【ハンド】2014関東学生ハンドボール連盟春季リーグ戦 対明大 前半勢いに乗るも、後半対応し切れず痛い敗北
関東学生ハンドボール連盟春季リーグ戦 対明大
2014年5月6日(火)
日大八幡山
昨日の時点で1勝5敗と8位につけている法大。入れ替え戦回避のためにも勝ち星を取りたいところだ。今日の相手は強敵の明大。法大は明大のエースを早々から封じにかかり、5点リードで前半を終える。しかし、法大もエースの坂野にマークを付けられると、なかなか対応することができず徐々に点差を詰められてしまう。終盤には逆転を許し、精彩を欠いた法大は敗北を喫した。
試合結果
28 法政大学 |
17 | 前半 | 12 | 32 明治大学 |
---|---|---|---|---|
11 | 後半 | 20 |
戦評
法大は試合開始直後から、春季リーグ現段階でポイントランキング1位である明大のエース・#2堤由貴に嶋大介をマンツーマンでマークに付かせ得点源を潰しにかかる。しかし、序盤はパスミスやオーバーステップでチャンスを与え、いきなり4点差まで離されてしまう。これに奮起した法大はここから猛反撃を始める。坂野翔也(社4)のサイドシュートや渡邉大貴(社2)の力強いシュートで徐々に点差を詰め、前半10分に差し掛かるところで同点に追いつく。その後も法大は攻撃の手を緩めず、渡邉のパスカットや河本憲汰(経4)の際どいコースへのシュートなどで3点差のリードを奪う。さらに守護神柿崎が好セーブを連発し相手の反撃を許さない。終盤には明大が退場者を出しチャンスを得ると、その間に遠藤由陽(経3)と立野省吾(社2)がリードを広げ、17-12で前半を折り返す。前半は嶋の徹底的な堤へのマークが功を奏し、流れを完全に法大へ引き寄せた。
しかし、後半に入ると強敵・明大が牙をむく。明大の堤に次ぎ、ポイントランキングで2位につけている坂野へマンツーマンのマークが付くと、状況は一変する。「そこでの対応力がなかった」と佐藤監督が語るように、パスの連携が思うようにいかない場面が多くなる。さらに法大から退場者が出るなどピンチの状況が続き、明大の猛追を受けると後半13分にとうとう同点に追いつかれてしまう。後半25分頃まで、両者引かない一進一退の攻防が繰り広げられたが、その後3点のリードを奪われ法大はタイムを要求。時間的に逆転が厳しい状況に立たされた法大は、なんとか同点で終えるために石川雄貴(経2)を投入しオールマンツーマンDFから速攻を狙おうと試みる。しかし、石川が出場直後にファールで退場を告げられてしまい、その間に追加点を許し試合終了。28-32で敗北した。
前半を良い形で終えられただけに、痛い敗戦を喫した法大。春季リーグの残り2試合、この試合を見た相手が坂野にマークが付けてくる可能性は高く、残りの5人でどのように戦っていくかが重要になってくるだろう。次戦の相手は国士大。前半のような法大らしいプレーを出すことができれば負けることはないはずだ。今日新たに見えた課題を克服し、次戦こそ勝ちにいってもらいたい。(山崎美香)
コメント
佐藤浩監督
ー今日の試合を振り返って
前半からエースである#2の堤にマンツーに付くようにして、予定通り差がついたので前半は狙い通りの試合展開を作れて良かったと思います。前半は特に言うことはないですけれども、後半は逆にうちの坂野にマンツー付くだろうとは言っていて、実際に予想通り相手がマンツーを付けてきたとき、そこでの対応力がなかったというところが勝敗につながったのだと思います。
ー昨日の試合では弱気なプレーが課題に挙がりましたが今日の試合はその点いかがでしたか
前半は良かったと思います。しかし坂野がマンツー付かれた後、他人任せになっていたり、ひとりひとりがバラバラに動いていて、ひとりが行くんですけれども連携するための助けが来ないといったところが作戦ミスというか、練習不足で攻めきれなかったと思います。
ー後半退場者が多い印象でしたが、タイムアウトの際にはどのようなことを話されましたか
基本的には退場になってしまったのはしょうがないので、その後の時間の使い方や早打ちしないこと、DFでは中を守ってサイド勝負していこうと話しました。しかし、せっかくサイド勝負に持っていったのに明大に決められてしまったのは、狙い通りだったけれども踏ん張れなかったところだと思います。
ー今日良かった点はありますか
前半だけになってしまうんですけれども、リードした点です。坂野を中心に全員がそこは強気で狙っていくというところが、法政らしいプレーができていたのは良かったと思います。
ー終盤石川選手を起用された意図は
時間的に逆転するのも難しく少なくとも同点に持っていくために、オールマンツーマンをしてそこからすぐ速攻に持っていくという形にせざるを得なかったので、DFで高い位置で守れる石川を投入しました。
ー昨日の試合に引き続き立野選手が中盤に出場されていましたが
相手が退場者を出したとき5人になるとサイド勝負になりやすく、左利きがいるということが必要だったのでそのような時間帯は出しました。
ー竹内光春選手(経4)について
本来ならば左利きの選手に変えたいのですが後半は変わりづらい方のサイドになってしまったので、そのままサイドにいって攻めていきました。彼はDFの方が良い選手ですので、DF専門で攻撃のときは変わると。後半は変わりづらい方で、そこで変わってしまうと逆にうちがフリーになってしまうので下げました。
ー次戦に向けて
国士舘大は勝てない相手ではないので、しっかりと自分たちのプレーができるようにしたいと思います。また、今日のプレーを見て坂野対策をしてくると思うので、そこの部分で5人でどういう風にしていくか、出るメンバーも含めしっかり立て直して勝ちに行きたいと思います。
坂野翔也
ー今日の試合を振り返って
相手のエースを徹底マークして5人でDFするというのを今まで練習で取り組んできたのですが、それが前半はしっかりと機能したので自分たちの流れがつくれて良かったと思います。やっぱり後半の入りだったり、大事な場面でシュートミスやパスミスなど法政の悪いところが出てしまったのが敗因だと思います。
ー後半は20失点と大量失点してしまったが
(法大に)退場者が何度か出て人数が少なくなった時に連続失点してしまったり、自分たちが受身になってしまったので相手に流れを持って行かれてしまいました。
ー坂野選手が明大からマンツーマンマークされ、法大はOFに苦しんでいましたが
そういったことはあまり想定していなかったのでうまく対応できなかったというのはあります。一人ひとりが前を向かないで、横へのパスでつなごうとしてしまい、弱気になっていた部分があったので、もっと前を向いてプレーしていかないといけないです。
ー坂野選手は現在個人得点ランク2位につけていますが(1位は明大・堤由貴選手)、得点へのこだわりはありますか
特にないです。自分の得意なDFから速攻という形に持っていければ、チームも浮上していくと思います。残り2試合は自分も点を取りつつ、周りをもっと生かせるようなプレーをしたいです。
ー国士舘大の対策はありますか
国士舘は高いDFなので早いパス回しだったり、自分たちのDFからの速攻というのをしっかりやれば勝てると思うのでしっかりやっていきたです。
ー次の国士館大戦に向けて
今日の負けで全員がちょっと気持ちも落ちていると思うので、次の練習からは切り替えて、もう一度チームの士気を高めていきたいです。
嶋大介
ー今日の試合を振り返って
チーム全体としては、前半は練習してきたことができて良かったのですが、後半は退場者を出したときに修正が全然できていなかったのでそこが反省点かなと思います。個人としては、ずっと堤選手にマンツーでついていたのですが、やはり所々で半身をずらされてシュートを打たれてしまうという場面があって徹底し切れなかったところがあったなと思います。
ー後半は相手OFに苦戦していましたが
相手からもマンツーマンが来るというのがわかっていたので、それに対する修正能力がしっかりしているなと感じました。法大にブロックをかけて、キーマンとなる選手をうまくフリーにさせる動きというのが相手は全体的にできていました。逆にこっちは同じことをされても修正しきれなかったので、試合中から修正できるようにしていけたらいいのかなと思います。
ー後半は多く退場者を出してしまいましたが
前半の5点のリードというのがあって、点差を縮められたときに焦ってしまいました。それでどんどん消極的なDFになってしまいました。やはりそういう時にこそ思い切ったDFをしたり、声を出したりという基本的なことをやれば良かったです。
ー坂野選手がマンツーにつかれてOFで攻めきれない場面が続いていましたが
やはりキーマンの坂野に対してマンツーが来るというのはある程度は予想できたのですが、それに対してのチーム全体での共通理解というのができていませんでした。残り2試合でも坂野に対する徹底マークというのは予想できるので、しっかり修正してどんなことをされても対応できるようにしていきたいです。
ー相手の堤選手の印象はいかがでしたか
威圧感があるといいますか、自分が点を取るんだという気持ちがマークをついてても感じましたし、周りに対しての指摘やアドバイスというのも試合中に常にしていたので、そのような点は見習うべきなのかなと思います。自分のことだけでなく、周りも見えていてすごいなと思いました。
ー残り2試合を落とすと入れ替え戦というのも考えられますが
(2部に)落ちてしまったら元も子もないので、死ぬ気で勝ちに行きますし、しっかりと対策を立てて1試合1試合を大切に戦っていきたいです。
ー次の国士舘大戦に向けて
今日はシュートを決めきれなかった部分もあるので、そこはしっかり反省して1本1本のシュートを練習からもっと大事にしていきたいです。
フォトギャラリー
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- 春の残り2試合チームを主将として引っ張ってもらいたい
- 果敢に攻め込んでいく渡邉
- タイムアウトで立て直しを図る
- サイドシュートを決めた後の立野
- 本日8点獲得した遠藤
- 好セーブを連発し明大を苦しめた柿崎
- 主にDFで活躍する竹内