【硬式野球】東京六大学野球秋季リーグ戦 第2週 明大2回戦 「投手三本柱」崩壊… 宿敵に大敗を喫し開幕ダッシュ失敗
東京六大学野球秋季リーグ戦 第2週 明大2回戦
2017年9月18日(月)
神宮球場
勝ち点奪取に向け負けられない「血の法明戦」第2ラウンド。法大は先発に長谷川を立て必勝態勢で臨んだ。序盤に毛利のリーグ戦初アーチと鎌倉のスクイズで2点を先行するも、1点差に迫られ迎えた5回。2本の本塁打を浴び逆転をされてしまう。長谷川は5回途中6失点で降板し、3番手の熊谷も9回に失点と頼みの投手陣が打たれしまう。打線は6回に舩曳の2ランで反撃するも時すでに遅し。連敗を喫し開幕カードは勝ち点逸で終わった。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
明 大 | 0 | 0 | 1 | 0 | 5 | 0 | 0 | 0 | 3 | 9 | 12 | 2 |
法 大 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 4 | 8 | 0 |
(明大)〇水野(1勝)、石毛、入江、高橋、斉藤-橋本
(法大)●長谷川(1敗)、落合、熊谷‐鎌倉
[本塁打]毛利1号ソロ(1回=水野)、逢沢1号2ラン(5回=長谷川)、高瀬2号ソロ(5回=長谷川)、舩曳1号2ラン(6回=石毛)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 打率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (9) | 向山 | 5 | 0 | 0 | .222 | 空三振 | 空三振 | 遊ゴロ | 遊ゴロ | 空三振 | ||||
2 | (6) | 相馬 | 4 | 1 | 0 | .250 | 空三振 | 中前安 | 見三振 | 捕失 | |||||
3 | (7) | 毛利 | 4 | 1 | 0 | .333 | 右中間本① | 空三振 | 空三振 | 二ゴロ | |||||
4 | (3) | 中山 | 3 | 1 | 0 | .250 | 左中間ニ | 二飛 | 四球 | 二飛 | |||||
5 | (5) | 福田 | 4 | 0 | 0 | .143 | 空三振 | 空三振 | 遊邪飛 | 左飛 | |||||
6 | (8) | 舩曳 | 4 | 3 | 2 | .625 | 左中間ニ | 三ゴロ | 左越え本② | 右前安 | |||||
7 | (4) | 川口 | 2 | 0 | 0 | .000 | 一犠 | 二ゴロ | 遊ゴロ | ||||||
H | 小林 | 1 | 1 | 0 | 1.000 | 左前安 | |||||||||
8 | (2) | 鎌倉 | 2 | 0 | 1 | .000 | 投ス① | 三ゴロ | 左飛 | ||||||
H | 清水二 | 1 | 0 | 0 | .000 | 見三振 | |||||||||
9 | (1) | 長谷川 | 1 | 1 | 0 | 1.000 | 遊安 | ||||||||
1 | 落合 | 0 | 0 | 0 | — | ||||||||||
H | 町田 | 1 | 0 | 0 | .000 | 左飛 | |||||||||
1 | 熊谷 | 1 | 0 | 0 | .000 | 三邪飛 | |||||||||
H | 斎藤卓 | 1 | 0 | 0 | .000 | 二ゴロ | |||||||||
計 | 34 | 8 | 4 | .275 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
長谷川 | 4 2/3 | 90 | 24 | 7 | 1 | 4 | 6 | 11.57 |
落合 | 1/3 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.00 |
熊谷 | 4 | 49 | 18 | 5 | 2 | 1 | 3 | 6.75 |
計 | 9 | 141 | 43 | 12 | 3 | 5 | 9 | 9.00 |
ベンチ入りメンバー
10 | 森(キャ4=日大三) | 27 | 中村浩(営3=多良木) | 25 | 福田(人2=大阪桐蔭) |
11 | 柏野(営1=広陵) | 32 | 宮崎(法2=宇部商) | 36 | 西山(法2=市和歌山) |
13 | 菅野(キャ3=小高工) | 2 | 川口(人3=横浜) | 8 | 清水二(法4=中京大中京) |
14 | 朝山(法2=作新学院) | 3 | 相馬(営2=健大高崎) | 29 | 舩曳(キャ2=天理) |
15 | 落合(法1=常葉菊川) | 4 | 俵積田(人4=阪南大) | 31 | 毛利(法2=愛工大名電) |
17 | 熊谷(キャ4=平塚学園) | 6 | 大崎(法4=智辯学園) | 33 | 斉藤卓(社3=大宮西) |
18 | 内沢(キャ2=八戸工大一) | 7 | 小林(法3=中京大中京 | 37 | 中山(人3=履正社) |
19 | 長谷川(経4=聖望学園) | 9 | 向山(営3=法政二) | ||
20 | 鎌倉(法3=日本文理) | 23 | 町田(社4=桐蔭学園) |
戦評
先発の菅野秀哉(キャ3)が乱れ敗北を喫した1回戦。今日勝たなければ勝ち点を落とし、10季ぶりの優勝からも遠ざかるという状況だったが、先制点を守りきれずまたも敗戦となった。
今日の先発は、昨季防御率2.52と抜群の安定感で法大の先発を勝ち取った長谷川裕也(経4)。初回から先頭打者に安打を打たれ四球を出すなどしたものの、2回までは得点を許さない。一方の打線は1回に毛利元哉(法2)のリーグ戦初本塁打で先制点を奪うと、2回裏も先頭の6番舩曳海(キャ2)の出塁から、7番の川口凌(人3)の犠打、8番の鎌倉航(法3)のスクイズで更に1点を追加。長谷川を援護する。しかし、3回に勝負強さが光る2番添田真海に中前安打で出塁を許すと、3番渡辺佳明の右前安打、今季4番に座る逢澤崚介のこの日2つ目の四球などで満塁にされてしまう。ここで、長谷川は踏ん張れずに5番越智達矢に中犠飛を打たれ1点を返される。この回は1失点でしのいだが、明大の反撃はここからだった。5回表に1番宮崎新に死球を与えたのをきっかけに、3回も点数に絡んだ添田に中前安打、渡辺佳に左中間適時二塁打、逢澤に左越え2ランと3者連続で安打を許す。越智は打ち取ったものの、6番高瀬雄大に本塁打を打たれ、この回5失点。4点を追う展開になった。6回からは、今季から抑え投手にまわった熊谷拓也(キャ4)が登板。140㌔越えの直球を中心に8回まで安定した投球を見せる。この間に打線も毎回に変わる投手に翻弄されながらも、舩曳の左越え2ランで2点を返し徐々に流れを引き寄せたかに思えた。しかし、9回。今まで攻略されていなかった熊谷が、宮崎に代わって入った稲見優樹から安打を打たれると明大打線が繋がりだす。この回だけで被安打4、3失点。この3失点が響き、流れは明大に傾く。代打で登場した小林満平(法3)などが粘り出塁したものの反撃はここまで。この日無安打の向山基生(営3)が空三振に倒れ、ゲームセットとなった。
先発投手陣が崩れ4連敗とスタートで波に乗れなかった昨季。今季もまたスタートダッシュにつまづいた。春の再来にならないよう、次の慶大戦までに、特に投手陣の立て直しを図り、この先の勝ち点を死守できるか。優勝はここにかかっている。(中西陽香)
クローズアップ
舩曳海 (初アーチを含む猛打賞の活躍 逆襲に向けて打線の火付け役になれるか)
対明大1回戦で2安打を放った舩曳海。打順が7番から6番に上がった今日の試合では、2ランを含む3安打猛打賞の活躍で再び存在感を示し、打線を盛り上げた。
2回までに2点を奪った法大打線だが、3回以降は打線の勢いがなくなり5回までを全て三者凡退に抑えられていた。迎えた6回、2死二塁の場面。打席に向かったのは舩曳。「左投手に代わったので、開かずにしっかりと振りぬこう」という意識でいたという。フルカウントからの6球目、振り抜いた打球は逆方向の左翼席へ。それまでの嫌な雰囲気を払拭するかのような本塁打だった。 舩曳が好ムードを演出したのはこの回だけではない。2回と9回、ともに先頭打者として安打を打ち出塁。2回には後続が犠打やスクイズを成功させ1点を追加。9回は得点には結びつかなかったものの、代打・小林満平(法3)の安打などで三塁まで走者が進んだ。「先頭の打席が多かったので僕が塁に出てチャンスを広げられればいいと思っていた」その言葉通り、今日の試合では舩曳が塁に出ることでいい打線の流れをつくることができていた。
今季に入ってまだ2試合目だが舩曳からは頼もしさを感じ、より一層成長しているのが伺える。巻き返しに向けて、この男の活躍は欠かせない。(渡辺詩織)
監督・選手コメント
青木久典 監督
ー勝ち点を失いました
始まったばかりですが、残念で悔しいですね。
ー長谷川選手も期待を裏切る投球となりました
ずっといい形で来ていましたけど、無用なプレッシャーがあるのかあの5回だけですよね。彼なら踏ん張ってくれると思いましたけど、誤算でした。
ー明大は左打者を並べる打線を組んできました
やられたと言えばそうかもしれないですけど、うちも想定しながらバッテリーは一応テーマも持ってやってきましたけどね。それ以上に明治さんの打線が初球から攻めてくるところで長谷川もちょっとコントロールが狂ってしまってきたというところですね。
ー熊谷選手も失点してしまい、期待されてた「三本柱」が崩れてしましたが
この2戦に関しては投手陣がね、中々機能しなかったので逆に悪いところははっきりしている訳ですから慶応戦までチェックしながら迎えたいと思います。
ー明大打線は5試合連続二桁安打となりました
破壊力があるとは思わないですけど、粘りあるというのでしょうか、やらしく徹底してくるのはありますね。
ー初回に毛利選手のリーグ戦初本塁打について
よく2ボールから打ったと思います。期待通りに今のところは応えてくれていると思います。
ー舩曳選手の本塁打は逆方向への当たりでした
彼は逆方向でもしっかり振ると打球が飛ぶ打者なので、よく左投手から打ったと思います。
ー舩曳選手は昨季に比べ安定感で出てきたと思います
成長がしてきていると思いますね。これから分析されて厳しいコースをつかれてきますから対応してもらいたいと思いますけど。
ー打線は目標の5得点とはなりませんでした
チャンスはあるわけですからね。そこでやっぱり3回の場面で4番が最低でも犠牲フライを打ってくれるともうちょっと流れが変わってきていると思いますけど。彼も必要以上に力んでいるのでね。そこをもう一度修正させたいなと思います。
ー今カードでは川口選手、中山選手が精細を欠きました
中軸を張ってる人間はここというところで打点をあげてもらいたいのですがね。でもオープン戦もしっかり結果を出してる訳ですから、そこはちょっとのところだと思いますので慶応戦からやってくれると信じてます。
ー森(龍馬,キャ4)選手の離脱についてはチームに影響もあると思います
ないと言えば嘘となりますね。彼がベンチにいるよりもグラウンドでリーダーシップを取れば違うでしょうね。ただそういうことも見据えながらチームを作ってきたので今の他のメンバーも遜色ないと思います。
ー慶大戦に向けて投手陣の復活が不可欠だと思います
ちょっと投手陣が踏ん張ってもらいたいなと思いますね。やはり3点までには抑えてもらわないとね。しんどくなってきますから。
ー先発陣や打線のてこ入れの可能性は
状態のいいものを上げようかなとは思ってます。後は結果が出てない者に関しては違う人にチャンスを与えようかなとも思いますし、それはちょっと考えたいなとは思います。
ー慶大戦のキーマンは
投手陣全員じゃないですかね。
ー慶大戦への意気込みをお願いします
下を向いててもしょうがないので、まずは勝ち点を取る為に万全な状態で臨みたいと思いますし、しっかり勝ちたいと思いますので、応援よろしくお願いします。
舩曳海 外野手
-今日の試合を振り返って
悔しいの一言です。
-猛打賞の活躍でした
僕の場合はそんなに打つバッターではないので、一打席一打席を大事にした結果、3本ヒット打てたのでよかったと思います。
-本塁打を打った場面は点差が開いていましたがどんな気持ちで打席に向かいましたか
左ピッチャーに代わったので、開かずにしっかり振りぬこうという意識でいました。
-打った瞬間は
風でホームランになったと思うのですけど、結果ホームランになったのでよかったです。
-前の試合に続き打撃が好調ですが要因は
特に何も変わったことはしていないです。
-舩曳選手が先頭で出塁すると後の打線も続くイメージがありますが
前の試合もそうだったのですけど、先頭の打席というのが多かったので僕が塁に出て、チャンスを広げられればいいなという感じではいました。
-チームの状態は
バッティングの方はそんなに悪くはないと思うので、しっかり守って、そのリズムをバッティングにもつなげていきたいなと思います。
-次の試合への意気込みをお願いします
慶応戦ではしっかり自分たちの野球をして、一戦一戦しっかり戦っていきたいと思います。
毛利元哉 外野手
―今日の試合を振り返って一言お願いします
自分は初めてホームラン打てたので嬉しいというのはありますけど、結果負けてしまったので。明治に負けたということで、勝ち点1が減ってしまったので、それ以外は落とさないようにこれから頑張ろうかなと思います。
―昨日は緊張したと仰っていましたが
今日はそんなに緊張とかはしてなくて。しかも右ピッチャーで自分的には相性がよかったので、結構最初から積極的にいこうとしました。
―その積極さからの本塁打だったんですね
はい、そうですね。
―毛利選手からみた今のチームはどんな印象ですか
2年生が活躍しているというのもありますけど、チャンスの時にかなり凡打が多いので、打撃陣としてはそこがダメなのかなと思いますね。
―次の慶大戦に向けて意気込みをお願いします
慶応だけでなく、これから先のリーグ戦で負けることはできないので、一戦必勝と言いますか、1つも落とさないように取り組んでいくというか、全力でいかなければいけないかなと思います。
フォトギャラリー
- 悔しい登板となった長谷川
- リーグ戦初アーチに喜ぶ毛利
- 中山は安打を放つも、得点圏では不発に終わった
- 今季初登板の熊谷
- 本塁打を放つ舩曳
- 福田は連日の5番起用も安打は生まれなかった
- 持ち前の俊足で相手の失策を誘い出塁した相馬
- 小林は代打で登場し、今季初安打を放った