【サッカー】総理大臣杯全日本大学トーナメント二回戦 法政大1-2中京大 東海第3代表相手にアップセット許す…連覇を懸けた大会はあまりに早い幕引き
総理大臣杯全日本大学トーナメント二回戦 法政大ー中京大
2018年9月3日(月)
ヤンマースタジアム長居
前回大会王者として連覇を狙う法大の前に立ちはだかったのは、東海第3代表の中京大。開始早々に得点を許すと、失った流れを取り戻すことができず、1-2で敗戦。早々に大会から姿を消すこととなってしまった。
試合結果
トータル試合結果
1 法政大 |
1 | 前半 | 1 | 2 中京大 |
---|---|---|---|---|
0 | 後半 | 1 |
試合スタッツ
時間 | 経過 | 大学 | 選手名 | 得点経過 |
---|---|---|---|---|
13分 | 得点 | 中京大学 | 大城佑斗 | 0-1 |
17分 | 得点 | 法政大学 | 青柳燎汰 | 1‐1 |
HT | 交代 | 法政大学 | 飯島→ディサロ | |
HT | 交代 | 法政大学 | 服部→長谷川 | |
59分 | 交代 | 法政大学 | 長倉→末木 | |
73分 | 交代 | 法政大学 | 青柳→田中 | |
79分 | 得点 | 中京大学 | 辻泰志 | 1-2 |
80分 | 交代 | 法政大学 | 長谷川→森 |
スターティングメンバー
背番号 | ポジション | 選手名 | 学部・前所属 | 成績(出場・得点) |
1 | GK | 吉田舜(cap) | 社会4・前橋育英高 | 1・0 |
23 | DF | 関口正大 | 現福2・新潟明訓高 | 1・0 |
4 | DF | 加藤威吹樹 | 経済3・サンフレッチェ広島Y | 1・0 |
2 | DF | 森岡陸 | 現福2・ジュビロ磐田Y | 1・0 |
14 | DF | 高木友也 | 経済2・法政第二高 | 1・0 |
5 | MF | 大西遼太郎 | 社会3・ジュビロ磐田Y | 1・0 |
6 | MF | 長倉颯 | 経済4・横浜FMY | 1・0 |
8 | MF | 紺野和也 | 現福3・武南高 | 1・0 |
15 | MF | 服部剛大 | 社会2・横浜FCY | 1・0 |
25 | MF | 飯島陸 | 経済1・前橋育英高 | 1・0 |
10 | FW | 青柳燎汰 | 現福4・前橋育英高 | 1・1 |
サブメンバー | ||||
---|---|---|---|---|
44 | GK | 山岸健太 | 経済3・前橋育英高 | 0・0 |
19 | DF | 鳥居俊 | 理工2・東京ヴェルディY | 0・0 |
22 | DF | 黒崎隼人 | 経済4・栃木SCY | 0・0 |
9 | MF | ディサロ燦シルヴァーノ | 経済4・三菱養和SCY | 1・0 |
13 | MF | 末木裕也 | スポ3・ヴァンフォーレ甲府Y | 1・0 |
26 | MF | 田中和樹 | 社会1・浦和学院高 | 1・0 |
11 | MF | 森俊貴 | 理工3・栃木SCY | 1・0 |
16 | MF | 長谷川元希 | 現福2・大宮アルディージャY | 1・0 |
18 | FW | 松澤彰 | 現福3・浦和レッズY | 0・0 |
マッチレポート
関東の雄として総理大臣杯に臨む橙色の選手たちが描く青写真は、もちろん優勝、総理大臣杯連覇の勲章だ。昼間の酷暑を避けるような時間に始まったこの試合、頂点への足取りに弾みをつけたい法大は中京大学を相手に迎えた。
序盤から一進一退の攻防が展開される。6分に左サイドでのスローインからペナルティエリア付近で連動した崩しを見せ、中央寄りに位置していた紺野和也が落としのボールをスルー。背後から上がって来た関口正大がダイレクトで強烈なシュート。しかしこれは枠を捉えきれない。均衡した試合の流れを変えたのは一瞬の出来事だった。13分、中京大の選手が左からアーリークロスをDFとGK間に送り込むと、抜け出した中京大学のFWに決められ、先制点を献上する。不安定な立ち上がりの急な失点だった。しかし法大の選手たちは下を向かなかった。17分、ペナルティエリア内のハイボールを青柳燎汰が頭で押し込み、試合を振り出しに戻す。この後も両チームともにチャンスを作るが、得点には至らず。勝負は後半戦へ突入する。
後半開始と同時に、法大はディサロ燦シルヴァーノ、長谷川元希、13分には末木裕也を投入し、攻撃の活性化とバランスの調整を図る。対する中京大も選手を投入し試合に変化を付けようとする。勝ち越しを狙う法大だったが、試合の流れは中京大に傾き始める。投入したディサロを中心に攻撃の糸口を探るが、ラスト30メートルでのアイデア不足に苦しみ、普段は崩しの切り札として輝く紺野も精彩を欠く。「球際に強さがなかった」。DFリーダーの加藤威吹樹が話す通り、手詰まりな攻撃とともに守備も安定さが見られなく、セカンドボールやルーズボールの処理にもたつき、危険なシーンが散見された。
そしてついに試合の最終局面で不安は的中し、戦いに終止符が打たれる。79分、ペナルティアークやや後ろから相手選手の打ったミドルシュートはバーを直撃する。あわや勝ち越し弾。肝を冷やしたがほっと胸をなでおろす。しかし、跳ね返ったボールは、ちょうどシュートした選手のもとへ。これをまたもシュートすると、ボールは無情にもゴールに吸い込まれ、ネットを揺らした。あまりに衝撃的、また時間帯と状況も相まって、非常に重い1点となった。この後に森俊貴を投入し、攻撃に選手を総動員するもゴールを割ることは出来ず、連覇を狙うチームの前に敗退を決定づける長い笛がヤンマースタジアムに響き渡った。
“まさか”の敗退決定。おそらくこれを感じているのは選手たちだけではないだろう。「慢心による受け身の気持ちがあった」。「全体的に意識の点で遅れをとった」。選手たちは試合への意識の点で問題があったと語った。加えて先述したようなセカンドボールやルーズボールへの対応、またバイタルエリアの危機管理、攻撃の最後の局面の創造性。意識だけでなく攻守ともに様々な点でチームの弱点が露呈した。しかし、大きすぎる敗戦とともに、チームの見直しを図れる貴重な機会となったのは事実だ。戦いはここで終わりではない。今後もリーグ戦は続き、インカレも控えている。千里の道も一歩から。掴みかけた王者の称号を一過性のものとしないために、一回り大きくなるために建て直しを図る法大の姿から、今後も目が離せない。(磯田健太郎)
選手コメント
青柳燎汰
ーまず今日の試合を振り返って
受けに回ってしまいました。いつもはもっと自分たちからしかけて勝ってきましたが、今日はそれができなかったからこうなってしまったと思います。
ーこれまで練習試合では勝利していた相手でした。なにか今日の中京大はちがうところがあったのでしょうか。
相手がどうこうというよりも、自分たちがいつも通りのサッカーをできなかったことが敗因だと思います。
ー自身の一点を振り返って
サイドバックのしまりが甘いというのはわかっていたので、センターバックの背後やサイドバックのあいだをずっと狙っていたので、狙い通りの形だったと思います。
ー大学生活の中で最後の総理大臣杯でした
(チームに対しては)勝たせることができなくて申し訳ないですし、今まで自分は怪我をするなどして多くの人に支えられてきましたが、勝って恩返しすることができなかったことも悔しいです。
ー秋リーグがまだ残っています。これからに向けての意気込みをよろしくお願いします。
この悔しさをただ悔しいということだけで終わらせたら本当にもったいないです。この悔しさを秋リーグとインカレにぶつけていきたいです。
加藤威吹樹
-今日を振り返って
自分も個人も含めて守備が良くなかったです。いつもできていることが全然できていませんでした。
-相手は遠征の練習試合などで何度か対戦した相手だったが
僕自身はその練習試合に出場していなかったですが、チームとしては対戦したことのある相手で、そこからか負けるはずがないという慢心から受け身になってしまったと思います。
-スタメンはいつもと少し違ったが
誰が出ても勝たなくちゃいけない状況だったので言い訳にはできません。
-攻守ともに苦しかった後半の勝負を分けたポイントは
球際、ですね。ルーズボールの処理、セカンドボールの反応、そういう意識的な部分で相手より遅れていた点だと認識しています。
-今後のリーグ戦に向けて
チームとして三冠を目標にやってきたのですが、それが叶わなくなった今、残りのリーグ戦とインカレを目標に今後もまた日々やっていきたいです。
フォトギャラリー
- 同点弾を記録した青柳
- 飯島は前半で交代となった
- 長倉は久々の先発入り
- ディサロは最後まで攻めの姿勢を見せた
- 最後の切り札として投入された森
- 紺野は持ち味を発揮できず
- 試合後の選手たち