【準硬式野球】東京六大学準硬式野球春季リーグ戦 対明大1回戦 1年生ルーキー粘投も、関東選手権王者明大にまたしても敗戦…明暗を分けたのは試合の『流れ』。2回戦で雪辱を誓う
東京六大学準硬式野球春季リーグ戦
対明大1回戦
2019年4月13日(土)
立川市立川公園野球場
東京六大学準硬式野球春季リーグ戦が開幕した。法大の開幕カードは、3月に行われた関東地区学生選手権(関東選手権)で優勝を飾った明大。法大は関東選手権2回戦で3-4と接戦の末敗退。再出発を図り、気持ち新たにリーグ戦へ挑んだ。しかし、春翔一朗(経1)の粘投も打線が好機をものにできず敗戦。今季初勝利はならなかった。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
明大 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | 6 | 7 | 1 |
法大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 8 | 3 |
(法大)●春、小野寺−乘松、堀尾
(明大)○高島、石崎-武田
二塁打:堀江(1回)、土倉(4回)
盗塁:堀(7回)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手名 | 出身校 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 | 打率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (5) | 堀江悠介(経2) | 健大高崎 | 4 | 2 | 0 | 0 | .500 |
2 | (6) | 大石智貴(経4) | 静岡 | 4 | 2 | 0 | 0 | .500 |
3 | (9) | 佐々木勇哉(社4) | 花巻東 | 4 | 0 | 0 | 0 | .000 |
4 | (3) | 土倉徳(社4) | 遊学館 | 4 | 1 | 0 | 0 | .250 |
5 | (4) | 鎌田航平(社3) | 鳴門 | 4 | 1 | 0 | 0 | .250 |
6 | (7) | 堀皓貴(社4) | 鳴門 | 4 | 1 | 0 | 0 | .250 |
7 | (8) | 中川大輔(社3) | 日大三 | 4 | 0 | 0 | 0 | .000 |
8 | (2) | 乘松幹太(現4) | 新田 | 2 | 0 | 0 | 0 | .000 |
2 | 堀尾浩誠(社1) | 報徳学園 | 1 | 0 | 0 | 0 | .000 | |
9 | (1) | 春翔一朗(経1) | 静岡 | 2 | 1 | 0 | 0 | .500 |
PH | 南大貴(営3) | 法政二 | 1 | 0 | 0 | 0 | .000 | |
1 | 小野寺貴一(経2) | 川越 | - | - | - | - | - |
投手成績
回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 自責点 | 防御率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
春 | 8 | 7 | 3 | 2 | 6 | 6.75 |
小野寺 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.00 |
戦評
まさかの関東選手権初戦敗退の悲劇から3週間。再出発を図る法大ナインは、くしくも関東選手権で苦汁をなめた明大を初陣に迎えた。
勝負を分けたのは試合への入り方だった。先発のマウンドに登ったのは春翔一朗(経1)。開幕投手に据えられたルーキーは制球が乱れる場面もありながら、初回をなんとか抑える。その裏、1番打者に抜擢された堀江悠介(経2)が“機動破壊”を体現するような左翼線への2塁打で出塁すると、2番大石智貴(経4)の一塁方向への犠打の打球に投手が追いつかず内野安打に。無死一、三塁の好機を試合序盤に演出する。しかし、続く佐々木勇哉(社4)、土倉徳(社4)、鎌田航平(社3)の中軸が凡退。先制の絶好機を逃したことにより、一塁側ベンチに嫌な空気が漂う。
法大が自ら生んだ悪い流れに、明大の隙のない野球が襲いかかる。3回表、明大の攻撃は、先頭打者を三塁堀江の失策で出塁すると、内野ゴロと四球、中前打と遊直で2死満塁。ここで迎えた5番打者へ投じた3球目は、三遊間をゴロで破る左前2点適時打に。好機をふいにした法大とは対照的に、明大が的確な攻撃で先制に成功する。続く5回にも失策で出塁した走者を犠打で送り、バッテリーミスで走者を進め、3番打者の中前適時打で1点を加える。好投を続ける明大の先発投手に対して、現在の法大の打線には大きすぎる3点のビハインドを背負い試合を折り返す。
3点を追う法大の攻撃は7回裏、2死から主将堀皓貴(社4)が安打で出塁するとすかさず二塁へ盗塁、この二塁への送球が逸れ、2死三塁に。すると今度は投手の暴投により堀が生還。堀一人とバッテリーミスで1点を返す。このまま流れをつかみたい法大だったが、後続は凡退。8回表には先頭打者を四球で出塁させた後、連打、スクイズ、失策で3点を奪われ、裏の攻撃では2死から好機を作るもあと1本が出ない。9回表から登板した小野寺貴一(経2)が直球中心の力強い投球を見せるも、攻撃では目立った好機を作り出せず、最後の打者の中川大輔(社3)の高々と上がった打球は、左翼手の手に収まり試合終了。春を運んできた新星に勝ち星は輝かず、雪辱を果たすと望んだ対明大のカード1戦目は黒星発進となった。
(記事:磯田健太郎、写真:村井美咲)
桜散るマウンドに開幕投手として立った春
選手インタビュー
乘松幹太(昨季に続き今季も正捕手として活躍に期待)
-今日の試合を振り返って
先発が公式戦初登板の春だったので、僕を中心に盛り上げたかったのですが、初回のチャンスをモノにできずに彼に負担をかけてしまったかなと思います。
-明大の印象は
脚や小技を絡めながら中軸打者にも力があって、打線に切れ目がないイメージですね。
-春投手が初先発だったが特徴やリードで意識したことは
丁寧な制球の良さが彼の持ち味だと思うので、その良さを殺さないようにコースを突く配球を意識しました。
-勝負を分けたポイントは
初回の攻撃に尽きますね。試合の中で何度か好機はありましたが、序盤のあそこを仕留められなかったのが大きかったですね。
-8回のピンチでマウンドに行ったがどのような言葉を投手にかけたか
「低めのショートバウンドは僕が止めるから思い切って低めに」とは言いました。あとは「周りの先輩たちが捕ってくれるからどんどんこい」と言って負担を減らすことを心がけました。
-チームは3失策、扇の要としては
例年の法大では取られても取り返せるチームでしたが、今のチームはそうではないと思っています。全員のポテンシャルや能力の高さはあると思いますが、現段階ではそれが結果に出ていなくて、1-0で勝つような戦いをしなくてはならないようなチーム状況なので、そのためにはミスは絶対にできないと感じています。明日からチーム全体が急に変われるわけではないですが、今後は改善していきたいです。僕自身今日ミスを一つしてしまったのであまり言えませんが。
-チームの調子は
選手個人の調子は悪くないです。安打の数も明大と遜色はないですし、野手も守備でいいプレーを見せています。しかし、やはりそれがつながっていないのが問題ですね。いい守備があってもそのあとにミスが続いたり、走者が出ても安打で続かなかったり。そういうのはやはり”流れ”の問題なので、日頃の生活から見直したいです。
-次戦に向けてひとことお願いします
勝たないことには3戦目に続かないので、どんな形でもいいので勝利にこだわりたいですね。また、今まで勝ててきた明大相手に関東選手権から通じて負けているのは屈辱的なので、ここから2連勝してやり返したいくらいの気持ちでやっていきたいです。
土倉徳(開幕戦で4番に抜てき)
ー今日の試合を振り返って
すべての失点に失策が絡んでいるので負けるべくして負けたと言う感じです。
ー今日は4番起用のことについて
僕を中心に考えたのではなくて、どのような打順であれば上位打線に好機が回るかということを考えた結果です。どちらかと言うと空いてるところに僕が入ったと言う感じです。
ーご自身はどのような気持ちで試合に臨んだか
僕はいつも複数安打を打つことを目標にしているので、今日もそれを意識して臨みました。
ーシーズン長いと思いますがまずチームとしての今後の課題は
試合の序盤で好機で点をとれれば、投手は気楽に投げられると思うので、先取点を取ると言う事を重点的にやっていきたいです。
ーご自身の課題は
僕はやはり毎試合目標にしている複数安打と無失策を全試合達成できるようにしたいです。
ー明日の試合に向けてひとことお願いします
今日は好機で回ってきたときに1番相手に重圧を与えることができない三振をしてしまったので、明日こそはチャンス打ってやろうと思っています。
春翔一朗(1年生ながら開幕投手を務める)
-今日の試合を振り返って
大学のデビュー戦ということもあって、開幕戦ということもあって高校時代にけがをしていたこともあって大体1年ぶりくらいにマウンドに立ちました。久しぶりに公式戦で登板するので楽しんで投げようというところは実践できたのですが、実戦から離れていたので試合勘というものが鈍っていたのかな、というのが率直な感想です。
-マウンドに立ってみて
高校野球と違った緊張感や楽しみ、緊迫感が新鮮でした。開幕戦からいい経験をさせていただいてとても幸せです。
-開幕投手として起用されたことが決まったのは
(開幕で投げることは)一昨日くらいに言われたのですが、普通の投球をしていれば大丈夫だからと言われたのですが、自分の投球ができなかったというところが素直な感想です。もう少しストライク先行で投げたらまた異なる結果になっていたと思います。
-チームとしては失策も目立った試合だったが春選手が思う今後の課題は
やはり、野球という競技は先頭打者が塁に出てしまうと守備が苦しくなる特徴があると思います。しかし、守備に関しては今後の課題が明確になり、守備の連携など改善していけるのではないかと思います。
-今後どのような投手を目指していきたいか
やはり自分の持ち味はテンポの良さと、打たせて抑えることだと思っているので、その長所のレベルアップをしていくことも勿論ですが、大学野球では球速にこだわっていけたらと思います。高校時代ではそんなに球が速い選手ではなかったので、レベルアップしていきたいと思っています。
-明日に向けてひとことお願いします
明日自分の登板はないのですが、投手陣の先輩方の登板をしっかり見て勉強して次の出番まで練習していきたいと思います。
小野寺貴一(リーグ戦初登板を無失点に抑えてみせた!)
-今日の試合を振り返って
初登板で緊張しましたが、先頭打者を切ることを意識しました。
-明大の印象は
どんどん振ってくる打者が多い印象です。
-救援で登板することはいつ頃伝えられたか
試合前から準備はしておけとは言われました。9回から行くと言われたのは8回表の時ですね。
-直球中心の強気の投球が目立ったが
器用にかわせるタイプの投手ではなくて、直球で押せるのが自分の持ち味だとは思っています。
-バッテリーを組んだ堀尾(浩誠、社1)はどうだったか
練習試合で一回組んだことがありました。後輩なのでついてきてくれる感じがあって投げやすいので、こちらも引っ張ってあげる感じで投げました。
-投手陣の調子は
1年生の春が今日長いイニングを投げて、同学年の西村(勇輝、経2)も試合を作れるので、調子自体は悪くないと思います。僕の登板機会があれば後ろのイニングだと思うので、自分は終盤を締めることを頑張りたいですね。
-チームは3失策、投手から見てどうか
本来は失策が少ないチームだと思うのですが、最近は多いなと感じます。失策はもちろん無い方がいいとは思いますが、もしあったらズルズル行かないように投手陣が踏ん張りたいですね。
-今後に向けて
初登板でしっかり投げれたので、これからも準備してチームのために頑張ります。
フォトギャラリー
- 1年生ルーキー粘投も今季初勝利ならず
- 初回から安打を放った堀江
- 中川は激化する外野手争いの末開幕スタメンに抜てき
- 今季も正捕手を務める乘松
- 2安打を放った大石智
- 土倉は今季打線の要となるか
- 小野寺は最終回を無失点に抑えた
- 鎌田(左)は積極的にマウンドに駆け寄り春に声をかけた