【硬式野球】大島公一監督が語る今季の法大の展望 キャンプ、オープン戦を通した競争で頭角を現した選手たちといざ、春季リーグへ(春季リーグ戦直前インタビュー⑲)
大島 公一 監督
ーーオープン戦を振り返ってコンディションは
どうなんでしょう。今の現状。手応えがあるようなないような。難しいです。
ーーキャンプの際にオープン戦を通しての競争に期待と話していたが、実際に競争させて見て良かった選手は
意外と下級生の方がね、よく頑張ったなっていう印象ですね。
ーーその中でも特に良かった選手は
やっぱりリーグ戦経験者の熊谷(陸、人2=花巻東)とか、松下(歩叶、営4=桐蔭学園)は当然なんだけど藤森(康淳、営3=天理)とかが今順調に来てるかなと思います。
ーー社会人対抗戦では1年生が多くベンチに入っていましたが、意図は
神宮を経験させたいってのは当然ありますし、実力的にもこのメンバーかなと思って、その時は選びました。
ーーオープン戦を通して選手にどういった事を伝えているか
テーマね。みんなで勝ちにこだわりていこうっていう話は、幹部の松下を中心に話してたかなと思います。
ーーその上でオープン戦中どんな影響が出たか
影響か、当然一喜一憂するのも大切なんですけども、ずっと一喜一憂してないで、その目の前のプレーを全力でやりましょうっていう話は意外としたかもしれませんね。
ーー経験の少なさが課題とおっしゃっていたが、オープン戦を通して経験の少なさを感じた点は
そうですね、当然なんですけどいい時と、当然悪い時と、その試合運びの違いっていうのは、やっぱ経験のなさを感じるかなっていう時はあります。
ーーその上でどんな戦術で戦ってきたか
ダメな時はそんなうまくいくもんじゃないですよね。悪い時はいかに我慢できるかっていうことが、いい時はいかに心や我慢を緩めないっていうのが僕は鉄則かなと思ってるんで、特にこういう戦術だっていうものはないですかね。
ーー春リーグのキーマンは
やっぱピッチャーかなと思いますね、やっぱり。ピッチャーの中で言うと野崎(慎裕、営4=県岐阜商)ですかね。
ーー野崎投手のコンディションは
ちょっと色んな意味でコンディションが整ってないですけど、あと約2週間ありますので。しっかり整ってくるかなと思ってます。
ーー野崎投手は球種が増えて強みになったと話していたが
もうあの、投球技術とかテクニカルのことはよくわからないんで、そこは髙村に任せてる部分なので、技術的なとこっていうよりは、僕は精神的な部分と体力的な部分っていうのに注視はしてます。
ーー去年のチームの指導と変えた点はあるか
経験者が去年は多かったということと、今年は経験者がね、少ないっていうことが違いになってくるので、そういう意味では1人1人の力ではなかなかの他の大学には対抗できないかなと思うので、やっぱりチームワークっていうか、しっかり決め事に対してチーム全体でやっていくっていうことを幹部の学生、コーチ、また松下を通じてやってくれてるなと思います。
ーーハングリー精神が特に伝わってくる選手は
副キャプテンの内山(陽斗、文4=天理)かな。(どのような点で)そういう取り組み姿勢であったりとか、上に上がったろうとか、なんとかレギュラーになってやる、またはなんとかチームに貢献しようという姿勢が見えるので、そういう意欲は非常に感じます。
ーー内山選手のコンディションは
ずっとバッティングのね、状態はいいように感じてますし、体も去年ちょっと怪我もあったんですけど、その怪我の状況も意外と影響してないかなっていう感じでは見てます。(起用法は)そうですね。コンディションによっては他の人の兼ね合いになりますけど、当然先発もあるだろうと思いますし、後から代打や守備固めで行くこともあると思います。
ーーキャンプの時点では暫定のレギュラーは松下選手と藤森康選手のみと言っていたが他に増えたか
やっぱり二遊間の熊谷、中村(騎士、営2=東邦)はもうほぼほぼもうレギュラーになってきてるかなと思いますし、ファーストの今泉(秀悟、キャ2=石見智翠館)もそうですし。
ある程度はセンターラインとその辺は固まってきてるかなと思います。(クリーンナップはどうか)そうですね、打順も今のが1番ハマりは良いかなと思ってます。またちょっと2週間経って何試合があるので、変更する可能性もあると思いますけど。
ーー選手個々についてもお聞きします。ショートのポジションは熊谷選手と小川選手が争う形となっているが
意外とね、ショートもできる選手が多いんですよね。それでも今の段階では熊谷がいいかなと思ってます。(ショートは対抗馬としてあげられる選手も多いが)次に考えてるのは今のところは小川(大地、営2=大阪桐蔭)かなと。
ーー外野のレギュラーとして挙げていた藤森康
バッティングもね、去年の経験が生きて非常に広角に打てるようになってきてますし、守備も去年まではいろんなポジションを結構守らせてしまって、大変苦労させたなと思ってるので、そういう意味ではもう今落ち着いてセンターを中心に、センターしかやってないっていう状況にしているので、そういう意味では去年の状況よりもぐっとレベルアップしてるなって感じてます。(ファースト起用は100%もうないのか)もう頭の中には全くないです。昨年はどうしても藤森康を使いたかったから、空いてるポジションっていうか、上級生のコンディションの悪いところがたまたまファーストだったっていうことでやらせていたのであって。それでもしっかりとこなせるところにやっぱり野球センスは感じますよね。
ーー捕手は去年リーグ戦で捕手を守った中西祐樹(法3=木更津総合)、土肥(憲将、キャ2=鳴門)、只石(貫太、営1=広陵)が争う形となり今は只石選手が出場しているが
1年生はね、やっぱりまだまだ僕も把握しきれないところもあるので、数多く境(亮陽、営1=大阪桐蔭)も含めてこの2人は結構試合で使いました。今後どうなっていくかっていう現状を見ながら当然、中西祐とか土肥っていう上級生のキャッチャーもいますから、そことの兼ね合い、只石の状況を見ながらになると思います。(開幕は只石で行くお考えか)まだあと2週間あるんでね。そこはまだ決めかねてます。いろんな意味でコンディションが崩れたりとか、不慮の事故もあったりとかする可能性もあるので。今のところ固定した、捕手はこれだっていうのはないです。
ーー只石選手本人は経験が強みだと語っていたが、経験を感じた場面は
その経験っていうのは、どこの経験のことは言ってるのかちょっとわからないけども、高校時代から数多くはマスクを被ってるっていう経験のことかな(甲子園経験を一つあげられていました)なるほど、甲子園も神宮大会も含めて、下級生から多分広陵高校のキャッチャーでスタメンでしたっていう僕も認識なので、そういう試合数を重ねてるなっていうことは法政大学来て試合してても落ち着きは感じますよね。
ーー主将の松下選手の仕上がりは去年の秋に比べてどうか
本人もね、自分の最高のコンディションにやっぱまだまだ届いてないっていうかね、キャプテンとしてやるべきことが多くて、なかなか自分の練習ができてないのかなと。申し訳ない部分もあるなと思いながら見てます。コンディショニングにはあんまりいいとは思えないですね。
ーーファーストは今泉選手がメインだが、対抗馬をあげるとすると
ファーストの対抗馬。誰だろうね。いっぱい対抗馬はいると思いますけど、さっき言った小川っていう選手は、やっぱファーストもサードもショートもユーティリティに守れるっていうところを踏まえると、何かアクシデントがあればどこかに小川大地を入れようかなと思います。(小川選手は仕上がっていますか)まだまだ物足りないところはあるんだけども、非常に充実したコンディションで去年の秋からこの春のキャンプ、または今まで継続してるなとは感じてます。まだまだ物足りない部分はありますが成長しているなと感じています。
ーー藤森康選手を1番として起用し続けているが
やっぱ積極的なバッティングもできますし、当然ね、足のスピードもありますし、勝負強い、粘り強いバッティングもできますし、今の藤森康は1番が1番似合ってるかなと思って固定してます。
ーー今年の副将2人はどちらもリーグ戦経験が少なく、オープン戦のスタメンからもしばしば外れていますが、その中でもどのような働きをしてくれたか
やっぱりチームの雰囲気をしっかり作ってくれてるなと思いますし、試合に出てる選手をしっかりサポートしてるなと思いますし、そういう意味ではすごくいいスタッフだなと思ってます。
ーー野崎投手以外の投手はリーグ戦通して投げ抜いた経験のある投手がいない中で、今の時点で誰を第2先発に起用するつもりか
今は小森(勇凛、キャ2=土浦日大)だろう思います。(小森選手の仕上がりは)登板するたびにいいものを出してきてますし、真っ直ぐも強くなってきてるなと思います。あとはもう決め玉の問題かなというのと、スタミナかなと思います。(社会人対抗戦では4回を投げ無失点だったが、小森投手は立ち上がりがいいタイプなのか)うーん、どうなんだろうね。やっぱ立ち上がるっていうのは非常に難しいところだと思うけど、確かにそう言われてみると、全ての登板時に無難に立ち上がってるかなとは思います。
ーーオープン戦の投手運用について高村さんと話したことは
それは当然、髙村にアドバイスもらいながらやってます。
ーーリリーフエースとしてきたいをかける投手はいるか
髙村はなんていってましたか?(永野投手です)じゃあ僕も永野になるんじゃないかなと思います。
ーー去年の安達(壮汰、令6年度卒=三菱重工EAST)さんのような運用をする投手は永野投手になるのか
安達はね、春からやっぱりリーグ戦を経験をして、秋にそういう形になったかもしれないけど、今年はまた春っていうことで、誰もが経験がないんで、永野だけではなくてね、針谷(隼和、営3=桐光学園)山口(凱矢、営3=桐蔭学園)っていうところもに相当僕は期待をしてます。この3名ぐらいを、後からその中継ぎっていうくくりにするかなと思ってます。
ーー山口投手、針谷投手のどの要素を組んでリリーフにしたのか
誰がリリーフとかっていう、この適正かどうかっていうのも、僕は見極めはそんなにできてないと思いますし、基本的にみんな高校時代は先発しかしてないんで、どちらが難しいかと言ったらリリーフの方が難しいと思うんですよ。
そう考えると、その経験をどんだけこの春のリーグ戦でできるかなっていうところだと思ってます。
ーー奇しくも昨秋と全く同じカードの順番、全く同じ休みのタイミングですが、昨秋を踏まえて戦術は。
大きく違うのは、結局去年は約2ヶ月近くだったので、今回は1ヶ月ちょっとぐらいで終わるので、2週やって1週空いて3連続で行くっていうところに。大きな違いがあるので、去年の秋うと同じっていう感覚では見てないですね。
順番的にも東大言って慶應だったのかな去年。そうなってくるとやっぱ少しタイトなスケジュールになるので、非常に体力勝負になるかなとは思ってますけど、昨年の秋と同じようには考えてないです。
ーー9季連続で優勝から遠のいているが、1つ原因を挙げるとすると
1つ、やっぱり負けに対する経験値が生かされてないっていうかね。失敗に対して失敗をどう活かすかとか、またはそのピンチを、今まさにピンチなんですけど、ピンチをやっぱプラスに変えれてないっていうところかなと思います。
そういう意味では、しっかりその反省を踏まえながら、全てに対しては反省を踏まえながら、それに対して確実に成長していきたいなという気持ちでいます。
ーー髙村助監督は今年の法大は違うぞというところを見てほしいとおっしゃっていました。変えた点は
変えたところっていうのは、もう今までやってきて言うように、何年も優勝していなくて大きな低迷期、大低迷期であるっていうことでは間違いないので、今までやってきたこととは同じことはやめましょうねっていう、去年までこれが良かったからその通りやるっていうことはやめましょう、全てに疑問を持ちましょうっていうのは僕の今のスタイルかなと思ってます。
ーー立大に2連勝するためにどう入っていくか
そんな簡単に勝ち勝ちで終わらせるのはね、そんな容易なことではないかなと思いますし、当然その小畠(一心、4年=智弁学園)くんも含めて立大の投手陣は経験者が多い。一方うちの方はやっぱ経験者が少ないという。どちらかというと分が悪い状況ではあるので、もう一戦必勝で戦うしかないですし。さっきも言ったようにピンチやまた劣勢になった時にいかにプラスに変えれるかっていうのが勝負かなと思います。いわゆる可能性のなさが、その若さというか、可能性のなさがやっぱりいい方向に転んでくれたらなと思ってます。
ーー最後にファンの方へ一言
いつも本当に応援ありがとうございます。本当に全力で戦います。一緒に戦ってください。
(取材:中山達喜)
大島 公一(おおしま・こういち)
1967年6月17日生まれ
東京都出身・法政二高→法政大学→日本生命→近鉄→オリックス→東北楽天
硬式野球部の写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。
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