• HOME
  • 記事
  • 陸上
  • 【陸上競技】第50回全日本大学駅伝対校選手権関東学生連盟推薦校選考会 いざ2年連続の伊勢路へ! エース坂東復活の走り&『山の神』コンビ躍動で予選トップ通過!!

【陸上競技】第50回全日本大学駅伝対校選手権関東学生連盟推薦校選考会 いざ2年連続の伊勢路へ! エース坂東復活の走り&『山の神』コンビ躍動で予選トップ通過!!

陸上

【陸上競技】第50回全日本大学駅伝対校選手権関東学生連盟推薦校選考会 いざ2年連続の伊勢路へ! エース坂東復活の走り&『山の神』コンビ躍動で予選トップ通過!!

第50回全日本大学駅伝対校選手権関東学生連盟推薦校選考会
2018年6月30日(土)
浦和駒場スタジアム

 雨で高速レースが展開された昨年とは打って変わり、強い西日が照りつける猛暑の中で迎えた今大会。2大会連続で予選通過を狙った法大は、1組目から坪井、増田が1桁順位に食い込み波に乗ると、3組目では不調が囁かれていたエース坂東が貫録の1位フィニッシュ。更には箱根駅伝でその名を轟かせた青木、佐藤両『山の神』が各校のエースが集う最終組でトップ争いを演じ、見事予選をトップで通過した。

※選手コメントは こちら

 G4A5129 R
学生オリンピアン・塩尻(順大)等とトップ争いを演じた佐藤

試合結果

総合成績

順位 大学名 総合記録
1位 法大 4時間06分08秒63
2位 國學大 4時間06分20秒02
3位 城西大 4時間06分50秒86
4位 明大 4時間07分14秒01
5位 帝京大 4時間07分23秒33
6位 日体大 4時間08分18秒59
7位 順大 4時間08分47秒52
8位 日大 4時間08分52秒78

予選通過校のみを掲載

個人結果

選手名 記録 順位
1 坪井慧 31分04秒01 4着
増田蒼馬 31分04秒25 5着
2 岡原仁志 31分09秒89 3着
松澤拓弥 31分18秒24 12着
3 坂東悠汰 30分40秒75 1着
土井大輔 31分54秒80 35着
4 佐藤敏也 29分21秒21 4着
青木涼真 29分35秒48 6着
 

戦評

 いざ2年連続の伊勢路へ。昨年度三大駅伝全てに出場し、箱根では6位と、強豪への道を歩みつつある法大。昨年の寒中レースとは打って変わって、強い西日の照りつける浦和駒場スタジアムを舞台に決戦の火蓋は落とされた。

 1組目。法大の先陣を切ったのは、坪井慧(3)と増田蒼馬(3)。共に三大駅伝未出場ながら、イーブンペースを押し通すリズムの良さと、ラストを捲り上げる豊かなスピードを兼ね備えた法大の主力たちだ。 最初の1周が80秒、そして1000mも3分10秒前後とスローペースで始まった1組目は、その後も大きな動きはなく大集団のまま5000mを通過。坪井が時よりもどかしそうに前を伺う動きを見せたが、冷静を保ち、中団前方の位置をキープ。増田も中団後方で余裕を持って距離を踏んでいく。
 レースが動いたのは7000m付近。帝京大の遠藤が一人で抜け出し、一時は集団もやや縦長に。まだ余裕を残していた坪井、増田両者だが、「 8000m以降に出て行った選手には対応しないといけないと言われていたのですが、それまでは行かせていろと(監督から)言われていた」と増田が語るように、決して無理をせずチームプレーに徹する堅実な走りを披露。確実に1桁順位を守り、ラストスパートで他選手を振り切ると、最後には4着、5着と上々の結果に。二人のスピードランナーが後続に勢いをつけるレースを披露した。(都築慧士)

 1組目がもたらした勢いをつなげたい2組目。出場したのは岡原仁志(3)と松澤拓弥(3)だった。「最初はスローペースで中盤ペースが上がっていく傾向」と2組目のレース展開を分析していた松澤は8000㍍手前では先頭集団の一番後ろに位置するなど苦戦。しかし、最後になんとか追い上げを見せ、12位でフィニッシュした。「レース展開は読めていたのに、最後のスピードを上げたところで勝負ができなかった」とチームの本選出場が決定したなかで、個人の結果には全く満足しなかった。一方、岡原は素晴らしい結果を残した。序盤は10番手でペースをつかむと、8800㍍を超えた時点で6位集団にしがみつく。しかし、9600㍍地点では10番手と順位を落とした。ここで岡原が重点的に意識してきたスピードを上げる練習の成果が活きる。ラスト一周の緊迫した場面で、一気にギアを上げる。暑さで他選手のペースが上がらないなか、怒涛のごぼう抜き。「10位以内」を目標としていた岡原はなんと3位でゴール。目標以上の走りだった。3組目以降に余裕を与えるとともに、松澤のタイムをカバーした岡原。本選に向けていいアピールとなった。(藤原陸人)

 3組目に出場したのは、坂東悠汰(4)と土井大輔(4)。坂東はスタート直後から、すぐに先頭近くの位置を確保。前半は監督からの指示通り、終始前に出ず2番手をキープする。しかし8000mを過ぎた辺りで一気に1番手へ浮上。そのままラストスパートにも打ち勝って見事1着でフィニッシュ。エースの実力を発揮した。土井は序盤、後方でレース展開を見守っていたが中盤でスピードを上げると、3番手にまで上り詰める。しかし後半はついていけず、35着となった。(手島莉子)

 各校のエースが集う第4組。登場したのは法大の3本柱とも言われている青木涼真(3)と佐藤敏也(3)の3年生コンビ。3組目の時点で5位という高順位で、既に予選突破は狙える位置にいた法大。しかし箱根でチーム総合5位を目指すチームとしてはさらなる高みを目指していかなければならない。そこで魅せたのが佐藤と青木。3組目までとは違い序盤から高速レースとなった最終組。日本選手権で優勝を果たした塩尻和也(順大)率いる先頭集団につく佐藤。その後ろに青木がつくというレース展開。大きな順位変動がない中、9000mで仕掛けた佐藤。一時トップに立ったものの、塩尻のラストのロングスパートにつくことができず4着でフィニッシュ。10着辺りを狙っていた青木も6着でフィニッシュし、チームに大きく貢献した。2人の活躍もあり法大は1位という好成績で伊勢路への切符を手にした。レース後佐藤は「まだここは通過点に過ぎない、喜ぶのは今日だけにしてまたここから頑張りたい」と語った。佐藤と青木は既に、個人としては日本インカレ。チームとしては本戦でのシード獲得、箱根でのチーム総合5位を見据えていた。3年生ながらチームを引っ張っていく立場にいる佐藤と青木。お互いの強さを知っているからこそ、どんな時もお互い高め合い成長している。その成長が法大の更なる躍動へと導いている。(近藤のぞみ)

監督インタビュー

坪田智夫監督

―トップでの予選通過となりました
まずは目標は通過だったので、それが達成できたのが何よりです。特別にトップ通過ということは意識していなかったので、後からついてきた結果ということで受け止めています。

―レース全体を振り返って
ベストなメンバーで組めなかった時点で、苦しいレースになるのかなとは予想していました。しかし三大駅伝を経験したことのない増田だったり坪井だったりと、非常に良い走りをしてくれて。嬉しい意味での予想外も起こりましたし、他のメンバーも良く走ってくれたので、今日に限っては選手皆が頑張ってくれたのかなと思いますね。

―「ベストなメンバーが組めなかった」というのは、やはり主力の4年生の不振が要因なのでしょうか
そうですね。まず4年生全体の足並みが揃わなかったということで。箱根を走ったメンバーも春前に故障をしたり、主将の大畑も直前にけがをしてしまったりと、なかなか厳しい状況でした。

―レース前に指示などは出されましたか
特に大きな指示は出していません。最初からあまり前に出ず、15番前後で帰ってこいということくらいですね。

―そういった意味では、1、2組目は理想の試合運びだったように伺えますが
そうですね、やはり1、2組目を走った3年生4人(坪井、増田、岡原、松澤)が非常に良い走りをしてくれて。タイム差こそつかなかったのですが、やはり上位で帰ってきてくれるだけでチームというのは勢いづきますので。そういった意味ではほぼ理想通りだったと思いますね。

―不振が囁かれていた坂東選手も3組目1位と意地を見せました
坂東は関東インカレの前からなのですが、やはり状態の方がいまひとつ上がって来ないということで。昨年と比べると60%くらいの状態だったと思うので、良く粘ってくれましたね。

―一方の土井選手はやや苦しいレース運びとなりました
多少熱中症の症状が出ていたので、本当に良く走ってくれました。もともと暑いのはあまり得意な選手ではなかったのですが、やはり途中棄権となってしまうと伊勢路への道自体が閉ざされてしまうので、良く耐えてくれました。

―最終組では佐藤選手がトップ争いを演じましたが
佐藤はレース前から状態が非常に良くて。本人も「狙っていく」と言っていたのであまり気負うなよと声をかけたのですが、有言実行通りの走りはしてくれたと思います。

―3月からチーム全体に対して厳しい言葉を投げ掛けてこられましたが、今のチーム状態としては
決して良い状態ではないです。増田や坪井など新たな収穫もありましたが、やはりチーム全体を通してみてみると良くはないですよね。まず第一に4年生の足並みが揃わなかったというのが非常にまずいことなので、私も含めてチーム全員で課題を見つめ直し真剣に夏の練習に取り組まなければなと思います。

―夏に向けて
夏が箱根に向けては強化を出来る最後の時間だと思っています。加えて今年は一週間ほど伸びますので、ぼんやりと過ごすことなく、1分1秒を無駄にせず全力をもって強化に取り組んでいきます。

フォトギャラリー

    •  G4A5129 R快走を見せた佐藤
    •  G4A49192 Rラストで抜け出した坂東
    •  G4A49612 R土井は後半苦しい走り
    •  G4A4966 Rレース後取材に応じる坂東
    •  G4A5042 R青木は粘りの走りで最終組6着
    •  G4A5172 R『山の神』コンビはこの日も健在だった(左から青木、佐藤)
    •  DSC3518 R成績発表の様子

関連記事一覧