2023年 東京六大学準硬式秋季リーグ戦 明大1回戦
2023年9月2日(土)
立川公園野球場
悔しさ残る春季リーグから3か月。4年生にとっては最後となるリーグ戦・秋季リーグが開幕した。夏合宿を終え、一層力をつけた法大ナイン。秋季リーグ優勝を掲げ、初戦の明大との対決を迎えた。昨秋は2連敗を喫した相手だったが、今試合では終始投打で主導権を握り、打線は二桁安打と絶好調。8-4で勝利を収めた!
試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
明 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 | 12 | 3 |
法 大 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 3 | × | 8 | 10 | 1 |
(明大)近藤-森本/小磯-吉原、中村/松浦、浦田-中村
(法大)藤中、古川端、河野、村越-澤野
打撃成績
打順 | 守備 | 選手、学部、学年 | 出身校 | 打席数 | 安打 | 打点 | 四死球 |
1 | (9) | 鈴木歩夢(社4) | 明星 | 5 | 1 | 1 | 0 |
2 | (5) | 唐橋悠太(経4) | 桐光学園 | 4 | 0 | 0 | 1 |
PH | 吉田大晟(人4) | 小山台 | 1 | 0 | 0 | 0 | |
6 | 菊池開斗(社2) | 花巻東 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
3 | (8) | 小原捷平(社2) | 仙台育英 | 4 | 0 | 1 | 0 |
4 | (7) | 関宮楓馬(社3) | 静岡 | 4 | 1 | 0 | 0 |
5 | (4) | 塩唐松宏将(社4) | 鳴門 | 4 | 1 | 0 | 1 |
6 | (2) | 澤野智哉(社4) | 国士館 | 4 | 0 | 1 | 0 |
7 | (6) | 栗島駆(経3) | 花咲徳栄 | 4 | 3 | 1 | 0 |
8 | (1) | 藤中壮太(社3) | 鳴門 | 2 | 0 | 0 | 0 |
PH | 高橋凌(社4) | 花巻東 | 1 | 1 | 1 | 0 | |
PR | 井岡皇雅(現3) | 健大高崎 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
1 | 古川端晴輝(社3) | 花巻東 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
PH | 和泉直人(文4) | 札幌第一 | 1 | 1 | 2 | 0 | |
PR | 森涼太(経2) | 三重 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
1 | 河野智輝(社1) | 土浦日大 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
8 | 1 | 村越仁士克(経1) | 日本文理 | 0 | 0 | 0 | 0 |
9 | (5) | 須賀椋也(現3) | 新田 | 4 | 2 | 1 | 2 |
投手成績
回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 自責点 | |
---|---|---|---|---|---|
藤中壮 | 7 | 5 | 6 | 1 | 0 |
古川端 | 1 | 2 | 2 | 1 | 0 |
河野 | 0 1/3 | 4 | 0 | 0 | 4 |
村越 | 0 2/3 | 1 | 0 | 0 | 0 |
暴投: 古川端 晴輝(8回)
盗塁: 唐橋 悠太(1回)
走塁死: 須賀 諒也(5回) 森 涼太(8回)
戦評
法大戦士の熱意と同じくらい暑くなった立川公園野球場で、東京六大学秋季リーグ戦が開幕した。
あと一歩及ばずリーグ優勝を逃した春季リーグ戦。追い込んだ夏合宿を終え、秋季リーグ戦では昨春以来の王座奪還なるか。昨秋2連敗を喫した明大との初戦に注目が集まった。
開幕戦のマウンドを任されたのは、エース・藤中壮太(社3)。走者を出す場面もあったが、要所を締めた投球で7回無失点に抑え、エースの貫禄を見せた。
一方打線は、初回に2番・唐橋悠太(経4)が四球で出塁すると圧巻の走力で盗塁を決め、1死三塁に。続く小原捷平(社2)の犠飛で先制点を挙げた。
以降は、好投手・近藤吏矩を前に打線は苦しむも、迎えた5回、開幕スタメンを飾った7番・栗島駆(経3)が左安打で出塁。9番・須賀椋也(現3)が適時二塁打を放ち、待望の追加点を挙げた。
7回には、相手投手の交代を起点に打線が爆発。主将・塩唐松宏将(社4)から安打が飛び出した他、球宴MVPに輝いた鈴木歩夢(社4)、栗島、代打・高橋凌(社4)が適時打を決め、3点を追加。
さらに8回には、澤野智哉(社4)、代打・和泉直人(文4)の適時打で3点を追加し、8-0に。計10安打の猛攻で、相手に流れを渡すことなくリードを広げた。
しかし9回、マウンドを託された河野智輝(社1)が味方失策から流れを崩すと、被安打を次々に浴び4失点。悔しさを滲ませた河野の後を任された村越仁士克(経1)は、力強い投球でアウトを重ね、追加点を許さず。8-4で法大が開幕初戦の勝利を飾った。
下位打線の活躍が光り、初戦を勝ち取った法大。『血の法明戦』を2連勝で突破できるか。明日からも法大の逆襲は続く。
(記事:田中さや、写真:関賢一)
選手インタビュー
本間隆洋監督
ー今日の試合を振り返って
8対0で終わらずに、セーフティーリードというのはなくて、楽勝で勝てないとわかった分、財産が大きかった試合でした。
ー昨秋は2連敗した明大との対決でした。まずは1勝した気持ちを
開幕戦なのでホッとしたというのが正直な気持ちです。連勝で取れるかというところで、明日の試合の重要性が問われるのですけど、やはり頭を取るとホッとします。
ー全日本選手権では、早大がベスト8、慶大がベスト4でした。その活躍を受けて
やはり悔しいですね。あのような大会で早慶の名前が出るのは悔しいです。開会式では、この結果を受けて、レベルの高いリーグだという評価がありましたが、個人的にはレベルはまだまだだぞと思っています。そんなリーグで勝ちきれなかった、法大はよりレベルが低いという話を、選手に気を引き締めてもらうためにしました。
ー春リーグ終了後には、この夏、「強い気持ちと強い体づくりを作りたい」という話がありました。この夏、チームで強化できたことは
人間力が備わったと信じています。学生が自発的に厳しいメニューを提案してくれて、特に主将・塩唐松(宏将、社4)や学生コーチ・和田(啓幹、現4)が企画立案をよくしてくれました。成功だったキャンプだと思います。
ー今リーグ戦で、打撃陣に期待したいことは
雑にならずに、バントを含めて進塁打一つ一つ、最低限の仕事でいいので、役割を果たしてほしいと思います。クリーンナップを中心に、得点を返す人など、自分の打順に課された役割をしっかり果たしてほしいです。
ー今リーグ戦で、投手陣に期待したいことは
今まで藤中(壮太、社3)、古川端(晴輝、社3)が引っ張ってきましたが、新しい戦力がでてきていないのが現実です。先ほど言ったセーフティーリードってないねっていうのは、ピッチャー陣に対しては半分皮肉で言ったつもりです。今日投げた河野(智輝、社1)、村越(仁士克、経1)は、たった1イニングでした。野手のエラーはあったものの、ピッチャーはそういうのも含めて抑える役割だと思います。ユニフォームを着ている1軍のピッチャーには厳しいことも言います。下級生のピッチャーには、藤中の負担をどれだけ軽くできるか、そこに期待したいです。
ー春リーグ後には、「秋は全勝で優勝する」とおっしゃっていました。秋リーグへの意気込みを
正直全勝は危なくなってきましたので(笑)。あまり大風呂敷を広げずに、とにかく勝ち点5を目指して、2勝1敗のペースで勝っていきたいと思います。その意味では、今日の試合は最後にああいうもつれ方をしたので、良い引き締めの材料にはなったと思います。とにかく、どんな形であれ、勝ち点5で優勝を目指したいと思います。そして法政大学が、関東王座(秋季リーグ優勝チームが参加できる大会)に進出して、「秋リーグと関東王座」という2つをとって、4年生を引退させたいと思います。
塩唐松宏将選手
ー今日の試合を振り返って
前半は相手投手が良くて投手戦が続いたのですけど、その中でコツコツ点をとって、終盤は集中打で点を積み重ねられたので良かったと思っています。
ーこの夏、チームで強化したことは
春リーグ、3位で悔しい思いをして、チーム全体で「総合力」を上げていこうと考えてきました。チーム全体の力が上がったのが、今日の結果につながったのではないかなと思います。
ー今リーグ戦で、打撃陣に期待したいことは
甘い球をどんどん打っていけば、リーグNo.1くらいの打線はあるのではないかと思います。なので、厳しい球は捨てて、甘い球をどんどん全員で振っていけたらと思います。
ー今リーグ戦で、投手陣に期待したいことは
ピッチャーは夏の練習で走り込んだりして、辛い思いも苦しい思いもしたと思うのですけど、その練習の成果はこのリーグ戦で必ず結果として出てくると思います。なので個人個人、自信を持って投げてくれたらと思います。
ー本間監督は、「秋リーグ、全勝での優勝を期待する、塩唐松ならやってくれる」と期待していました。その言葉を受けて、秋リーグへの意気込みを
本間監督には日頃から本当にお世話になっていて、厳しいことも言ってくださります。そのなかで、自分たちが結果として恩返しするのが1番かなと思うので、本間監督の目指す全勝優勝を目指してがんばりたいと思います。
藤中壮太選手
ー今日の試合を振り返って
5回まで2-0という形でちょっとしんどいかなと思いながらピッチングしてたのですけど野手陣も最後意地を見せてくれました。ピッチャーにとっても野手にとっても守りやすかったと思います。
ー自身のピッチングを振り返って
秋リーグの開幕戦ということで大事な先発を任されて、7回を0に抑えたんですけど要所要所でヒットを打たれて。先頭にもフォアボールを出したりしているのでそこは次の試合に向けての修正点だと思っています。
ー6回の守備のミスなどで作ったピンチを振り返って
今日は0点に抑えるとかではなく、ただただチームが勝つことを思って投げていました。そこは自分がコースを突いて、バッターに的を絞らせないようにすれば相手の得点に繋がらないと考えていたので、別に焦りはなかったです。
ー夏の間に取り組んだことは
ピッチャー陣が特に取り組んだことはランニングです。新潟に合宿に行ってそこで今までにないくらい走ったり、走り込みの量を増やしたりして、そこでピッチャー陣の自信に繋がりました。走り込みの意地を秋リーグで見せていきたいと思います。
ー明大戦での対策について
春リーグでは対明治戦で2戦中2回とも投げました。なので、データとか取られているかなと思っていましたが、そこは気にせず、澤野(智哉、社4)さんのリードを信じてとにかく低めに投げて、長打だけはないようにということを心掛けました。
ー秋季リーグの意気込みを
開幕戦をしっかり取れたので、まずは明日勝って、連勝したいです。そこから春の屈辱を晴らすためにしっかり連勝を重ねて優勝したいと思います。
栗島駆選手
ー今日の試合を振り返って
今日の試合は先制点取れたのと、中盤と終盤、3個の流れが来るときに点が取れたのでそれが1番の勝因かなと思います。
ー7回のタイムリーを振り返って
その打席はストレートに張ったほうが良いってキャプテンの塩さん(塩唐松宏将、社4)が言っていたので、それでまっすぐ1本に張りました。初球から良い打球が打てたので良かったです。
ー今日は3安打でしたが試合前の調子は
試合前の練習から調子は良かったので後はしっかり狙い玉を絞って打つことが大事かなと思って打席に入っていました。
ーショートの守備で心掛けたことは
守備は常に冷静にプレーしています。今日は点差があったので、攻めすぎず安定のプレーというのを意識してやりました。
ー夏に取り組んだことは
バッティングだったら下半身を使ってスイングすることでスイングスピードを上げて距離を伸ばすこと、守備だったらスローイングも下半身の動きを意識して取り組みました。
ー秋季リーグの意気込みを
春リーグは悔しい思いをしました。上級生も最後なので良い思いさせてあげられるように、自分が頑張って勝利に貢献したいと思っています。
主将・塩唐松が名実ともにチームを牽引する