• HOME
  • 記事
  • 陸上
  • 【陸上競技】第34回出雲全日本大学選抜駅伝 直前特集 内田隼太、中園慎太朗インタビュー

【陸上競技】第34回出雲全日本大学選抜駅伝 直前特集 内田隼太、中園慎太朗インタビュー

陸上競技】第34回出雲全日本大学選抜駅伝 直前特集 内田隼太、中園慎太朗インタビュー

いよいよ明日に迫った第34回出雲全日本大学選抜駅伝。3年ぶりの出雲駅伝出場に向け、内田隼太駅伝主将、中園慎太朗駅伝副主将にお話を伺った。

チームを引っ張る内田(左)、中園

エントリーメンバー

選手名 学年 出身高校 5000m自己ベスト 10000m自己ベスト
内田 隼太 4 法政二 13分39秒26 28分58秒65
扇 育 4 松浦 14分06秒43 29分25秒70
中園 慎太朗 4 八千代松陰 14分25秒22 28分58秒54
松本 康汰 4 愛知 13分46秒62 28分52秒82
稲毛 崇斗 3 東北 14分19秒74 29分14秒14
松永 伶 3 専大松戸 13分50秒45 29分17秒95
小泉 樹 2 國學院久我山 14分16秒32 29分13秒48
武田 和馬 2 一関学院 14分22秒10 29分33秒53
宮岡 幸大 2 宇和島東 14分08秒62 29分40秒79
清水 郁杜 1 米子松蔭 14分04秒06 30分45秒05
選手インタビュー

内田隼太 駅伝主将

―ここまでのチームを振り返って
合宿序盤でけが人が出てしまったというのはありますが、後半にかけてはけが人も減り少しづつ状態は上げていけたことで、法大記録会でも全体としてある程度の記録を残すことに繋がったと思います。

―けが人が減った理由は
昨年の段階からけが人はゼロという状態できていたので、食事の面やケアの面だったり去年の部分を参考にしていきながらやっていったことが一番大きいと思います。

―全日本大学駅伝予選の敗退を振り返って
そこまでは4年生が引っ張るという形で、僕もその方向で考えていました。ですが学年間でのミーティングを大事にしたり、下級生でもチームにとってどういったところが必要なのかということは考えさせるようにはしてきました。合宿では箱根駅伝に対して何をすればいいのかというのは、考えられるようにはなったと思います。

―予選敗退がチームにとっては刺激に
そこまでやってきていたことは足りていなかったということが分かったので、(予選敗退は)良いきっかけになったと思います。

―夏合宿を振り返って
関東インカレ前にけがをしていたので、再発しないかは心配でしたが夏合宿は予定通り練習を消化することができました。全体としては、Aチームの中での主力メンバーは練習をこなせていいたとは思いますが、全体として見たときには層として薄いなと感じています。出雲駅伝を戦う上では目途はたっていますが、箱根駅伝で5番を目指すとなったら全体としての層が薄く、上と下の層が開いてしまっているなと感じました。

―箱根で戦うためのメンバーはまだそろっていない
前回のチーム力をもってしても、箱根では10番という形に終わってしまったので、そこから順位を上げるとなるとまだまだです。ですが力がないというわけでは全くないので、残り3か月間できることをやってきいければ16人のメンバーを固めることはできると思います。

―新戦力は
夏活躍した松永選手は法大記録会でも走れていて、ある程度目途は立っていますし、今年は3年目なのでしっかり走ってほしいと思います。同期だと入学するときには5000mのタイムが一番だった扇育選手はけがで苦しんでいたのですが、今年はどの練習も前で引っ張っていて記録会で結果も出しているので、主要区間を走ってもらいたいと思っています。

―自身も松永選手と同じ3年生のときに主力となりました。その点で重なるところはありますか
そうですね。僕もけがで1、2年生のときに苦しみました。ただ、(松永選手は)そういったときでも考えながら練習できるタイプなので、自分の身体のことはよく分かっていると思います。ですが、僕は正直無理はさせたくないです。僕も去年は4年生の代の方々に自由に走らさせてもらっていたので、走れるような準備をサポートすることができればいいなと思います。

―出雲駅伝に向けてチームの手ごたえは
今年はチームを結成するときに出雲駅伝でも5番という目標を掲げ、スピードをつけていこうという話をしました。スピードをつけていけば、箱根の5番にも繋がると考えていて、その意図はどの選手も分かってくれていました。5000mのタイムは前半シーズンで自己ベストを更新する選手が多かったので、スピード面で力は付いていると思います。区間配置がどうなるかは分からないですが、6人走る準備は夏でできました。全日本大学駅伝がない分、出雲駅伝が箱根前の最後の大きな駅伝になるので、チーム全体で結果を残していきたいです。

―多くの選手が初の出雲駅伝となります
坪田監督は出雲駅伝の経験が多いので、練習はそこに向けて組んでくださっています。僕たちはロードの感覚に慣れて、スピード感を取り戻すことを意識しています。

―希望の区間は
1区を走りたいなと思ってはいますが、3区や6区も視野には入れています。区間順位としては他大の主力選手と渡り合って区間賞争いをしたいです。

(取材:大井涼平)

中園慎太朗 駅伝副主将

ーシーズン前半を振り返って
個人としては関東インカレの3000m障害でもう一歩行きたい順位ではあったのですが、なかなか状態が整わない中で入賞することができたことは成長できたのかなと。後は全日本大学駅伝予選がトラックシーズンの最後にあり、チームとして突破することができませんでした。自分自身もちょっと足の状態が良くなくて、結果的に足の骨を折っていたのですが、そういう状況の中で自分自身もうまくそこに合わせられなかった部分と、チームとしてしっかり突破することができなかったのが前半シーズンとしては、自分としてもチームとしてもすごい大きな意味を持っていたかなと思います。

ー副主将として内田選手を支える立場に
みんなで集団生活をしていく中で、競技に集中しやすくする環境をどういう風に作っていかなきゃいけないのかというのはすごく模索しました。周りの選手たちをより一層見ていて、競技面もそうですが、気持ちの方としても自分自身が成長しなきゃいけない部分がまだまだたくさんあるのかなと感じました。

ー関東インカレは新国立での開催でした。大舞台で走った経験は
国立という舞台が自分にとって陸上競技を始めた小学生、中学生の頃から1回走ってみたい気持ちが凄い強く、憧れていた舞台で走ることができたので自分の陸上人生の中で嬉しかったというのもあります。しかしその舞台で表彰台に立ってみたかったって言う気持ちもあり、嬉しかったですが自分の中ではちょっと煮え切らない部分もありました。

ー全日本の予選落ちから夏合宿に向かいましたが、夏から秋にかけてのチームの雰囲気は
チームとしては練習もしっかりできていたので、「まさかの敗戦」みたいな形で正直みんなぼう然としてるというか、今までやってきた取り組みが跳ね返されて、危機感をそれぞれが持たなきゃいけない結果でした。それ以降なかなかみんな気持ちを切り替えることができていない部分もあり、チームとして一体感のない期間がありました。ただ、夏合宿が8月から行われるのもあり、もう一回この悔しい気持ちを晴らすために何をしなきゃいけないのか、秋からチームで戦っていく気持ちをより一層持っていかなきゃいけないので、それぞれが何をするべきなのかを考え、次第にチームとしてまとまりができ、今ようやくしっかり形になりつつあるのかなと感じています。

ー先日の記録会の結果を振り返って
設定したタイムに届かず、チームを引っ張る立場としては情けない結果でした。珍しく大きな怪我をしたので、そこからAチームに戻ってくるのに毎日一生懸命、本当にキツい中やってきてようやく少しずつ戻ってきている感覚がレースであり、課題は見つかりましたが、あまり悲観しすぎることもないのかなと。この結果が正直今の状態の最低限なので、ここからどんどん状態が上がる感覚は自分の中でありますし、秋冬のシーズンに入れば間違いなくもっとタイムも力も出てくる感覚が自分の中で確実にあります。収穫もありつつ、チームのことを考えるともう一歩前に行かなければいけない両方の側面のある記録会でした。

ー合宿での成果が出たということですか
合宿も急ピッチで段階を上げて合流したので、自分の中でかなり不安がありました。合宿から帰ってきてすぐの記録会でもあったので、これから合宿の成果が次第に表れてくるのかなと感じました。

ー合宿ではどんなことに取り組みましたか
8月の一次合宿では最初はジョギングから始めたので、ペースや距離を設定してあまり追い込みすぎず、ベースを戻していく作業しました。2次合宿からは次第に上のチームでのポイント練習とか、実戦的な練習に合流し始めて、3次合宿ではもう選考が絡んでくるので、他の選手たちと一緒に仕上げの段階の練習に合流しました。

ー出雲駅伝に向けたチームづくりは
出雲駅伝に出走する6人という人数を考えれば、 ある程度充実したメンバーが揃っているとは感じています。最初の登録メンバーが10人なので、そうなってくるとまだうちのチーム層は他の強い大学と比べてまだまだなのかなとは感じていて、年度の初めから出雲も箱根も『総合5位』を掲げてやってきているので、その目標を達成するためには出走する6人はもちろん、登録メンバー10人の質をチームとしてもう少し意識していかなきゃいけないという状況です。

ー夏合宿で成長した選手は
ここ最近、いろんな選手がすごい頑張ってくれていますが、Aチームの武田(和馬)が山下りだけじゃないぞという力強い走りを見せてくれていました。Bチームも例年に比べて充実した練習ができているようにこちらから見ても感じたので、Aに参加できなかった選手たちが悔しい思いを持って、上がってこようとしている選手たちにも注目しています。

ー出雲終了後から箱根にかけてどのように仕上げるか
箱根駅伝の区間がハーフマラソンぐらいの距離になってくるので、さらに距離を上げつつ、スピードにも慣らしていかないといけないです。箱根までの期間にハーフマラソンぐらいの距離の選考が何度かあり、そのうちの1つの大会に出場して自分の箱根駅伝の距離に対する意識や我慢する部分を養い、練習の質と量を上げて、最後12月に調整の合宿が入るので、そこまでにしっかりチームの主力として勝負できる位置にいたいなと思います。

ー出雲駅伝への意気込み
チームとしては久々の出雲駅伝ということもあり、出雲を経験している選手が1人もいない状況での参加となります。スピード駅伝にどれだけ法政がついていけるかが、箱根駅伝の目標達成のための重要な指標にもなると思うので、もちろん勝負していくっていうのは前提として、その結果を箱根に繋げていけるかをチームとしては大事にしていきたいと思います。個人としては、その総合5位を達成するために、区間5位以内が箱根と同様に鍵になると思うので、区間順位も大事にしつつ襷をもらった位置で、どれだけ自分が次に繋げる走りや、チームの流れを変える走りを出来るかが大事になる駅伝だと思うので、そこを意識して頑張りたいと思います。

ー応援してくださる方に一言
いつも応援してくださりありがとうございます。今年は最終学年、副主将という立場でより一層チームのことを考える1年間でした。箱根駅伝が終わるまでの残り3か月、最後までチームと自分のことをしっかり考えて、最終的に当初目標にしていた総合5位を達成するために、チーム一丸と頑張っていきますので、変わらないご声援よろしくお願いいたします。

(取材:川口綜一朗)

関連記事一覧