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【水泳】国際大会日本代表選手選考会 山尾がワールドユニバーシティゲームズの代表権つかむ!「良かったというより安心」・中島は800M自由形で8位入賞を果たす!

国際大会日本代表選手選考会
2022年3月2日〜5日
東京辰巳国際水泳場

今夏に開催予定の世界水泳・アジア大会・ワールドユニバーシティゲームズ(旧ユニバーシアード)の代表選考会が開催された。法大勢は、山尾隼人(経2)が100m平泳ぎで5位、200m平泳ぎで4位に入りワールドユニバーシティゲームズの日本代表に選出された。また、女子800m自由形では中島千咲代(現2)が自己ベストで決勝進出を決め、8位入賞を果たした。

※取材は大会後にオンラインで実施しました

ワールドユニバーシティゲームズでは表彰台を狙う

大会結果

予選結果(女子)

種目 順位 選手名 タイム 備考
400m自由形 13位 中島千咲代 (現2) 4分17秒40 自己新
800m自由形 7位 中島 8分44秒80 自己新
100m背泳ぎ 15位 石田瑠海 (スポ1) 1分02秒47
200m背泳ぎ 16位 関口真穂(スポ3) 2分15秒01
17位 石田 2分15秒10
200m平泳ぎ 34位 庄司朋世(スポ2) 2分32秒36
50mバタフライ 36位 山川唯巴(法3) 28秒51
200m個人メドレー 22位 田中瑞姫(現3) 2分18秒99
23位 庄司 2分19秒46
400m個人メドレー 18位 庄司 4分55秒08

予選結果(男子)

種目 順位 選手名 タイム 備考
400m自由形 25位 小野吏久人 (経3) 4分11秒19
50m背泳ぎ 32位 由良柾貴(社2) 28秒13
100m背泳ぎ 40位 由良 59秒43
100m平泳ぎ 6位 山尾隼人 (経2) 1分00秒64
200m平泳ぎ 3位 山尾 2分10秒83
100mバタフライ 28位 石橋怜悟(経3) 54秒05
400m個人メドレー 32位 市川薫(経1) 4分37秒31

決勝結果

種目 順位 選手名 タイム 備考
女子800m自由形 8位 中島千咲代 8分45秒01
女子1500m自由形 9位 中島 16分50秒18
男子100m平泳ぎ 5位 山尾隼人 1分00秒28 自己新
男子200m平泳ぎ 4位 山尾 2分09秒85

Close Up

山尾隼人 

200m平泳ぎの決勝直後。タイムと順位を確認し、悔しそうに表情を歪めた。「世界水泳の代表も狙えると思っていたので、目標よりもかけ離れた結果になってしまった」。大会終了後にワールドユニバーシティゲームズの日本代表が発表され、内定を決めた。それでも、満足はできなかった。

4人の選手がほぼ横並びの展開で迎えたラスト50m。山尾は、花車優(東洋大)と武良竜也(ミキハウス)のペースアップに着いて行くことができなかった。上位2選手が150mから200mのラップを32秒台でまとめた一方で、山尾は34秒24かかった。「自分の課題が浮き彫りになった。まだまだだな」と表情は晴れなかった。

昨年の冬に行われたインターナショナル合宿で花車、武良らと共に練習をする機会があった。特に東京オリンピックにも出場している武良が、練習からレースとほぼ変わらないくらいのタイムで泳いでいることに衝撃を受けたという。「こういう人がオリンピックに行くんだな」。それ以降は、「ただがむしゃらにやるのではなく、実際のレースのシチュエーションを想像したりと、頭を使って練習に取り組むようになった」。

年明けから徐々に成果は出始め、2月のきららカップでは疲労が残る中でも100mで自己ベストを更新。今大会では望んだ結果を残すことができなかったが、「やってきたことは間違っていない」と手応えを語った。

優勝した花車とは、先の合宿で張り合うことができていたという。「自分も2分07秒台を狙えるのではないかという気持ちになった」と頷いた。

大学4年間で1回でも日本代表に入ることを目標に掲げているが、「今回の代表内定はそこに含まれていない」と話す。「やはりフル代表に入りたい。世界水泳やオリンピックといったところを、これからもぶらさずに目指していきたい」と山尾。惜敗を経験し、思いはさらに強くなった。

中島千咲代 

入学時は、日本選手権に出ることを目標にしていた中島が、今は国内トップレベルの試合で堂々と戦っている。今大会では800m自由形で8位入賞。「競技に対して非常にやりがいを感じている。また、その分もっといい結果を出したいという欲も湧いてきた」。自分の中で限界を決めず、チャレンジを続けている。

昨年10月の日本学生選手権(インカレ)では、800m自由形で8分47秒94の自己ベストをマークし、7位入賞を果たした。しかし、本人が抱いたのは「次に繋がるレースではなかった」ということだった。前半の400mよりも後半の400mの方が速かったために、「タイムを狙う展開とは言えなかった」と振り返った。

そこで、この冬場に目指してきたのは「後半が上がり切らないくらい、前半から行く泳ぎ」だった。セットごとにタイムを上げていく練習では、以前は最後のセットだけに重きを置いていたが、インカレ以降は中盤のセットからタイムを上げて泳ぐことを意識してきたという。インカレでは前半の400mの通過タイムが4分25秒45だったのに対し、今大会は4分21秒94。終盤になってもペースは衰えず、8分44秒80の自己ベストで泳ぎ切った。「レース直後は自分の中で出し切ったと感じることができた」と話した。

しかし、時間が経つに連れて悔しさが募っていった。秘めていた目標は、8分40秒を割ってワールドユニバーシティゲームズの代表に入ることだった。「もっと強い気持ちが必要だった。守りに入ってしまったレースだった」と考えを一転させた。

自己ベストが出たことについては「評価できる」としながらも、今後に向けては「何かを変えていかないと、タイムを更新することはできない」と強調。気持ちを切り替えて、3年目のシーズンも貪欲に結果を追い求める。

(取材/記事:根本 成)

インタビュー

山尾隼人

ー 選考会を終えて、今はどういった気持ちですか
当初から目標にしていたユニバーシアードの代表に入ることができ、良かったというよりは安心という気持ちの方が近いです。練習を積む中ですごい調子が良かったので、自分の中では世界水泳の代表の方も狙えるのではないかと思っていました。ただ、実際は力を上手く発揮できなくて、もう少しいけたんじゃないかなと感じる部分もあります。

ー ユニバーの出場種目について
他の選手との兼ね合いもありますが、50mから200mまで3種目に出場できると思います。

ー 今回の選考会を迎えるにあたっての心身の状態は
100mに関しては2月に自己ベストが出ていたので、しっかりと調整すればこの大会ではもっと速いタイムが出せるという確信がありました。200mに関しては昨年の日本選手権以来、2分10秒台を出すことができていなかったので、少し不安がある中でのレースになりました。

ー ユニバーは100mと200mの両方で狙っていましたか
今回の試合はユニバーシアード狙いで、100mも200mも大学生の中では1番を取らないといけないと思っていました。その中で初日の100mでは佐藤翔馬選手に負けてしまって、しかも佐藤選手が世界水泳の代表を逃す形になったので、少し焦りを感じました。

ー 初日の100m決勝のレースを振り返って
59秒台を狙っていたのと、隣を泳いでいた佐藤翔馬選手に勝てるのではないかという気持ちがあったので不満がありますが、自己ベストを出せたことは良かったですし、200mに繋がるレースができたと思います。

ー 100mはどの辺が上手くいきましたか
いつもスタートの部分で周りの選手より劣ってしまうことがありますが、今回は離されずに横並びでスタートを切ることができて、泳速の部分で周りを離していくというレースができました。

ー 200mのレースを振り返って
200mに関しては狙っていたタイムが2分08秒2だったので、目標よりもかけ離れた結果になりました。レースの内容的には、自分のレース展開を貫いて攻める泳ぎができましたが、最後の50mで上位3人の選手に離されてしまったので、自分の課題が浮き彫りになりました。

ー 想定していたラップタイムは
100mの入りは1分01秒台を狙っていたので、実際はそこには及ばなかったですが、しっかり攻め切れるレースができたと思います。ただ、100mから150mにかけてのラップが想定よりも遅れてしまって、最後の50mも34秒かかってしまったので、まだまだだなと感じました。

ー 攻めのレースの原点は
昨年4月の日本選手権で初めて2分09秒台を出すことができたレースです。自分のレースプランを模索する中で、攻めないでラップを一定に保ち最後の50mを上げる泳ぎも試してみたのですが、一番しっくりきたのが攻めのレースでした。今後はもっと突き詰めていきたいです。

ー 花車選手が7秒台をマークしました
花車選手とは昨年のインターナショナル合宿で一緒に練習をしたことがあるんですけど、まさかここまで出してくるとは思わなくて、びっくりしました。その時の練習では花車選手と張り合うことができていたので、自分も7秒台を狙えるのではないかという気持ちにもなりました。
武良選手とも12月の合宿で一緒に練習をして、佐藤翔馬選手とも年末に佐藤選手のクラブの方で合宿をさせて頂いたんですけど、そこでやはりオリンピアンは練習に対する取り組み方や水泳に対する考え方が自分とは全然違うと感じました。一緒に生活する中で「こういう人がオリンピックに行くんだな」と感じました。
これまで、練習ではタイムを追うところはもちろんやっていたんですけど、それ以降はただがむしゃらにやるのではなくて、ストローク数を意識したり、レースでのシチュエーションを想像したりと頭を使って練習に取り組むようになりました。

ー ユニバーに向けて準備していきたい部分は
前半から攻めていくレースを突き詰めていきたいと考えています。今回の結果を受けて、やってきたことは間違っていないというのを確認することができたので、今後も継続していってユニバーシアードでは佐藤選手とワンツーを獲れるように頑張りたいです。

ー ユニバーの代表になるという目標はクリアしましたが、次の大きな目標は
大学4年間で1回でも日本代表に入ることを目標に掲げているんですけど、それはユニバーは含んでいなくて、やはりフル代表に入りたいと思っています。世界水泳やオリンピックといったところを、これからもぶらさずに目指していきたいです。

中島千咲代

ー 大会を終えて今の気持ちは
ユニバーシアードを目指してやっていたので悔しい気持ちがあります。

ー インカレに続いて自己ベストが出ました
ベストが出る練習をここに向けてやってこれたということなので、評価できる部分はあります。ただ、今後同じような練習を継続していけばベストが出る可能性も無くはないですが、何かを変えていかないとまたタイムを出すことができないとも思っていて、何かを変えるというのが大変だなと感じています。

ー インカレの時よりも成長しているという自信はありましたか
インカレでは自己ベストを更新することができました。しかし、次に繋がるレースだったかと言えばそうではなかったです。日本短水路選手権の後に1週間オフを取って、それ以降はインカレ前よりもいい練習が積めていると感じていました。

ー この冬場に力を注いできたことは
インカレの800mのレースでは前半よりも後半の方が速くなっていました。そのレース展開もあるこそはあるのですが、タイムを狙う展開とは言えなかったです。この冬は、後半が上がり切らないくらい、前半から行くという泳ぎを目指して取り組んでいました。100m8本3セットという練習があって、セットごとにタイムを上げることが求められるんですけど、インカレ前だと3セット目にすごく重きを置いて泳いでいました。一方、インカレ後は2セット目からタイムを上げていって、3セット目も今までと同じくらいで来れるように泳いでいました。自分の中で、楽に速く泳げるタイムの底上げを目指してきました。今回のレースでは前半を前よりも速く入ることができたので練習の成果が現れたと思います。

ー 想定していたラップタイムは
800mでは8分40秒を割ることを目指していた分、今回よりもっと速く入るべきだったと今は感じています。レース直後は自分の中で出し切ったレースができたと感じたのですが、後からラップを見たり、コーチと話をする中で、もっと強い気持ちが必要だったと言いますか、守りに入ってしまったレースだったと感じています。

ー 今後変えていきたい「何か」というのは
泳ぎを変えられるように努力していきたいと今は思っています。水をしっかり掻きながらも腕を回すテンポを上げて800mを泳ぎ切れるようにしていきたいです。

ー 今年度の競技生活を振り返って感じることは
コロナの影響で試合が無観客になったり、法政として出場する試合が対抗戦にならなかったりしていて、物足りなさは感じます。大学の水泳も後少ししかないので、チームで盛り上がったり、スタート前に歓声が聞こえるっていう経験をしてみたいと思っています。自分の結果としては、今までは日本選手権にも出場することができていなかったんですけど、大学生になってからは経験したことがなかった大会に出場できるようになって、しかも決勝に残ることができているので成長を感じます。

ー 入学時に思い描いていた目標と比べていかがですか
正直、自分は日本選手権に出ることを目標にしていました。入学時は目指していたとしてもまさか日本選手権に出て、決勝で戦えるなんて本当に思ってもいなかったです。冷静に考えると、今は非常にやりがいを感じながら競技に取り組めていると思います。ただ、その分もっと結果にこだわりたくなっているのもあって、もっといい結果を出したいっていう欲が湧いてきています。

ー 3年生での目標は
どの試合でも結果を残していきたいという気持ちがありますけど、その中でも特に法政のチームで戦うインカレは大事にしていきたいです。400mでは最低でも決勝に残って、800mでは表彰台に上れるようにしたいです。また8継では即戦力になれるようにしたいです。昨年は自分が8継を泳ぐなんて思ってもいなくて、出る前は不安でいっぱいでしたが、想像以上のタイムを出すことができました。リレーは本当に楽しいと感じたので、今年も2回泳ぎたいと思っています。

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