2025年5月24日(土)
神宮球場
10季ぶりの優勝に向けもう一個も負けられない状態で迎えた明大1回戦。初回に先発の古川翼(キャ3=仙台育英)がスリーアウトを取ることなく3失点KOと大誤算。その後も継投策をとるも1点、また1点と失点。6点差をつけられ、3割打者が5人並ぶ打線は3安打完封といいとこなしであえなく敗戦。10季連続V逸も確定した。

先発の古川はスリーアウトを取りきることなくKO…
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
明大 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 6 | 10 | 1 |
法大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 |
(明大)毛利ー福原
(法大)古川、山床、槙野、小森、帯川—只石
[本塁打]
明大:なし
法大:なし
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 | 打率 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (8) | 藤森康 | 4 | 0 | 0 | 0 | .395 | 三ゴロ | 二ゴロ | 中飛 | 空三振 | 空三振 | ||||
2 | (9) | 境 | 4 | 1 | 0 | 0 | .354 | 空三振 | 一ゴロ | 二ゴロ | 右安 | |||||
3 | (7) | 片山 | 4 | 0 | 0 | 0 | .364 | 一ゴロ | 一ゴロ | 二ゴロ | 三ゴロ | |||||
4 | (5) | 松下 | 3 | 1 | 0 | 0 | .326 | 左2 | 一飛 | 二ゴロ | ||||||
5 | (3) | 今泉秀 | 3 | 0 | 0 | 0 | .244 | 投ゴロ | 右飛 | 二ゴロ | ||||||
1 | 帯川 | ― | ― | ― | ― | ― | ||||||||||
6 | (6) | 熊谷 | 3 | 0 | 0 | 0 | .326 | 空三振 | 二ゴロ | 左飛 | ||||||
7 | (2) | 只石 | 2 | 0 | 0 | 1 | .261 | 左飛 | 空三振 | 四球 | ||||||
8 | (4) | 中村騎 | 3 | 0 | 0 | 0 | .184 | 三ゴロ | 遊ゴロ | 中飛 | ||||||
9 | (1) | 古川 | ― | ― | ― | ― | ― | |||||||||
1 | 山床 | ― | ― | ― | ― | .000 | ||||||||||
H | 大西 | 1 | 0 | 0 | 0 | .000 | 三ゴロ | |||||||||
1 | 槙野 | ― | ― | ー | ー | .000 | ||||||||||
H | 浜岡 | 1 | 0 | 0 | 0 | .167 | 遊失 | |||||||||
1 | 小森 | 0 | 0 | 0 | 0 | .200 | ||||||||||
3 | 井上和 | 1 | 1 | 0 | 0 | .286 | 中安 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
古川 | 2/3 | 25 | 7 | 4 | 0 | 1 | 3 | 5.79 |
山床 | 2 1/3 |
55 | 11 | 1 | 3 | 3 | 1 | 1.69 |
槙野 | 3 | 37 | 10 | 1 | 3 | 1 | 0 | 5.65 |
小森 | 2 | 38 | 9 | 2 | 2 | 1 | 1 | 4.66 |
帯川 | 1 | 21 | 6 | 2 | 1 | 1 | 1 | 9.00 |
ベンチ入りメンバー
10 | 松下歩叶(営4=桐蔭学園) | 27 | 土肥憲将(キャ3=鳴門) | 39 | 岩井天史(人1=滋賀学園) |
13 | 赤間梢吾(キャ4=法政二) | 3 | 今泉秀悟(キャ2=石見智翠館) | 7 | 浜岡陸(法4=花咲徳栄) |
18 | 野崎慎裕(営4=県岐阜商) | 23 | 只石貫太(営1=広陵) | 9 | 内山陽斗(文4=天理) |
41 | 帯川翔宇(文4=札幌一) | 42 | 井上和輝(法1=駿台甲府) | 1 | 藤森康淳(営3=天理) |
19 | 古川翼(キャ3=仙台育英) | 45 | 大西遼多(法2=中京大中京) | 33 | 片山悠真(文3=八王子学園八王子) |
12 | 山床志郎(文2=高鍋) | 4 | 中村騎士(営2=東邦) | 26 | 境亮陽(営1=大阪桐蔭) |
17 | 小森勇凛(キャ2=土浦日大) | 37 | 西村大和(法1=報徳学園) | 29 | 山田頼旺(法1=中京大中京) |
24 | 槙野遥斗(営1=須磨翔風) | 2 | 熊谷陸(人2=花巻東) | 50 | 平尾聡一郎(文4=海星) |
22 | 中西祐樹(法3=木更津総合) | 8 | 小川大地(営2=大阪桐蔭) | 51 | 鶴丸紘(スポ4=都城東) |
戦評
明大一回戦 戦評
今年も「血の法明戦」に多くの観客が詰めかけた。応援席の熱気はかつてないほど高まっている。法大の先発は 古川翼 (キャ3= 仙台育英 )、対する明大の先発は毛利海大(4年=福岡大大濠)。優勝の懸かった、緊張の一戦である。
試合は一回表の明大から攻撃が始まる。いきなり1番・田上が放った打球を熊谷陸(人2=花巻東)が華麗にさばく。テンポよく2死まで抑えるも、3番・榊原に四球を許し、続く4番・小島に中方向へ痛烈な打球を浴び、2死一、三塁のピンチを背負うと、現在打率1位の5番・宮田に一二塁間を抜ける適時打を放たれ、先制点を許してしまう。続く6番・若狭にも左前適時打を浴び、2点目。さらに7番・木本に左前に打球を運ばれこれで4連打。適時二塁打を記録し、3点目を追加される。ここで大島監督が動く。先発の古川に変わり、山床志郎(文2=高鍋)がマウンドへ。古川は2/3回を3失点と、大乱調であった。これ以上追加点は許されない場面だったが、8番・友納を中飛に打ち取り、この回を終える。
1回裏、反撃の糸口を掴みたい法大だったが、2番・境亮陽 (営1= 大阪桐蔭 ) が空三振に喫するなど、相手先発の毛利に手も足も出ず三者凡退でこの回を終える。
2回表、先頭の毛利を見三振に抑えると、1番・田上の放った痛烈な打球を三塁手の松下歩叶(営4=桐蔭学園)がグラブに収め、三ゴロに打ち取る。さらに2番・福原を見三振に打ち取り、流れを引き寄せる投球を見せる。
その裏、先頭の4番・松下が右翼手の頭上を超える二塁打を放つも、5番・今泉秀悟(キャ2=石見智翠館)のバント失敗により2死走者なしに。続く6番・熊谷は空三振に倒れ、好機を活かせず無得点。
3回表、4番・小島が四球で出塁すると、5番・宮田に死球を許し、1死一、二塁の窮地に立たされる。6番・若狭から見三振を奪い、2死とするも7番・木本がフルカウントから右前適時打を放ち、4点目を追加される。その後8番・友納に四球を許すも9番・毛利をニゴロに打ち取り、最少失点で切り抜ける。
3回裏、7番・只石が左方向に大きな打球を放つも、惜しくも届かず左飛に打ち取られる。その後2死走者なしで代打・ 大西遼多 (法2= 中京大中京 )がリーグ戦初打席へと向かう。大西は三方向へ打球を放ち、一時セーフの判定が出るも、ビデオ検証で覆されアウトに。無得点でこの回を終える。
4回表、山床に変わり槙野遥斗 (営1= 須磨翔風 )がマウンドへ。山床は2回1/3を投げ、1失点の内容だった。明大打線は1番から始まる好打順だったが、3番・榊原から空三振をうばうなど安定した投球で三者凡退に抑える。
その裏、こちらも1番・藤森康淳(営3=天理)から始まる好打順だったが、またも相手先発の毛利を前に三者凡退に倒れ、無得点。
5回表、先頭の4番・小島に初球を捉えられ右前打を許すも、5番・宮田を見三振に抑え、さらに6番・若狭を二併殺に打ち取り無失点で反撃を待つ。
しかし5回裏、ここでも相手先発の毛利になす術もなく、三者凡退。
6回表、グラウンド整備明けの攻撃は7番・木本に四球を許し出塁されると、続く8番・友納に犠打を決められ、1死二塁と追い詰められる。しかし後続を槙野が素晴らしい投球で抑え、無失点で6回裏の攻撃へ向かう。
その裏の攻撃、相手先発の毛利に一矢報いたい場面だったが、代打・浜岡が遊失で出塁するも実らず、6回を終え1安打と封じ込まれる。
7回表、小森勇凛(キャ2=土浦日大)がマウンドへ向かう。槙野は3回を3奪三振無失点の好投で降板する。試合は3番・榊原に四球を許すと、只石の捕逸で一気に三塁へと進まれる。続く打者は本日適時打を放った4番・小島。ここをなんとか二ゴロに打ち取ると、続く5番・宮田も遊ゴロに打ち取り、無失点で終える。
その裏、法大の校歌が神宮に響き渡るも難なく三者凡退に抑えられ、この回を終える。
8回表、先頭の6番・岸本に遊前打を浴び出塁されると7番・木本の二ゴロの間に二塁へ進塁されてしまう。すると8番・友納に右方向へ痛恨の適時二塁打を打たれてしまい、5点目を許す。しかし後続は断ち終盤での逆転を目指す。
裏の攻撃、2死走者なしの場面で7番・只石貫太 (営1= 広陵 ) が四球で出塁する。続く8番・中村騎士(営2=東邦)が中方向へ痛烈な打球を放つも、中堅手のグラブに吸い込まれ無得点。
9回表、帯川翔宇(文4=札幌一)が登板。小森は2回を投げ1失点という内容だった。試合はいきなり2番・福原に右中間を破る二塁打を放たれると、3番・榊原にも右前打を浴びる。4番・小島にも四球を許してしまい、無死満塁の大ピンチに。5番・宮田を三ゴロ、6番・岸本を三飛に打ち取り、2死とするも続く7番・木本の打席で帯川が暴投。その間に本塁を踏まれ、6点目を追加される。その後空三振に仕留め、最終回の攻撃へ。
なんとか得点したい9回裏、先頭の9番・井上和輝 (法1= 駿台甲府 )が本日チーム2安打目となる中前打を放つと、2番・境亮陽 (営1= 大阪桐蔭 ) も右前打を放ち、ようやく1死一、二塁のチャンスを迎える。なんとか反撃をして明日の試合へとつなげたい場面だったが、3番・ 片山悠真 (文3= 八王子学園八王子 )が併殺に倒れ、試合終了。
初回、4番・小島を皮切りに4連打を浴び3点を失うなど、計6失点を許し敗戦。相手先発の毛利に3安打完封されるなど、付け入る隙もなかった。この瞬間法大の優勝が消滅し、10季連続のV逸が確定した。10季連続でV逸を喫するのは、13年春~18年春以来、六大学リーグ始まって6度目。戦後に限定するなら4度目となる。
(記事:加納正義)