【硬式野球】唯一無二の経歴で神宮へと上り詰めた助川太志 初登板から中継ぎで確かな存在感を発揮し、来季は投手陣の中核へ(秋季リーグ戦振り返りインタビュー⑥)
助川 太志 投手
――今季チームとしては3位だったが振り返って
野手陣がたくさん打ってくれたおかげで3位という結果になれたんですけど、ピッチャー陣がもう少し投げ切れていれば、優勝も目指せる位置だったと思うのですごく悔しかったです。
――今季のご自身の成績を振り返って
立教戦までは無失点で抑えられていたんですけど、早稲田戦から点を取られるシーンが増えてしまいました。四死球からの失点が多かったので、そこをこれからの課題にして、来年頑張っていきたいと思います。
――ご出身は千葉県だが、茗渓学園に進学した理由は
両親の実家が茨城にあって、そういった縁もあって中学受験を決め、茨城の父親の実家の近くの学校に進学しました。
――茗渓学園は軟式野球部だが、その環境を選んだ理由は
中学受験で茗溪学園に入学して、高校に進学する際は他の高校で硬式野球をやろうと思っていました。ただ、中高一貫校ということもあって、他の高校に推薦入学することは叶わず、受験をしなければいけないということがわかって。その時には学力があまりなく難しかったので、茗溪学園で軟式野球を続けようと決断しました。
ーー茗渓学園から法政大学のグローバル教養学部(GIS)に進学した理由は
元々英語は得意だったので、英語の武器を育てられるような環境に進みたいと思ってグローバル教養学部のGISを選びました。(受験方法は)一般受験です。(TOEIC905点とあったが)TOEICの勉強というのはあまりしていなくて、ちょっと受けてみようかなくらいの感じだったんですけど、頑張りました。
――野球部にはどういった方式で入ったのか
スポーツ推薦じゃない人たちの練習会みたいなものがあって、参加させていただいて入部しました。
――軟式から硬式に変わったことによる難しさは
1番最初に感じたのは、球の違いというよりレベルの違いでした。高校の軟式は、言うならば硬式野球部でプレーすることが叶わなかったり、高校で野球を始めてみようという人たちが参加する部活動なので、やっぱりレベルの差というのはすごく感じました。法政は硬式野球で、高校野球のスーパースターが集まる場なので、その差は歴然と感じました。
――慶大2回戦では8回裏の同点に追いついた場面でリーグ戦初登板を果たしたが、どのような気持ちでマウンドに上がったか
しぬほど緊張しました。もう緊張しすぎて、逆に1周回ってスタンドの声とかが大きく聞こえました。
――ピンチも背負った中で無失点に抑えてチームの今季初勝利に貢献したが、あの場面を振り返って
9回にフォアボールでランナーを出してしまって、その後盗塁、申告敬遠で、2人とも打たれて出たランナーではないというところにしっかり自信を持って、キャッチャーの土肥(憲将、キャ3=鳴門)のサインを信じてストライクゾーンに投げることを意識しました。
――慶大戦はリーグ戦初登板からいきなり3連投でしたが、体力的にはいかがでしたか
球数は結構かさんでいたんですけど、肉体的疲労というよりは精神的疲労の方が大きかったと思います。
――立大3回戦は1回を三者連続三振に仕留める好投だったが、変化球には自信があるのか
ちっちゃい頃から投げ続けてきて、いつでも投げれるようにしてきていたので自信はすごくあります。
――シーズン後半はなかなかご自身の投球ができない場面もあったかと思うが、ご自身ではどのように受け止めているか
少しずつ疲労も出てきて、本来の今までやってきたピッチングが出来なくなりつつあったところをそのままずっといってしまったかなと思います。
――リーグ戦を通して、特に印象に残っている試合とその理由は
立教戦の勝ち点を奪われた試合は印象に残っています。自分は7回に登板して3人で抑えられたんですけど、8回に丸山(陽太、スポ4=成東)さんが勝ち越しのホームランを打たれてしまって、自分にもっと実力があれば、その前日に先発していた丸山さんの負担を自分がやわらげられたのにというのはずっと思っていました。
――六大学の中で印象的だった選手は
対戦はしていないんですけど、慶応の丸田(湊斗、2年=慶応)選手はすごく印象に残っています。(慶大2回戦の)9回の代走で丸田くんが出たんですけど、すごく簡単に走られてしまったので、セットポジションでの課題というのは突きつけられました。(次回対戦する際の意気込みは)丸田くんはランナーに出さないように頑張りたいと思います。
――今季を通して一番自信になった球種は
今季一番自信を持てた球種はスライダーだったかなと思います。多く三振を取れた球種がスライダーで、この球は六大学でも通用するのかもしれないという自信は持てました。
――今季は4年生とは最後のリーグ戦になったが、特にお世話になった先輩は
4年生のピッチャー陣になるんですけど、永野(営4=倉敷商)さんと、丸山さんと、野崎(営4=県岐阜商)さんにはすごくお世話になりました。永野さんは私生活でお世話になる部分があって、最初はめっちゃ怖かったんですけど、日を重ねるごとに仲良くしてくれていい存在でした。丸山さんはさんはやっぱり同じ一般入試組ということで色々相談することもあって、ずっと憧れていました。色々質問しても真摯に答えてくれて、すごくお世話になりました。野崎さんは下級生の時に一緒に練習する機会があって、その時に野球の技術について教えてもらうことが多くて、すごくお世話になりました。
――丸山選手のインタビューでも1番ピッチングに関する質問をもらっていたという話があったが
丸山さんは本当にすごくて、ただただ憧れていたので、丸山さんと同じ試合に出られたことがすごくうれしかったです。よくサウナとか一緒に行くんですけど、それをダシにいっぱい質問させていただきました。(丸山選手のすごいところは)天才肌でありながら。ひたすらに努力家で、やっぱりあのまっすぐにはロマンを感じます。
――理想とされている投手は
理想としている投手は特にはいないですね。自分がそう言われるように頑張ります。
――今季の投手陣は4年生が中心だったが来年は最上級生ということで、どのようなことを意識するか
今回、4年生中心でやってきたことを身近で見て肌で感じることができたので、それをしっかり継承して、自分がチームに貢献できるように頑張りたいです。
――今季は終盤の中継ぎでの起用が多かったが、来年以降はどのようなポジションで投げたいか
どこでも投げます。(先発への希望は)やりたいという気持ちよりも、チームに貢献したいという気持ちの方が大きいです。(丸山選手からはエースを期待する言葉もあったが)18番はこれから自分の実力がそれをつけるにふさわしいレベルになれたらつけられると思います。
――来季に期待している投手は
来季やってくれそうだと感じるのは、同級生のハリ(針谷隼和、営3=桐光学園)です。チームで1番努力していると思いますし、実際に投げている球もえげつないですし、来年はハリが六大学を代表するようなにピッチャーになってくれると思います。
――来季に期待する野手は
野手は全員すごいんですけど、活躍してほしいなと思うのは、同級生でずっとお世話になっている中西祐樹(法3=木更津総合)と土肥ちゃんと川崎(広翔営3= 日大三)のキャッチャー3人組です。(土肥選手とは今季バッテリーも組んだが)土肥ちゃんは日常生活ではすごく優しいですけど、試合になったらすごく厳しくて。自分が抜けた投球をしていたら怒られるので、それも期待の裏返しだと思って、期待に応えられるようにいつも精一杯頑張っています。
ーーこの冬特に取り組みたいことは
新球種と球速アップです。
――来季に向けてチームとして・個人として掲げる目標は
チームとしては絶対リーグ戦で優勝して、日本選手権を制覇するというのが目標です。個人としては法政の中継ぎには助川がいると言われるぐらいの選手になりたいです。
――応援してくださったファンの方々にメッセージ
長年法政大学を応援していただきありがとうございます。未熟者ですが、今後の期待も込めて優しく見守ってやってください。
(インタビュー:古川千遥)
助川 太志(すけがわ・たいし)
GIS3年・2004年6月24日生まれ
千葉県出身・茗渓学園
180cm77kg・右投右打
今季成績:8試合 0勝1敗 10奪三振 13四死球 自責5 防御率5.04
硬式野球部の写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。
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