【バドミントン】第72回全日本学生選手権 団体戦 男子
2022年10月15日(土)、16日(日)
緑ヶ丘スポーツ公園体育館、小瀬スポーツ公園体育館
昨年準優勝の男子は悲願の優勝へ向け、挑んだ今大会。1、2回戦をストレートで突破し、迎えた山場の日大戦。秋季リーグ戦で負けた相手と再び熱戦を繰り広げたが、見事リベンジを果たしベスト4進出を決める。しかし、迎えた準決勝で日体大に敗戦。悲願達成は後輩たちに託すこととなった。
試合結果
詳細結果
試合 | 対戦校 | 試合詳細(後者が対戦相手) |
---|---|---|
1回戦 | 札幌大 | S1〇中島巧 2-0 太田竣(21-16、21-12) S2○後藤サン 2-0 菊地陸哉(21-7、21-8) D1○木野舜悟・谷津央祐 2-0 山村勇人・太田(21-13、21-15) |
2回戦 | 九州国際大 | S1○一井亮太 2-1 吉松基(22-24、21-14、21-1) S2○増本康祐 2-0 羽生秀平(21-13、21-16) D1○小川翔悟・佐野大輔 2-1 阿久根直輝・吉松(21- 9、18-21、23-21) |
準々決勝 | 日大 | S1●後藤 1-2 阿部大輔(21-17、12-21、13-21) S2○増本 2-0 小川航汰(21-12、21-13) D1○小川・佐野 2-0 小川・熊谷翔(22-20、21-14) D2●木野・谷津 1-2 寺島颯大・後藤拓人(21-13、12-21、14-21) S3〇小川 2-0 福崎泰平(21-15、21-18) |
準決勝 | 日体大 | S1●増本 0-2 野田統馬(17-21、15-21) S2●中島 0-2 馬屋原光大郎(16-21、18-21) D1○小川・佐野 2-0 杉本一樹・吉田翼(22-20、23-21) D2●木野・谷津 0-2 石橋陸・安井颯杜(17-21、19-21) |
戦評
4年生最後の戦いとなる全日本学生選手権が幕を開けた。
負けたら終わりというプレッシャーのかかる戦い。その1回戦の相手は札幌大。第1シングルスに起用された中島巧(経3)は相手を圧倒した。2ゲームとも相手を寄せ付けずに2-0で先勝すると、第2シングルスの後藤サン(社3)、第1ダブルスの木野舜吾(社2)・谷津央祐(経2)ペアもそれぞれストレート勝ちで勝利。3-0で札幌大を下し、2回戦へと駒を進める。
続く九国大との2回戦、第1シングルスの第1ゲーム序盤から一井亮太(経4)が鋭いショットを放ち主導権をつかんだ。それでも、相手に粘られる展開に。デュースにもつれ込んだこの1戦ゲームは惜しくも落としたが、第2ゲームは中盤に一気に引き離して勝利する。この勢いのまま第3ゲームを21-10で制した。
第2シングルスには増本康祐(経2)が満を持して登場。粘る相手を2ゲームとも振り切って2-0で勝利を収めた。勝てば3回戦進出が決まる第1ダブルス。小川翔悟(経4)・佐野大輔(社4)ペアは圧巻の試合運びで第1ゲームを奪う。しかし、第2ゲームは終始追いかける展開に。相手のミスに乗じて追いつく場面もあったが、18-21でこのゲームを落とした。第3ゲームは一転、序盤から大差を付ける展開に。しかし、徐々に点差を詰められると20-20とついに追いつかれる。デュースに入ったこのゲーム、最後は相手のショットを見極めてアウトになったことを確信。23-21で勝利し、2回戦の九国大戦も3-0で勝利。3回戦進出を決めた。
3回戦で対戦するのは秋季リーグ戦で敗れた日大。リーグ戦のリベンジを果たしたい法大は第1シングルスに後藤を送り込む。その後藤は第1ゲームを制するも、第2ゲームは苦しめられた。いきなり0-8と大きく点差を付けられる。待望の1点を取り、以降は点差を詰めていくも序盤の失点が尾を引き、このゲームを落とす。第3ゲームは一進一退の攻防に。しかし、13-17と少し点差を開かれると、そのままマッチポイントの20点目を取られる。最後まで食らいつくも、15-21でこのゲームも落として今大会初の黒星を喫した。第2シングルスに登場した増本は序盤から圧倒していった。一時は16-5と大差をつけるなど、第1ゲームを21-12で奪うと、第2ゲームでも21-13と大差を付けて勝利。
1勝1敗で迎えたダブルス。小川・佐野の第1ダブルスは死闘を演じた。第1ゲーム、デュースまでも持ち込まれるも、21点目を先取。22点目はライン際に落とし込んでこのゲームを取ると、第2ゲームも一進一退の様相を見せた。11-8で折り返すと、ここから強さを見せつけた。終わってみれば21-14で勝利。2勝1敗としてついに準決勝へ王手をかけた。第2ダブルスには木野・谷津ペアが第1ゲーム序盤から大きく差を開く。日大もただでは下がらなかったが、振り切って21-13で快勝。しかし、第2ゲームは序盤から相手に押される展開となった。木野・谷津ペアも必死に食らいつくも、後半にミスも絡まってさらに点差を開かれてこのゲームを落とす。勝負の第3ゲームは終始相手に流れを渡す結果となった。準決勝への逆王手をかけられる形となった。
第3シングルスでは主将・小川が起用された。第1ゲーム、先行されるも中盤に追いついた小川。その勢いのまま後半にかけて突き放した。あと1ゲームで準決勝となった。そしてついに迎えた第2ゲーム。7-2とまたも先行を許すも、点差を詰めていく同じ展開。強烈なスマッシュを打ち込み、9-9についに追いつくと、ここから再び放しにかかった。20-14でついにマッチポイントに漕ぎつけたが、ここからが長かった。小川も相手も必死にシャトルを拾い続けていく。4点を詰められるも、21-18で勝利。21点目が入った瞬間に小川がその場に倒れこむ死闘だった。
日大戦に3-2で勝利した法大は4強に残ることに。準決勝では日体大と相まみえた。リーグ戦では勝利を収めた相手だったが、この日は終始苦しめられた。増本が第1シングルスをストレートで落とすと、第2シングルスでの試合となった中島も終始相手のペースに押された。結果、2試合連続のストレート負けを喫することとなった。小川・佐野の第1ダブルスが2ゲームともデュースまで進んだ熱戦を制して一矢報いるも、木野・谷津の第2ダブルスが粘り強く戦い抜くも敗戦。これで1勝3敗となり、試合終了。全日本学生選手権は4強で姿を消すこととなった。(記事・写真:皆川真輝)
選手インタビュー
小川翔悟・佐野大輔
―団体戦を振り返って
小川:4年生は出た試合全部勝って、他が取られてしまったんですけど、リーグとかは僕らが負けてしまっていたので、最後後輩にいい姿を見せられたかなと思います。負けてしまったのはみんなどこかしら足りないところがあったと思うので、来年こそは優勝してほしいです。
佐野:最後4年生としての仕事をしっかりできたかなと思います。
―団体戦のダブルスについては
小川:最初に出たときは佐野君が暴走してそこで不安になったんですけど、逆に吹っ切れた感じがあって次の試合になったらちゃんといつも通りに戻ってくれたので良かったです。
―団体戦の後、チームで話したことは
小川:負けた後にみんな泣いていて、それくらい勝ちたかったという話はしました。3年生以下の選手が負けてしまってすごく謝られたんですけど、負けた責任は自分たちにもあるから気にすることなないよという話はしました。
佐野:責任は4年生にあるし、チームを作ったのも4年生だからそこは気にしないで、団体戦で学んだことを後輩たちにも伝えていってほしいというのはすごく思いました。
―個人戦のダブルスについてはいかがですか
小川:最悪でしたね。相手が強かったというのもありますが、1ゲーム目勢いよくいったのは良かったんですけど、2ゲーム目以降相手も良くなってきて、それで少し引いてしまったのかなと思います。
―関東学生選手権、東日本学生選手権で優勝した中、迎えましたがプレッシャーはありましたか
小川:プレッシャーはあったんですけど、試合になったらあんまり関係ないタイプなので思い切ってやりました。
佐野:プレッシャーはありましたが、その中で楽しんでやろうと思っていました。
―4年間を振り返って
小川:あっという間に4年間経ったなというのはあります。その中でも、最後のインカレであんまり結果が出なかったのが個人的には悔しいので、実業団で結果を出してこの借りを返したいなと思います。
佐野:入ってきたときは本当に弱かったんですけど、先輩たちに強くさせてもらって、いろんな経験をさせてもらいました。先輩にも後輩にも恵まれて、すごく楽しい大学4年間だったと思います。