【ラグビー】練習取材 監督&新主将・副主将インタビュー
2016年3月8日(火)
法政大学グラウンド
春を感じる暖かさの中で、法大ラグビー部はすでに新体制での練習を始めている。昨季の悔しさを胸に現在は春季大会に向けて基礎体力とフィジカルの向上に取り組んでいる選手たち。練習終了後、今季の抱負等を伺うために谷崎重幸監督と新主将の坂本泰敏(経4)、副主将の西内勇二(経4)、松村拓海(スポ4)、林修兵(社4)、和田源太(スポ4)らに話を聞いた。
※記事中の学年は新年度のものです。
監督・選手のコメント
谷崎重幸監督
―昨季のリーグ戦と選手権の結果を振り返って
フルタイムを通してやりたいことができませんでしたね。
―その原因は何だと思われますか
体力面というよりも精神面の問題だと思います。前半悪くて後半良い試合があったということは体力は関係ないでしょうね。
―新主将の坂本選手について
彼から「Reborn」というチームのスローガンを聞いたと思いますが、新しく強いチームを作ろうと頑張っていますね。
―今季副将を4人にした理由は何ですか
前々から4人にしたいと考えていました。主将も含めてペンタゴンという形が最強だと思っているので(笑)
―ジュニアジャパンに選ばれた3人の選手(土山、金井、中井)に期待することはありますか
向こうで学んできたことを出してもらいたいです。前に選ばれた斉田も下級生ながら去年チームがどんな状況でも力を出し切っていたので、国を代表して戦ったことで得た経験や自信、プライドをチームに還元してほしいです。
―今のチームの雰囲気について
選手全員が目的を共有し、自主性を持って練習に取り組んでいると思います。ただ試合の勝敗で崩れることなく、リーグ戦優勝という目的を達成するために頑張ってもらいたいですね。
―この時期の練習で特に重点を置いていることはありますか
今はやはり体作りですね。公式戦までにどれだけ心技体の体の基礎の部分を鍛えることができるかに重点を置いています。うちのチームは外国人選手がいないし、1列目の選手が卒業してしまったので、スクラムなどの強化のためにも選手一人一人がしっかり練習することが大事だと思います。
―春季大会で力を入れたいことは
自分たちの強みを考えたときに、やはり小ささと低さだと思っています。それが俊敏性や重心の低さにつながり、相手に走り勝って常に数的優位な場面を作り、数をパワーにしていくといった部分を出せるようにしたいですね。あと相手よりも先に前に出る守備にも力を入れたいです。
―今季の具体的な目標について
やはりリーグ戦で優勝して、選手権では何が何でも正月にラグビーしないといけないですね。
―応援してくれるファンの方々へ今季の意気込みをお願いします
応援してくれる人たちに喜んでもらうためにも、小さくても南アフリカに勝った日本代表のような泥臭さやひたむきさで共感を呼んで、応援してもらえるようなラグビーができればいいなと思いますね。
坂本泰敏
―主将になられた心境はいかがですか
僕たちの学年はそれぞれリーダーシップがある学年なので、その中の代表というだけでそんなに気負いはしてないですね。でも法大を変えるという意気込みで今は頑張っています。
―谷崎監督からかけられたお言葉はありましたか
具体的にはないですけど、僕自身声でみんなを引っ張るタイプなので、チームを鼓舞して士気を高めるのが僕の役割だと考えています。
―副将の4人について
誰が主将になってもおかしくないほどしっかりした選手たちなので、すごい信頼しているし、僕含め5人の幹部で法大を変えていこうと思っています。
―今年のチームの強みは
ラグビー的な強みで言うと、実力のある選手は揃っているので、これからそのような選手たちをどう生かすか考えていくんですけど、たぶん早い展開と走力、技術が強みのチームになると思いますね。
―チームの課題について
去年も法大のしっかりしたラグビーの形を作れてなかったし、全員の意思統一ができてなかったんですけど、今年のチームはそれができると思うので、秋のリーグ戦に向けて形をしっかり作っていきたいですね。
―春季大会で力を入れたいことは
予定では初戦は関西大との試合なんですけど、去年の大学選手権では最後に負けた相手なので、そこにしっかり照準を合わせて勝ちたいですね。あと春季大会では自分たちのラグビーを確立していくためにも、勝敗に関係なくすべての試合を見直して導き出していきたいです。
―改めて昨年のリーグ戦と選手権の結果について
ここにいる選手やスタッフを考えればもっと上の順位だと思っています。僕自身は膝の怪我でシーズン丸々出れてないんですど、法大の力を考えればまだまだ上に行けますね。
―この時期の練習で特に重点を置いていることはありますか
今の時期はウエイトトレーニングを中心に体のサイズアップに重点を置いてますね。グラウンドで練習するときはみんなで話し合って、基本的なスキルの練習を行っています。
―今年の意気込みをお願いします
チームスローガンが「Reborn」ということで、今までの伝統がある法大をしっかり生まれ変わらせて、自分たちの代から強い法大を復活させるためにも本気で4年生を含め全員がしっかりと取り組んでいきます!
坂本泰敏 主将
西内勇二
―昨年はどんな一年でしたか
個人的には全十字靭帯をけがして練習もほとんど参加できず一年間何もできなかったですね。一昨年くらいにポジションチェンジをしまして、FLからPRになって体重を増やさなくちゃいけないということで個人として体づくりをしてきた一年でした。
―ポジションチェンジで変化はありましたか
今までの体重だったら全く通用しなかったり、プレーでも同じラグビーなのに走るコースも役割も全然違うことをしているので難しさはあります。PRはセットプレーが重要で、スクラムでも核になるので、そこにはちょっと苦戦してますね。経験を積まないと強くなれないものなのでこれからという感じです。
―今日は全体と同じ練習をされていましたが、現在の調子はいかがですか
今やっと治ったところなのであんまり良くはないですね。練習はしてるんですけど試合をまだやっていなくて、やってみないと分からない部分が多いです。
―新チームの雰囲気は
キャプテンとバイアスが4人いるんですけど、キャプテンだけに頼ることなくみんなで引っ張っていけているので、すごく雰囲気は良いと思います。他の4年生も声出してくれるのでやりやすいですね。
―この時期に大切にしていることは
体づくりですね。今のみんなの体型をトップの大学の選手と比べると負けてしまっているので、この時期は体づくりが大切だと思います。
―FW陣として今年の鍵となるポイントは
スクラムですかね。みんなで去年の試合の映像とかを見ていても、スクラムが強いとスムーズに勝てているので、今年はスクラムの強化に力を入れていきたいと思います。
―今年のチームの強みは
まだ試合をしていないのでなんとも言えないですけど、去年より4年みんなが積極的に引っ張っていけていることは強みかなと思います。
―チームとしての目標は
リーグ戦優勝ですね。特に東海大がすごくしっかりと体づくりをしているので、そこにも勝てるような体づくりをしていきたいです。
―個人としての目標は
PRとしてFWの核となれるような安定したプレーができるように頑張りたいと思います!
西内勇二 副主将
松村拓海
―昨年を振り返って
個人的には、3年の中ではたくさん試合に出ていた方だったので、上級生としての自覚を持って戦えたかなと思います。チームとして感じていたのは、僕が2年の時よりも上級生を中心にまとまっていこうという感じがあったので、団結力という点ではすごく良いチームでした。ただ、勝つために何が必要かというところで団結力だけじゃだめだったんだろうなと思いますね。
―その足りなかったものは何だと思いますか
第一にはやっぱり体ですね。二つ目に言えるのは攻撃の戦術、防御のシステムというラグビー的な面だと思いますね。
―選手権終わってからはどんなことに取り組まれましたか
しばらく試合がなかったのでずっと体づくりをしました。個人としても体づくりはテーマだと思っているので。
―新チームの雰囲気は
すごく良いです。自分たち4年が和気あいあいとした雰囲気ですし、上下関係というよりはお互いにリスペクトしあって全員がフラットな状態でチームをつくれているかなと思います。
―ご自身の今の調子は
自分ではフィジカル面はできてきたと思っていて、あとは体のキレを出していくことが試合に向けてのテーマになってくるかなという感じですね。それ以外にも今日ボールゲームとかしてみて、アタックの面とかも良くなってきたかなと思いました。
―この時期に大切にしていることは
試合がない中で、どうチームのモチベーションを上げていくかということが大切だと思います。それにはやはり4年生がきちんと練習に取り組む姿がいちばん重要だと思っているので、まずは僕たち4年生がまとまって練習に臨むところを見せるということを心がけています。
―FW陣として重要だと思うポイントは
去年より体が小さくなってしまうのでブレーク接点での低さですかね。あとはサイズが小さいのは言い訳にならないので、小さいなりにウエイトを他のチームの何倍も頑張っていくということですね。
―今年の注目選手は
全員見てほしいという思いはあるんですけど、僕のイチオシで言うとFWは斉田倫輝(経3)ですかね。あいつががむしゃらに頑張っているところを見てほしいですね。BKだと北島遥生(現3)のハードタックルとかすごく好きなので見てもらいたいです。
―今後改善していきたい課題は
課題はフィジカル面ですね。外国人がいるリーグ戦を戦っていくためにどうフィジカルを強化していけるかが重要なので。あとはアタックシステム、ディフェンスシステムをどう作り上げていくかですね。ここは新しいコーチがやってくれると思うのでみんなで一丸となって取り組んでいきたいと思います。
―チームの目標
打倒東海大ということを掲げて、そこからリーグ戦優勝につなげたいです。その上で大学選手権ベスト4入りが目標です!
―個人としての目標は
リーグ戦のベストフィフティーンとかですね。U-20からそういう選抜とは無縁だったので。あとは試合で一番輝けるFWになりたいと思います!(笑)
松村拓海 副主将
林修兵
―副将に抜擢された率直な気持ちは
素直に嬉しいです。緊張しているというか、不安な面もありますね。
―副将4人体制。副将として自分はどういった役割を果たしてチームに貢献していきたいか
キャプテンのサポートをしつつも自分が引っ張っていけるように頑張りたいなと思っています。
―どういった形ででサポートしていきたいのか
ポジション的なこともあるのですが、戦術であったり、雰囲気づくりをしていきたいです。ムードメーカー的な存在になれたらいいなと思っています。
―プレー面ではどういった持ち味でチームに関わっていきたいか
チームのゲームメーカーです。
―昨シーズンを振り返って
昨シーズンはBKでとりきるよりもどちらかというとFW中心のチームだったのかなと思うので悔しさはありました。なので今年はBKでやってやろうという気持ちです。
―今年のチームの雰囲気について
雰囲気はいいです。
―どのようなチームにしていきたいか
全員が意見を言い合えるようなチームにしていきたいです。兄弟のような関係をつくっていきたいです。
―練習で意識していることは
雰囲気づくりです。それでやる気とかが出てくると思うので、まずは雰囲気が大事かなといった感じです。
―個人的に注目の選手は
牧野内翔馬(社4)です。セットプレーの要となるプレイヤーですね。
―今年の目標は
リーグ戦優勝です!
林修兵 副主将
和田源太
―今のチームの雰囲気は
去年までからは変わるという意味で、リーダー陣や選手全員の中でも話し合って、下級生から上級生まであまり壁がない。下級生も委縮することなく、上級生も気を遣うことなく、全員が真剣にラグビーに向き合えてると思います。
―オフシーズンの練習はどういったことを
まずは体づくりという面で体力とフィジカルの向上を目指しています。午前はラグビーで体を動かしてボールを触ったりして、ランでフィットネスを上げる。午後はウエイトでしっかり重い重量を持って、体を大きくする。体力と筋力の両方の向上に努めてます。
―副将に指名されたときの心情は
あまり、自分は人をまとめられるっていう感じじゃないです。でも選ばれたからにはチームを引っ張るという意味で何が出来るか考えた結果、下級生と上級生の壁をなくして下級生からラグビーでも私生活でも意見の言えるような関係を作れたらいいなって思いました。副将に選ばれたことでそういう環境づくりをやりやすいなとは思いました。
―主将の坂本選手の印象は
すごいチームのことを考えてくれるので、頼もしい存在です。
―副将が4人であることをどう思うか
心強いです。副将が4人なら主将と合わせて5人でそれぞれの考えることを共有する数が増えたので、チームとして良くなると思います。
―昨シーズンを振り返って
チームとしてはなかなかいい成績を残すことができなくて、選手権でも帝京大に大差で負けるなど、チームとしての差が出たというかトップのチームと戦うには何が足りないかっていうのを思い知らされたシーズンでした。
―本職がFBである中でWTBやCTBで出場することが多いことについて
基本的にはFBでやろうとは思ってますけど、自分の中ではどこのポジションでも結果を残せるようになるっていうのが目標です。なのでどこのポジションでも結果を残し、リーダーとしての責任も果たしていきたいと思います。
―自身のプレーの持ち味は
スピードで誰にも負けないというのは自分自身の強みでもあります。あとパスとキックの精度では負けないっていうところがありますね。
―今シーズンの意気込みを
今年のチームのテーマが「Reborn」ということで、昔強かった法大を古豪と呼ばず、復活ということで、両方築き上げていきたいと思います。まずは去年のリーグ戦で優勝した東海大学に勝つ。“打倒東海大学”で東海大学をターゲットに絞り、選手権では全国ベスト4以上を目標にしてます。そこを目指してチームとしても個人としても頑張っていきたいと思います。
和田源太 副主将
フォトギャラリー
- 主将を務める坂本(右)と副主将の松村(左)
- この時期の練習で体力の向上を図る
- タックルの練習を行う選手たち
- 選手たちは試合と変わらぬ表情で練習に取り組む
- 基本的なスキルの向上も図る
- 試合形式の練習を行う選手たち
- 選手たちを指導する谷崎監督
- 今年のチームは話し合いにも重点を置いている