【サッカー】全日本大学サッカー選手権 準決勝 法政大1-1(PK:4-2)関西大 主将・関口亮助のPKストップで死闘を制す! 法大史上初の夏冬2冠まであと一つ!
全日本大学サッカー選手権 準決勝 法政大-関西大
2017年12月21日(木)
NACK5スタジアム大宮
準決勝はNACK5スタジアム大宮で行われた。ディサロ燦シルヴァーノ(経3)がPKを決めて先制に成功するも、前半終了直前に同点ゴールを献上。結局120分間でも決着がつかず、決勝の切符はPK戦での結果に委ねられた。2人が外した関大に対し、法大は4人全員が成功。総理大臣杯に続く快進撃で決勝進出を決めた。
試合結果
トータル試合結果
1 法政大学 |
1 | 前半 | 1 | 1 関西大学 |
---|---|---|---|---|
0 | 後半 | 0 | ||
0 | 延前 | 0 | ||
0 | 延後 | 0 | ||
4 | PK | 2 |
試合スタッツ
時間 | 経過 | 大学 | 選手名 | 得点経過 |
---|---|---|---|---|
35分 | 得点 | 法政大学 | ディサロ燦シルヴァーノ | 1-0 |
45分 | 得点 | 関西大学 | 加賀山泰毅 | 1-1 |
50分 | 交代 | 法政大学 | 高木→黒崎 | |
66分 | 交代 | 法政大学 | 青柳→松澤 | |
74分 | 交代 | 法政大学 | ディサロ→上田綺 | |
92分 | 交代 | 法政大学 | 森→清谷 | |
94分 | 交代 | 法政大学 | 末木→鳥居 |
スターティングメンバー
背番号 | ポジション | 選手名 | 学部・出身校 |
1 | GK | 関口亮助 | 経済4・浦和レッズY |
2 | DF | 武藤友樹 | 社会4・八千代高 |
4 | DF | 森岡陸 | 現福1・ジュビロ磐田Y |
5 | DF | 加藤威吹樹 | 経済2・サンフレッチェ広島Y |
30 | DF | 高木友也 | 経済1・法政第二高 |
13 | MF | 末木裕也 | スポ健2・ヴァンフォーレ甲府Y |
24 | MF | 大西遼太郎 | 社会2・ジュビロ磐田Y |
8 | MF | 紺野和也 | 現福2・武南高 |
9 | MF | ディサロ燦シルヴァーノ | 経済3・三菱養和SCY |
29 | MF | 森俊貴 | 情科2・栃木SCY |
11 | FW | 青柳燎汰 | 現福3・前橋育英高 |
サブメンバー | |||
---|---|---|---|
12 | GK | 吉田舜 | 社会3・前橋育英高 |
19 | DF | 鳥居俊 | 理工1・東京ヴェルディY |
22 | DF | 黒崎隼人 | 経済3・栃木SCY |
26 | DF | 藺藤子龍 | 現福3・横浜FCY |
10 | MF | 上田慧亮 | 現福4・前橋育英高 |
14 | MF | 長谷川元希 | 現福1・大宮アルディージャY |
27 | MF | 清谷陸 | 経済4・広島皆実高 |
18 | FW | 松澤彰 | 現福2・浦和レッズY |
20 | FW | 上田綺世 | スポ健1・鹿島学園高 |
マッチレポート
全日本サッカー選手権準決勝、対戦相手の関大は2回戦で明大、準々決勝では順大を撃破。ダークホース的存在として勝ち上がってきたチームだ。
前半、法大は関大の攻撃陣に苦しめられる時間が続く。6分、中盤でのレイオフから加賀山泰毅が裏へ走るが、内側に絞ったDFラインのカバーリングで防ぐ。関大は竹下玲王を頂点に、バイタルエリアを浮遊する加賀山、絞り目の位置でプレーする両サイドハーフが近い距離でボールに関与し、近距離でのコンビネーションからゴールに迫る。
前半も10分が経過し、法大もチャンスを作り始める。14分、末木裕也(スポ2)のCKを加藤威吹樹(経2)が折り返すが味方には繋がらず。その直後には高い位置で大西遼太郎(社2)がボールを奪ってショートカウンター。フリーでボールを受けた青柳だったが、トラップが流れシュートまでには至らない。
関大の徹底されたプレッシングや球際の争いでやや後手に回った法大。前からプレッシングを試みる場面もあったが、関大の設計された動きを前にハメきれず、なかなか良い時間帯を作り出せない。それでも、コンパクトな関大陣形を逆手に取り、引き付けてからの大きな展開でチャンスメイク。前半も中盤に差し掛かり、左サイドバックの高木友也(経1)が高い位置に進出する場面も増える。
そして35分、待望の先制点をゲット。末木のクロスが相手のハンドを誘い、そのPKをディサロ燦シルヴァーノ(経3)が確実に決めた。勢いづいた法大は39分にも右サイドバックの武藤友樹(社4)が自ら奪って惜しいシュートを放った。このまま1点リードでハーフタイムを迎えたかったが、前半アディショナルタイムに試合は振り出しに。中央を切り崩されると、加賀山泰毅に左足で決められ、1-1の同点で前半を折り返した。
後半立ち上がりには、CKから立て続けに決定機。末木のボールを大西、森岡陸(現1)が共に頭で合わせたが勝ち越しならず。均衡した状況を打破するため、長山一也監督は松澤彰(現2)と上田綺世(スポ1)を連続して投入。2トップをそのまま入れ替え、彼らをターゲットにサイドからのロングボールを増やして得点を狙いに行く。
しかし79分、この試合最大のピンチを迎える。相手の長いボールに対して森岡が入れ替わられ、抜け出した竹下が関口亮助(経4)と1対1に。ゴール右隅を狙ったシュートは、関口が僅かに触りポストに直撃。こぼれ球も加藤がブロックし、何とか脱した。法大は押し気味に進めるも大きなチャンスは作れず、関大はカウンターやセットプレーから決定機を作った。後半アディショナルタイムにも、左CKからヘディングシュートを浴びたが、これもポストに助けられた。結局1-1のまま延長戦に突入する。
法大は右サイドの紺野和也(現2)が再三個人技で右サイドを突破。延長戦になってもスピードは衰えず、疲れを見せる相手を尻目にその脅威は増していく。延長後半には右サイドバックの武藤とのコンビネーションなどでゴール前まで迫るが、あと一歩の所で得点を奪えない。115分には黒崎隼人(経3)のCKからチャンスを作り、ゴール前で上田綺がシュート。直後には、途中投入の清谷陸(経4)が相手GKと1対1の好機を迎えたが、これも決まらず、PK戦にて決着をつけることとなった。
共に2本ずつを成功し、迎えた関大3本目を関口がセーブ。後攻の法大は3人目の加藤が成功すると、関大は直後のキックを枠外に飛ばし失敗。法大4人目の上田綺がキッチリと決めて勝負あり。死闘を制し、流通経済大との決勝戦に駒を進めた。(下田朝陽)
選手コメント
関口亮助
ー今日の試合を振り返って
自分たちが押される時間帯が多かったですが、自分たちの強さである粘り強さというところで守って、カウンター攻撃をする、という流れを続けられた結果、勝つことができたのだと思います。
ー後ろから見ていてチームはどうでしたか
自分たちは夏の全国大会で優勝していて、そこで皆自信を持ってやれていたので、後ろから見ていて心強かったです。
ー最後に自身のプレーでチームを救いました
ポストに当たったりして、運もあったと思います。相手が駆け引きをしてきたのですが、最後までボールを見ることができて、触ることができたのだと思います。
ー決勝の相手は流通経済大ですが、どのような印象ですか
自分が一年生の頃、大臣杯の決勝で当たって、その時は1-2で負けてしまい、全国大会の決勝は勝たないと意味がないな、ということをその時に思いました。相手は強いですが、絶対に勝ちたいと思います。
ーこれで2冠に王手となりました
法政はまだ2冠をとったことがないので、自分たちが法政に新しく歴史を作るんだと。皆にも言っていますし、本当に絶対に勝って2冠をとりたいです。
(ーここまでテレビ取材ー)
ー失点シーンは
相手の攻撃は前に速く、ディフェンスが競った後を狙っていて、その競った後のボールを拾われて、思い切りよく足を振られてやられてしまいました。バウンドしてたんですけど、タイミング良く打たれてしまいました。
ー失点を踏まえて後半からの修正点は何かありましたか。
中盤の戻しだったり、ディフェンスが真ん中にクリアしてしまっていたりという場面が多くあって、そこに相手が集まってしまっていたので、しっかり狙ってクリアするということを徹底しようと話をしました。
清谷陸
―試合を振り返って
試合に入る時は引き分けの状態で、自分が決める思いを持って試合に入りました。結果として自分の力で点を決めることはできなかったですけど、やるべきことを意識してプレーできました。
―監督からの指示は
思い切ってプレーしろという部分と、後は自分の得意なプレーを出してくれってことは言われました。そういったプレーは徹底してやりました。
―試合を通して関大への印象は
速かったり、球際も強くて、今まで対戦してきた関西のチームとひと味違ったなという印象でした。その中でも自分たちも球際であったり、切り替えの部分を武器にしていたので、そういった面でも僕らの方が上だったのかなと思います。
―4年生としてこの大会への思いは
それはもちろんあります。自分自身、この法政のサッカー部で培ってきたプレーというのを徹底してやることを意識してしました。もちろん(出られなかった)4年生の気持ちも込めてプレーしました。
―PK戦で勝利が確定した時、真っ先に仲間のもとへ走っていく姿が印象的でしたが
存在感をだせてよかったです。
―決勝の相手は関東勢の流経大ですが、相手の印象は
自分としては、流経大に対して得意意識があります。最後なので、試合に出る機会があれば自分の得点で試合を決められればと思います。
―決勝に向けて
今チームの雰囲気もすごくいいので、このままの勢いを維持していきながら、かつ自分たちがやるべきことは徹底していきます。みんな優勝しか考えてないので、優勝目指していきたいと思います。
末木裕也
ー試合を振り返って
相手が勢い良くプレーしてくるのは分かっていました。ただ自分たちも総理大臣杯で優勝していますし、そういった部分では負けたくなかったので勝てて良かったです。結構セカンドボールを拾われたりしていて、苦しい時間帯も長かったです。でもそこで立て直せたのが負けなかった要因だと思います。
ー最近は末木選手のCKから決定機が生まれていますが
結構中の人と合ってきたなと感じます。実際に得点にも繋がっているので、僕自身も手応えはあります。(今日も点に繋がりそうな場面がありましたが)どれか決めてくれれば3試合連続でアシストとなったと思うので、そこは少し悔しいですね。
ー昨季とは違うポジションでの出場かと思いますが
元々はボランチの選手で、法政に入ってからサイドハーフになりました。でもサイドハーフでは全然試合には絡めなくて。今シーズン入ってもう一回ボランチに転向して、それなりに試合に絡めるようになりました。
ーチャンスを掴んだキッカケは
その時チームの調子が悪くなかったというのはあると思います。当時、たまたま自分が調子が良くて、それでチャンスを貰えました。なのでどこかをアピールしてというよりも、チームが悪い時に試合に出られるようになって、今に繋がっているかなと感じます。
ーこのチームで戦う最後の大会ですが
チーム全体がすごく仲良いです。一体感もありますし、それがこういった短期決戦では結果に出ている要因だと思います。僕は4年生が大好きです。4年生のためにと思って試合に臨んでいますし、4年生に恩返ししたいという思いが一番大きいですね。
ー決勝戦への意気込みを
勝って優勝しないと意味がないと思っています。絶対に優勝して、監督やスタッフ、支えてくれた保護者など全員に恩返しできればと思います。
森岡陸
ー試合を振り返って
関西大は準々決勝でやったびわこ大のようにしっかりやってくるチームだと聞いていたので、前からどんどんプレスをかけてレレくん(ディサロ)とかやぎくん(青柳)だったりにボールを当てようという話をしていました。早い時間に先制できて、そのあとワンチャンスで決められてしまいましたが、そのあとはしっかり守備できて失点しなかったので良かったと思います。
ー過密日程の中、全試合でフル出場を果たしていますが
総理大臣杯のときは中1日だったので、それに比べれば大丈夫かなと思います。
ー競り負けるシーンはほとんどありませんでしたが
そうですね。今日も準々決勝も1回も競り合いでは負けていなかったと思います。このチームに入ってそこは自信のある部分になりました。
ー後半終了間際に背後を取られるシーンがありました
あのシーンで、足首がもともと痛かったのですが、足首をひねってしまいました。ジャンプして着地をするときにひねってしまって、やられましたね。
ー決勝に影響はなさそうですか
大丈夫です。
ー決勝に向けて
試合中も、ずっといぶくん(加藤)が「4年生の想いも背負って」と言っていたので、それが今日もつながって良かったです。4年生とやるのは次が本当に最後なので、嬉し涙で終わりたいです。
フォトギャラリー
- 高木は持ち味の攻撃を出し切れず
- 高精度のCKでチャンスを作った末木
- 武藤は再三サイドを駆け上がった
- 紺野はそのドリブルで会場を沸かせた
- 途中出場でチャンスに絡んだ清谷
- 松澤は3戦連発とはならず
- ディサロがPKを決める
- 決勝では法大史上初の2冠をかけて戦う