【ラグビー】関東大学春季大会 対日大 後半怒涛の追い上げ、初戦を逆転勝利で飾る
関東大学春季大会 グループC 対日大
2017年4月29日(土)
日本大学グラウンド
昨季7位だったことでこの春季大会をグループCで戦うことになった法大。このグループの中で唯一秋のリーグ戦でも戦う相手に対し、快勝しておきたかったが思った以上の苦戦を強いられた。
会場は日大グラウンド。また日大ラグビーフェスティバル開催中という完全アウェーな空間での試合となった。また前半は風がアゲインストと状況は最悪の中試合が始まった。前半は苦しんだものの後半、セットプレーが安定すると法大ペースに持ち込むことに成功し、初戦を逆転勝利で終えた。
試合結果
トータル試合結果
33 |
7 |
前半 | 24 | 29 日大 |
---|---|---|---|---|
26 | 後半 |
5 |
ポイント詳細
1/4 | T | 4/1 |
---|---|---|
1/3 | G | 2/0 |
0/0 | PG | 0/0 |
0/0 | DG | 0/0 |
※(カッコ内)は前半/後半表します
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学部/学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 黒田圭汰 | 社4 | 報徳学園 |
2 | HO | 大澤翔舞 | 営4 | 長崎北 |
3 | PR | 金子崇 | 社4 | 東福岡 |
4 | LO | 塩見伊風 | 社3 | 長崎北 |
5 | LO | 高橋恭平 | 経2 | 黒沢尻北 |
6 | FL | 竹内仁之輔 | 経2 | 法政 |
7 | FL | ウォーカーアレックス拓也 | 社2 | 東福岡 |
8 | NO.8 | 橋本陸 | 1 | 東京 |
9 | SH | 根塚聖冴 | 経3 | 京都成章 |
10 | SO | 時崎魁人 | 通3 | 法政二 |
11 | WTB | 北島遥生 | 現4 | 常翔学園 |
12 | CTB | 呉洸太 | 社3 | 大阪朝鮮 |
13 | CTB | 萩原蓮 | 経3 | 東福岡 |
14 | WTB | 安藤慧 | 経2 | 國學院栃木 |
15 | FB | 尾崎達洋 | 社4 | 桐蔭学園 |
16 | Re | 川越藏 | 現3 | 高鍋 |
17 | Re | 加藤一希 | 社2 | 報徳学園 |
18 | Re | 金森達哉 | 社3 | 法政 |
19 | Re | 佐々木祐輔 | 人2 | 法政二 |
20 | Re | 田口祐也 | 経4 | 清真学園 |
21 | Re | 中村翔 | 経2 | 東福岡 |
22 | Re | ジョーンズ杏人竜 | 1 | 札幌山の手 |
23 | Re | 斉藤大智 | 1 | 黒沢尻北 |
戦評
前半は法大のキックオフだったが、風に煽られうまくいかない。基本的に日大ペースで試合は進む。法大がボールキープする場面もあったが、相手の低いタックルからボールを奪われなかなか前進できない。すると8分。インゴール前での日大の連続攻撃に屈し先制を許してしまう。その後も日大の攻撃に対し、タックルが決まらずゲインを許すなど、ディフェンスの安定に欠いた。チャンスは15分髙橋恭平(経2)のゲインを起点にブレイクダウンのボールをそのまま持ち込んだ根塚聖冴(経3)が独走するも残り5mほどのところで相手に倒されてしまいボールを失ってしまう。ここから流れをつかみ、北島遥生(現4)の突破から右サイドギリギリのところにいた橋本陸(1)につなぐがサイドに出されてしまいトライにならない。追い風という好条件で勢いに乗る日大はキックを多用してくるため為す術なく前進を許してしまう。28分にはラインアウトをでボールを保持されたまま押し切られてしまいトライを許す。32分に左サイドから突破し、7-12まで点差を縮めるも直後のキックオフで安藤慧(経2)がノックオンしてしまうと日大キープが続く。すると38分にスクラムの流れから一気にで押され、トライを許す。前半終了間際にも法大ペナルティの速いリスタートから右サイドを突破され連続してトライを許し7-24と差を広げられた。なんとトライを決めてからの約8分間は法大がラインアウトでボールを投げる場面こそあったが、ボールキープをすることなく終えるという悪い雰囲気のまま前半を終えることとなった。
WTB北島の突破
後半に入った瞬間の一撃から始まった。ペナルティで得たチャンスで根塚聖が早いリスタートを切るとそのまま独走し、トライを決めると7分にもトライが生まれ21-24まで差が縮まった。ここからジョーンズ杏人竜(1)も積極的にゲインしていくなど、チャンスは増えていく。13分にスクラムで相手がペナルティをするとそこからまたもや根塚聖がクイックスタートでまたもや独走。トライを決めついに逆転に成功する。徐々に傾いてきた流れ。前半苦しんだセットプレーも安定し法大ペースで試合は進んでいた。しかし24分。相手にボールを奪われるとキックパスで前方に出されてしまう。そこを尾崎達洋(社4)が追いかけ必死に弾くが相手に止められトライ。26-29と逆転されてしまう。直後のキックオフで相手のノックオンを誘い、マイボールをキープすると、FW陣の細かいゲインでつないでいき最後に抜け出したのはジョーンズ。大学初トライで再逆転に成功する。ここからは互いに疲労が溜まってきたのか、ミスの応酬が続くもインゴール手前でペナルティが出るなどトライにはつながっていかない。最後は相手ボールスクラムになるも、しっかりと押し切ったところでノーサイド。33-29接戦を法大が制し、新チームは白星スタートとなった。
1年生ながら存在感を発揮したNo.8橋本(上)、CTBジョーンズ(下)
東川寛史主将(経4)をはじめとした主力選手を欠く中、しっかりと勝利は挙げたものの前半はスクラムを押され続けるなど、FW陣には不安を残した。しかし後半はセットプレーの安定が見て取れた。島津久志監督が「最初から選手たちが意識していればできる」と話すように、選手たちには安定したセットプレーを行う力は身についている。普段の練習で培った自分たちの力を信じてプレーすることが勝利への近道になる。(飯田翼)
監督・選手コメント
島津久志監督
ー今日の試合を振り返って
問題点が山積みですね。でも、去年スクラムは押されてましたが、前半は押されましたがそこまで悪い押され方ではなかったので、後半ちゃんと修正点を伝えたらちゃんと組めるようになったので、そういったところは少しずつ進歩してきていると思いますね。
ー具体的に問題点とは
テンポが悪いというか、つくれないというか。ゴール前のFWのディフェンスで3本も取られてしまったので、結局そこの部分がまだまだ甘いですね。どれだけ前に出れるか、そういったディフェンスが出来るようになればいいですね。あとは、スピードチェンジが出来ていないです。真ん中のところに1人が抜けて行って、そこでスピードチェンジして他の人がフォローをしていけばいいのですが、フォローが遅れたりするので、そこは意識の問題なのかもしれないので変えていかないといけない部分ですね。
ー後半戦ではうまく立て直したが、前半を終えてチームに伝えたことは
スクラムの組み方のアドバイスなどを、FWコーチから話があったりしました。あとはさっき言ったようなスピードチェンジの話であったり、ゴール前のディフェンスのところですね。去年まで出来ていたことが今年になって急に出来なくなってしまうところがありましたが、前半を終えて、それを言っただけであれだけ変われるということは、風下というのもあったとは思いますが、最初からみんなが意識してやればできるということなので、しっかり意識を持ってプレーをすることが大切ということですね。
ー逆に今年になって良くなってきていることは
ボールのさばき方はよくなってきているのではないかなと思います。春はずっとそういったことを中心に練習をしてきたので、その成果は出てきているかと思います。
ー今日見ていてよかった選手は
今日は1年生が2人出ていて、春シーズンの最初のトライが1年生で。それは良かったんじゃないかなと思います。(ジョーンズ)杏人竜もセブンズには無かったような動きを見せてくれました。
ーメンバー交代が功を奏したのは
みんなやっていることは同じなので、誰が入ってもチームが変わらないというのが1番いいと思うので、誰が入って良かったというのは今日はいなかったかもしれないです。
ー日大は組織、法政は個人技でトライを重ねていたイメージでしたが
派手なトライがあっただけで、結局はその前にどれだけ仲間で積み重ねているかということだと思うので。日大はFWでゴリゴリきて、組織力はあるとは思いますが、うちはうちであれでいいんじゃないですかね。
ーその中で強くなるために重要となるのは
スタミナとストレングスですね。いかに走り勝つかだと思います。
ー次戦に向けて
来週、中央大学の棄権で筑波戦が入りまして。筑波のラグビー祭があるのですが、元々それに中央大学が招待されていたのですが、麻疹で出れないためにうちが繰り上げで出ることになりました。筑波もすごくいいチームなので、学ぶこともたくさんあると思うので、選手たちはどう感じてくれるかだと思いますね。
時崎魁人
―今日の試合を振り返って
個人的に課題は多く残ったと思います。しかし、開幕戦をいいスタート切れて良かったなと思いますね。
―その課題とは
試合中にゲームをコントロールできてなかったりとか、ミスが何個かあったりしたところですかね。
―BKをコントロールするときに心掛けていることは
外から声掛けてくれるので、僕はそれに臨機応変に対応していくことですね。相手のディフェンスを見て、外が空いてたら、裏を通して外に展開するように、スペースがあるところに攻めることも意識してますね。
―SHやSOがポジションですが、SOが一番やりやすいポジションですか
いや、大学はSHをやると決めてた気持ちがあるんですけど、SOはケガ人が多くて現状少ないので、僕がやるしかないなと思ってます。
―前半は風下で苦戦したと思いますが、前半を振り返って
風が強かったので、一人ひとりの感覚を狭くして、コンパクトに攻めました。風でのミスはあまり少なかったかなと思います。うまく対応できました。
―今大会初スタメンですが、緊張は
緊張しました。SOという重要なポジションなので、メンバー決まったときから緊張とチームの足を引っ張ったらどうしようという恐怖がありました。でも、試合が始まったら、緊張がなくなって、いつも通りプレーできました。
―ご自身が今日やりたかったことは
周りにパスを出すのが第一ですが、自分でゲイン出来る場面があれば行きたいなと思ってました。実際ラインブレイクできたところもあったので、よかったです。
―ラインブレイクできるプレーが長所ですか
そうですね。高校の時もSOだったんですけど、そういう場面が何回かありました。その後、相手は自分のことをマークしてきたら、外が活きてくるので、そういう場面を作り続けたいです。
―相手のディフェンスのギャップ(DFラインのズレにより生じたスペース)に付け込むことが出来てるということですか
そうですね。今日も相手がDFラインから一人飛び出したりしていたので、そういうところに付け込めました。
―BKの反省点、よかったところは
人数が余っていても、パスを一人ひとり繋いでいければ抜けるところでパスを飛ばして抜けれなかったところです。状況判断をしっかりしたいです。相手の弱点を突いて、パスを繋げられたところですね。
―全国から素晴らしい選手がいる中、法政二高出身の後輩として佐々木選手も出場されましたが、先輩から見てどうですか
頑張ってますよね。付属校出身なので、周りから圧倒されるなかでも、メンバーに入れるのは日々の努力の成果かなと思います。
―SOには金井選手等ライバルも多くいますが、レギュラーを勝ち取るために、今後やりたいことは
大雪は格上だと思ってます。ただ、大雪には大雪の良さがあるんですけど、僕には僕の良さがあるのでそこで勝負していければなと思います。
―「僕なりの良さ」とは
ギャップついたりとか、大雪より足は速いところですね。
―今後の目標について
やっぱ、文武両道ですね。ラグビーだけに専念するのではなく、勉強の方も単位をしっかりとっていきたいと思いますね。
―次戦への意気込みをお願いします
この試合の反省点を次のゲームまで改善して、もっといいゲームをします。
橋本陸
―今日の試合を振り返って
今日は接戦だったが先輩たちに引っ張られて楽しんでできました。
―後半からセットプレーが安定した理由は
FWのスクラムの部分で8人で固まって押すというのを練習からやってました。前半ではあまりできなかったが後半はうまくいったような形です。
―試合中、サイドに回る場面が多かったですが
あれはチームの戦術でFWを1人外に置くということをしていてその役割が自分でした。
―高校ラグビーと大学での違いは
一番は時間の違いです。高校は30分ハーフなのが大学では40分、40分の80分入るのが結構しんどかったです。
―そんな中フル出場でしたが
初めてでプレッシャーもありましたが頑張りました。
―1年生の最初の試合から出場されてますが
全然実力が出せてるわけではないので、これからも頑張って行きたいです。
―今後に向けた意気込み
今年の目標はリーグ戦で2位になることなので、そこに向けて頑張っていきたいです。
ジョーンズ杏人竜
ー今節の感想は
大学ラグビーは高校ラグビーより全然ペースが速かったんですけど、自分ができることを全部出そうと思ってやりました。
ー高校ラグビーと大学ラグビーの具体的な違いは
フィジカル的にみんな強くて、身体もみんなでかいし、頭を使ったラグビーだな、と思いました。
ー初トライが逆転トライであったが、その感想は
大学の公式戦の初トライということと、チームのために逆転できたことが嬉しかったです。
ー果敢にタックルに行く姿が見受けられたが
内は抜かれないというのがあるので、それを意識してやっていました。
ー試合中、他に意識していたことは
法政ラグビー部に入ってからずっと練習でやってきた、細かい基本のことを意識していました。BKのラインの深さだとか、パススピードとか、アーリーキャッチとかですね。
ー今日の試合に点数を付けるとしたら
100点満点だったら60点くらいです。初戦だったのですが、ここからどんどん強くなっていくと信じているので、まだまだ100点ではないです。
ー法政大学を選んだ理由は
去年の高校の選抜大会のあとに、法政の監督から推薦が来ました。法政から一番最初に推薦が来たので、ここを選びました。
ー実際プレーしてみて、チームはどうか
先輩たちも強い高校から来ていてレベルも高いので、先輩たちに追いつけるように頑張りたいな、と思いました。
ー今日は途中から試合に出場したが、その時の心境は
緊張してたんですけど、負けていたので、自分がやってきたことを出しきるって考えながらやっていました。
ー今日の試合を終えて、自身の課題は
体力をつけることと、ブレイクダウンで強くラックに入ることです。
ー4年間の意気込みは
4年生になるまでには、大学日本一になりたいと思います。
ー自身の持ち味は
スピードとパワーです。
ー今後の試合への意気込みは
今日の試合のことを反省して、その反省を考えながら、自分をアピールしつつ頑張りたい思います。
フォトギャラリー
- 圧巻のランニングで2トライの活躍を見せた根塚聖
- キレのあるステップで敵を交わす時崎
復帰戦となった萩原蓮
ラインブレイクでチャンスを演出した金子
存在感を見せるウォーカー- 敵を突き飛ばす安藤
- 鋭いランニングからの北島のトライ
- ジョーンズの意地の逆転トライ