2月12日より5日間にわたる鴨川キャンプがスタート。今キャンプにはB、Cチームが参加し、神宮の舞台に立つために実践を中心に取り組んでいく。今回は初日に行われた明治学院大とのオープン戦などについてお伝えする。
今キャンプの主将を務める大川航駿
キャンプリポート
晴天にも恵まれ、絶好の野球日和の鴨川。キャンプ初日は明治学院大とのオープン戦に臨んだ。
今回のオープン戦は『絶対に負けられない戦い』であった。
まず法大野球部にとって2024年初の対外試合である点。そして大島公一監督、髙村祐助監督にとっての初陣戦であるという点だ。
しかし試合は1回表から思わぬ展開となった。フレッシュトーナメントでの登板経験のある2年生右腕・帯川翔宇(文2=札幌一)の制球が定まらない。3安打、6四球を与えまさかの8失点の大乱調。大量リードを許す。
悪い流れを変えたのは4番・菅野樹紀(法2=土浦日大)だった。1-9で迎えた5回裏の攻撃でレフトスタンドへ運ぶ3ランを放ち5点差に。キャプテンを務めた大川航駿(社3=日大鶴ケ丘)も「この一発が大きかった」と語るように打線に火が付く。
続く6回裏にはさらに1点を返し5-9、なおも無死満塁で2番・片山悠真(文1=八王子学園八王子)が打席へ。「ホームランを狙っていた」と語るように甘いストレートを右中間スタンドへ運ぶ同点満塁ホームランを放ちついに8点差を追いつく。
7回には9番・金谷竜汰(法1=東海大菅生)や代打・瀧倖之介(法3=佐伯鶴城)のタイムリーなどで3点を追加し12-9と勝ち越す。
8回にも4点を追加し、終わってみれば16-9と7点差をつけ勝利。『絶対に負けられない戦い』を大逆転勝利で制した。
試合後は投手、野手に分かれノックやブルペンでの投球を行った。ブルペンに目を向けると髙村助監督の姿が。ひとりひとり丁寧に身振り、手振りでアドバイスをする姿がみられた。「コミュニケーションを大切にしたい」と就任時に語ったように、積極的に話しかける姿が目立った。実際にアドバイスを受けた橋本翔太(人1=東山)は「沈まないストレートを投げるためのトレーニングを教えていただいた」と話すように、プロ野球での豊富なコーチ経験は間違いなく選手にとってプラスに働くだろう。
初日を終えた選手たちは充実の表情をみせた。特にキャプテンを務めている大川は「一生懸命」という言葉を強調。ホテルに帰ってからも駐車場で素振りをする選手たちの姿があった。全員が同じ目標に向かわなければリーグ優勝、日本一はない。生まれ変わったチームの今後に大いに期待できる1日目だった。
(取材:矢吹大輔)
選手インタビュー
菅野樹紀 選手
ーーキャンプ1日目の感想
初日は、移動してその流れでオープン戦という形だったので、移動日でもあり、今年初実戦でもありました。序盤はみんな試合慣れというか、実戦慣れしてなかったのですが、その中でみんな調整してできたのかなと思います。
ーー初回いきなり8失点スタートについて
明治学院とは何回もオープン戦をやっていてレベルが分かっていたので、焦りはなかったと思います。そのあとも継投陣がしっかり抑えてくれて失点することもなかったので、いい感じにできたと思います。
ーー菅野選手はキャッチャーで入学でしたが、現在は外野や一塁に守備についています
外野始めたのはここ1週間くらいです。明日の紅白戦もファーストで出たり、(っていう感じです。)
ーーそれはどういった意図が
自分の持ち味としていバッティングを活かしたいなと思った時に、結構キャッチャーはバッティングより守備を重要視されるので、その中でキャッチャーよりもバッティング活かすためには守備の負担が少ないファーストや外野がいいと思って。
ーー本塁打の打席を振り返って
本当にずっとストレートってなっていた中で、カウントでも追い込まれていてツーストライクで。ストレートは頭にあったんですけど、 変化球、ボールは振らないように、インコースに抜けてきた時にファウルにしようかなというイメージで振ったのですが、うまく捉えられたので、いい感じで打てたのかなと思います。
ーーご自身のオフシーズンを通して仕上がり、キャンプ入るまでの仕上がりは
キャンプの日程も分かっていたので、そこから実践を始めることができました。それに向けて強くしたいと思っていたので、体を大きくしたり振り込んだりしてスケールを大きくしてきました。そんな中ホームランを出せたので、間違ってなかったのかなと思いました。
ーー自分に足りないものは
どのポジションに行ったとしても、先輩やレギュラーの人がいるので、 自分の伸ばせるところでその人たちに勝負できるようにしていくべきだと思いました。
ーーその長所は
自分の場合は、ガタイと比べて足が速いので、ファーストもやりつつ、外野をすることもあります。ファーストは内野の中では比較的守備力が低いのですが、ファーストだけの選手になりたくないなと思って、外野手もしています。打席、バッティングを活かすため、打席数を増やすために、出る機会を増やしたいです。
ーー今回キャプテンになってる大川航駿(社3=日大鶴ケ丘)さんについて
スポーツ推薦の人もいれば、他の入部の仕方をしている人もいてらすごく上手いプロ注目の人、𠮷安(遼哉、法3=大阪桐蔭)さんみたいな選手がいる中でも、メンタル的な部分で折れずに試合に入って、周りを見て声をかけるのはすごいなと思いますね。自分は自分より上手い人たちに対して何かを強く言うっていうのは多分できないのでそこはすごいなと。
ーー最後にこのキャンプでの目標は
このキャンプ自体は5日間ぐらいで日数的には少なめですが、ほぼ毎日試合があるので、1打席1打席、 ただこなすんじゃなくて、上手くいっても失敗しても狙いを持って反省がしっかりできる打席にしたいです。練習で出づらいものが実戦では目に見えて分かるので、反省を生かして、練習できる内容を持ち帰れるようにしたいです。
(取材・矢吹大輔)
片山悠真 選手
ーーキャンプ1日目を終えての感想は
久しぶりのオープン戦だったので楽しかったです。
ーーキャンプはどういった目的でやっていくか
1日練習は武蔵小杉だと人数多くてなかなかできないですが、こっちだと1日ずっと野球に集中できて大きく成長できると思うので、リーグ戦とかに繋げていけたらいいなと思います。
ーー自身のキャンプ入るまでの仕上がりは
この冬、守備が良くなるよう練習したので守備は結構上がってきました。バッティングも、もともと好きで、よりいい感じに仕上がってきたので、このオープン戦は結構楽しみです。
ーー元々投手で入学して、現在は外野手ですが経緯は
ちょっと肘の怪我もあったりして、ピッチャーよりも、 バッターの方がチャレンジできるんじゃないかなと思っていて。最初は二刀流でいくつもりだったんですけど、今はもう野手の練習を中心にしています。
ーー初回の大量失点もあったが、本日の試合について
守っていて点数ほど長く感じたり、疲れを感じたりすることはなかったですね。帯川さんが頑張っていたので。自分もいつもはライトだったんですけど、センターで集中してましたし。そこまでメンタルが下がることはなかったです。
ーー正直、チーム内の動揺は
あったと思いますね。やっぱり初陣だったので。試合始まる前にも初陣であることに触れていて、多分大島さん自身もあったんじゃないですかね。
ーー同点満塁本塁打を放った打席を振り返って
狙ってました。完全に狙ってました。
ーー狙い玉は
ピッチャー自体がほとんどまっすぐだったので、とにかくまっすぐ打つことを意識しました。最初のファールでちょっと詰まったので、もう少しポイントを前に持ってくるよう大島さんに言われていたので、ポイント前に持ってきました。結果的に仕留められてよかったです。
ーー結構飛びましたが感触は
もうめちゃくちゃありました。
ーー大島監督はベンチでいつもニコニコですが
やりやすいです。大島さん自身、チャレンジしていいとよく言ってくださるんで。 ミスを恐れず自分でチャレンジしていこうと思ってやっています。
ーー新しいユニフォームについては
個人的に結構好きです。
ーー今年の目標は
去年はリーグ戦に全く絡めなかったので、今年はリーグ戦で優勝に貢献したいです。
ーー学年ミーティングではどんな話し合いがあったか
もっとリーグ戦に下級生から絡んでいかないと、 先輩へのプレッシャーにもならないし、自分たちの代になった時に繋がらないので、法政に来たからには自覚持ってやらないといけないと思っています。
ーー明日以降の目標は
ホームランも大事ですがやっぱり打率が1番大事だと思っています。そのためにチームバッティングが1番大事だと思ってるんで。打席に応じたバッティングができるようにしていきたいです。
(取材・矢吹大輔)