第103回箱根駅伝予選会事前インタビュー
10月17日(土)に開催される第103回箱根駅伝予選会。昨年、わずか17秒に泣いた法大は今年、その悔しさを晴らすーー。エントリーメンバー16人と坪田智夫駅伝監督のインタビューを計8回にわたり公開していく。第3弾は、大枝颯太(経2=市西宮)、佐上湘哉(経2=光明学園相模原)の声をお届けする。
▼チームエントリー
| 選手名 |
|---|
| 重山弘徳(経4=西京) |
| 田井中悠成(経4=滋賀学園) |
| 野﨑翔太郎(経4=札幌山の手) |
| 野田晶斗(社4=京産大附) |
| 平井蒼大(スポ4=川西緑台) |
| 星野泰地(スポ4=國學院久我山) |
| 湯田陽平兵(社4=関大北陽) |
| 青手木陽太(経3=自由ケ丘) |
| 加庭翔太(社3=富岡) |
| 福田大馳(経3=名経大高蔵) |
| 町田陽太(経3=東農大二) |
| 岩上貴徳(経2=樹徳) |
| 大枝颯太(経2=市西宮) |
| 神田悦士(経2=豊川) |
| 佐上湘哉(経2=光明学園相模原) |
| 梅本陸翔(経1=須磨学園) |

インタビュー
大枝颯太
――先日のエントリー発表を受けて、現在の心境は
合宿くらいからエントリーには入れるかなと思っていたので、まずほっとしています。全日本(予選会)ではエントリーぎりぎりのボーダーラインで、直前まで入るか分からない感じでした。(今回の箱根駅伝予選会は)前々から入るかなというイメージができていたので、今はエントリーに入ったことに満足せず、しっかり12人の出走に目を向けてます。
――全日本予選会では2年生で唯一のメンバー入り。前半シーズンを振り返って
トラック自体があまり得意ではなくて。練習はそれなりに同じ学年の間でも積めた方だったのですが、全然思った通りの結果が出なくて、それで前半は練習と試合結果が結構乖離していたなという印象です。
――その状況下でどのようにモチベーションを保っていたか
まずはあまり結果に落ち込みすぎずに、練習はつながっていると思っていたので練習をもっと積んでいったら結果は出るかなと思っていました。また、ロードの方が自分は得意かなと思っていたので。今結果が出なくてもしっかり秋以降ロードで結果を出して、予選会や本戦に絡んでいけるようにとあまりモチベーションは下がらずにはできました。
――どのような目標を立てて夏合宿に臨んだか
7月からはしっかり距離を踏めていたので、7月と8月の中旬くらいまでは距離を踏むことを意識していました。8月の後半くらいからポイント練習も結構入ってきたので。ポイントに関しては絶対にたれないというのと8月の頭から始まっていた距離走でも絶対たれないという目標を持ってやっていました。
――特にきつかった練習や印象に残った練習は
A2次(Aチーム2次合宿)の最終日の距離走が1番きつくて。いもり池4周の距離走だったのですが、設定ペースが最初から3分半くらいで。しかもアップダウン、最後の3キロがすごい上り坂でとてもきつかったです。4周目のラスト3キロフリーが上りだったので、そこでちょっとたれてしまったので。それ以外は全部たれなかったけれど、練習で唯一ちょっとたれてしまったのでそれが1番きつかったなと思います。
――きつかった練習ですごいなと思った先輩は
野田(晶斗、社4=京産大附)さん、星野(泰地、スポ4=國學院久我山)さんです。野田さんは最初の1周目は引っ張っていただいたのですが、そこからは後ろ回っていただいて声かけをしてくれて。周りの後輩、特に1年生に声かけてて、それを自分に落とし込む感じできついときも粘れて。野田さんのおかげでまとまって練習できたかなと思います。星野さんは結構余裕を持って、最後の3キロのペース上げていっていたのでそこがすごいなと思いました。
――夏を通して成長できた部分は
全部の練習をほとんどパーフェクトで消化できたのがすごい成長できたかなと思います。前期は練習できても結果が出ないという悪いイメージを持ってしまっていた。けれど夏は逆にこれだけ練習できていたら絶対に試合でいけるなという自信に変えられたところがメンタル面でも成長できたと思います。野田さんや田井中(悠成、経4=滋賀学園)さんらと部屋が一緒だったのですが、強い4年生たちの姿を見て、ケアの丁寧さだったり動き出しの丁寧さだったりそういう部分で得るものがありました。
――現在のコンディションは
夏合宿が明けた後はほとんど完璧にできた分、ちょっと疲労があったのですが、徐々に練習量を予選会のイメージをして落としていってて。今コンディションがとてもいいわけではないけれど、上がっていくイメージがあって、あと10日後と考えたらコンディションはすごくいい感じに上がってきているかなと思います。
――残りの期間どのような準備を
坪田監督がおっしゃっていた通り、当たり前のことを徹底する。いつも通り普段通りにして、試合前だからといって変に練習量を上げたりとかせずに、夏しっかりやってきたというのはあるので、あとはいつも通り淡々とこなしていって。まだ走れるか言われていないので分からないですけど、いつ走ると言われてもいいように10日間は過ごしていくというのと、坪田監督を信じて練習していきます。
――ご自身の走りの強みは
1年生の時には最初から突っ込んで粘るのが強みかなと思っていたのですが、実力と乖離しすぎた感じで突っ込んでしまう部分がありました。今は練習もできて実力もついてきたかなと思うので、ある程度しっかり最初積極的に行って粘れるところが強みかなと思っています。
――予選会への意気込みは
法政を背負って走るということなので、まず第一にチームのことを考えて走ります。個人としてはタイムは63分半で順位は2桁で帰ってきたいと思っているので、そこに向けて持っている力を全部出し切って頑張りたいと思います。
――ファンの方に向けて
いつも応援の言葉だったり金銭的な支援とかいろいろな部分で支えていただいているなというのはすごく実感しています。夏合宿でも校友会の方や後援会の方に来ていただいて、身に染みて自分たちだけではやってないなとすごく感じたので。その人たちの思いも一緒に背負って試合に挑みたいと思います。
(インタビュー:角田昌優)

佐上と同じく日体大記録会に出場した大枝。今年の夏合宿では練習を完全に消化し、前を引くなど飛躍的な成長を遂げた
佐上湘哉
――予選会を前に現在の心境は
1週間前になって箱根予選会が近づいてきたなという思いなんですけど。そこに向けてチームの状態も自分の状態も合わせていくことができていると思うので、非常にチームとしていい感じだと思います。
――具体的なコンディション
疲れというものがチーム全体にも自分にもあったんですけど。そこから箱根予選会1ヶ月前ということで少しずつ練習を落としていったりとか、キレを上げていくためのスピードを入れるような練習だったりとか。そのようなことを繰り返していくことで、しっかりと箱根予選会に向けて整ってきてるのかなと思います。
――目標タイム
目標タイムというものは自分の中ではそんなにないんですけど、チーム全体で64分切りというところを。チームの10人目が64分切りということを全員ができるように、自分がサポートできたらなと思います。
――レースプラン
当日は決められた集団で走らせていただくようであれば、自分はこの集団の去年の経験者として引っ張るとか、チームに安心感を与えられるような走りができればと思っています。
――立川コースについて
最初の13キロまでが駐屯地内と市街地で全く上り下りがない平坦なコースで。公園内に入ってからやっと上りや下りが強くなってくるようなコースなんですけど。いかに前半余裕があるからといって公園内に入って仕掛けようと思うとやはり疲れてしまうところがあるので、攻めるところと守るところを意識した走りができればと思っています。
――起伏に対する意識
自分は平地で走るというところよりは、起伏があったりとか市街地とか、そういう景色が変わるようなところが好きなので、自分には向いてるのではないかなと思います。
――前半シーズンを振り返って、日本体育大学長距離競技会(5月31日)の5000メートルでは前を引っ張り自己ベストを更新。その後意識の変化は
冬場に自分は結構大きな故障(3箇所の骨挫傷)をしてしまっていて、そこから記録会の5000メートルに向けて走れる体を作るというところから始めて。5000メートルを引っ張ることで、つくだけじゃなくて自分で何かを変えていくレースという、考えたレースをできたのがすごくプラスになったと思っていて。考えたレースをすることによって、合宿で引っ張ることだったりとか、つくだけではなくて周りを意識した練習というのにつながったのではないかなと思っています。
――全日本予選にはエントリーされなかった
全日本予選の方には、冬場の故障がかなり長引いてしまって、自分自身も全日本予選には間に合わせたいという気持ちで調整は進めていたんですけど。急ピッチで仕上げてもチーム力は高いので、自分は入れなかったかなという感じです。
――4次までの妙高合宿をそれぞれ振り返って
1次合宿の方では、自分は実業団合宿の方に参加させていただいていて。チーム全体の合宿には参加できなかったんですけど、実業団の方でかなり質の高い練習だったりとか意識の違いとかを感じて。それを2次以降でしっかり生かせたっていうのが1次合宿の感想です。2次合宿からはチームに合流して、距離走だったりとか長めのロングインターバルだったりとかを行ったんですけど。やはり1次合宿で実業団の方でかなり高い質でいってきたので、疲れが目立ってしまって。3次合宿に向けては少し疲労が残った状態で、なかなかうまく練習がつながったりとかはしてなかったんですけど。4次合宿に向けて少し自分を見つめ直して、体の状態だったりとかメンテナンスだったりとかを見直すことで、また調子を戻してきたかなと思います。
――実業団と法政大学の合宿で異なる部分
実業団練習となると大学とか学校のようなチームで動く形ではなくて、個人で走るような本当に考えた練習というのをさせられるようなところが多くて。ウォーミングアップ、ダウン、ジョグなどを自分で調整したりとか、ジョグのペースが決まっていなかったりと、自分で考えないと強くならないし、逆にサボろうと思えばいくらでもサボれるという状況下で。自分の考えだったりとか気持ちの持ち方次第で、かなり練習の質が変わってくるところで練習させていただいていて。気持ちの持ちようだったりとか、ケアの部分の心の持ちようだったりとか、睡眠時間だったりとか。そのようなことをしっかりと自分で考えなければ強くなれないというところで練習してきたので、そういう意味では成長できたのかなと思います。
――記録会で引っ張れた経験や実業団合宿が大きな転機に
そうですね。本当に自分で考える練習というのがこの夏はしっかりできたのかなというのと、今チームは4年生がかなり強く引っ張ってくれていて。自分も2年生の学年リーダーという立場で、ついてばかりではいられないという気持ちが大きくなりましたし、チームを何か変えていかなければいけないという立場もあるので。そういう考えた練習ができたというのは、自分にとって大きなプラスになったのかなと思います。
――学年リーダーとなって1年。4月の取材から変化は
自分はこういう引っ張る立場とかほとんどしたことがなくて、最初はすごく苦労して。チームメイトにもかなり支えられたところがあって。引っ張り方がわからなくて最初はすごく戸惑ったところや、うまく引っ張るというところができなくてつまずくところもあったんですけど。そうやって自分から引っ張るとか、走りで見せるいうところもかなりできたと思いますし。ミーティングとかを通して、自分の発言だったりとかみんなの意見をうまくまとめることは得意だったので、そういう長所を生かしたところで、チームをまとめるということができたのかなと思っています。
――特に支えられたチームメイトは
全員に支えられたんですけど、特に支えられたと思うのは同級生の中田(拓未、社2=法政二)選手ですね。中田選手は、最初の方とかは自分がしたいと思ったところを2人で話し合って、中田選手がまとめてくれたりとか、引っ張り方だったりとか基本的なものを全て教えてくれたので。そういうところに関してはすごく助かったかなと思います。また、3年生の学年リーダーの平山(櫂吏、社3=八千代松陰)さんだったり、主将の野田(晶斗、社4=京産大附)さんだったり、幹部の方々に支えられたという部分も大きいかなと思います。
――夏合宿を通して成長できた点と課題点
成長できた部分としては、1次合宿から挙げていた自分で考えた練習や行動だったりというのが身についた合宿だったかなと思います。去年は1年生で何も知らない状態で入ってきて、先輩についていくというだけの1年間になってしまったんですけど。2年生になって後輩も入ってきて、学年リーダーという役職が与えられた上で、自分は何をしなければいけないのかということをしっかり考えるようになったのが1番大きいかなと思います。逆に課題点としては、4年生が今強い状況で頼りっぱなしになってしまったなというところが大きいので。予選会を突破して、1月の2日、3日(箱根本戦)までにし4年生からいいところはしっかり吸収していければと思っています。
――夏合宿で印象深い思い出
3次合宿での真ん中らへんにあったチームでのバーベキューじゃないかなと思います。予選会に向けてとかメンバー選考に向けてとか、すごい張り詰めた状態ではあったんですけど。バーベキューで食事をとって、みんなで笑い合いながら夜を過ごせたというのはすごく楽しくて印象深かったですね。
――2年生は仲のいい印象があるが、学年の雰囲気は
2年生のいいところは、つらいときも全員で乗り越えようとするところだと思っていて。1人が欠けようとしても全員で前を向かせるといったところが、学年として前を向いているというか。他学年にはない団結力があると自分は思っています。
――学年としてけがが多い印象だが、そのときも全体で支え合う形か
そうですね。特に冬ですね。冬の自分が故障していたときは、特に2年生はけがが多くて。大枝(颯太、経2=市西宮)選手と先ほど支えられたと挙げた中田選手以外、全員が故障した期間を過ごしたというところではあるんですけど。その中で意識の低下だったりとか少し見られたところもあるんですけど。全員で早く直してやろうとか、補強で切磋琢磨し合いながら、故障者にしかできないところをみんなで高め合いながら行えてたというのはすごい良かったのではないかなと思います。反面、故障も多いので、しっかり全員で故障しないようにしていこうという話もしながらという感じです。
――尊敬する選手やライバル選手は
今は主将の野田さんだと思います。野田さんは走りで引っ張ってくれるというところもそうなんですけど、全体のミーティングでも学年間の意見を取り入れてまとめて。今後どうしていくのかとか、チームの引っ張りたいところが見えているというか。常にチームを考えているというところと、自分の競技力もかなり高くて。何がしたいのかというのを見えているような感じがして。意識をしっかり持っているところ、見えてるところをぶらさないというところはすごく尊敬できると思います。ライバル選手は、自分の中では1年生からずっと掲げてはいるんですけど、同級生の神田(悦士、経2=豊川)選手ですね。神田選手が入ってきたときはタイム的には1番(5000メートル14分11秒14)で入ってきて。自分は5番(14分29秒69)なんですけど、意識しているところはありますね。
――ファンの方々へ意気込み
去年は箱根予選会を17秒差で負けてしまって、自分自身も体調不良があったりとチームに全く貢献できなかったという心残りがあるので。今年はしっかり箱根予選を走って、チームに貢献できるような走りをできればと思っています。
(インタビュー:宮川茉優)

エントリーされた2年生の中で唯一の予選会経験者となる佐上。前戦の日体大記録会のように積極的な走りができるか
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