【硬式野球】東京六大学野球春季リーグ戦 第4週 対立大1回戦 西浦直、会心の一発で均衡破る!
東京六大学野球春季リーグ戦 第4週 対立大1回戦
5月4日(土)
神宮球場
法大はエース船本が先発。波に乗る法大打線に、好投を続ける立大のルーキー澤田圭が立ちふさがる。序盤はホームベースが遠く、なかなか攻略の糸口がつかめなかったが…
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 1 | 2 | 10 | 10 | 0 |
立 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 6 | 0 |
(法大)○船本(3勝)、本多‐木下、中園
(立大)●澤田圭、大澤、三谷、田村‐平本、鈴木貴
[本塁打]西浦直1号満塁(7回=澤田圭)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 |
---|---|---|---|---|---|
1 | (7) | 蔵 桝 | 3 | 2 | 0 |
2 | (5) | 皆 川 | 4 | 1 | 1 |
3 | (4) | 河 合 | 5 | 3 | 4 |
4 | (2) | 木 下 | 4 | 0 | 0 |
2 | 中 園 | 0 | 0 | 0 | |
5 | (3) | 伊藤諒 | 4 | 1 | 0 |
6 | (6) | 西浦直 | 4 | 1 | 4 |
7 | (8) | 鈴木翔 | 3 | 0 | 0 |
H | 齊藤秀 | 1 | 1 | 0 | |
R8 | 伊藤僚 | 0 | 0 | 0 | |
8 | (9) | 的 場 | 2 | 0 | 1 |
9 | (1) | 船 本 | 2 | 1 | 0 |
H | 高 木 | 0 | 0 | 0 | |
R | 岡 崎 | 0 | 0 | 0 | |
1 | 本 多 | 0 | 0 | 0 |
投手成績
回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 自責点 | |
---|---|---|---|---|---|
船本 | 8 | 4 | 3 | 2 | 1 |
本多 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 |
ベンチ入りメンバー
16 | 本多(法4=法政二) | 6 | 西浦直(営4=天理) | 34 | 細川(文2=福井工大福井) |
17 | 納富(文4=九州国際大付属) | 9 | 大城戸(法4=藤井学園寒川) | 25 | 伊藤僚(営4=土岐商) |
19 | 船本(営4=桐蔭学園) | 10 | 河合(法4=中京大中京) | 26 | 鈴木翔(法4=法政二) |
14 | 鈴木貴(人3=済美) | 33 | 高木(文4=福岡大大濠) | 27 | 的場(法4=法政二) |
21 | 石田(営3=広島工) | 3 | 伊藤諒(キャ3=神港学園) | 28 | 齊藤秀(文3=北海学園札幌) |
15 | 青木(法2=智辯和歌山) | 4 | 岡崎(法3=作新学院) | 8 | 畔上(キャ2=日大三) |
2 | 木下(人4=高知) | 7 | 吉澤(文3=桐蔭学園) | 37 | 蔵桝(営2=広陵) |
20 | 安本(営3=広島商) | 5 | 佐藤竜(法2=作新学院) | ||
22 | 中園(法3=いなべ総合学園) | 23 | 皆川(キャ2=西武台千葉) |
戦評
中盤までは投手戦の様相を見せる。初回、二回と立大・澤田圭、法大・船本(営4=桐蔭学園)両投手が共に三者凡退にしとめる。三回表、二死から9番・船本の内野安打、1番・蔵桝(営2=広陵)も安打で続き3塁まで走者を進めるも、得点には至らず。その裏、今度は船本が二死から四球で走者を出すも、後続は打ち取る。この後も両チームなかなか相手投手をとらえられない。
七回表、ついに均衡が破れる。この回先頭の3番・河合(法4=中京大中京)が右越え二塁打を放つと、続く木下(人4=高知)は四球。無死一、二塁で5番・伊藤諒(キャ3=神港学園)には送りバントの指示。1ストライクからの2球目、相手投手の前に転がした打球がフィルダースチョイスを誘い、無死満塁に。ここで6番・西浦直(営4=天理)が左中間に先制の満塁ホームラン。澤田圭をマウンドから引きずりおろす。さらに皆川(キャ2=西武台千葉)、河合の適時打などでこの回一挙7得点を挙げる。
八回表にも1点を加え、船本の完封も見え始めたその裏、先頭打者の内野安打からピンチが広がり、一死一、三塁から犠牲フライを放たれ1点を失う。九回表は船本の打席から始まるところで、代打・高木(文4=福岡大大濠)。四球を選び、続く蔵桝も四球。皆川がバントで送り、河合の今日3本目のヒットで2点を追加。九回裏は本多(法4=法政二)がマウンドにあがり、2本のヒットを許すも無失点に抑え試合終了。終わってみれば10対1と法大の快勝。船本は完投とはならなかったものの、自己最長の8イニングを投げ今季3勝目。蔵桝は3打数2安打2四球で今日も好調だ。しかし、なんとかとらえきれたものの、立大・澤田圭はこれから法大の脅威になりそうだ。(牛島 春)
試合後の監督・選手のコメント
神長 英一 監督
―今日の試合を振り返っていかがでしたか
満塁ホームランが出ましたけど、やっぱり船本が点取るまで踏ん張ったから勝てたと思います。
―九回には継投をしましたが、完投させるという考えは
最後までいけたんですけど、このあいだ石田が完封をしたので、船本にも完封をしてもらいたいなと思って。八回に1点を取られていなければ、九回も船本でいっていました。そこで1点取られたので、他に経験させたいピッチャーもいるし、代打も使えるし、ベンチ入りメンバー25人の選手を使いたい。そのことを完封がなくなったので船本に言って、降りました。完投という考えもありましたけど。あの展開だったら完投できましたよね。でも少し他の選手を使いたい。0であれば続投していましたね。
―河合選手や西浦直選手が打撃好調ですが
最上級生で最後の年なので、きっと背負うものがあって、それが結果に出ているのかと思いますね。責任感、やらなくてはいけないという気持ち、それが要因だと思いますよ。
―ここまで全試合で2ケタ安打ですが、何か徹底していることなどはありますか
特にないですね。しっかり打ち返していこうということで、どんなピッチャーがきても、センター方向に打ち返していこうということは言っています。それがインフィールドに散っているというか、選手、一人ひとりのイメージの〝センター中心〟にということが良いかたちにつながっているのだと思います。ですから河合の2本のヒットもセンターオーバーであったり、センター前であったり、西浦直(の本塁打)もレフトというよりかは左中間への打球で、打球方向というのは点数が入る要因だと思いますね。あまりみんなが引っ張っていないので。
―明日の試合に向けて意気込みをお願いします
先日も慶大戦で一つ取ったあとにも言ったんですけど、明後日のことは考えないよということです。明日で決めるという、そこの気持ちが先勝したあとは大事なところなので、そこは選手に徹底しています。〝明後日ある〟ではなく〝明日決める〟ということの徹底ですね。
河合 完治 主将
―今日の振り返りをお願いします
まあ今日船本がすごく粘って頑張って投げてくれていたので、それで、(西浦)直亨がここっていうところでホームランを打ってくれて、今日はいい試合だったかなあと思います。
―七回は河合さんのヒットから得点劇が始まりましたが
フォアボールでもなんでもいいので、塁に出たいなあと思っていました。
―七回は打者一巡で2本のヒットを打っていましたね
いい流れでみんなが頑張ってくれていたので、僕も流れに乗れたのでよかったかなあと思います。
―守備の面でもセカンドに集まっていたように思えましたが
まあ守備からリズムを作るチームだとは思っているので、守備でミスがないようにしています。いい感じでゴロがさばけていたからバッティングに生きてきたのかなあと思います。
―負け無しですが
でもまだまだ勝ち点は2なのでまずは明日取って二連勝でいきたいなと思います。
―相手の先発澤田投手は一年生でしたが
そうですね、素晴らしいピッチャーだったかなあと思います。変化球も低めにきていて、真っ直ぐも速いし。いいピッチャーだと思います。
―立教打線の印象は
やっぱスイングも速いし、今日は木下がいいリードしてくれていたので明日もピッチャーに頑張ってもらって打線で少しでもカバーできたらいいなあと思います。
―先週、一戦目に多く点を取りたいと仰っていましたが今日は10得点でしたね
まあ結果的に10得点取れたのはよかったかなあと思います。緊迫した雰囲気だったので、本当に(西浦)直亨のおかげかなあと思います。
―明日への意気込み
なんとしても明日は勝ちにいきたいと思います。
西浦 直亨
―今日の試合を振り返って
序盤でなかなか点が取れずに、ピッチャーの船本にしっかり抑えてもらっていたので、何とかバッター、っていうか自分が打ってやろうっていう気持ちでいました。
―七回無死満塁の場面は何を考えて打席に入りましたか
何も考えてないですね。ただ、気合いは入れていきました。
―打った瞬間の感触は
感触は…最高でした!狙い球ではなかったんですが体が勝手に反応したって感じです。
―1年振りの神宮でのHRでしたが
なかなか打ててなかったので、今日は良い日になりました。
―ガッツポーズも見られました
そうですね(笑)やっぱり場面が場面だったので喜びも2倍、3倍になりました。
―ご自身の調子は上がってきていますか
はい!だいぶ上がってきました。
―澤田圭投手と初対戦してみてどうでしたか
1年生っていうこともあって、抑えられたくないっていう負けたくない気持ちが強かったです。
―守っていて立教打線はどう映りましたか
今日は船本の出来が良かったので、打たれる気がしなかったです、ってこれ言って良いんかな(笑)
―ベンチの雰囲気は良いですか
毎試合、良い雰囲気になっています。
―明日に向けて
今日だけで終わらずに明日も打てるように頑張ります。
船本 一樹
―今日の試合を振り返って
今日は前回(慶大戦)前々回(東大戦)と違って完投を意識せずに、1イニング1イニングしっかり投げていこうというのを意識したのが、結果的に良かったのかなと思います。
―完投する予定でしたか
あそこ(8回)まできたら(完投)したかったですけど、でも1点取られたのでもう無理かなと、代えられるだろうなと思いましたね。
―今日はなかなか打線の援護が無いなかの投球でしたが
でも別に打たれてはいなかったので、自分の投球ができていたので、リズム良く投げられていました。
―リーグ戦も中盤に差し掛かりました。今日で3勝目を挙げられましたが、何か収穫や手応えはありますか
すごいまっすぐがどんどん良くなってきているので、今日は変化球がちょっと良くなかったんですけど、変化球が良くなってくればまた更にグレードアップできるかなというのがあるので。自分としてはすごく良い感じですね。
―投手責任者の立場から見て、納富選手や本多選手など他の投手陣の調子はいかがですか
大分良くなっているというか、良いと思います。モチベーション的にもすごく良いですし、上々です。
―次の試合に向けて意気込みをお願いします
完投とかを意識せずに、次は勝つことだけを意識して頑張っていきたいです。
伊藤 諒介
―今日の試合を振り返って
終盤まで緊迫した展開だったんですけど、最後に西浦さんのホームランでいい気に流れがきたかなっていう感じですね。
―その前にバントをされていましたがそのお気持ちは
普通に自分の仕事をするだけだなって思って打席に立ちました。フリーバッティングの前とかには必ずやるんで、バントは自信がある方だったんですけど、1球目失敗して緊張して、けど前に転がせて良かったです。
―その後ツーベースがありましたが
そうですね、結果というかあまりヒットが出ていなかったんで、思い切っていこうかなって思った打席だったので。結果的にも良かったです。
―今の調子は
悪くもないし、良くもないので。上がってきたらもっと打てると思います。
―なかなかホームランが出ていませんが
まあ1年以上出ていませんけど、そのうち出てくれたら嬉しいなあって気持ちです。決して狙っていかずつないでいく心がけでやっていきたいです。
―澤田圭投手の印象は
コントロールも良かったので、要所要所を締めてきて、いつか打てるだろうと思ったんですけど点が入らなかったので。いいピッチャーだったなと思います。
―負けなしの5連勝ですが
まあ何連勝したからといってやることは変わらないのでこれからも1試合1試合勝つだけです。
―明日に向けての意気込みを
明日も勝って6連勝して早稲田戦に持ち込めるように頑張りたいです。
齊藤 秀之
―七回代打での出場でしたが、どんな気持ちで打席に
左のピッチャーが出て来たときに代打があるんじゃないかと思っていて、監督にも言われたので準備はしていました。今日出ていたピッチャーはビデオではすべて見ていたのでイメージはできていましたが、あとはそのイメージ通りに実践できるかという感じでした。
―慶大戦に続き、打席で結果を残していますが
調子は良いです。ただ、他の外野の選手もみんな調子良いので、今は一度のチャンス、打席に必死ですね。
―ベンチでどのように試合を見ていましたか
相手の澤田君も船本さんもいいピッチングをしていたので、先に1点とれるかの勝負だなと思っていました。七回に西浦さんのホームランが出たので、その後はピッチャーが楽に投げられるだろうなという風に感じていました。
―リーグ戦は今日で折り返しですが、意識など開幕前との違いは
そうですね、最初の頃は何もかも初めてだったので、「こんな感じかな」というイメージもつかめませんでしたね。今はだいぶそれが分かってきたので、スムーズに試合に入ることができるというか、前日の準備からイメージをしやすくなりました。その辺は前半に比べて良くなったと思います。
―明日に向けて一言
立教にも先発の左ピッチャーがいるので、チャンスがもらえたら一打席ごとに勝負だと思っています。特に最初の打席に注目してほしいですね。
皆川 普
―今日をふりかえって
西浦さんが(七回に)満塁ホームラン打って自分の気が楽になりました。
―澤田投手の印象は
1年生なんですけどまとまっていて、打てるっていう感じなんですけどみんな引っ掛けていて、打ちあぐねたって感じの方が強いです。
―澤田投手の緩急を使ったピッチングに翻弄されたということですか
法政が何で打てなかったかちょっと分かんないって感じです。
―前を打つ1番バッターが同じ2年生の蔵桝選手ですが
蔵桝は良いバッターなので、あいつが打たなかったら自分が打つし、打ったら(犠打などで)送るみたいな信頼関係がもっとできたら良いです。
―ずばり犠打を打つコツは
考え過ぎず自信をもってやればできると思います。とにかく自信を持つことが大事です。
―サードの守備には慣れましたか
リーグ戦始まってからサードをやり始めたんですけどもう慣れました。
―強襲ヒットがありましたが
自分が抜けてしまったら長打になるので、前で止めて(進塁を)1つで抑えるという感じです。
―明日の試合にむけて
(明日の立大の先発が)右ピッチャーだと思うので、左打席でヒットを打てるように頑張ります。チームが勝てれば良いです!
展望
明日の先発は石田が有力。慶大戦での好投を自信にさらなる躍進に期待したいところだ。対する立大の先発は齋藤が有力か。防御率1.26と安定した投球を見せているが、好投手・澤田圭を打ち破った勢いそのままに攻略したい。連勝で勝ち点奪取へ、好調な打線の爆発にも注目だ。