【スピード】SBC杯第23回全日本スピードスケート距離別選手権大会 3日目 中村は国内自己ベストを記録するも、高い壁に阻まれW杯代表を逃す…
SBC杯第23回全日本スピードスケート距離別選手権大会
2016年10月23日(日)
長野市オリンピック記念アリーナ(エムウェーブ)
SBC杯第23回全日本スピードスケート距離別選手権大会(距離別)も最終日となる3日目を迎えた。エース中村隼人(営3)は本命の種目である1000㍍に挑み、自身の国内ベストを記録するも順位は11位。プロの高い壁に阻まれW杯の出場権を逃した。MSRには大竹拓三(文2)が出場。得点を獲得し9位となった。
レース結果
個人成績
種目 | 成績 | 選手名(学部・学科) | 記録 |
---|---|---|---|
1000m | 11位 | 中村隼人(営3) | 1分11秒31 |
個人成績(マススタート)
順位 | 選手名 | スプリントポイント | 完了周回数 | 着順 | 記録 | ||||
4周後 | 8周後 | 12周後 |
最終周(16周)後 |
合計 | |||||
9位 | 大竹拓三(文2) | 1 | 1 | 16 | 8 | 7分56秒36 |
※ルール…レース中、3回の中間スプリントと最終スプリントを設定する。4周、8周、12周瑚のフィニッシュラインでの中間スプリントは、上位3名に5-3-1点を与える。16周後のフィニッシュ時の最終スプリントは上位3名に60-40-20点を与える。最終順位は中間と最終スプリントの合計により、続いてフィニッシュ順に従って決定される。
戦評
シーズン開幕戦となる今大会もいよいよ最終日となった。
「1000㍍に懸けて1年間練習してきた」。中村隼人(営3)は自身がそう語る1000㍍に出場。目標は5位以内に入り、W杯長野大会の出場権を掴むことだ。
同走は1日目の500㍍で優勝した村上右磨(村上電気)。中村はアウトコースでスタート。スタートから順調に加速し、前半先行していた村上を追い抜く。ラスト1周まで力を抜かずに滑り続けるも、最終ラップをやや伸ばしきれずにフィニッシュとなった。タイムは1分11秒31。自身の国内ベストという好記録とはなったものの、あと1秒の壁が越えられずに11位となりW杯出場を逃した。
今大会最終種目MSRには大竹拓三(文2)が出場。ポイント獲得を目指してレースに臨んだ。
ポイント周回直前以外は集団での滑走が続いた本レース。新山強(徳島体協SC)や小川拓朗(abcdrug)がポイント周回前に飛び出してコンスタントに得点を稼ぐ。大竹は集団の中央でタイミングをうかがうように滑っていた。3回目(12周回)のポイント周回で、集団から飛び出した数名に大竹も合流。スピードを上げ、3位で通過し1ポイントを獲得した。獲得ポイントが最も高くなる最終周回では、温存していたウィリアムソン師円(日本電産サンキョー)や中村奨太(ロジネットジャパン)らトップ選手が首位をさらう結果となった。
最終着順と獲得ポイントを合算し、大竹は9位でレースを終えた。
3日間を通し、法大での最高順位は大竹の3000㍍4位。各々が表彰台及び諸大会の出場権を逃したが、それは決して不調による不成績ではない。出場した3名はそれぞれが夏の練習の成果や好調さを口にしていた。昨年より伸びたタイムや順位がそれを証明している。
今シーズンは始まったばかりだ。まだまだ今大会以上の飛躍が期待できる。12月、1月と続く学生大会では、また一つ成長した法大スケート部の滑りが見られることだろう。(野口愛優)
選手コメント
中村隼人
―今日のレースを振りかえって
ゴールタイムは国内ベストだったので、成長しているなと感じつつ、上の人たちもタイムを上げているのでまだまだ力不足かなというところはあります。
―どんな気持ちでレースに臨みましたか
今年ユニバ(ユニバーシアード)があって、1500㍍もユニバ圏内に入って。朝起きてからレースに入るまで落ち着いていたのですが、スタートする時には割と緊張していました。でも、良い形でレースに臨めたと思います。
―ワールドカップの出場は
目標にしていたのですが、まだまだ自分の力不足です。あと1秒早くないと行けないですね。
―昨年よりも良いタイムでしたが
去年までは一番上の兄の駿佑(中村駿佑=EH株式会社)が主にメニューを作ってやっていたのですが、今年は駿佑や(タイムが)速い3人が卒業して、自分でメニューを考えてチームを引っ張ることになったことがその要因ですかね。
―練習で意識することは
自分がメニュー作っていて、矢島先輩は学連や就活で忙しかったので、自分が最高学年としてしっかりしなくてはいけないという気持ちは常にありました。
ー距離別での手応えは
1000㍍、1500㍍ともに国内ベストを出せて、今年の夏から凄く良い練習ができていると思います。例年シーズンベストは距離別ではないので、これからもっとタイムが伸びていくかなという手応えはあります。
―課題は
1500㍍、1000㍍のラスト1周の上がりラップでスタートが遅いので、上がりラップでもう少し上げられるように持久力を向上させたいです。
―2人の兄弟が好記録を出しましたが
兄2人とも凄く良い滑りをしていて、まあちょっと力の差はあるかなと思うのですが、身近にそういう存在がいるので、もっともっと強くなれるかなと思います。
―ユニバシアード出場は
今大会、世代で6番以内に入れば次にステップに進めて、帯広で行われるジャパンカップの成績次第で出られるか決まるので、あと2,3週間後に控えているので、気持ちを入れ替えて頑張ります。
―五輪に対する思いは
あっという間に後一年になってしまっているんですけど、今年一年ある程度成長できているので、まあどんな練習が必要かも分かってきたので、1年あれば大きく変われると思うので、今は遠いですけど常に目標にしています。
―次のレースへの意気込み
次のレースも大事になってくるので、距離別国内ベストでたのですが、さらに更新できるように1500㍍は1分49秒台、1000㍍は1分10秒台を絶対出したいと思います。
もう一段階高みをめざし、あと「1秒」を縮めてみせる
大竹拓三
―今日のレースを振り返って
今日はマススタートだったのですが、自分の中では少しでもポイントを取れればいいかなと思っていたので、1ポイント取れて良かったです。
―集団でのレースの難しさはありましたか
自分でペースを作るのではなくて、ペースが早くなったり遅くなったりが繰り返される中で、力を貯めるのか使うのかの見極めをしなければいけないレースでした。
―どのような展開を狙っていましたか
とくに何も考えないで、行けるところがあればポイントを取りに行くという事を考えていたので、1ポイント取れて良かったです。
―今大会を振り返って
個人種目で自己ベストが出せて、マススタートでも1ポイント取れて自分の中で成長していることが確認できた大会だったのですが、自分の思っていた以上にスケート界が盛り上がっているので、もっともっと自分のタイムを縮めていかないといけないと思います。
―今後に向けて
夏にやってきたことが間違っていなかったことは確認できた大会だったので、残り出場するレースすべてで好記録をコンスタントに狙えるように氷上の練習でもっと成長して、いいシーズンにしたいと思います。
着実に成長を重ねている 伸びしろは無限大だ
(写真撮影:野口愛優・八木下伸一・石川大悟)
フォトギャラリー
- 悲願のW杯出場権を逃した中村
- タイムは自身国内ベストの好記録(写真:中村)
- これからさらにタイムを伸ばせるか(写真:中村)
- 一昨年より導入された種目MSRは集団で滑る
- 大竹は昨年も同種目に出場
- 3回目のポイント周回で見事ポイントを獲得(写真:大竹)
- 学生大会での活躍も楽しみだ(写真:大竹)
- 本学OBの藤野裕人(茨城県競技力対策本部)も健闘