応。決して楽な戦いではなかったが、我慢して決定機を確実にものにする試合ができたことは、今後の試合に繋げられるだろう。
次節の対戦相手は、昨年2位の強豪、明治大学。昨年ほどのタレント力はないかもしれないが、開幕戦も3−0で勝利しているだけに攻撃の破壊力があるのは間違いない。開幕戦で見せた粘り強い守備を武器に明大相手にどのくらい自分たちのサッカーができるか注目だ。(森川優也)
監督・選手コメント
長山一也監督
ー今日の総括を
前半はしっかり(守備が)はまったなかで、シュートも一本くらいで抑えられてよかったです。しかし、後半は引きすぎて連動できない状況でピンチを多く作ってしまったんですが、最後はゴール前でしっかりと体を張って我慢しながら、少ないチャンスをものにして、0で抑えながら2点取って勝てたのはよかったのかなと思います。開幕戦は難しいゲームになると思っていたので、90分通して勝てればいいという話はしてたんですけど、しっかり我慢して勝ち点3取れたので、よかったのではないかと思います。
ー前半見せた相手のスペースを消すという守備が理想なのか
そうですね。あのぐらいスキを作らない守備をして、サイドでコースを限定することが出来ると、そこで奪ったあとパスコースも近くで出来ますし、攻守の切り替えをしやすい状況になると思うので、そこは狙いに近いものがありました。しかし、後半最終ラインとワイドのところの連動が出来なかったので、そこはこれからの課題だとは思います。まあ、そこは勝ちながら修正していきたいと思います。
ー筑波大学は昇格組だが、どんなスカウティングをして、この試合に臨んだのか
映像自体は観てなかったんですが、去年総理大臣杯でベスト4入ってますし、前線の選手にはいい選手もいますし、ワイドの選手も1人で突破できるような選手がいるってのは分かっていたので、そこはしっかり粘り強く対応しながらもトップの動きだしに対して、しっかりと体を当てられるような状況を作れるようにとDFラインには伝えていました。
ー今日のスタメンを選んだ意図は
2月からチームを立ち上げて、合宿を含めてチームの中で一番いい11人を選びましたし、柳沢は開幕前ケガしてギリギリ間に合ったんですけど、彼はラインコントロールをしてくれるので、最近90分はやってなかったんですけど、信頼しているので出場させました。
ー次節、明大戦に向けて
リーグ戦連勝することが重要になってきますし、明大は昨日3ー0で勝って、今年のメンバーは去年ほどではないにせよいいメンバーが揃っているので、去年一回も勝てなかったので、去年の借りを返したいというのはあります。そして、僕ら学生の時からライバルというかそういうイメージがあるので、そこはしっかりと連勝できるように準備したいと思います。
黒柳駿
ー試合を振り返って
厳しい試合だったんですけど、ディフェンスを中心に無失点で抑えられて良かったです。
ーかなり苦しい試合だったが
筑波大がうまいというのは知っていましたし、ある程度苦しい時間帯があることは覚悟していました。
ー2点目をとることは意識していたのか
チームの中で2点目を取りに行こうというのはあったので、今日は運良く2点取れましたけど、攻撃の部分は突き詰めてやっていかなければいけないと思います。
ーディフェンスの距離感が良かったように見えたが
昨年から出てる選手が変わっていないので、その辺のコミュニケーションはうまく取れてますし、距離感はかなり意識していますね。
ー西室選手が抜けたが、ご自身の役割に変化は
去年は自分が守備的にやってたんですけど、今年はゲームを作って、かつチームを勝たせられるようにしていかなければならないと思います。
ー今日の試合で課題を挙げるとするならば
押し込まれている時に完全に受け身になっているので、そこを自分たちの流れに変えられるようにすることです。
ーキャプテンマークを巻いての初勝利だが
自分はキャプテンをやるキャラではないんですけど、チームの皆が選んでくれて。そんな中で勝利できたのは格別ですね。
ーゴール後や試合後はチーム全体で喜ぶ姿が印象的だったが
法政は個性的なメンバーが多いので、喜ぶ所はすごい喜んでチーム一体となってやっていきたいです。
ー次節に向けて
まだ一勝しただけなので、しかも明治は去年勝てていない相手なので、絶対に勝って流れに乗りたいです。
フォトギャラリー
- 開幕戦に臨む選手たち
- 1点目に喜ぶ選手たち
- ドリブルで駆け上がる永戸
- ポジション取りをする選手たち